Home » Announcers » 女子アナ » 【感動☆厳選5本総集編】マルチリンガルであることを隠して無能平社員を演じる俺。ある日、美人上司の重要な商談で英訳した資料が見られない!→俺が代わりに説明したら…【いい話・泣ける話・感動する話・朗読】

【感動☆厳選5本総集編】マルチリンガルであることを隠して無能平社員を演じる俺。ある日、美人上司の重要な商談で英訳した資料が見られない!→俺が代わりに説明したら…【いい話・泣ける話・感動する話・朗読】

by ANNAPOST



【感動☆厳選5本総集編】マルチリンガルであることを隠して無能平社員を演じる俺。ある日、美人上司の重要な商談で英訳した資料が見られない!→俺が代わりに説明したら…【いい話・泣ける話・感動する話・朗読】

#朗読 #嗚呼、感動の珍生‼︎
ぜひチャンネル登録をお願いします !

https://www.youtube.com/channel/UCMH96874EGFotVuktc04ozw

※登場する人物は仮名です。実在する人物とは一切関係ありません。
※ストーリーの流用や、再編集したものなどを含め、無断転載は固く禁じております。
※このストーリーはフィクションです

▼音楽・効果音▼
YouTubeオーディオ

▼イラスト▼
本動画で使用しているストーリーは「嗚呼!感動の珍生‼︎」がクリエイター様に製作依頼をし、作品は契約・法律によって保護されています。
許可のない2次利用・転載等は御控えいただきますようお願いいたします。

★感動しましたら、高評価ボタンやチャンネル登録のクリックをお願いします!
コメントなども是非よろしくお願いします!

[音楽] え嘘でしょちゃんとバックにしまったはず なのにあの資料が ないあのどうされました か私が約した資料がないんですこの相談で 使うはずのものだったもの がそ そんなどうしようこれじゃあにならないわ 私内容を全部覚えているわけじゃないし どうやって話をしたらいいかわからない はあどうしようどう しようじゃあ私が代わりに話を進めますえ でもそんなことできるんですかあなた英語 とか話せないん じゃまいいから見てて ください 俺の名前は市川 つ30歳の男性会社員 だ俺は会社の中で唯一の高卒だったので 部長からとことん嫌われてい た部長は有名大学を出ている人間こそが 偉いと思っているので高卒の俺のことが 大嫌いなん だろう別にに行ってなくても特技がある人 だって いるだから部長みたいに学歴市場主義な 人間を見るとなんだか残念な気分になるの だ確かに彼の出ている経大学は波大抵の 努力では入れないことが 分かるだがそれを立て に学歴のない人間を音更見下すのはどうな んだろうか 市川お前この資料なんか読みにくくねなん でこんなシンプルなんだ よその資料先方さんがシンプルなものがお 好きだと言っておられたのであえて シンプルにしたんですあまりごちゃごちゃ したものはどうも読みづらいみたいでし てだからって赤と青だけでパワポ作るとか なめてんのパワポっていうのはもっと カラフルにしておくべきなんだよお前は 基礎的なパソコンの使い方もなってねえな 俺ら大卒は大学の時にワードやパワポを嫌 というほど使ってきたけど高卒のお前は 使う機会なかったからこんなしょぼい スライドしか作れねえん だろいつからやり直しだ やり直しえでもシンプルがいいと言われた のでそうしたまでですしまた作り直しても シンプルなものが出来上がるだけだと思い ます よ相手のことなんてどうでもいいんだよ もっと俺に配慮して見やすくてカラフルな ものを作れこれだから無能のくせに いちいち突っかかってくる人間は嫌いなん

だ よはあ分かりまし た部長はパワーポイントはカラフルなもの が絶対的にいいと信じているよう だその猛進ぶりはあまりにも すごいもう彼の言うことに従うしかないな と思ったので俺はもう諦めてシンプルな ものでなくカラフルなものを作成すること にし たその日から俺は言われたことをこなす だけのつまらない人間になっ たはいと言って言われたタスクをこなして おけば怒鳴られないし何も起き ない俺の中に何かモヤモヤしたものがあっ てもそれは自分で処理すればいいだけの話 だ家に帰って1本のビールを飲んでお つまみを食べて嫌なことを 忘れるそうしているうちに俺はだんだん 元気がなくなってき た一体何のために働いているのか時々 見失いそうに なる何もやりがいなんてないし俺なんてい てもいなくても変わら ない いや俺がいなくなった方がみんなのために なるんじゃないかなと思うこともあっ た俺が会社で元気なくしょんぼりしながら つまらない仕事をしていたら美人上司の 和田さんから声をかけられ た田さんみたいな美人で仕事ができる人間 が俺のことを気にかけてくれたのが素直に 嬉しかっ た市川さん最近 なんだか元気がないわよ顔色だって悪いし あまり眠れてないんじゃないです か えいやまあそうですね色々考えていたら 眠れなくなることもあります ねでも気にしないでください私なら大丈夫 です から本当ですかでも心配 ですあのランチ一緒にどうですかこの辺に 美味しい定食屋さんができたのをご 存知いいえ定食屋なんてありましたっ け小さいけれどとても美味しい花丸食堂 ってとこができたんですそこに行って 美味しいもの食べて元気出しましょうあ はい和田さんは俺をランチに誘ってくれ た俺は女性にランチに誘われるなんて 初めてだったので浮かれてしまっ たその様子を見ていた武将は面白くなさ そう だなんで自分ではなく高卒で底辺の俺 なんかが美人に誘われているんだと思って いるに違い

ないその証拠に部長の顔は真っ赤になって いて俺をきろっと睨みつけてい た部長は美人には甘く車内ではいつも美人 の女性には優しくしてい たそうでもないと言ったら失礼だけど普通 の用紙をしている女子社員には当たりが 厳しいまあ俺が最も厳しく当たられている 人間だと思う がて俺は和田さんと共に花丸食堂にやって き た女性店主が営んでいるお店で小さい ながらもメニューは豊富 だ店主はいつか旦那さんと一緒にお店を 開きたかった らしいだけど旦那さんが若くして癌に犯さ れてしまって開されたので彼の意志を継ぐ ために彼女はお店を開いたそうだ その話を聞いて俺はなんだか泣きそうに なっ た目の前がかんで見えるのは気のせいでは ないきっと俺の涙が邪魔しているんだと 思っ た和田さんと一緒にキネうどん定食を食べ たらなんだか身心心もあったまった気がし たちょうど肌寒くなってきた時期なので 温かいうどんが身に しみる出汁がとても美味しかったので俺は 全部飲み干し たどうですか少しは元気出ました かはいありがとうござい ますとても美味しかったですし元気になり まし たじゃあまた一緒に来ましょうねえは はい和田さんにこんなことを言われて しまったので俺は裏返った声で返事して しまっ たこんなに美人で優しい人とまたランチ できるなんて 嬉しいそれだけでも会社に行く価値がある と思え たそれから和田さんはとある企業との重要 な相談を任されてい たアメリカの企業のユナイテッドワールド という会社との取引で ある和田さんは英文化を出ている し英語が得意だと聞いていたのできっと 外資系の会社との取引を任されたんだろう なと思っ た和田さんは自分から力を工事したり誰か に自慢をしたりするような人ではないが 車内では和田さんは英語がとてもできると 噂されてい た俺は興味本で和田さんにどのくらい英語 ができるのか聞いてみ たできるって言っても私は留学経験とか

ないから発音なんてめちゃくちゃなんです よトイックでは850点取りましたけど ライティングとリスニングだけの試験だっ た から留学なしでその点数はかなりすごいん じゃないですか和田さんさすが頭がいい だけあります ね嫌だわ褒めても何にも出ません よみんな私のこと課題評価しすぎなん です私そこまで出来のいい人間ではないの にそんなことないですよユナイテッド ワールドの談を任されているんですから上 からも信頼されてい るってことですよああ俺みたいなしっが偉 そうにすみませ んいえいえそんなことないです褒めて くださってありがとうござい ます和田さんは上司だけれど全然選ぶった ところがないしとても謙遜しているので 素敵だなと思っ たどこのふんぞり返っている男とは で あるそのふんぞり返った男すなわち部長は ま俺と和田さんは同レベルだからななんて 言っていた和田さんだってこんな嫌み たらしい人間と道人だと思われたくない だろう部長は和田さんをひきしていたので 俺が和田さんと話すたに舌打ちしてい た田さんは以上そして俺はただの平社員な のだが平が勝手に話しかけてんじゃねえと 思われていたに違い ないそれから和田さんは毎日徹夜して資料 を作ってい たユナイテッドワールドの相談は英語で 行う らしいだから資料をまず日本語で作って約 していたよう だ日本語の方は日本人社員に渡す らしいそして英語の方はアメリカ人の マイケルさんに渡すとのことだっ た商談は日本人の長野さんとアメリカ人の マイケルさんとそれから和田さんで 行うだが和田さんは俺にもついてきて 欲しいと言ってき たなんで俺と思ったが和田さんが市川さん がいると落ち着くからなんて言ってくれた ので俺は行くことにし たもしかして和田さんは俺のことが好きな んじゃなかろう かそう思うたびに胸がドキドキして息が できなくなる感覚に 陥る俺は和田さんのことを考えながらいつ もときめいてい た家に帰ってもずと頭の中は和田さんで いっぱい

だ和田さんは俺のことを本当はどう思って いるんだろう か俺のこと男性として見てくれているから あんな風に言ったんだろうかとか考えてい たら眠れなく なる朝になっても眠れず俺は寝不足のまま 会社に行くこともあっ た熊がひどすぎてなんだか年寄りみたいに 思える女の人だったら化粧で隠せるのに男 だからなあと思っ た最近は男性でも化粧をするようだけれど 俺みたいな人間が化粧をしたって気持ち 悪いだけ だだって俺の顔は結構な不細工で化粧し たら何勘違いしてんのとか言われそうだ からで あるイケメンに生まれなかったことを呪っ たが呪っても仕方ないのでゾンビみたいな 顔で会社に行っ たそして翌日はとうとユナイテッド ワールドとの相談の日だっ た朝から和田さんは忙しくしており資料の 仕上げを行ってい たよしスペルミスなしこれで完璧 ね和田さんおはようございます朝からお 疲れ様 ですあら市川さんあなたも早いんですね 今日は相談だから早く来たんです かえまあそうですねあの一応私にも資料を 見せてもらっていいですかただ座ってるだ けっていうのもなんだかおかしいですし ああ そうですよね私ったらうっかりしていて すみませんなかなか作るのに手間取ってい て手渡すの忘れてまし たていうか先ほどスペルミスを直して印刷 したんですけどね あうっかり屋さんだから後でミスに気づく んです よまあ人間誰だってミスはありますし朝に 気づけたんだからいいと思いますあ資料 ありがとうござい ます今回の相談がうまくいけば10億の 売上につながるんですだから頑張らないと です ねはい応援してます ね俺は和田さんと共にそれからしばらくし て会社を出た俺みたいな人間を連れていっ てくれるだけ ありがたい俺もユナイテッドワールドは どんな会社なのか気になっていたので 楽しみにしていたの だそして社用者に乗って15分運転した ところでユナイテッドワールド日本死者に 着い

たビルはめちゃんこでかくて中行感が あるなんだか圧倒されそうなくらい でかかっ たここがユナイテッドワールド かですから優秀な人が多いんでしょうね ええそうですねここに入れる日本人は私 なんかより英語がもっとうくて海外経験も 豊富でそして工学歴じゃないと入れないっ て聞きました例えばT大学と かえあの天下のT大学ですか和田さんでも 入れそうな気がしますけどね 実は受けたことがあるんですけど落ちたん ですやっぱ女子大卒じゃだめですか ねそんなことないと思いますあもう時間だ し行き ましょう和田さんは大学4年の時にこの 会社を受けていたそう だだがT大学だとか京都の国立系大学とか 大阪の大大学やらの人間ばっかりだったし なんとハーバードの人間までいた らしいわさんは私立の女子大卒なのでその 時点でダメだったのかもと言ってい たでも大学に行ってない俺からしたら女子 代でも出ているだけすごいと思う田さんは 留学もしていないのにホイックで高徳点を 叩き出していたので頭はいい方 だろう 中に入って案内された部屋に入ると日本人 男性の長野さんとアメリカ人男性の マイケルさんがい たどうぞおかけくださいあれそちらの方は どなたです か弊社の営業部の市川 です初めまして市川と申します今日は勉強 させてもらいに来ました ああね社会見学のつもりかなまあいいよ 座って どうぞちょっと嫌だなと思ったがその予感 はっていただってのけから長野さんは学歴 を聞いてきたから だところで市川さんはどこの大学を出て おられるんです か私は大学に行っていないのです高卒です 高卒ハイスクールで終わりかいオーマイ ガー んマイケルさんはあまり日本語が分かって いないので俺たちの会話についていけて ない様子だっ た高卒がこんなところ来たらだめでしょう ま社会見学して小学校からやり直していつ か大学に行けるといいですね市川さんあ はあでどこの高校を出たんです かA高校 ですえあのA高校って名前を感じで書けれ ば入れるような学校だろうそんな学校を出

たなんて恥ずかしくないんですかまあ 恥ずかしいと思ってないから大学にも行け てないんでしょうけど ね え はあ中野さんがあまりにも失礼なので 返す言葉を失ってしまった横に座っていた 和田さんを見ると彼女はちょっと怒って いる様子だっ た自分のことを馬鹿にされたわけじゃない のに怒ってくれることに対してちょっと 嬉しく思っ たそれから相談を始めることにした長野 さんも英語が堪能らしいのでここからは 英語で行う念のため和田さんが日本語で 作った資料を長野さんに手渡してい たそれから約した資料をわさんが 取り出そうとしていたのだがなんだか焦っ て いる尋常じゃない焦り用だったので びっくりしてしまっ たへ嘘でしょちゃんとバックにしまった はずなのにあの資料が ないあのどうされましたか私が約した資料 がないんですこの談ではずのものだった もの がそ そんなどうしようこれじゃあ相談になら ないわ私内容全部覚えているわけじゃない しどうやって話をしたらいいかわからない ああどうしようどう しようじゃあ私が代わりに話を進めますえ でもそんなことできるんですですかあなた 英語とか話せないん じゃまあいいから見てて くださいおいおいあなたは高卒でしょう あなたが代わりに説明なんてできるんです かはいできますその資料の内容も全部頭に 入ってますし英語で説明させていただき ます 本当かなどうせカタカナ英語だろうI canspeEnglishとかのレベル だったら許しません よはい満足いただけない場合はクレームを 入れていただいて結構 ですちょちょっと市川さんそんなこと言っ て大丈夫なんですか本当に任せちゃって いいんですかええ大丈夫です では始めましょう かそして俺は英語で説明を始め た俺の口からは淀みない英語が流れ出て くるまるで何かのメロディーを紡いでいる かのよう だ自分でも英語を話している時はいい声を していると思って

いる外国語を話す人間にしかわからないが 言語によってへの音が変わることはまあ ある俺の場合英語を話すとちょっと ダンディーな感じになるの だだからか知らないが和田さんはちょっと うっとりしてい たそしてマイケルさんは簡単の声をあげて い たワオ アメイジングなんだこれは一体何がどう ビューティフル グレート発音が良すぎてそっちに気を取ら れて内容が逆に頭に入ってこない集中しろ 俺長野さんは俺の英語の発音があまりにも 綺麗なのでそれに気を取られて内容が頭に 入っていないようだっ た日本語で書かれた資料を見ながら全部の 内容を俺が噛み砕いてしていることが ようやく分かったよう だ確かにここに書かれている内容を全て 話しているしかももっと分かりやすい説明 でなんてこったこいつ何者なん だ素晴らしい素晴らしい フルーエントマイケルさんは片言の日本語 で俺の説明を褒めてくれていた そして俺の話は終わったマイケルさんは俺 の両手をガシっと手に取ってそれから握手 してぶんぶん振ってくれ た内容がとても分かりやすかったし俺なら 我が者にもメリットが十分にあるとまで 言ってくれ た長野さんは気が抜けたようになっていて 俺が説明したことがなんだか夢のように思 た らしいまだぼーっとしている様子であっ たどうでしたか内容にご満足いただけまし たでしょうかあ ああさっきは見下したりして済まなかった あなたは一体どこでその流暢な英語を身に つけられたんです か ああ英語は母国語みたいなものですから 話せて当然なのです え私アメリカで生まれたんです日本人の父 と韓国系アメリカ人の母の間に生まれまし ただから英語も日本語も韓国語も話せます ななんだっ てそれから幼少期に父の仕事の都合で イランにも住んでましたからペルシャ後も 話せますでも政治が不安定になったので ペルシャから日本に逃げようってことに なったん ですそうだったんですねじゃあ市川さんは ハーフだったんです ねまあ日本と韓国系のハーフではあります

