【ワインまだ飲んでいないのでぜひ…】死亡した元県民局長の陳述書&音声公開　兵庫・斎藤知事「おねだり」「パワハラ」疑惑めぐる百条委員会で審議

兵庫県の元県民局長の告発によって浮き彫りとなった、斎藤知事のパワハラなどのさまざまな疑惑。19日、それらを調査する百条委員会が開かれました。
（兵庫県の元職員）「『これは許せんな』という思いです。トップとしては、完全欠陥になると思います」
（抗議活動の参加者）「知事の会見は同じことしか言わないので、きちんと説明をしてほしい。現実を知ってほしい。こういうことが行われているのを、知事にみてほしい」
元県民局長の男性が告発文書に記した、知事のパワハラなど7つの疑惑。その真偽を調べる百条委員会に、元県民局長は証人として出席する予定でしたが、7日に死亡。キーパーソンが不在という異例の事態の中、19日を迎えました。
（百条委員会・奥谷謙一委員長）
「本来ならば今日この場で相まみえて、告発文書に託された問いかけの真意をお伺いするところでありました。この悲しみとやりきれない気持ちを、正確にお伝えする言葉を持ち合わせていないことが残念でなりません。痛恨の極みであります」
審議の焦点となったのは、元県民局長が残していた2つの資料。1つは、パワハラ行為などの情報源や日時・場所などが想定問答形式で記された陳述書です。
（元県民局長の陳述書より）
「（Q．知事のパワハラはどのような種類のものでしたか？）施策遂行上の問題といった次元ではなく、『生意気だ』『自分より目立った』といった知事個人にとっての不都合・不満が原因となった、叱責・罵倒である。令和4年9月ごろ、新聞記事を見て叱責。令和5年10月ごろ、悪臭問題が議題になった際に『こんな話を今聞かされるのか』と激怒」
　“おねだり疑惑”についても…
（元県民局長の陳述書より）
「西播磨地域づくり懇話会の席上で、ワインが話題になったときに『まだ飲んでいないので…またお願いします』と催促の発言」
この発言に関して、元県民局長は音声データも残していて、19日、委員会の場で公開されました。
（斎藤知事の発言とみられる音声）
「ワインちょっとまだ私、飲んでいないので、ぜひまた…。この間、イチゴ・じゃこ・塩はあれですけど、折りを見てよろしくお願いします」
　音声には、過去に受け取りがあったことを示唆するような発言も残されていました。これはおととし11月、知事が上郡町での会合に出席した際の関係者とのやり取りとみられています。
ABCテレビでは17日、その場にいた兵庫・上郡町の梅田修作町長を直撃取材。その際「コメントは差し控える」としていましたが、19日、改めて会見を開き、音声は知事のものと認め、実際に2本のワインを渡した事も明かしました。
（兵庫・上郡町　梅田修作町長）
「町として、新しい特産品ができたので知事にぜひそのことを知っていただきたいという思いで、前々から機会があればお渡ししたいと考えていた。発言を”おねだり”とは感じ取っていなかったが、トップ・兵庫県知事が公の会議の場で発言されたのは重い。それに多少影響されて町長としてもワインを用意した。（Qイチゴや塩は？）そのようなものについて　上郡町は関与していないし、渡した記憶もない」
一方、知事も18日までは「記憶がない」などと話していましたが…
（兵庫県・斎藤元彦知事）
「（Q音声聞いたと思うが知事で間違いない？）私の方から、ワインについて私も飲んでいないのでおりをみて飲むなり、現場を見ることの趣旨も含めて言った。町長がその後持って来てくれたので、私もそこで味合わせて頂くことが仕事として、産業振興の一環で大事なことですから、飲ませていただいた」
「（Q続投ということに変わりはない？）応援を心からして頂いている方もいるので、その声に感謝しながら、しっかり県政を前に進めていくことが私の責任」
百条委員会では、元県民局長が残したこの音声データや陳述書を今後の調査の資料として取り扱う事を決定。また今後、県の職員を対象にアンケートを行い、8月下旬から証人尋問を始めるということです。
（百条委員会・奥谷謙一委員長）
「証言等々することは、大変勇気がいることだと思います。その点については、特別調査委としても最大限、証人となってくれる県職員たちを守りたいと思いますし、心理的負担の軽減についても、最大限努めてまいりたい」