がどっちも東アジアなんで見た目では 分からないですよねそれに明子は父の市川 ですし完全に日本人だと思われても 当たり前かと一応ミドルネームはあります よマイケル です マイケル俺はマイケルさんに自分のミドル ネームがマイケルだということを英語で 説明し たマイケルさんはニコっと笑ってくれ た俺は見た目は一般的な日本人と変わり ないし名前だって日本名 だだからずっと日本人として暮らしてき た国籍を選択する時になってアメリカか 日本かどっちにしようかと悩んだけれど これから日本でずっと暮らすなら日本の方 がいいと思っ たそれで俺は日本国籍の日本人となったの だでもなんで最初にアメリカ育ちってこと を言わなかったんです か言ったら面白くないじゃないですか野 さんに認めてもらえるかどうか試したかっ たんですすみません えいやこちらこそ馬鹿にしてすみませんで もこれだけ聞かせてくださいどうして そんなに語学堪能なのに大学に行けなかっ たんです かそれには理由があるん ですあのそれを話していただけません か実は それから俺は身の上話をし た俺が中学の頃アメリカからイランに住む ことになっ た父がイランで授業を開始するからだっ た俺たち一家は住み慣れたアメリカを去っ てイランのテヘランに移りすん だ初めてのイランは何もかも新鮮で俺は ワクワクし ただけけど俺はペルシャ語なんて全くでき ない家では英語そしてたまに日本語と韓国 語を話していたのだがペルシャ語は全くと 言っていいほどできなかったので現地の 学校に放り込まれた時辛い思いをし た外国人の俺にとって異国の地で全く 分からない言語で授業を受けることは拷問 に近かっ た全然わからないにずっと椅子に座ってい なければならないそして友達からからかわ れても俺は何も言い返すことができず 悔しい思いをしてい ただが1人だけ俺を助けてくれる友達がい たその友達はハサン君と言って俺が日本人 のハフであることに興味を持って近づいて くれ たイランでは日本ドラマのおしなどが大

流行したそう だそれから日本のサブカルチャーも ちょっとずつ入るようになって子供や若者 の間では日本は憧れの国になっていた らしい俺はハサン君と共に毎日サッカーを して遊んでい たハサン君の家でおやつを食べていた ところおばさんが飛んでやってきた おばさんはうちの父が倒れたと言って 大騒ぎで あるはさん君のおかげでペルシャ語が 分かるようになっていた俺はびっくりして しまっ た俺の父が倒れたってどういうことだと 思ってつったったままお菓子を床に落とし たおばさんが俺を病院まで連れて行って くれたのだがその間の記憶なんてほとんど ない ただ父の無事を祈っていただけだと 思う病院についたら父が帰らぬ人になって い たまだ40代の若さで濃厚束になって しまっていたの だ母は泣き崩れずっと韓国語で凶暴と叫ん でい たは韓国語で人に対して使う故障みたいな ものでうちでは母が常に父に対して呼ぼと 言ってい た母はそれから英語日本語を混ぜて父に 話しかけてい ただが父は全く反応し ないだってもう父は泣きもなのだ から俺はショックすぎて 泣くこともできなかっ たそれから俺と母はアメリカに戻ることに し ただがここでも悲劇が起き た母は韓国から容姿に出されアメリカで 容子園組みされた人だっ た育ての親も韓国系アメリカ人だったのだ が大変くれたよう だその母が不法入国だと言われて警察に 連れて行かれてしまったの だ後から知ったのだが他国から用しに来た 子供が元の国に戻されることは結構ある らしい育ての親がきちんとした手続きをし ていなかったから母は不法に入国した 外国人扱いになっていたよう だ おんお行かない でつばごめんねごめんね母さんは韓国に 戻されるけどあんたは強く生きてね嫌だよ ほんま行かない でもう会えなくなるけど許してね日本に 帰るんだ

よ俺はそうして1人没になった 母の育ての親も俺を引き取ってくれなかっ た優しいグランマだと思っていたのに あんたなんか面倒見たくないと言われて 大変ショックだっ た日本から父方の祖父母が迎えに来てくれ て俺を引き取ってくれることになっ た父を病気で 失い母もいなくなって 俺はもう耐えきれなかっ た日本に向かう飛行機の中でもう俺は2度 とアメリカに住めないんだと思っ たそれから日本の学校には馴染めずにい た家庭では簡単な日本語を話していただけ なので授業にはほぼついていけ ない俺はなんて全く読めなかったし国語が 特に苦痛だっ た本当に書いてあることが分からなくて 意味不明で あるペルシャ語もすぐ身につけられたから 日本語もそのうち何度かなるだろうと思っ ただって俺は半分日本人なのだ からだが英語の授業では俺がネイティブな 発音をするのでみんなから嫌われ た同調圧力のある日本では目立つことはし てはいけないんだと分かっ たそれから俺は英語ができることも封印し たクラスのみんなは俺が帰国市場でハーフ であることも知られていたがだからこそ あいつ英語得意なの自慢してるよななんて 言われて 辛い別に自慢してるつもりもないし俺に とっては国語同然なのだからそんなこと 言わなくてもいいじゃないかと思っ たハサン君のように仲良くしてくれる友達 ができたわけでもなかったので俺の日本語 は下手なままだっ たそうして中になって受験をすることに なったのだ が俺の学力は壊滅的なので受けられる高校 は限られて いる祖父母はもう高齢だし私立なんて選択 はなかっ たそこで俺は底辺で有名なA高校にしたの だここなら日本語が怪しい俺でも入れると 思ったからで ある校に入ってからは打って変わって友達 もできて明るくなっ たそうして日本語力もつけたので生活には 困らないようになっ ただが大学進学したいなんて祖父母には 言え ないただでさえ息子をなくして息沈して いるのに孫の大学のことで悩ませたく なかっ

ただから俺は卒でことにしたの だこんな話をみんなの前でしたら全員泣い てい た俺の人生は確かに波乱万丈だったと 思う今までマルチリンガルなのを隠してい たのはもうこれ以上傷つきたくなかった から だ日本で行けるなら日本語だけでいいとも 思えたしまた誰かにからかわれるのは ごめんで ある俺はその辺にいるいって普通な日本人 として暮らしてき ただがその人生は自分でもドラマになるん じゃないかと思えるくらい だあなたのこと悪く言ってすみませんでし た大変な苦労をされてきたんです ねまあこんな人生を歩んでいる人はそうい ないと思い ます私はそれでも日本に来られてよかった と思って ますだって大事に祖父母が育ててくれまし た からだから高卒で働いて恩返ししようと 思ったん ですそうでした か事情も知らないのに偉そうにして申し訳 ない私は大変な馬鹿者ですね石川さんの お父様もきっと天国で見守ってくれている と思います よそうだと嬉しい ですそういえばお母様とは連絡が取れない のですかこんなこと聞いて申し訳ないの ですが え母は韓国のどこかにいると思うんですが 全く居場所が分からず そんなでもまたどこかで会えるといいなと 思って ます結局俺の話の方が長くなってしまった が相談は成功に終わっ た俺が成功させたことを知った部長は俺の ことをさらに毛嫌いして癒的な態度を取っ てき たそして俺のことを罵倒したのでついに 社長からお叱りを受けたよう だあまりにも態度がでかく他人に対して嫌 な発言ばかりするので他の社員からも クレーム殺と らしいしかも女子社員からは変なことをさ れると言われているそうでついに解雇との こと だ俺はこの武将が消えてくれるならババ歳 だと思ってしまっ た彼にはまだ家のローもあるらしいが そんなことはどうだって いいこれから奥さんに逃げられるんだろう

なと思って俺は心の中でにやりと笑って しまっ たそれからある日仕事をしていると マイケルさんから電話がかかってき たマイケルさんは韓国に出張に行っていた らしいそしてとある女性に出会ったと言っ てい たその女性の名前はアリスで韓国で生まれ てアメリカで育ったとのことだっ た俺の母の名前もアリスなので母ではない かと思っ たマイケルさんは韓国の会社の通訳として 働く女性がアメリカ人みたいな名前をして いたので興味を持った らしいそして俺の話を聞いてもしやと思っ たよう だ俺はマイケルさんに教えてもらった連絡 先に電話してみ た懐かしい韓国語が流れて くる もしもし俺翼だよもしかして本当にオマな のつ本当に翼なのねそうよ おだよ ああやっと話せたオマは元気にしてる そっちはどう韓国はもう寒いでしょう ああとても寒いけど大丈夫だよつばこそ 風邪引かないようにしてね日本の建物って 寒いん だろそうだねなんか夏向きだから冬は そびえするね あああんたを置いていってごめんねでも 警察に逆らえなくて私はずっとあんたの ことを心配していたんだよあれからどこに 行ったかも分からなく てそっか俺はじいちゃんたちに引き取って もらえたんだだから安心して ねそう お父さんの実家の住所を覚えてなくて手紙 も出せなかったんだ よああごめんね つばさ母は英語も堪能なので韓国企業で 長年通訳として働いていたよう だ俺と別れてから悲しみをこえて働いてい たとのことで あるそれから俺は韓国に和田さんと出張に 行くことになっ た和田さんと2人で韓国の会社のコリアン フーズに行くことになっているがそこは母 が働いているところ だ俺はコリアンフーズに入って母と感動の 再開を果たし た ああ つばさこんなに大きくなってまたあえて 嬉しいよ俺もだよおま俺は日本で元気に

やってるから安心して ねあんた日本語前よりうくなったんじゃ ないスラスラ話してる ねうん高校の時に友達がたくさんできた から教えてもらえたし自然に身についたん だいらんでもお友達にペルシャ語を習って たもんね あんたはやっぱり頭のいい子だ よそっちはあんたの彼女さんかなえ違うよ 上司の和田さんだ よあにはせよ私は彼の彼女であり上司の技 です え へえ美人な上司と付き合っているんだねや だ美人なんてますよ お母様とてもいい人じゃないのつあんたも やるわねだからそういうのじゃないっ て俺たちは韓国語を混ぜた英語で話してい たのだが和田さんが勝手に自分は彼女だと 言い出して面食らってしまっ たやっぱり俺のことが好きなんだろう か持てない人生を歩んできた俺にとっては 嬉しいサプライズだがドキドキしすぎて 仕事どころではなくなっ たそして母のいるコリアンフーズでの相談 もうまくいっ た俺たちはそれから母の案内でヨドなどを 観光し た和田さんは韓国コスメを買い漁ってい たそして母は俺たちにお土産を持たせて くれ た本当にこんな再会ってあるのかなと思っ た日本に帰国してから俺と和田さんは交際 を始め た俺も男を見せようと思って告白したので あるわださんはずっと前から好きだったん ですよなんて言ってくれ た俺のどこに惚れたのか聞いたら真面目で 誠実なところと言ってくれたのが素直に 嬉しかった 俺は確かにコツコツ何でもやる方 だどんなにつまらない仕事でも責任感を 持ってやってき ただからそこを評価してもらえて ありがたい俺の名前はあら中卒の20代 男性 だ今から俺の過去とそれからこの間あった ことを話そうと 思う俺は実家がとても貧乏だっ た両親はどちらも健康とは言いがく病気 がちで常に仕事を休んでいたので手取りは 少なかっ たしかも2人ともアルバイトだったので 極貧と言った方がいいかもしれ ないうちには2人の弟もいたので親が

バイトだとどうしても食べていくのが大変 だっ たたまにご近所さんにお米を分けてもらっ たりしていたがその時はとても惨めな思い になったもので あるみんなの家はお米なんてもらわなくて も生活していけるのになんでこんなに貧乏 なんだろうと思っ たそこまで貧乏なんだったら俺をらなきゃ よかったのにと思った がそんなこと言ったって無駄で あるもう生まれてしまったのだから俺たち は必死に生きていかなければならないし はいってても食べるために働かないとダメ なの だそういうわけで中学時代なんて散々だっ たクラスでも金持ちな男子のこから馬鹿に されずっとからかわれてい た彼の家は父親が照射勤務で大変儲かって いる らしいなぜ中学が効率なのかと言うと彼は 帰国市場でそれまで海外の小学校にいた からだだから英語の時間なんて英語が得意 なことを見せつけるかのように発音して おり生生なやつだと思っ ただがこには勉強でも運動でも叶わ ないこいつは頭が良くて英語以外の強化も 全部得意だしその上サッカーもうまくて 女子からちやほやされてい ただからクラスでも美人で学校でもまどな と評判のミレイさんもこのことを見 てめくだっ たミレイさんはちょっとお姉さんな感じで どんな男子が好きだとか聞いたことは ない他の女子みたいに恋花をして 盛り上がっているところを見たところが ないのでちょっとクールだなと思ってい たこはそんなミレイさんに対して行為を 持っていたようだが自分から告白する なんて嫌だと思っていたよう だ女の子は全員俺に言いよってきて 当たり前という態度だったのだがそれも いすかなくて嫌いだすかした野郎だと思っ てこのことを心の中で罵倒し たこはそれ以上に俺のことを罵倒して常に 貧乏人とか底辺と呼んでいたからだあれれ その制服ほれてるけど直さないのかまあ 底辺は新しいものなんて買えないんだろう なだって親がどっちもバイトらしいし俺 だったらすぐに新品を買ってもらえるけど あらの家は穴が開いても服を切るん だろうみじめだ なあ全く底辺の生活ってのはだから何それ でこに迷惑かけてるわけじゃないしどうで もいいから放っておいてくれるか

なお前さ底辺の貧乏人の癖して誰にそんな 生きな口聞いてんだ よこっちはエリート勝者マンの息子だぞ お前みたいなド貧乏の土底辺にそんな風に 言われたくねえよでもすごいのは父親で あって こうじゃないじゃん自分だってまだ中学生 で何も稼いでないくせにまるで虎の胃を 狩る狐みたいだねださ はあなんだってお前もう1ぺ言って みろてめえの親なんてどっちも見た目が 貧乏だしいかにも不潔じゃねえか不労者 みたいななりしてるくせ に お前くせんだよ風呂にも入れてないんじゃ ない かお前が住んでるあのボロいアパートって 風呂もついてなさそうだ な貧乏人は最低限の文化的生活ってのも 遅れないのかこりゃ傑作 だもういい俺は 帰るは俺の服がほれているからと言って 絡んできたのだが鬱陶しいことこの上 なかっ た自分は家が金持ちだからすぐに新しい ものを買ってもらえると言っていたがそれ はまあ正解 だこいつはちょっとでも使えなくなった ものとかいらないと判断したものをすぐに 学校のゴミ箱に捨てて いる俺からしたらまだまだ使えるゴとかを 平気で捨てていたのでなんだかもったい ないことをするなと思ってい たある日こはその辺にまた消しゴムを捨て てい たそれは半分以上残っていたので俺はそれ をそっと拾ったのだそうしたらこはそれを 見てゲラゲラ笑ってい たおやおやついにを拾うことをし始めたか これじゃあまるでホームレスだなまああら っていかにも貧乏人だし将来はホームレス 真しぐだろう よその消しゴム恵んでやるよあだったら この食べかけの弁当も食う かお前いつも握り飯1個だけ だろどうせまともに米すら買えないだろう な俺の家の米は最上級のものだ けどよせよなんでそんな意地悪なこと ばっかり言うんだこお前どうかしてる ぞてめえあらの味方するのかよ俺のこと誰 だと思って やがるエリートの息子だ ぞそして俺だって将来エリートになるんだ 黙ってろよ俺は黙ら ないお前みたいな意地悪をする人間は

大嫌い だたえ成績が良くてスポーツ万能でも尊敬 に値し ないそれだったら人間的にまさっているア を尊敬 するアはいつも掃除だって丁寧にしてるし 花壇の手入れだって率してやってくれてる だレンもういいよレンがターゲットになっ てしまう だろ俺のことなんて庇わなくていい から ふう俺よりこのクを尊敬する ねおもしれえこと言ってくれる じゃんこいつは脳なしの貧乏人だし掃除や 花壇の手入れをするくらいしかやること ないんだ よ勉強もできない上に運動もできないクズ な人間はこの世界に不要 だ俺のような人間こそ世間から必要とされ ているん だお前ら黙っ てろもう いいあらあっちに 行こう俺の味方をしてくれるのはただ1人 クラスのレという男子だっ たこいつは父親が警察官でだからか正義感 が強かっ た弱いもいじめされていたら率先して間に 入っていくし困っている人がいたらすぐに 助けていたレンにはいつも助けられていた ので俺の最悪な中学時代の唯一の光だった の だになって本格的に進路を決める時期に なっ た当然俺は中学を出たらすぐに就職する ことを望ん だ父も母も毎日しんどい思いをしながら 働いているし俺にはまだ下に弟たちが いるそれだったら俺も無理に進学などせず 家のために働こうと思ったのだ みんなが行きたい高校を羅列する中俺だけ が就職希望だっ たこは県内でトップの有名私立男子校に 行くと言ってい たそこは学費も高いことで知られていたし やっぱりこいつは金持ちだったんだなと 感じたレンは頭もいい方だったので県内で 2番目の公立高校に行きたいと言ってい た俺はレにいつも助けられていたから是非 とも受かって欲しいと願っ た受験シーズンになってみんなが高校を 受けている間俺は何もしていなかっ たまあ就職の準備とかそのくらいはやって いたけれど勉強なんて全くと言っていい ほどしなかったの

だそれからこは有名男子校に合格し レも希望通りの高校に合格し た卒業式ではみんな晴れやかな顔をして いるが俺だけ陰鬱な表情をしていたと 思うだってみんなは春から真新しい制服に 身を包んで高校に通うのに俺だけ働きに 出るから だ俺が選んだ道とはいえやっぱり高校に 行って青春したかったなと思うあの可憐な 美玲さんは有名な女子校に通うと誰かから 聞いた彼女も結構頭が良かったから有名で 偏差値の高いところに決まったん だろう俺はそうして卒業式を終えて4月 から働くことになっ た俺は常に職場では呼使われていた まだ若いこともあったし現場の人間から 怒鳴られることもしばしばあっ た社会に出て働くというのはこんなにも 大変なのかと思ったほどで ある初任級をもらう日がやってきたが給与 迷彩を見てびっくり業転してしまっ ただって想像していたよりうんと安かった からである社会保険などもろもろのものが 引かれた後は手取りが10万くらいだった これだったらバイトした方がいいのでは ないかと思ったけれどせっかく決まった正 社員の仕事だったし中卒で最終職は難しい と聞いていたので諦めてそこで頑張ること にし たあれからあっという間に月日が流れた俺 は気づけば歳になっており毎日職場と家の 往復をしていた最近は大変 忙しく寝る時間もあまりないし食べるもの もコンビニで買ってきたものばかりである こんな生活していたらいつか体を壊すん だろうなと思っていたが案外体は丈夫だっ た両親は病気がちだけれど俺はどうしてか 昔から風もあまり引いたことがないしこれ といった大きな病気もしてい ないぼんやりしながら起きてケトルの スイッチを入れてコーヒーを飲む準備を する面倒なので朝はいつもインスタント コーヒー だぼーっとスマホでニュースを読みながら コーヒーを飲んでいると同級生のレから メールが来た レンはどうも今日は批判 らしい彼は父親と同じく警察官になってい た来月に急遽同窓会が決まったんだって俺 はみんながどうなってるか知りたいしもし あも来るなら来てほしい なまあ無理にとは言わないけどできたら 一緒に 行こうそこで俺は変 たまた急だ

ねそれで場所とか日時は決まってる の銀座のまるまるってお店だ よそこのレストランを貸し切ってやる らしい日時はゴールデンウィークの5月第 1週の土曜日だ よ俺はちょうどその日は何も予定がない から行こうと思っ てるそっか俺もその日はこれといった用事 もないから行くことにするよまあレがい なければいかなかったと思う けど嬉しいこと言ってくれる ねまあ俺もあらと会いたいから行くような ものだよあれから忙しくて会ってないから ねじゃあ同窓会で 会おうそうして俺はゴールデンウィークに 同に行くことになっ た店のあかがよくわからなかったので駅で 待ち合わせしてレンと言ったレンは前日 仕事があったらしくちょっと疲れた顔をし ていたけれど昔のおかがあったので一目見 てわかったあれん俺だよ俺あらだよよお 久しぶりじゃん元気してた昨日はなんか 泥酔したおじさんの対処で本当に最悪だっ た わもうその辺に吐いたりされて さ警察官も大変なんだねでも街を守ってる 大事なお仕事だよと言っても俺は キャリア組じゃないしただの交番勤務だ けど な大学落ちてしまった し俺でもすごいよレンは頑張ってるじゃ ない かレンは大学を落ちてそれから高卒枠で 警察官の試験を受けて採用されてい た父親はキャリア組だったそうだがレンが 警察になってくれたことを喜んでいた らしいレンの家は祖父も警察だったし とにかく同じ道をたどってくれたのが 嬉しかったの だろうそれから俺たちは目的の店の前に 着いたとてもおしゃれな外観のお店で女性 が好きそうな感じだ俺にはまだ彼女なんて いないけれど彼女を連れてきたらきっと 喜んでくれるに違いないと思っ た中に入るとすでにみんな集まっていてこ がワイワイ話していた こは俺たちに気づくとにやっと笑ってこう 言ったの だよ大学落ちた落ちこぼれと中卒の底辺の お出まし かなんだよ同窓会でいきなりそんなこと 言わなくてもいいだろうだって本当のこと じゃんお前だってそれなりに頭良かったの に死亡校落ちて残念だったな まあ俺の方がはるかに頭良かったってこと

だ俺はあの有名なダブル大学を出て親父と 同じ勝者マンさまあエリートってわけ よこう見えても俺すでに年収1000万 近くもらってるんだ ぜだから高級マンションにだって 住めるもっともっと年収が上がったら俺は タワマンに住もうと思ってるんだあそう そこの底辺はきっと今も貧乏ぐらしなん だろう ななんだその脱せ服はそんなものしか買え ないのかよ俺は全身ブランドもこれは アマールのもので時計は大だいいだろお前 らには到底買えないものだぜまあエリート はこれくらい身につけてないと なああ そう俺はブランドもとかそこまで興味ない からどうでもいい やまあ好きにして よそうやって強がり言ってろ くずお前なんて底辺として一生生きていく ん だこはその後も分のことをベラベラ話して い たすでに結婚しているらしくいかに奥さん が綺麗で料理上手かとか専業主婦させて やれるほど俺は稼いでいるアピールだっ たでも専業主婦をさせてやるなんて言い方 はちょっと嫌だなと思ってしまっ た男から頼んで専業主婦になって欲しい ケースや 子供の育児が大変で専業主婦をせざるを得 ないケースなど色々 あるでもこのところにはまだ子供もい なかったし俺が食わせてやってるなどと いう発言を聞いて本当は女性を見下して いるんじゃないかと思っ た昔から女は全員俺のことが好きになるに 違いないと思っている不があったし [音楽] 俺はモテて当然とも思っていたに違いない だから女性に対してそんな発言ができるの だフェミニストが聞いたら発狂しそうだな と勝手に思ってい たねえねえミレイさんミレイさんは今彼氏 さんとかいる の見たところ指輪もしてないし独身のよう だ けど えっと私は今忙しいので彼氏とかいません よ まあもう少し先になって余裕とか出たら 作ってもいいかなと思ってます けどそうなん だ俺みたいなエリートの男捕まえたいと 思わ

ない俺さこの間車内で立案した企画が通っ て ね上司からめちゃくちゃ褒められちまった よこれはもう小心間違いなしだよ ねなんたって俺はダブル大卒のエリートだ からそそれはすごいですねでさあそのご 褒美として俺は欲しかった財布買って しまったん だ20万もした けどまあはそれくらい持ってて当然だよ ねだって勝者でバリバリ働いてるからまあ そうなんです ね学校でもまどんなだっった美玲さんは今 でもリとしていて綺麗だったいや中学の頃 より綺麗さに発射がかかっていてまるでお 嬢様のようだっ たさんの実家も結構裕福だとは聞いたこと があったが親子さんがどんな仕事をして いるのかまでは聞いたことが ない多分ミレイさんはあらみたいな成金に は興味がないんだと思っ たそもそもこは既婚者なのに学校でま どんなだった女性にデレデレしていて本当 に気持ちが 悪いどれだけ自分がすごいかアピールてい たがミレイさんは全く興味なさそう だそれからこは俺たちの方をちらっと見て からミレイさんにこう言ったのだ知ってる こいつの年収100万だって俺は今 900万もらってて1000万ももうすぐ なのに さかわいそうだよ ねやっぱり中卒っって負け組なんだよね おいもうそこまでにして おけほらあいつの家って親がどっちも バイトでアパート暮らしだった じゃんボロボロのアパートって終わってる よ ね俺なんて海外に住んでた時は親父が駐在 員だったからコンドミニアムに住んでた けど なしかもメイドさんも来てただよいい だろうまあ俺もそのうち海外に派遣されて 高級コンドミニアムぐらしか な嫁には中妻をさせてやって好きな生活も させてやれる なもし子供ができたら俺も自分がそうだっ たように海外のインターナショナル スクールに入れる ぜもうやめろって お前どうかしてる ぞもう俺は帰りたくなってしまった せっかくレと楽しく同窓会を楽しもうと 思ったのにこんなのじゃあんまり だでも外は急に雨が降ってきたし俺は傘を

持っていなかったのでしばらく店の中で 待つことにし たそれから15分後店の前に高級ベツがた と言って他の男子が騒いでい た彼らは外の空気を吸いに一旦出ていた ようだが黒塗りのベンツが来たしかも運転 手までいると大騒ぎだった俺は店の入り口 に向かっ たすると運転手が社長お迎えに上がりまし たと言ったのでついてきたレものこも びっくりだった え社長って まさかあらの ことうん忙しくて連絡できてなかったけど 今俺は社長やってるん だててめえが社長だとふざけんなそんな嘘 ついて何が楽しんだよ嘘なんかじゃないよ 君も知ってるんじゃないかなA社っていう のはそそれはうちの取引 先取引先の社長のことすら知らないなんて 全く終わってるよ ね俺はずっとこがB勝者の人間だってこと も知ってたよだってうちに出入りしている のもちらっと見ていたから ね そんなあの大手のAの長がお前だった なんてなあさっきの発言は 謝るだから俺のことを本社にちくらないで くれ俺は私的な恨みで取引をやめたりはし ないよまあ担当変えてもらうことくらいは あるだろう けどそれよりこはうちの女性社員に嫌な ことをしているそうじゃないか えそれっ て先ほどそのの社員から相談のメールが 入っていたんだよまこれは私的な恨みでも なんでもないからきちんとそちらにも クレームは入れさせて もらうこれからどうなるか楽しみだ ね俺はお札を取り出してこに手渡し たみんながベンツの前に群がってきて キャーキャー言ってい たミレイさんだけリとしたまま佇んでいた だあなたあさんのことを年収100万だと か言ってバカにして楽しかった の えっとそれ はそもそもどこで年収100万だと思った わけこいつが最初に就職した 会社だって給料が低いって知った からあさんはそこからやがったんじゃない のとどれだけ苦労したかこさんには分から ないんだ わ 私さっきの話を聞いていてうんざりした

わだからもう帰るわ ねミレイさん待ってじゃあ俺も帰ろうっと じゃあミレイさんもレも乗っていきなよ家 まで送る からちくしこの 野郎もうお前なんてでとっとと 消えろ言われなくても消え ますまあ君がどうなるかはお楽しみだ ね俺はそうして運転手に行き先を告げてレ を先に家に届けたその後ミレイさんと2人 きりになってしまったがなんだか気まずく なってしまっ た俺は女性に対して体勢がないしどんな 会話をしたらいいかわからないただミレイ さんが俺をかってくれたことだけは素直に 嬉しかっ た俺はずっとミレイさんのことを綺麗だな と思っていたし実は中学の頃から密かに 恋心を抱いてい たけれど実家も貧乏でみりんも みすぼらしい俺なんかが高値の花の彼女に 近づくことはできなかったのだ ミレイさんはじっと外を見つめてい た俺は雨でどうにもならないので車を呼ん だのだがミレイさんは雨が窓に打ち付け られる様子を眺めてから口を開いたので ある 私あさんがとても努力化なことは知ってい たわえそうなの俺はそんな風に思われる ようなことなんてしてなかったと思うけど なだってほら学校で掃除をしていた時に みんながどうしても落ちないって言ってい た汚れをなんとか落としたり文化祭で台本 が間に合わないってなった時もあらさんが 手伝ってくれた でしょうみんな諦めようとしていた時常に あらさんが助けてくれてい たそんなところがとても努力化だなって 思っていた のそっかそんな風に思われていたとは知ら なかった よでも俺ってさ貧乏でみなりもぼかった しこにからかわれてばかりのダサいやだっ たよ ね今だってからかわれて意地悪なこと ばっかり言われてた しそんな人は放っておいたらいいのよ きっと 自分に自信がないからあんなことを言って ばかりなんだ わ私ああいうタイプが1番嫌いなの見えっ ぱりで自分を大きく見せることにしか興味 がない人間って悲しく ない私はそんな人間とは仲良くしたくない わまあそれもそうだよ

ねこは自慢ばかりのかないやだったけど今 でもそれは変わってないんだ ね俺はあんな人間になりたくない なあさんは絶対にそうならないと思う わだって自分が社長でも選ったりしてない でしょ私の大学時代の友人があさんの会社 で働いているのとても優しくていい社長 だって言っていたわよえそうだったんだ どの人か な立花あって人 よ大学で1番仲が良かったの あああの立花さんか彼女はとても優秀な 社員だよまさか繋がりがあるなんて ねなんと俺の会社で働いている人のうちに ミレイさんの大学時代の同級生がいた 俺はずっとそんなこと知らなかったので ちょっとびっくりしたどこで誰がどう 繋がっているかわからないものであるだ からこそ縁を大事にし人を大事にしていき たいと思ってい た俺は中卒で働いた会社でお金を貯め た家族のために生活費も入れていたが残っ た分はほぼ貯金していて節約に励んでいた の だそうして俺はずっとやりたかった仕事を することにし たいつか社長となって家族にもっと楽をさ せ たい父や母に恩返しをしたいと思って若く して起業したの だ初めはなかなか儲からなかったけれど だんだんと俺の授業は波に乗ってい たうなぎ登りの成長で周りからもあと驚か れるようになったので あるそこで勝者とも取引し俺はこの会社で あるB勝者に製品を下ろしてい たそれでこは何度かうちの会社に出入りし ていたわけだが俺はあいつをずっと見てき たただこは俺が見ていたことに気づいて おらずさらに社長が俺だと知らなかった らしい普通の社会人なら相手の社長くらい 覚えておくもんだと思っていたがこは目の 前の利益にしかどうも興味がなかったよう で あるさらにうちの女性社員に対して 嫌がらせをしていてついさっきこんなこと がありましたと報告されたの だまあこいつのことはB勝者にちくって やるし担当も変わる だろうついでに奥さんから離婚でも 申し込まれたらいいと思っ たそれから俺はミレイさんを家まで 送り届け たミレイさんは最後にLINEを交換し たいと言ってきて俺と交換した俺は女性と

プライベートなLINEなんてしたことが ないのでちょっとしたミレイさんはお酒を 飲んでいたからか顔が少し 赤いきっと俺の顔も赤かったが俺は アルコールが飲めないからそれは酒のせい なんかじゃないきっとミレイさんのことを 考えてしまっているからこんなにも顔が 熱くなっているんだと思っ たそれからあのB勝者には連絡を入れたの だがそのせいで こは奥さんに出ていかれた らしい正直ざまだっ た後日ミレイさんから車に乗せてもらった お礼をしたいと言われて食事に誘われ た指定された場所で待ち合わせるとミレイ さんは鮮やかなワンピースに髪の毛を アップにしていた俺はもしかしてこれは デートなんじゃないかと思ってそわそわし てしまっ ただって俺は25年間ずっと彼女なんてい なかっ ただから女性と2人で食事なんてどうし たらいいか分からず固まってしまったのだ あのこの料理気に入らなかった かしら私のおすめなんだけど えいやあのとってもおいしいよただ ちょっと考え事をしていてごめんね ぼーっととし て そうでも何を考えていたの えっとそれはちょっと言えないか な実はね私も最近よく考え事をする のそれ はある男性のことなんだけれど だ 男性やっぱり彼氏さんとかいるのじゃあ俺 なんかと会ってご飯食べてる場合じゃない よ ねほら彼氏さんに見つかったりしたら怒ら れちゃうよねもう俺帰るよやだなあ私は 彼氏なんていない わ本当に彼氏なんていらないってずっと 思ってたの 仕事も忙しいし ねでも最近とある同級生のことを考えて いるととってもドキドキしてしまうの えそれっ てそれは ねあなたのこと よミレイさんは小悪魔的に微笑んで俺に ウインクし たミさんってこんな人だったっけと思って しまっ た中学の頃から誰とも群れたりせずクール な感じだったミレイさんが俺に微笑んで

くれて いるしかもウインクまでしてくれ るってどういうこと だ俺の片思いじゃなかったってことなのか と思って嬉しくて飛び跳ねそうになっ たそれから俺たは順調に交際を始め たミレイさんは結構クールな感じだと思っ ていたが実はおちゃめな部分もあって俺は そのギャップにやられてしまっ た時折り見せる少女のような笑顔がとても 可愛らしくて俺はなんだか嬉しくなって しまうミレイさんのこんな姿を見られるの は俺だけなんだと思うとけてしま だっミレイさんと付き合ってからもうすぐ 1年が 経つ俺はミレイさんのために選んだ婚約 指輪を持ってデートの集合場所に向かっ た駅前でミレイさんは待っていて俺に コーヒーを渡してくれ たもうすぐクリスマスだから町は イルミネーションで鮮やかに彩られて いるはイさんとショッピングを楽しんで から高級レストランに向かっ た少し早いけれどクリスマスディナーを 楽しめる時期 だミレイさんは来週出張があるので俺たち は今日デートすることにしたのだっ たレストランについて俺は早速指輪の入っ た箱を取り出したあのミレイさんこれ ミレイさんに似合うと思って一生懸命選ん だん だこれは俺からの愛の証だ よどうか受け取ってほしい えまさかこ れって婚約指は わあ 嬉しい私ここまで大事にされていたのね そんなに愛してもらえていたのね 当たり前だよだって俺の大事な彼女じゃ ない かミレイさんどうかこれからも俺と一緒に いて ほしい俺はミレイさんのことを一生かけて 大事にするし家庭も大事に するもちろん子供ができたら子育ては積極 的に するだからどうか結婚して ください私も 大好きこれからも一緒にいましょう ねこちらこそよろしく ねそうして俺とミレイさんは結ばれた俺は まさか自分が人波の幸せを手に入れられる なんて思っていなかっ た子供の頃貧乏で周りから嫌われていたが なんとか自分の力でどうにかなっ

でもよくよく考えてみたら自分だけの力で は ない俺のことを常にかってくれていたレヤ 頑張って育ててくれた親のおかげでも あるだから俺はレや両親に胸を張って結婚 の報告をしようと思っ たメールでレンに婚約したことを伝えると レンはとても喜んでくれたそれからレン から電話があったのだが俺のために泣いて くれたのだとてもいい同級生を持ったなと 思って俺まで泣いてしまっ た良かった なミレイさんと結婚か俺も式には出たいと 思う思う存分幸せになって くれこれからどんなことがあってもミレイ さんを話すんじゃないぞああ分かっ てるれん本当に ありがとう俺が中学時代こからいじめられ てた時も助けてくれて本当に嬉しかっ たお前みたいな同級生がいて本当に良かっ た よそれから俺たちはお互いの家に報告に 行って認めてもらうことができ たそして俺たちは結婚式をあげ たレも結婚式に来てくれて泣きながら祝っ てくれ た 全くこいつは涙もろい奴で あるその後は2人で夫婦力を合わせて 暮らして いるこれからは妻となったミレイさんを 大事にしていこう [音楽] 俺はト35歳の男性だ仕事は自衛官である 自衛隊と聞くとマチでタフで愛国心溢れる 人間ばかりと生れそうだがそうでもない 結構いろんな経歴を持ってる人がいて俺の 仲間には元ホスト元バンドマンそれから元 会社員などもいるみんながみんな最初から がバキバキに割れているような人間では なく体力も様々だ俺は高校の頃に陸上部を やっていたので体力だけは自信があっただ が入ってみると訓練は部活動なんかより ずっと大変で過酷なものだったので泣き そうになることしばしばだったなぜ自衛隊 の体になったのかそれには2つの理由が あるうちはお金がなくて大学に行くことは 到底無理だったのでなんとかして安定した お給料をもらえる公務員に引かれていたと いうことそれから祖父の住む地域が水害に 会っていてその時自衛隊の人たちが助けて くれたという話を聞いて感動したからだ俺 は人のためにもなるし安定したお給料を もらえる自衛隊はとても魅力的だなと思っ たそれに自衛官は国内の災害に駆けつける

だけでなく海外に派遣されて困っている人 を助けることもできるかっこいい仕事だと 思ってそれを選んだのに同級生で美人な 女子の七美さんからは馬鹿にされてい た七海さんはとても頭が良くて学校で行わ れる模試では常にこな1それから全国順位 でも10位内に入っていった彼女は何とし ても東大に入るつもりらち親子さんも東大 卒の弁護士だかでエリート家計なんだろう 父も母も東大を出ているそうだが弁護士に なってから結婚したと言っていた私も絶対 に東台に入って弁護士になって同じぐらい 高収入な男性と結婚するのが口癖だっ た谷君自衛隊に入るんだってよく自衛隊に なんか入れるわね高卒で就職とか 恥ずかしくないのいや別に恥ずかしくない けどだって自衛隊って公務員だし安定たお 給料もあるから魅力的だよもちろん訓練と かは厳しいと思うけどやっぱり人の役に 立てる仕事ってかっこいいしさあら弁護士 の方が人の役に立てる仕事だわうちの両親 はね東大を出て弁護士になってから結婚し たのお互い夢を叶えたら結婚しようって 約束してたみたい弁護士っていろんな人の 相談に乗れるし困り事を解決できるし人の 役に立てる仕事の最高だと思うのよねあ 医者は別よ彼らは理系のトップだし病気を 直してくれるからともかく文系の仕事で トップで役に立てるのは弁護士そもそも 肉体労働とか考えられないそんなの丁の する仕事じゃんえそんなことないと思うん だけどなそれは七海さんの考えでしょ俺は 別に底辺だなんて思ってないしそんな意見 押し付けないでほしいなあら実際は大学に 行けないからそうやって自分の気持ちを ごまかしているんでしょ本当に貧乏人て かわいそうまあせいぜい頑張りなさいよ 底辺らしく高卒上がりの自衛隊員なんて さして昇進もできないでしょうから せいぜい頑張るといいわああ言われなくて も頑張るよ別に将来そこまで昇進しないと ダメだなんて今の時点で思ってない から俺はその頃なんとか食べていけるだけ の給料があればいいなと思っていた確かに 幹部自衛官の試験は基本的に大卒が ターゲットだしその試験を受けてパスした 人間は優遇されるまた防衛以下大学校や 防衛大学校を出ている自衛官も昇進し やすい彼らは専門的な教育を学校で受けて いるのでそれは当たり前の話だなと思っ たそれから俺たちは高校卒業してそれぞれ の道を歩み始めたさんは東大に受かってい たので東大に進学した進学ふりわけがある のでなんとしても法学部に入るぞときこん でい

た俺は自衛隊の一員として訓練をしてから 災害の現場に駆けつけたひどい有様の場所 ばかりだったけれど俺たちが駆けつけると 地元の人は温かく歓迎してくれる自衛隊の 人間は差し出されたものを食べてはいけ ない決まりになっていたのでご行為で持っ てきてもらったスープなどを断るのは かなり心苦しかった自衛隊は現地で迷惑を かけないよう自分たちの食べるものは自分 たちで賄うこれが徹底されていたのだ俺は 航空自衛隊所属だったのでヘリの上から 水害の地域に降りることもあった今にも水 に飲まれそうな家の屋根に降りて人を救助 したこともある毎回ヒヤヒヤだったが人を 救えるたびにこの仕事について本当に 良かったと心から思うのだ ある日俺は長期の休みに家族と共に旅行に 行くことになった妻は自衛隊の俺の仕事を 理解してくれていて毎日俺の無事を祈って くれているそして家ではせのつくものを たくさん食べて欲しいと言って美味しくて スタミナのある料理を出してくれるのだ そんな妻と結婚してもう15年になる25 歳の頃に出会った妻と結婚してこんなに 時間が経っていたんだなと思ったそれから 30歳の頃に待望の息子が生まれた妻は数 年間不妊治療をしていたのだがめでたく 子供を授かったのだ子供ももう10歳 初めて海外旅行に行くのにワクワクして いるようだ今回俺たちが向かう国は中国で ある最近妻が中華ドラマにはまっているの で行ってみたいと言っていたアジアの ドラマが女性の間では人気らしい俺は歴史 に興味があったのでいろんな観光名所を見 て回りたいなと思った中国は古い歴史の ある国だから様々な歴史的建造物が見 られるに違い ないねえねえ飛行機はまだ乗らない のまだアナウンスがないからもうちょっと 待ってようかあと30分くらいしたら登場 開始だろうからそうかああ楽しみ俺漫画の 三国師読んでるから中国行けるの超楽しみ だよゲームでものキャラ出てくるんだそう いや日本の漫画やゲームには三国士の モチーフが多いもん な息子は三国士にはまっているので中国 旅行が楽しみなようだまた食辛坊なので 北京ダックなども早く食べてみたいと言っ ていた歴史も好きだが食べることも好きな 俺は現地のグルメを楽しみにしていた世界 最大料理の1つである中華料理は現地で 食べたら絶対に美味しいだろう 飛行機の登場開始アナウンスが流れたので 俺は妻と息子と共に飛行機に乗ることにし たそして席に着こうとしたら背後から声を

かけられたのであるなんとその人は同級生 の七海さんだった七海はいかにも全身 ブランドもみたいな格好をしていたあれれ 敏也君じゃないのこんなところで会う なんて義宮ねそっちは家族で旅行っていう か高卒のくせに結婚とかできたんだ底辺と 結婚するなんて奥さんも苦労してそうねお 子さんも見たところ小学校中学年くらいだ しこれからお金もかかるのに自衛官の稼ぎ じゃ知れてるでしょところで奥さんは選挙 主婦ええっと専業主婦ですがえじゃあマジ で1馬力なんだ専業主婦ってなんか虚しく ないですか夫に養ってもらわないと生活 できないしいつも気を使って生きなきゃけ ないしかわいそうですや君いくら稼いでる のえそれ はまあ1000万は言ってないでしょうね 私はもう1000万なんて余裕よあれから 弁護士になって事務所も持てるようになっ たんだけど依頼が耐えなくて儲かってるの うふふいいでしょ谷君も頑張って勉強して いたらもっと人生違ったと思うんだけどね 底辺の自衛会になんてなってしまって惨め な思いしてるに違いないはところでどこに 行くの 中国ああこれから北京だよそっか私は北京 経由でミラの本当は違う航空会社のものに 乗りたいと思ってたんだけど取れなくてだ から急遽この航空会社のものを予約したの 私イタリアにフィアンセがいるのよ イタリア人で彼も弁護士国際恋愛かつ どっちもエリートなんて素晴らしいでしょ あなたたちとは次元が違うの次元がじゃあ ね俺を馬鹿にするならまだしも家のことを 頑張ってやってくれている妻に対して ひどいことを言うのは許せないなと思った 妻は専業主婦だけれど毎日俺と息子のため にいろんなことをしてくれている息子は 小学生で習い事もしているから送り迎え だって必要だまだ俺の勤務が特殊なので なかなか外に働きに行けない長時間息子を どこかに預けることも難しいからだ七さん は以前と何も変わっておらずとにかく他人 を見下したいようだ俺は自衛官として誇り を持って働いているし誰かから馬鹿にさ れる覚えもない確かに自衛官は公務員だし 税金の無駄遣いという人間もいる急場違反 だと言われて災害現場で心ない言葉を 投げかけられたこともあるけど大半の人は 俺たちに感謝してくれるだから俺は 素晴らしい仕事だと思っているのだ 俺たちが席に着いてからしばらくして飛行 機は滑走路を走り始めたウィーンという音 を立てて車輪が離れそして飛行機が中に 浮くのを感じる初めて飛行機に乗った息子

は大歓期だったうわあ中に浮いたなんか ジェットコースターみたいな感じがする そうだねこれからどんどんコードを上げて いくよあと何時間したらペキンダック食べ られる腹減ったよ まあ軽いものくらい機内食で出るだろう からそれでちょっと腹を満たしておき なさい北京ダは夜だからまだ時間があるよ ええすぐに食べられないのかでも機内食 ってどんな感じだろう俺食べたことない から 楽しみどんどんと高度が上がっていって シートの上のランプが消えたそれから機内 サービスが始まってCAさんが飲み物を俺 たちに配してくれた俺はあまり頻繁に トイレに行くはめになるは困るので ジュースにしておいたコーヒーなど飲んで しまったらここから離れたトイレに行くの が面倒だからだ妻も息子もジュースを飲ん でいったちょっとしたクッキーを配って もらえたので俺はそれを息子にあげたお腹 の空いている息子はむしゃむしゃと クッキーを食べているそれから軽い軽食が 運ばれてきた日本から中国の北京までは 近いのでがっつりしたものが出なくて正解 であるどうせならあちらでおいしいものを 食べたいからだ俺たちは機内食を食べて 眠くなってしまった息子はううとして窓の 方に寄りかかっている窓側に息子がいて俺 が通路側なのだみんなゴソゴソと鞄を漁っ て申告書を変えたり方を呼んだりしている するとある老人がすっと立って鞄の中身 から怪しい箱を取り出したその箱を掲げて 老人は叫んだのだっ たこの飛行機は今わしによって ハイジャックされた命が惜しければ俺の 言うことを聞けえ ちょっと い妻と七さんの悲鳴が聞こえる息子も びっくりして起きてしまい辺りを見回して 震えていた俺はその箱に何が入っているの か真剣に考えた飛行機に乗る時は手荷物 検査が行われるアメリカの霊の事件があっ てからは危ないものは持ち込めないことに なっていると思だがどうやって持ち込んだ のだろういやあの箱は本当に危ないものな のかただのなんでもない箱なんじゃないか と頭の中でぐるぐる考えたさてわしはこれ をあちこちに貼り付けるぞわしはこれから コックピットに行ってき長と話をする変な 動きをしたらこれをすぐに投げつけるから なおやめくださいお客様どうかお願いです えい黙れお前らの差しなんてけんは急いで おるのじゃ今すぐにわしの言う通りにして もらうぞ今すぐハルビンの市街地へ迎え

市街地に飛行機を着陸させるのだ そんなやめてくださいそんなことお願い ですからハイジャックなんて間違ってます よ俺は勇気を持ってハイジャック班のお じいさんに声をかけた彼はただの年寄りで はなく百戦レマの悪人なのかもしれない昔 に学生運動があった頃なんてただの覚醒に しか見えない人間がハイジャックをしてい たではないかだから人を見た目で判断して はいけないと思った自衛官は警察官では ないので怪しい人間を見分ける能力は劣る かもしれないそれに軍隊ではなくあくまで 自衛隊なので自ら攻撃することはないそれ でも一般の人間よりちょっと挙動の おかしな人間に対応する術はあるだろうと 思ったおじいさんは鼻息荒くして怪しい箱 をあちこちに貼り付けたカムテープで 貼り付けた後にボタンを掲げてニヤニヤ 笑っていたのであるその時機内からきゃあ という声があちこちから上がったおじい さんは興奮してお前らどうなってもいいの かと叫んでいた皆さん動かないでください 皆さんどうか指示にしたがってそうだ変な 真似したら一発であの余行きだお前らわし が年寄りだからってなめていると痛い目に 合うからな分かってんだろ な待たしてもみんなの悲鳴が上がったお じいさんは興奮してさらに叫び鞄から 取り出した箱とボタンを持ったまま コックピットへ向かおうとしていたしょう がねえなやるしかないかちょっとあなた何 をする気変なことしたら私たち命がないか もしれないのよあの人の言うことに従い ましょう大丈夫俺は絶対にこの事件を解決 できると信じているから安心してでで も父さん俺たちどうなっちゃうのこのまま どこかに連れて行かれるのハルビンって何 国龍交渉の年だよあのおじいさんは訳が あってハルビンに向かいたいみたいなんだ 俺はなんとなくおじいさんの目的が分かる よ俺の推理が当たっていればだけどね俺の 話し声が七海さんにも聞こえていたのか七 さんも興奮していた ちょっとそんなこと言ってるけど本当に 大丈夫なの探偵気取りとかやめてよね私 これからイタリアに行くところだったのに なんでこんなことになったのかしらもし私 に何かあったらフィアンセが悲しむから やめてあんたなんかにこの事件が解決 できるわけないでしょいや大丈夫だって そんなに心配しないでいやいや大丈夫じゃ ないからもうあの人の言うことに従い ましょうよミラノにはなんとかして行くわ あで安生に連絡すればいいことだしすぐに ミラノに行けると思うよ多分

ねああもう好きにすればどうなっても知ら ないからねああ俺は大丈夫だっって確信し てる [音楽] からみんな不安そうな顔をしていたそして 辺りをキョロキョロ見渡していたが 立ち上がったりするものはいないさすがに 立ち上がったりしたらあのおじいさんに何 されるかわからないからだ おじいさんといえど怪しいものを持って いるしそれを投げつけられたら人たまりも ないだろう俺はただ自分の直感を信じて 行動に移そうと思ったコックピットへ 向かっていくおじいさんの後ろをそっと床 を生ってついて いく大丈夫まだ気づかれていない俺は訓練 で報復前進もしていたから床を生って移動 するのは得意なのだ案外報全身はきつい ものがある腕の力で移動しなくてはなら ないし慣れていないとすぐにげしてしまう だろう俺はどんどんおじいさんに近づいて いってそれから1番近い席が空いていたの でそっとその後ろに隠れた他の乗客たちは 俺が移動している時もこいつ頭がおかしく なったのかという顔で見ていたいらない ことをしてくれるなといった感じで迷惑 そうにしている人もいたが気にせず俺は 行動したそれからおじいさんが コックピットに向かって隣りこもうとした その瞬間俺は彼の手を掴んで箱をキャッチ したそれから怪しげなボタン装置も同時に もう1つの手で掴んだのだった何をする それを返せお前命が惜しくないのかおじい さん本当はこんなことしたくなんかないん でしょ親子さんに会いたいだけなんですよ ねそうそれは俺がそう言ったらおじいさん は急に真顔になって俺の方見つめてきたか と思えば目から涙を流して泣き出したのだ 周りはきょとんとしており一体何が起こっ ているのか理解できていないようだっ たおじいさんハルビンで育ったんですよね 中国の育ての親に会いに行きたかったん でしょうそうそうだわしは小さな頃に実の 親と離れ離れになって中国で育てられたん だ大変でしたねおじいさん おじいさんは実の親の仕事の都合でハルビ に住んでいたしかしそれからソ連軍が攻め てきたことによって日本人は木のみのまま 逃げることになったなんとかして祖国に 帰ろうと思ったがみんな極度の疲労と飢餓 に苦しみ子供たちを連れて逃げることは 難しかったそこで子供だけでもその土地の 人たちに託そうと思って置いてきたので あるそれが中国残留事だ俺は ドキュメンタリー番組なんかで中国残留

古事の話を見聞きしていた大変な人生を 歩んできた人がたくさんいることに胸が 締めつけられたこのおじいさんは実の親と 逃げる最中にはれてしまったらしいそして 1人泣いているところを心優しく子供に 恵まれない若い夫婦が引き取ったのだと いうだがその洋風母もとてもこれだおじい さんの年齢は80歳くらいだからいくら 若い頃に彼を引き取ったとはいえ100歳 近くになっているそして最近とある ニュースが日本で流れていたのを思い出し たので彼が中国残留児なのではないかと俺 は思っていたのだハルビに住む保安安み さんとそみちさんご夫婦は高齢のために 病気にかかってしまった彼らは年金生活者 なのだがそのお金だけでは到底医療費を 賄いきれないそしてゆみさんとみさんには 助けてくれるお子さなのいないミンチさん がまだ15歳の頃に婦人家疾患にかかって しまい一生子供が持てなくなってしまった からだ治療しないと命に関わるそうだがお 金がないのでその辺で痛み止めを買うこと しかできないまた彼らは日本に戻った子供 のことを心配していたインタビューアー からなぜ子供がいないのに日本に子供が いるのかと聞かれた時ミンチンさんは日本 人の子供で私たちが引き取っていたのです と答えていた その子供の写真をインタビューアーに見せ て目を細めて懐かしそうにしていた子供は ほっぺに大きな痣がある逃げる最中にでき たものかそれとも生まれつきの痣なのかは 分からないただ一見見たらすぐにその人だ と判断できるものであるそしてこのおじい さんのほっぺたにも特徴的な痣があった 子供の頃よりだいぶ色が薄くなってはいる が俺は彼を見てすぐにあのミチさんたちが 育てた子供だと思ったのであるそして ちょうどハルビンの空港でストライキが 行われていて飛行機が発着陸できないから どの会社のハルビ行きも運行休止になって いることを思い出したの だわしの育ての親が苦しんでおるのに何も できないなんてあんまりじゃないか日本に 戻ってそれなりに満足した生活を送らせて もらってはいるが長く住んだ中国のことは 決して忘れないはあ洋父母に会いたい おじいさんは泣きながらそう言った彼の 日本語はかなりなっているからこれも判断 材料の1つだった聞けばおじいさんは50 歳になって日本に戻ってきたらしいしかも 実の親と離れたのは3歳の頃だったから もう日本語よりすっかり中国語の方が得意 になっていたのだ日本に戻ってから日常 生活をくれるようにひらがなカカナ日本で

使われる常用幹事の勉強したそれから会話 の勉強もしてなんとか日本語を話せるよう にはなったがうまく敬語などが使えなかっ たそうだそのため55歳で就職できた仕事 では上司から敬語がなっていないと怒られ いずくなって辞めてしまったそうである その後は日雇いの仕事をしていたりした そうだとても苦労されてきたんだなと思う とおじいさんのことを責める気にはなれ ないだがハイジャックはいけないものだ俺 はそれからおじいさんに箱の中身は何かと 聞たするとおじいさんは箱には薬が入って いるだけだとぼそっと言った恐る恐る開け てみると痛み止めの薬がたった2箱入って いたきっとこの薬を洋父母に渡そうと思っ ていたのだろうわずかな年金から頑張って 方に違いない俺はおじいさんのことをどう にかしてあげたいと思ったおじいさんが また暴れるといけないので俺は一応彼の 手足を動けないようにして椅子に座らせた おじさんも俺にをされても何も言わない それから俺は彼に絶対に洋母に合わせると 約束したのだえっとお名前は何でしたっけ 佐川じゃ佐川健一郎だ中国での名前は保安 いみだわかりましたじゃあ佐川さんこんな 風に動けなくしてしまってすみませんでも あなたを絶対にハルビンの親子さんに 合わせますので安心してくださいまた私は CAさんと長さんに話をして今回のことは 騒動にしないでもらおうと思っていますあ ありがとうしええありがとうううわしは なんてバカな真似をしてしまったんじゃ こんなこと本当はしたくなんてなかったん じゃええ分かってますよよ父母さんにあっ てなんとかしてあげたかったんですよね 空港もストライキで閉鎖されておるしどう にか市街地に飛行機を着陸させてそこから 会いに行こうと思ったんじゃ住所だけはし ておるからそうですかでもきっと彼らは ハイジャックして欲しいなんて思ってない はずですよだから私が止めてよかったです ね市街地に飛行機が突っ込んだりしたら 大変なことになりますから本当はどうなる か佐川さんも予想がついていたんでしょう あああ捨て身の作戦じゃったもうどうなる かまで真剣に考えておらんかったんじゃ 佐川さんはいかに自分が愚かな行為をした か嘆いていっただから俺はなんとかCA さんとき長さんと話をして彼がやったこと は許してやってほしいと頼んだのだいくら 自衛隊の俺でもここではただの一般人だ それに自衛感たるもの国民それから世界の 人の安全を守るのが役目であるこんなお 願いをしたのが上にバレたら俺はきっと介 解雇になるかもしれないそれでも佐川さん

をどうしても病母に合わせてやりたかった ので頭を下げたどうかお願いしますあの人 も悪気があったわけじゃないんですそう そんなこと言われてもでもまだき長は ハイジャックに気づいてないようですし土 下座してでも頼みますどうかお願いです 大事にはしないで くださいわかりました私も頭を下げ ましょうあの人も大変な人生を送ってきっ て洋父母さんがピンチだと知っていても 立ってもいられなかったんでしょう し俺とCAさんは揃ってき長に頭を下げた 俺は土下座もして誠意を見せたき長さんは 俺も連帯責任だなと笑って問題にしないと 言ってくれたきっと彼も後でこの事件の せいで上から怒られることになるだろうC さんだって同じように叱られてもしかし たら職場を追われることになるかもしれ ないそれでも俺たちは佐川さんのために なんとか問題を大きくしないでおこうと 思ったのだ佐川さんが大変な苦を重ねてき たことを乗客のみんなは知ることになった のであちこちからすすりなく声が聞こえた うちの妻も泣いていてそれを息子が慰めて いたまだ息子は中国残留孤児のことなんて 知らないだがきっと大人になってから佐川 さんがいかに苦労して育ち日本に戻ってき たか分かるようになるだろうと思った七 さんはふくされたような悲しそうななんと も形容しがい顔をしていた 俺が事件を解決したことが気に入らないの もあるようだが佐川さんのことは不便に 思っているようだそして飛行機は高度を 下げて北京に降り立った日本と違って かなり寒いきっとアルビンはロシアよりだ からさらに寒くて洋風母さんたちも大変 だろうなと思った七さんはそれからミラノ に向かうと言って俺に別れを告げた俺は妻 と相談して今回予約した宿は全て キャンセルしてリクロでアルビに向うこと にしたハルビン太平国際空港はスで閉鎖さ れているので何としてもリクロで向かわ ないといけない北京からでも相当時間が かかるが公共交通期間を乗り継いで旅を することにしたのだ幸い休暇はたんまり あるだからある程度時間がかかっても ハルビンを目指すのは問題ないと思った 息子は北京ダックを食べられなくなった ことは残念がっていたがバスも好きなので バス移動も楽しんでいるようだったそれ から息子と佐川さんは仲良しになった佐川 さんは中国で結婚しており中国人の妻が いるらしい日本に戻る際にその奥さんも 一緒についてきてくれたそうで奥さんだけ でなくお孫さんも日本にいるとのことだっ

た彼は一見幸せな老人のように見える だろうでも日本に帰った時にはすでに海の 親は亡くなっていたし遠く離れた洋風母の ことを思って毎日生活していたはずだ君は 賢いなまるでうちの孫が小さい頃みたい じゃ小学生かうん小学生だよねえおじい さんのことはよくわからなかったけど中国 で育ったんだよねああそうじゃよわしは 中国で3歳から育ったんじゃ色々あったが いい思い出もたくさんあるうちは貧しくて お菓子なんて買ってもらえるわけなかった のにわしが屋台のタンフールーをずっと 眺めていたら父が買ってくれたんじゃ とても嬉しかったなタンフールって何それ はどんなお菓子簡単に言えばフルーツア みたいなものじゃさざしっていうものを雨 にしているんじゃよ串に刺さってて中国で は人気のお菓子なんじゃよまあ日本で言え ばりんご飴やイゴ飴に似ているかな後で 屋台を見かけたら君にも買ってあげよう ありがとうやったやったささんは懐かしい 昔話を息子に聞かせていたお菓子を買って もらえたことがとても嬉しかったに違い ない洋は貧しくて毎日食べるもののことで 頭がいっぱいだったようだだからお菓子 なんてとてもじゃないが買えなかったの だろうでも幼い佐川さんが串に刺さった雨 をずっと見ていたので妖婦のゆんみんさん が買ってくれたのだゆんみんさんはきっと 息子が喜ぶなら何としてでもまたお金を 稼げばいいと思ったに違いない俺はなんだ かいい話だなと思ってじとしてしまった 佐川さんにとってハルビンまでリクで動 するのはかなりしんどいはずだ聞けば年齢 はやっぱり80歳らしいしずっと座って いるのも疲れると思った佐川さんは文句 なんて一言もはしなかった俺が気を聞かせ て洋父母に合わせようと思っているから 遠慮しているのかなと思った途中で下車し て軽いご飯を食べる屋台での注文の仕方が 分からなかったが中国語ができる佐川さん が頼んでくれた俺はお金を払おうと思った が佐川さんが払ってくれた年金生活のご 老人に払わせるのは申し訳ないと思ったが 佐川さんはこれしかお礼ができないからと 言って片に代金を受け取るのを拒否したの だそれからまたバスに乗ってハルビンを 目指したようやくハルビンに着いたのは日 がとっぷり暮れてしまってからだった高速 などを乗り継いでやってきたのだが ハルビンはとんでもなく寒い冬だから当然 なのだがやはり北方に位置するからだなと 思ったそれから佐川さんが中国語で書かれ たメモを見ながらアパートを探し出した洋 父母は年おいてから農業辞めて年金だけで

生活している路地裏に小さなアパートが あったのだがそこはかなり薄汚れていた そのアパートの1階の12号室のチャイム を鳴らすと2人が出てきたのだ彼らは中国 語で何か言っている俺には全く理解でき ないが俺が連れてきた人が佐川さんだと 分かったの だろうのさんはわあと泣き出して佐川さん を抱きしめていたずっと中国名のいみいみ と叫んでいたの だまま覇長ブー チェラ佐川さんが後でお母さんお久しぶり ですの意味だと教えてくれたそれから佐川 さんはバッグを漁ってあの薬を差し出した のだそれを洋婦のゆみんさんが大事そうに 受け取っていた佐川さんももう老人では あるが2人の前だと幼い子供に戻った みたいだずっと彼らを交互に抱きしめて 泣いていた俺と妻ももらい泣きしたそれ から息子も何かさしたのか目を赤くしてい た佐川さんを通訳としてあの ドキュメンタリー番組を見たことを洋父母 さんに伝えた洋父母さんはお金がない あまりまともな医療を受けられない上に 痛み止めで我慢するしかないと言って嘆い ておられた彼らがかかっているのは癌だっ ただから痛みもかなりあるのだ病院で 抗がん剤治療など受けたかったがそんなお 金はどこにもない日本の医療制度のように 進んでいるわけではないしこの国ではお金 がないと病院にも書かれないと言っていた 洋保さんは狭いがどうか泊まっていって 欲しいと言って俺たちを中に招いてくれた そして彼らは貧しいにも関わらず俺たちを 歓迎するためにご馳走を作ってくれたの だった俺はこんな美味しい中華は食べた ことがないどんな高級料理店よりも美しい と思ったそれから旅を終えて日本へ戻った 案の定俺は上から叱られたが事件が ドキュメンタリーになって日本中から感動 の声が寄せられると俺は全人のように扱わ れただが俺は全人になりたかったわけじゃ ないただ佐川さんのために行動したかった のだあれからゆんみんさんとみちんさんに 日本から寄付金が送られたそのお金で治療 した結果ガンが治ったのであるまた佐川 さんにはは温情判決が言い渡された彼も 反省していて2度とやらないと誓っている 七さんはフィアンセに浮気されてしまった と言っていたなんだかバチが当たったのか なと思ったが七美さんはあれから会心して 俺に謝ってくれただから俺も彼女を許す ことにしたのだ俺はこれからも人に優しく ありたい厳しく見える自衛官こそ優しい ハートを持っていないとダメだと思うから

だ 私の名前は北村 孝太郎都内にあるIT企業で働いていると 言っても私はSEではない営業担当 だ私が務める会社はリーストファイナンス を中心に取り扱って いるどういうことかというとクライアント に合わせたシステムを構築しそれをごする の だクライアントは民間企業はもちろん観光 庁や各種学校など多に 渡るこの国のITを守っていると言っても 過言ではない だろう社員数は300名そのうち約6割を 20から30代の若手社員が占めて いる育児支援制度やファミリー休暇社員 同士の絆を深める各種イベントなど福利 構成がかなり充実していて働きやすい環境 が整備されて いる君たちが幸せなら社会全体を幸せに する仕事ができるだから私はまず君たちに 喜んでもらいたいどんなバックアップも するたうことはない思いっきり能力を発揮 して素晴らしい仕事をして ほしい社長の口癖だそんな社長の理念が 思いっきり具現化されているのがこの会社 なの だおかげで離職率も 低いというかほとんど誰もやめ ないなんと理想的な会社だろう あなたも入社したくなったのではない だろう かしかし覚悟してほしい仕事はかなり ハード だなんと言っても取り扱う金額の規模が 違う10億20億の相談は 当たり前50億100億といった大規模 相談も あるそれをしきり動かしていくのは波大抵 の努力では 難しい俺今度20億の商談に行くんだよ 大丈夫か な何ビビってんだよ俺なんて50億を まとめてきたんだから なすげえなおいこつ教えてくれ よ多分1人当たりの売上高は通常企業の5 倍くらいじゃないだろうかそれぐらい どでかい話が当たり前の会社で ある社員は全員向上心が高く意欲 的独自体制のように見えてチームワークも ある助け合精神が浸透していて困っている 人がいれば協力を惜しまない出し得る限り の能力を使い使命をこなして 誰もが自分の仕事に誇りを持っているの だ年齢や肩書きに関係なくチャレンジ

できる社風がそうさせているの だろう自ら企画し売り込みに 行く自然と責任感が芽生えるし何より 面白い若者が多いのも当然 だろうもちろん若の失敗も ある能力があると言っても社会的には まだまだ未熟だそんな未熟さを支えるのが 残り4割の40代以上の社員 たちおい北村見積もり症間違ってるぞ作り 方教えてやるからこっちに 来いあそこのクライアントはねよりなんだ ここの構成こんな風に変えてみ なさい百千連まの達人たちが和行を導いて いく誰もマウントなんて取らない自分たち が学び経験してきたことを脈々と下へと 引き継いで いく若者たちも真剣なまなざしで先輩の話 に耳を傾ける 良い連鎖が生まれているのだこんな会社が 成長しないはずはない だろうしかしどんなに優れた会社でも 262の法則からは逃れられ ないいわゆるパレートの法則だ組織である 以上2割の上位層6割の中間層2割の階層 で構成されるというあれ だどれほど優秀であっても所属する社員 全てができる人間とは限らない悲しいかな どうしようもない階層の2割の中に私はい た仕事ができないわけではない自慢じゃ ないが私はハーバード大学を卒業して いる知能的には多分この会社においても 上位に位置する だろうでも私はハーバード卒であることを 隠して いるなぜ かめんどくさいのだ以前にいた会社で些細 なミスをしたことがある本当にちょっとし たケアレスミスだそんな時周囲は鬼の首で も取ったかのように騒ぎ立て た北村ハーバード大卒なんだろうそれ ぐらいのこともできないのか よハーバードって大したことないんだなあ お前みたいなのでも卒業できるんだ からお前学歴詐称してんじゃないの だっせハーバードを出ているならミス なんてしない だろうハーバード卒ならこれぐらいのこと できて当然 だろう何かにつけてハーバード卒のくせに と言われ続けることは非常に 鬱陶しいどんな大学を出ていたってミスの 1つや2つする だろう呪文のように繰り返される言葉に私 はノイローゼ気味になってしまっ たハーバードを出たからってなんだと言う

んだ どんな大学を出ようとどれほど優秀だろう がミスする時はミスを する人間だ ものミスを容認するわけではないがその 事実1つを持って流し立てられては心が ざわざわしてしまわない かこんな思いをするために勉強したんじゃ ない私はハーバード大卒のを隠し た入社時の履歴書には記載されているから もちろん上層部や人事は知って いるでも黙っておいてくれるようにお願い し た別に隠す必要なんてないでしょううちに は学歴でとやかく言うような人はいません よ確かにそうかもしれない自信がある人間 は他人を傷したりなんかし ないこの会社の人たちを疑うわけではない けれどそれはもう私にとって心の傷なの だそう話すと納得してもらえ ただから私の最終学歴を知る人は限られて いる仕事上でも気を使っ た高は爪を隠しておいた方がやりやすい だエに実力を発揮してしまえば面倒なこと になりかねない騒がれるのも頼られすぎる のも嫌なのだ私は静かに平凡に生きていき たいひっそりと目立たないように裏方の 仕事ばかりしていたらいつの間にか私は 無能なク社員となっ た囲のみは極的に自分から仕事を生み出し て いくけれど私は支持された仕事しかし ない北村これコピーお 願いわかりまし たおい北村これ倉庫に運んでおいて よ了解 です北村お 茶はい ただいま忙しいみんなの小遣いとして私は せっせと 働くちなみに私が入れる日本茶はおいしい と好評でいろんな人から最速さ れるハーバード時代毎週のようにお茶会を 催していたから な日本茶は外国人にも人気なの だ懲シの私は日本茶マスターの資格を 取得アメリカで日本茶愛光者の輪を広げて い た エクセレント日本の文化は本当に味わい 深いお茶から始まる日本への 理解意外に役に立つのだこれがおっと話が それてしまっ たとにかく私はみんなのように大きな談に 胸をきめ

ことはなかっ たそんなおり会社に大きな依頼が持ち込ま れ た世界中で事業を展開するグローバル企業 が日本に本格的に進出することになった らしい一頭地にどでかい自社ビを立て アジアの一大拠点にすると いうその企業のITシステム構築の受注先 をコンペティション 決めるというの だその規模ざ 100億円受注に向けたプロジェクト チームの発足が発表されると社内は一斉に 色めたっ たすげえチャンスじゃん100億単位の 仕事なんて滅多にないよ俺立候補しようか な俺はやめとくよ自信 ない100億か受注できたら社長症だなあ モが到来するか も希望者は企画書を作成し役員の前で プレゼ する次戦多選含め50人近くが応募した よう だ最終的に選ばれたのは8 名なぜかその中に私もい たおいなんで北村が選ばれてるん だお前応募したの かいえしてません よどうせ雑用がかりだろう100億の プロジェクトともなれば用意する資料も 半端な量じゃないしなあデータ集めとか コピー係りとかそんなとこ だろう後期使ってやるからな覚悟し とけプロジェクトチームには上司のさき さんも選出されてい た彼はそれなりに能力があるのだが何とも ひねくれた嫌なやで私は彼にかなり好き 使われて いる仕事のできない無能なクはゴミ集めで もしとけと言ってはよくシュレッター仕事 を押し付けられていた ささんの元で働くのは苦痛だがこれも社長 の頼みともなればいし方 ない今回のプロジェクトチーム発足に あたって私は社長にこっそり呼び出され プロジェクトへの参加を脱進されてい たもちろん断った冗談じゃ ない私は無能でクズな社員を貫くん だ給料泥棒にならない程度に仕事をして心 を 守るそれが自分にとってベストなの だでも社長も知りとかなかっ た今回の仕事はどうしても受注したいうち が世界に名を売るチャンスなんだ君がいて くれるだけで心強いんだよ頼むよ北村

君社長は私の能力を正確に把握して いるもちろん心の傷 も全てを理解した上で黙って見守ってくれ ている社長に頭を下げられたら無にもでき ないわかりましたいるだけでいいんですよ ね積極的に介入はしませんよああそれで いいありあとよろしく 頼むプロジェクトが動き出し最初の 顔合わせ 全員の顔がなんでこいつがいるんだと言っ て いるさきさんの予言通り私には雑用が振ら れるコピートリやデータ集め ホワイトボードのインクが切れただの おやつはまだかなんて最速 まであちこち走り回っては1人バタバタし ていたけれど仕事の進捗状況を確認する ことは忘れなかっ たみんなの話はしっかり耳に飛び込んで くる全員の資料をちみすることも忘れ ないなんだかんだ言って気になるの だそこの数字間違ってる じゃんおいおいその構成じゃ間違いなく システム障害が起こる ぞ文法おかしいけど大丈夫か なミスを見つけるとハラハラしてしまうが 指摘するわけにもいか ないなんせ私は無能でクズな雑用がかりな の だ会議終了後後片付けをするのは私の 役目その時こっそり数字を修正したり気に なる箇所に付箋を張ったりしておい たあれこの付箋誰がつけたの 何何構成はAじゃなくBにすべき だなるほど確かに分かりやすい指摘だ なあでかこれ誰の 字見たことない字だなあ システム構成の関係なら笹谷さんと か笹谷さんは大手IT企業から転職してき た優秀なSE だ夜中にこっそりちっこいおじさんが来て チェックしてるんじゃない の何それ 怖いもしかしたら社長はこうなることを 見越していたんじゃなか プロジェクト上のミスを見つけ修正する そんな私の切開を読んでいたのかもしれ ないやはり社長は侮れない資料は順調に 仕上がっていきプレゼンの練習も繰り返さ れ た今回のプレゼン相手はグローバル企業 プレゼンは英語で行わ れるもちろん資料も英語用だ私も中身を チェックしたがなかなかの仕上がり だこれなら行けるんじゃないだろう

か進行役はささんサポートは川本 さん佐木さんは日頃の強引さがそのまま プレゼンになり川本さんが合わせるのに 苦労して いる大丈夫だろう かすみません今のところ早すぎて聞き取り づらい ですお前が無能なだけ だろう俺みたいな無能が向こうにもいるか もしれませんよ俺が理解できれば会場全員 が理解できるんじゃないです かそれもそうだ なあょがないお前のレベルに合わせてやる よなんとかうまいことを言ってペースを変 させることに 成功川本さんの目がお礼を言っているよう な気がしたけどきっと気のせい だろうだって他のメンバーはこいつ本当に 無能だなって顔して笑っている もの川本さんだって笑っているに違い ないコンペの日がやってき た私はがかりの付き添いとして会場入り するさすが世界になるグローバル 業コンペ会場は半端じゃないくらい合成で 競合相手も世界中から集まってきてい た彼らを相手に戦うのかさすがの私も むしるして しまうまあ私はただの付き添いなんだけど 私たちのプレゼン時間は午後1番に設定さ れてい た午前中はライバル企業のプレゼに耳を 傾け昼食を挟んでの登場と なる英企業のプレゼンさすがだった なあ俺らすぐ後じゃなくて良かった よマジそれなあの後はきっついわ 君たち何言ってるんだ私たちの案が最高に 優れているに決まっている だろう私に任せた前川本さんしっかり サポートしてくれ よ は はい川本さんは顔が真っ青だ相当に緊張し ているのだろうか食事が喉を通らない らしい川本さん少しでも食べておいた方が いいですよしっかり当分チャージして脳を 活性化させておき ましょうはいありがとうござい ますランチタイムも終わりいよいよ私たち の出番が迫ってき たでもおかしいこの時間になってもまだ 社長が到着しないの だ今回のコンペ誰よりも社長が一番気合い が入ってい た通常なら1組目の企業プレゼンから顔を 出しているはず

だ一体今日はどうしたというの だろうさすがにみんなも気になっている よう だ社長まだお見えになりません ね時間ギリギリなんて珍しいなあ何かあっ たのか なそんな風に話しているとさきさんの電話 が鳴った えなんだっ ていきなりの大声に体がビクッと なる何事 だそれで社長は大丈夫なのかえ 社長大丈夫 って社長どうかしたの か全員の顔が不安げに変わり佐木さんを 見つめるコンペに向かう途中で社長が倒れ たらしい ええ想定外の事態にみんな言葉を 失うそれで社長は大丈夫なんですか とりあえず心臓は動いているらしい詳しい ことは分からないが突然倒れて今救急車で 運ばれているそう だ そんな川本さんの顔色が一層青く なるコンペどうするんですかメイン部分は 社長がプレゼンするんでしたよ ね俺が代わりに 話そう何現行もあるんだから大丈夫 だろうささん英語得意ですもんねきっと うまくいきます よ社長の容態が心配だが今はそれよりも目 の前のプレゼ だなんと言っても社長肝入りの プロジェクト彼はこのコンペにかけてい たいくら心配だからって仕事を投げ出して 駆けつけていてばとなられるだけ だなんでこんなところに来ているんだ コンペはどうした完璧に成し遂げてきたの か君たちの責任をきちんと果たしたの かそういうのが目に見えて いるみんなそれが分かっているから今は プレゼに全集中だ いよいよ100億がかかった私たちの コンペが 始まる会場にはクライアントの企業は もちろん同じくコンペに参加するライバル 企業の面々も顔を揃えて いる威圧的でいて原宿でそこにいるだけで 胃がキュっと悲鳴を上げそうに なる川本さんは緊張で今にも倒れそうだ そりゃそう だろうあらゆる国の優秀な頭脳がいくつも ずらっと目の前に並んでいるのだ平常心で 色という方が無理というもの だ一方ささんはなんだかワクワクして

見える華麗なる舞台に息よよとしているか のよう だ目立つことが好きなささんにとってま夢 のステージなの だろう社長がいないとなれば前編に渡って 自分をアピール できるまたとないチャンスだと捉えている のかもしれ ない期待に同行も鼻の穴も広がって いるよほど興奮しているの だろうさあステージの始まり だ本日はこのような機会を与えていただき 誠に感謝いたします早速ではありますが 我が社のご提案について説明申し上げ ます流暢な英語で挨拶をするさ さんいつも私を無能呼ばわりして仕事を 押し付ける嫌味なやだけれどプレゼンは さすが だやっぱり彼もエリートなのだ なん関心しながら舞台を 見る上州はどう だろうちゃんとついていけているか なさきさんの英語は悠長なのだけれどどこ となく妙なイントネーションが ある彼は東北の出身でその イントネーションがどこかに残っている ような感じ だ日本語になれた私たちは気にならないが 外国の人のの耳にはどう響くの だろうそれが心配だっ た会場を見渡すと案の定眉をしかめている 人が いるどうやらその人は佐木さんの イントネーションというよりも英語その ものがあまり得意ではないよう だ午前中のプレゼンはどうしていたの だろう国際会議なんかでは通訳がくの だろうけどさすがにこの規模のコンペでは 無理 か理解しづらい環境に身を置くのはきっと 辛いに違いないと考えているとその人が手 を あげる質問タイムではない挙手に佐木さん は巨とするが焦っている川本さんが発言を 許して しまう大変申しないのだけれど今の部分 だけでもフランス語でお願いできない だろう かフランス 語今あなたが話している部分は私の業務に 関わる重大項目だ残念ながら私はあまり 英語が得意でないんだ正確に理解したい からフランス語でお願いし たい大変申し訳ないのですが今回は英語で しか書類を用意していないの

です午前の部の人はちゃんと対応してくれ たんだ がおっとこれは まずい他の企業にできてお前のところは できないのかなんて不信を抱かれてはこの 後が大変 だ今回のクライアントは世界規模で事業を 展開するグローバル企業なのだから あらゆる人種が顔を揃えていてもおかしく ない我々はそこまで考えてプレゼンすべき だろうささん分かっているか なふフランス語ですねしばらくお待ち くださいそう言うとさきさんはフラフラと 川本さんに近づいて いく川本さん確か大学の第2外国語先行 フランス語だと言ってたよな変わって くれ待ってください先行したって言っても フランス文学を読んだくらいですよ フランス語なんて挨拶程度しかできません プレゼンなんてできるわけないじゃない です か読むことはできるんだろうだったら資料 をフランス語に翻訳して話せばいいだけ じゃない かいやささんさすがにそれは無理 だろう同時翻訳なんてウルトラCQの何度 なんだぞそれをこの場でやれ とどれだけプレッシャーがかかると思っ てるん だ無理ですできませ んじゃあどうするんだよしかいないじゃ ない か小声でやり取りしているものの不穏な 空気が伝わったの だろう会場がざわざわし 始めるいかんこれはだめださきさんは 無理やり川本さんを誕生にあげようとして いる今にも泣きだしそうな川本さんと目が 合うああしょうがないこれ以上女を苦しめ てはいけ ない私は意を決し誕生に 上がるおい無お前何してるさっさと 降りろここは私に任せて ください無能なお前に何ができるって言う んだ恥をさらす なささんならできるんですか うから黙って見てて くださいその言い方にむっとしたようだが 気にし ない私はマイクを手に取り話を 始める皆さん大変失礼いたしました本日 フランス語担当の社員が体調を崩しており まして登壇することができません変わって 私が担当させていただき ますフランス語で説明してほしいとのこと

でしたのでここからはフランス語でお話し いたします皆様ご容赦 ください断りを入れた後フランス語で説明 を 始めるありがとうとてもよく理解できた あなたの説明はとても分かりやすいそれに あなたのフランス語はとても綺麗だ フランスに住んでいたのですか いえフランス在住の経験はありませんが フランス人の友人ならい ます友人からフランス語を学んだのです か学んだというか交流しているうちに自然 と身についたよう ですトレビアーン ありがとうござい ます別の場所で違う声が 上がるあなた えっと北村 ですミスター北村あなたフランス語以外も 話せますか ええドイツ語でご説明しましょう か発言者の英語にはドイツ語っぽさが感じ られたのでそう聞いて みるオーマイゴッ是非お願いし たいハス 驚愕の表情を浮かべる佐木さんの顔が司会 の端に 入るまさかフランス語どころかドイツ語 まで話せるとは思いもしなかったこと だろうドイツ語での説明が終わるとまた 違う声が 上がる私は中国人なのだ がち だら今度は中語だ 忙しいなんだかクライアントの人たちが 楽しんでいるように 見える気のせいだろう かミスター北村私はどこの出身だと思うか いロシアです ね私はロシア語で 答えるロシア語も行けるのか い資料内のことならロシアでも対応でき ますではお願いしようか なわかりまし たミスター北村私たちは日本の次に ベトナムへの事業展開を考えているんだ まさかとは思うけど君ベトナム語も話せ たりするのか なベトナムですか残念ながら専門的な話題 ができるほど嗜んではいませんですが ツアーガイド程度であればご案内できるか と思い ますそれは 頼もしいさっきまでの不穏な空気はどこへ やら会場全体が穏やかな脇あいあいとした

空気に包ま れるでは説明を続けさせていただいて よろしいでしょうか翻のの必要があれば その都度お申し出 ください中国語でフランス語でロシア語で イタリア語で日本語でとあらゆる要望に 答えているうちに持ち時間を等に過ぎて しまったがとめられることはなく私の プレゼは無事に終了し た終了後はこれまた大変で多くの人に もみくちゃにされる 私の言語でのプレゼはどうやら大成功だっ たようだライバル企業からも声が かかる君すごいなあどうだいうちの会社に 来ない かこんなところで堂々とヘッド ハンティングとは恐れ いるやっと解き放たれて仲間たちの元に 戻るとうるうるの川本さんに迎えられ 北村さん すごいなんであんなたくさんの言語で 話せるんですか助けていただいて ありがとうござい ますこんな風に素直に感謝されるとなんだ かとっても 恥ずかしいすごいなお前なんで今まで黙っ てたんだ よ一体どんなマジックなんだ無なんて馬鹿 にして悪かった見直した ぜこれまで冷たい態度だった同僚たちも 口々に褒めたえて くれる全く調子のいいもん だささんだけが偶然とした表情で睨むよう に私を見て いるおい北村どういうことだ説明 しろ説明って何をです かなんでお前が他言語を話せるん だなんでっ て実は俺ハーバード大学卒業してるん です ハト全員が豆鉄砲を食らったような顔に なるが中でも川本さんの目は今にも こぼれ落ちそうで思わず受け止めようと手 を差し出して しまう嘘をつくなお前の最終学歴は でこぼこ大学 だろう確かに国内での最終学歴はそうです よでもその後ハーバードに入ったん です学歴詐称じゃない か詐称と言われて もしているわけじゃなく反対にマイナスに しているんだけど なまあ詐称には間違いないのだ けれど色々と面倒だから伏せていたんです よハーバード卒なんて北村さん

すごいでもハーバードにいたってだけで あんなにいろんな言葉を話せるものなん です か大学にはいろんな国の人がいるからね 自然といろんな言語が耳に入ってくるん だそれだけで覚えちゃったの か実は俺映画が大好きでいろんな国の映画 を字幕なしで見てるうちに覚えちゃった みたいすごいわ私も今日から字幕なしで 映画を見なくちゃおすめの映画教えて くださいうん今度教える よ俺も頼むよどうせならファイティング系 がいい なあ分かった探して おく一気にみんなとの距離が縮まっ たなんだみんないい奴らじゃない かささんだけはどうも納得できないようで 未だ私を睨みつけて いる少しくくらい言葉が話せるからって 調子に乗るなお前は上司の命令を無視して 勝手に壇上に上がったその事実は懲罰に値 するからな覚えて おけ助けてもらったのにその態度かこの人 はどうしようもない なあコンペ終了後社長が収容された病院へ 駆けつけるとにささんがい た私が病室に入ると嫌みな笑顔を向けて くるこんなところまで何しに来たんだお前 の命令無視は社長に話しておいた事例を 楽しみにして おけ北村君君はさ君の指示を無視したのか いはい止めるささんを振り切ってに上がっ てプレゼンしまし た会場は混乱しなかったのか な多少はざわつきましたがすぐに皆さん 理解してくれまし たと言う と皆さんが細かな部分まで正確に理解 できるようそれぞれの母国語で説明しまし たから納得していただけたんだと思い ますなんか語で話したんだい えっとですね英語フランス語ドイツ語中国 語ロシア語ご家国語 ですイタリア語も話してたわ よ一緒に来た川本さんがフォローして くれるなるほど タガログ語は披露しなかったのか なそうですね今回フィリピンの方は いらっしゃらなかったの で北村さんタガログ語も話せる のまあ日常会話程度 ならさすが北村 さんいつの間にか川本さんはすっかり私に 親しんで いるなんだか不思議な気分

だそれで最近君はどんな指示をしたん だそそれ は壇上を降りろって言ったんですお前 みたいな無能には何もできないんだから恥 をさらすなっ てさき君本当 か社長は私より川本さんの言葉を信じるん ですかああそうだよ 彼女は私の名だからね え彼女は私の妹の娘なんだよまなから君の 良くない噂は聞いて いるささんが無能呼ばわりしていたのは私 だけではなかっ た彼は気に入らない人間には資料を隠し たりわざと納期を間違えて教えたりしてい たようだ 多くの人がその被害に会っていて社長は名 である川本さんにこっそり内定を頼んでい た らしいあら びっくり言われてみればとことなく重が似 ているような気がしないでも ない明日には私も退院できるからさ君君の 新編調査をさせてもらう よそそんな私は何も悪いことはしていませ んだったら堂々としていれば いいしかし 社長黙りなさい無能は君の方だ部下のこと をよく知ろうともしないでよくもまあ無能 呼ばわりできたもの だしかしこいつはハーバード大卒だって ことを隠してたんですよ詐欺じゃないです か学歴を隠していたとしても彼の行動を 注意深く見ていれば彼が有能であることに 気づけたはずだそれを見抜けなかったのは 君の怠慢 だ要するに無能は君だ出ていき なさいそこまで言い切られてささんはすと 帰って行っ たそういえばいつの間にかプレゼン資料の ミスが修正されていたことがあったのよね それも1回じゃなく何回もシステム構築の 不を指摘されてたよう なもしかしてそれも北村さんが ああうん俺だ ねどうやら私がこそ間違いを修正していた のを社長は見ていた らしい全く抜け目のない人 だ北村君よくやってくれたきっと今回の 仕事はうちが受注できるだろうその暁月に は君にプロジェクトリーダーをやって もらおうああそれいいおじさん約束 ねなんだまなは北村君がお気に入り か何言ってるのよバカなこと言ってないで ちゃんと両用して

ください真っ赤な顔でしどろもどろになる 川村さんを見て私も心臓がドキドキしてき た恋しちゃったのか な果たしてプレゼの結果は社長の予言通り 見事我ががし た ただし1つ条件がつけられ たプロジェクトリーダーはミスター北村に お願いしたい他国後のマニュアルも用意し て ほしい多言語のマニュアルは厄介だ なあしかしその分支払いは上乗せして くれると いうなら頑張ってみる か実はもう1つ条件があるのだ けれど何 でしょう是非北村にはうちの会社に来て ほしいヘッドハンティング かいしかも社長の目の前でやめてくれ変な 汗をかくじゃない か北村君は渡せません彼を渡すくらいなら 今回の話はなかったことにちょ社長それは さすがにだめだろう私に100億の価値 なんてないなかったことにしないで くれ待ってくれよミスター冗談だ彼がこの 会社にいてくれないと私たちのシステムが 完成しないじゃない かなんだよ冗談かよそれはそれでちょっと 寂しい気も する契約はスムーズに行われ年内には システム構築を始めることに なるそれまでにやらなければいけないこと は 多いさすがに私1人で他国後のマニュアル 作成は無理があるから語学に明るい社員を チームに入れなけれ ば補充要員の目星はついて いる無能なふりをした私はあちこちの部署 にお使いに行きながらしっかりと社員を 観察してい たどこ部署の誰が何が得意なのかゴミを 捨てに行くふりをしながらコピーを取り ながらチェックしていたの だプロジェクトリーダーとして前件を与え られた私は有能な人材を手元に呼び寄せ質 の向上を図った おかげでプロジェクトは順調に進んで いる私は100億をまとめた他言語の男と して車内でちょっとした噂となり私に 対する評価は180度変化し た手のひを返すようにと言えば言葉が悪い が私の能力を知った社員たちは気軽に声を かけてくれるようになっ た北村さんこの資料ドイツ語なんですけど 訳してもらえません

か来月フランス出張になったんです フランス語教えて ください今度お茶会やるんです来て くださいコミュニケーションが増えた分 面倒ごとも増えたけど案外悪いもんじゃ ない師とど川本さんがしてくれるから 忙しい日々もかなり充実して いるそういえばささん社長による ヒアリングの結果いろんな悪字が出るわ 出るわコンプライアンス部も真っ青な事例 が集まり誰も庇うことができなかったほど だ今は地方の視点へ移動し20代社員の元 で営業にしいる らしいかなり苦労しているだろう なあでもこれで下の人間の気持ちが分かる といい な人間性はあれでも仕事的には有能なの だ鍛えられて人間性が改善されればきっと また本社に戻ってこられる だろうその時は多分私の部下になるん だろうけれど 私の名前は小原 健太国内有数の大手法律事務所に勤務する 弁護士 だ大手企業複数者をクライアントに抱え 企業の買収や定型企業官の戦略的合併など を中心に手がけて いる今でこそ一流のロイヤーとして活躍し ている私なが 青春時代は真っ暗闇だっ た私が高校2年生の時父親が事故に 巻き込まれそのまま帰らぬ人となった 我が家は父母兄の4人家族で母は専業主婦 兄は社会人2年 目母もパートに出てはいたが主な稼ぎ頭は 父だったから父を失った私たちは経済的に 困窮し た本当なら生命保険が支払われるはずだっ たが父の亡くなった経緯が経緯だったもの だからなかなか決済が降りなかっ た父は地元の建設会社に務めていたある 建築現場で施工管理者をしていたのだが 機材が倒れその下敷きとなっ た父の他にも数人の社員アルバイトが巻込 事故は1ニュースとなっ た世間は父の管理者としての無責任を小高 に叫びあることないこと騒ぎ立て た事故の原因は機材の積み上げ方に問題が あっ たいい加減に積まれていたものだから バランスを崩しちょっとした表紙に 崩れ落ちたの だいい加減な仕事を許したいい加減なな 管理者父の評判はガタ落ちだっ た機材の積み込みが行われていた時父は

遠方に暮らす祖父母の様子を見るために 休暇を取っていただから指示を出したのも いい加減にチェックしたのも父では ないけれど新聞やニュースではそんなこと には触れられないただ事故が起きたは原 だその事実だけが淡々と伝え られるSNSの燃料等価には十分 だろうまた琢磨に私の父の悪業は世間の 知るところとなり世界に広まっ た幸いにも会社は事故の責任が父にない ことを認めてくれ た生命保険会社にも掛け合ってくれて父の 生命保険は無事に払われ た会社からも幾爆かのお見舞金みたいな ものを頂いたので当面の生活に困ることは なかったが35年支払いの家のローンは まだ残ってい たいくら会社が父に責任はないと認めても 1度世間に広まった情報は消え ないあそこの旦那さんが事故を起こした くせに金をもらったらしいわよ図々しいわ よね何人も傷つけておい て言われのない中傷が街中を走り母は パートの仕事を失っ た小原さんが悪くないのは分かってるんだ けどねでも近所の目というかあれこれ言う 人がいるんだよ本当に申し訳 ない10年近く働いてきたパート先に一瞬 で切られた母親のショックは相当で母は 心労で寝込んでしまっ たごめんね 健太お母さんもう戦え ない悔しかっ た父も母も何1つ悪いことなんてしてい ないなのにどうしてここまでされなくちゃ いけないの か父はをかばって命を失った最後まで正義 感の強い人だっ たその瞬間自分がどうなるかなんて考える 余裕もなくましてや家族のことなんて思い もしなかった だろう目の前で部下に危険が迫っている 助けなけれ ばただただその一心で体が動いたのだろう 父はそういう人 だあれは幼稚園の時だっただろうか私たち 家族はキャンプに出かけた初めての キャンプでウキウキしていた私は他の子供 たちみたいに川で遊びたがっただけど兄に ついてボイスカウト活動をしていた父は川 の危険を知っていたから絶対に許さなかっ たみんな遊んでる よそう訴える私の言葉に耳をかさず かわりに使う石の並べ方やら絶対に解け ない紐の結び方などを教え

たなんで僕 だけ近くではしゃぐ子供たちの声が恨め しかったそんな時川で遊んでいた見知らぬ 小学生が溺れ た子供が溺れてる ぞその声を聞いた父は石を投げ捨てとっさ に川に向かってダッシュし た一瞬のことで私はわけがわからなかっ たお父さんやめ て必死に叫ぶ母の声は未だに耳に残って いる川の周囲でみんなが大騒ぎしている中 父はざぶんと川に入り溺れている子供を 追いかけ た川はあせだったが流れが早くなる場所が あったようでどうやら小学生はその流れに を取られてしまったらしいどんどん流され て いく頑張れ今助けに行く ぞ父はそれほど水泳が得意ではなかった はず だ何度も川の流れに足を取られながらそれ でも必死に子供に追いつき捕まえ た子供を抱き上げて岸辺に上がる父は かっこよかった先体物のヒーローみたい だっ たパパ すごい私は周囲の人と一緒になって父を 褒めたえ た助けられた子供の親 もありがとうございますありがとうござい ますと泣きながら何度もお礼を言ってい た感謝される父が私には誇らしかっ た兄も嬉しそうに胸を張っている母だけが 顔をばらせて キャンプ地に戻り家族だけになった時母は 言っ たどうしてあんな危ないことするのよ子供 が流されてたんだ助けるのが当然だろう よその子じゃないどこの誰かも分からない 子を助けてあなたに何かあったらどうする の私たちはどうやって生きていけばいいの よよその子だって誰かの大切な子供なんだ 見過ごすことなんてできない だろう確かに父の言う通り見知らぬ子供も 大切な誰かの子であって国の宝だ守ら なければならない命 だでも父はレスキューでも自衛隊員でも ない死がな建設会社の現場監督だ正義の心 で助けに走った結果父の命が失われるよう なことがあってはなら もしそんなことがあれば私たちは怒りを どこにぶつけていいのか分からなくなって 途方にくれてしまう だろう子供の頃はどうして母が怒っている のか分からなかったけれど今ならよく

わかる父の不在は私たちの今を脅かす くらい強烈で苦痛で苦しいくらいに悲しく 母の叫びは痛だっ た私たちは悲しみに浸ることも許されず 言われなき心ない言葉を 浴びる私は世間の冷たさと無責任な 手のひら返しに無償に腹が立っ た腹が立ったけど何もでき ないもう学校には行けなかっ た私の高校生活は決して派手ではなかっ たどちらかといえば地味な部類に入る私は 休み時間ともなれば机で本を読んでいたし 放課後は図書館で勉強 タイム部活にも入っておらず友人たちと 誘い合って遊びに行くことも ない地味で無口な私に友人はいなかっ た唯一積極的に私に話しかけてくれた人と いえば橋本かぐらいのものだろう か橋本さんは目立つタイプではないけれ本 わかとした柔らかな表情が合いらしく クラスのアイドル的人気者 だそんな橋本さんはなぜか私を気に かける小原く何呼んでるのグッドバイだ けどもしかしてダザイおさむのそうだ よ小原君ダザイおさが好きなん だ別にきってわけでもないけどえそうなの 私人間失格とか好きなんだけど なああいう暗いのがいいの え人間失格は暗くないよ悲劇だ よ人間失格を悲劇だと読み解く人なんて 初めて見 た橋本さんは変わって いる小原君は最近の人の本とかは読まない の 異世界転生者なら少しあ私も異世界系好き なんだじゃああのアニメ見 たなんて風に無邪気に話しかける橋本さん を遠くから男子生徒たちが見ているどの顔 にもなんであいつに話しかけてんだよって 心の声が出ていて 面白いそんな男子生徒を見る女子の顔は またあの子男子に媚び売ってるみたく嫉妬 の炎が燃えさかる その中心にいる私はいたまれないだけど 橋本さんはあまりにも無邪気で悪意がなく 本当に私との会話を楽しんでいたせっかく だから私も彼女との時間を楽しむことにし たけれどやっかむ人間はどこにでもいる もので 楽しげに話す私たちを放っておいてはくれ ない別に何の害もないのだから知らプリで 通してくれればいいの に鈴木みは橋本さんが気に入らない自分が 1番美人で頭が良く暮らすないどころか 学校中の女王として君臨してもおかしく

ないのになぜか1番人気は橋本さん だはそれが気 だけど橋本さんを攻撃するわけにはいか ないそれでは男子どころか女子の人気も 失ってしまう からまさに高勝という言葉がぴったりの 身よりは橋本さんが仲良くする私を ターゲットに 定めるかななんで小原なんか相手にするの よそんな地味で見晴らし男放っておき なさい よ確かに私は地味だが言われるほど みすぼらしくは ない家は裕福ではないにせよそれなりの 生活水準を満たしてい た服が行けてないのは単に私のセンスの 問題 だ元々ファッションに興味がなかったし 興味があったところで壊滅的に ファッション音痴な私に今時のスタイルを 求められても 困る成績は常に学年とレベルだったから私 をけなそうとすれば性格の地味さと服装 ぐらいしかなかったの だろうみおは毒なんてやっていたから ファッションにはうるさかっ たいくら貧乏だからってそのファッション センスはないんじゃないダサいを通り越し て下列だ わみおちゃんその言い方はひどいよそうだ みおちゃんモデルなんだからさ小原くに アドバイスしてあげ たらなんで私が大原なんかの面倒見なく ちゃいけないのよ下列が映る わ周りのクラスメイトはみおの発言にお 愛そ笑いでクスクスしていたけどなんだか 引きつっているように見え た私とクラスメイトの中はそれほど悪く ない私は少しだけみんなより勉強ができた から宿題やらテスト範囲やら何かと勉強の アドバイスをすることがあっ た嫌われて関係が断絶していたわけでは ない友達とはかないにせよクラスメイトと してそれなりの交流はあったの だ身は女王様でないと気が済まないいつも 誰かを見下しては自分が優位にあることを 確認しないではいられないの だ誰がターゲットになるのか としているクラスメイトの中にあって私 だけは知らぬ顔でひひとしていたそれが気 に食わなかったの だろうどんなに身に馬鹿にされようが私は 気にしなかっ たもも他人に興味がなかったし私が ターゲットになることでクラスメイトが

救われるならそれでいい別に恩を売ろうと かそういうことではない単にめどくさかっ の だ変にあがってやり返せば身の思う壺だ わざわざ餌を投げ入れてやることはないだ から好きなように言わせていたでも父の ことだけは許せなかっ たあんたの父親部下に重症を追わせたん だってとんだク親父じゃんあんたが代わり に土下座して謝んな よ父さんは何も悪くないしクでもないいい 加減なこと言わないで くれいい加減なのはどっちよあんたの父親 が責任者だったんでしょだったら責任取る のが当たり前じゃないみんなだって知っ てるよねこいつの父親が悪いって ことクラスメイトたちは皇帝も否定もでき ないただ目を伏せて嵐が通りすぎるのを 待って いる普段はにもめないけれどこの時ばかり はさすがに誰かが声をあげてくれるのを 期待し たクラスメイトの家族には父と一緒の職場 で働いている人もいる彼らは正しい事実を 聞かされているはず だどうか父の名誉を回復して ほしい祈るような思いで見渡すけれど誰も が私から目をそらし た私は亡した元々期待はしていなかった けれどそれで もこの後に及んでたったの一言も擁護して くれようとしない彼らともう同じ場所には いたくなかっ た経済的事情もあったし私はそのまま高校 を中退することにし た母や兄はなんとか高校だけは卒業する よう私を説得し たあんたを学校に行かせるぐらいの余裕は あるのお父さんの生命保険だって降りたん だからせめて高校だけでも卒業して ちょうだい お前はお金の心配なんてしなくていい俺 だって給料をもらってるんだお前は俺 なんかよりずっと頭がいいからさ大学に 行けよお前の学費ぐらい俺が稼いでやるな 頼むから進学してくれ 私だって大学に行きたかった学びたいこと はたくさんあるしいろんな本を読んで できることなら小説家になりたかったでも もうどうでもよかっ た母や兄の気持ちは嬉しかったけれど私に はもう高校へ通う理由がなかっ た高校中隊だって小説家にはなれるむしろ 座がある方がいい本が書けるんじゃ なかろう

かいろんな経験をしてこの悔しさをネタに すれば いい私は自らの希望で高校を中退し働く ことにした幸いにも父の会社の社長が私の ことを聞きつけてアルバイトとして雇って くれ た君のお父さんは本当に会社のためによく 働いてくれた仲間を作ってくれたなのに 間違った話が世間に伝わってしまって本当 に申し訳ないどうしてこんなことになった の かお詫びにもならないだろうけどうちで 働いてくれないかすぐに社員というわけに はいかないからまずはアルバイトとして来 てもらえないだろう か願ってもない話だっ たアルバイトで十分ですよろしくお願いし ます私はその日からアルバイトとして父の 務めていた会社で働くようになっ た毎日がむしゃらに働いた胸の中の モヤモヤを振り払うように体を動かし クタクタに疲れきるまで働い た高校中隊でアルバイトの私にできる仕事 なんて雑用ぐらいのものだ右にあるものを 左に移すそれだけでも私には未知の会見で 学ぶべきことは山ほどあっ た職場の人たちはみんないい人で私のこと を弟や息子孫のように可愛がってくれた父 のことを悪く言う人なんて1人もい ない君が小原さんの息子さんか誠実そうな ところがよく似ている よあなたのお父さんね私たちが困っている と真っ先に駆けつけてくれてまるで ヒーローみたいにかっこよかったんだ からよくあなたのこと自慢してたわ ようちの息子たちは俺に似ず2人とも出来 がいいんですよなんて嬉しそうに笑ってた の よ食堂で休憩所でお手洗い でいろんな場所でいろんな人が声をかけて くれる知らない父の話を聞くのは新鮮 だ小原さんには本当にお世話になったよ あんな亡くなられ方をして残念 だそう言ってむ社員もい た父は確かにここで行きみんなに愛されて いたその事実が嬉しかっ た父を愛してくれた人たちに恩返しがし たい私は職員たちから仕事を学び少しでも 役に立てるようにと必死だった社長は そんな私をずっと気にかけてくれてい たずっと仕事ぶりを見ていてくれたの だろうある日社長がやってきてこんなこと を言っ た健太君君は勉強が好きかいはい好き です

もっと学び たい機会があるのならそうかそうだろうね いや総務部の川崎君から健太君が労働法の 本を読んでいたって聞いたんだ法律に興味 がある のはい実は先日残業をしていたら川崎さん からサブ協定違反になるからダメだって 言われて何のことかさっぱりわからなかっ から本を貸してもらったん ですそれで理解できた の部分的には うむ社長はそのまま少し考え込んだ余計な ことをしてしまったのだろうかアルバイト の私が労働法なんてものに関心を持っては いけないのだろう か不安気に立っていると社長が口を開い たどうだろう健太君君大学に通って法律を 勉強してみないか全額とはいかないがある 程度の学費は私が負担 しよう突然の申し出にきょとんとして しまうこの人は一体何を言い出すの だろう社長僕高校中隊ですよ大学なんて 行けるわけないじゃないです か大見を受ければいいなんなら夜間学校に 通ったらどうだもちろん費用は私が出す から待ってくださいなんで社長が費用を出 すって話になるんです か健太君やご家族には小原君の件で大変 迷惑をかけたから ね言われのない中傷にさらされてさぞかし 苦労したこと だろう私たちがもっと大きな声で間違いを たすべきだった私はその努力を怠って しまった本当に申し訳ない今更謝った ところでどうにでもなるものでもないのは 分かっているだけどつなと言ってはなんだ が君の力になりたいんだいやならせてくれ ないだろう か真摯に頭を下げる社長の姿に私は心を 打たれた社長頭をあげてください私たちは 十分に謝罪していただきましたそれにこう やって働かせてもらっている十分ですいや そういうわけにはいかない君には能力が あるせっかくの才能をここで持て余すこと はないどうだい弁護士を目指してみない かこれまたいきなりの提案に腰が抜けそう に なるどうやら健太君は法律に興味がある ようだしうちとしても頼りになる専属の 弁護士が欲しいん だそんな簡単に弁護士なんてなれませんよ 分かってるよ今はまだやなさんが頑張って くれているからね彼もそろそろ高齢だから いずれは公人を探さなくちゃいけないどう だろう瀬さんがギブアップするまでには

弁護士になれそうか いなんて無謀 な無謀とは知りつつも心は踊っていたなぜ なら当時の私の夢は弁護士だった から父の件で世間の冷たさ身さを知っ た平気で人権侵害とも呼ぶべき誹謗中傷を 繰り返す人たち彼らに対抗する手段は法律 しかない 法律は助けてくれと声をあげる人の味方だ 私たち家族のような悲劇に際した時味方に なって支え法律でもって反撃してあげ られる人になり たい体の傷以上に心の傷は深くて辛い平等 で公平であるべき人権や名誉を守るために は法の力が有効だ弁護士なら言われなき 苦しみからを守ることができるのではない か社長の申し出はありがたかっ たいろんな葛藤はあったのだけれどそれら の感情全てに蓋をして私は社長の恩情に 頼ることにし た社長ありがとうございます是非大学に 進学したいと思いますなので夜間学校に 通う許可と入学金だけ甘えさせていただい てもいいでしょうか 入学金だけじゃなくて学費全てを払わせて もらうよいえそれはお断わりしますお 気持ちは嬉しいのですがそこまで甘えて しまっては父に怒られます学費は自分で 稼ぎ ますどうやっ て新聞配達のアルバイト募集があったので それ でだったらうちの工事現場で働くといい 週末と休日の交通誘導員が不足している から勉強して資格を取りなさい講習費は こちらで用意するよ新聞配達よりも時給が いいはずだ よはいありがとうござい ます周囲の温かいサポートと社長の援助の おかげで私は大学に進学し勉強することが でき た毎日がむしゃらに勉強した周囲が サークルだ飲み会だ合コンだと大騒ぎして いる中脇目も振らず勉強した勉強して働い た私には遊ぶ時間も経済的余裕もなかった 1日も早く司法試験に合格して弁護士に なるそこから全ての恩返しが 始まる放課大学院には入れなかったから 地方試験は予備試験から受けなければいけ なかった道のりは長く勉強は滝に渡った けれどなんとか2度目の試験で合格する ことができ た晴れて弁護士になった私は柳瀬さんの 紹介で他県の弁護士事務所にお世話になる ことになっ

たそこの事務所は企業案件を得意としてい たから相当勉強になるだろうという話だっ たここで勉強してその経験を会社に持って 帰れということなのだろう了解し た大手企業を多数クライアントに抱える 事務所はひっきりなしに忙しく新人弁護士 である私は右王 さお見所があると思われたのか使い勝手の いい小遣いと思われたか知らないが私は エースロイヤー付きになった彼小田さんは 相当に優秀なやり手で負けを知らない弁護 士と言われてい たそのやり口は徹底していて勝利のため なら際どい手段も厭わない感情に流される ことなく必ず勝利を もぎ取る主案に賛否あれど尊敬に値する 人物だっ たあれこれ振り回されることもただあった けどかなり色々と学ばせてもらっ た私は彼のような教行手段は取らない なんて反面教師となる部分もあったのだ けれど彼の下で5年学んだ私はようやく 地元に帰ることとなったそんな時高校の 同窓会の知らせが来 た中退したのになんでと不思議に思った ものの懐かしさを覚えたのも事実 だ地元にも帰ることが決まったしせっかく だから参加してみよう かあんなにも嫌な思いをしたはずなのに 年月を経て感情が柔らいだのか私が丸く なったのかとにかく参加することにし た同窓会 当日会場は駅前のレストランおしゃれで ちょっと高級な感じだ見知った顔が ちらほらかなり 懐かしい あんな状態で途中退場した私だ一体どんな 顔をして入ればいいのだろう躊躇している と男の声がし たあれもしかして大原えオバラ君 懐かしいすげえ久しぶりじゃないかおば今 までどうしてたん だ意外にも懐かしみ親しげに声をかけて くれる同級生たち そこには橋本さんもい た小原君久しぶり元気だったうん元気だよ 橋本さんも元気そうだねおかげ様でまだ ダザイお様呼んでるのそうだねでもまだ 人間失格を悲劇だと思えないんだ けど小原君もまだまだねそれにしてもに 来るなんて珍しいねてか初めてじゃ ない珍しいも何も高校を中退した私に招待 上なんて届くはずも ない同窓会なんて私とは全く無縁だったの だそれが今回に限って招待され

たそうだあの日身にあって同窓会に来いっ て誘われたのだそれで実家にに招待場が 届けられたのだっ たあら大原じゃない本当に来たん だいやらしいエミを浮かべて身が近づいて き た地元に戻るにあたって私は勤務先を退職 した後少し休暇を取っ た引っ越し作業もあったし忙しすぎた体を 休めるのにいい機会だと思った から引っ越しと言っても実家に戻るのだ から 大した荷物は ない2週間の休暇は長すぎたくらい だ以前お世になった父の会社に行くと少し 年置いた社長が心よく出迎えてくれ た随分と立派になったなあこれからは顧問 弁護士としてよろしく頼む よ社長には本当によくしていただきました これから少しずつ合音を返していきます 期待している よ休暇と言っても特にすることもない私は 1週間だけアルバイトさせてもらうことに し た社長は事務仕事を進めたのだけれど体が なるのもなんだから工事現場で働かせて もらうことにし た体を動かすのは気持ちいいしかしかなり 汗を隠し 汚れる私は現場までヨレヨレのシャツと 吐きふしたジーパンで通っていたみおは そんな私を見かけて声をかけ たあんた小原相変わらず貧乏くさい格好し てんのねこんな時間からパチンコいい年し てみともない下列な人間はいつまで立って も下列だ わ出くわしたのはちょうどパチンコ屋の前 で私ははたまたまそこに立ち止まって仕事 の電話をしていたみおはよれよれで真っ黒 に日に明けた私がパチンコ屋から出てきた のだと思ったの だろうどうせろな仕事についてないん でしょう高校中隊だもんね私はね今大手 一流企業で働いてるのよ今や課長よ 課長あんた随分と成績良かったみたいだ けどエリートの私と随分さがついたもの ね話す気にもならなかったが無視するわけ にもいか ない君は元気そうだな相変わらず美人だ やめてよ気持ち悪いあんたになんか褒め られたくない わ私だって褒めたくて褒めたわけじゃない 他に話すことがないのだから 仕方ないそうだ今度の日曜日同窓会あるの よあんたも来なさいよ俺は中退したんだ

から同窓会に出る資格なんてない よ幹事の私がいいって言うんだからいいの よ13時から駅前のミルフィっていう レストランね参加費は1万円なんだけど 払えるのかしらああ大丈夫 だせめてよれてないシャツ着てきてよね私 に恥かかせないでちょうだい どうせみすぼらしい私の姿をみんなに披露 して笑い物にする気だろう身のコンタに 乗るのも尺だったが久しぶりにみんなに 会ってみたいという気持ちが勝ったそして 私は同窓会会場にやってきたというわけ だちゃんとした格好してるじゃないどうせ そのスーツレンタルでもしたんでしょ全く 似合ってないわ ね早速ジャブをかましてきたが華麗に スルーする今日はお招きありがとう久し ぶりにみんなに会えて嬉しいよ何ししぶっ てんの日雇い貧乏人のくせに知ってる こいつさ昼間からブラブラしてパチンコ なんてしてんのそれもよれよれのシャツに すり切れた汚ったないジーパンなんか履い て本当貧乏人は嫌だわレストランが汚れる じゃ ない相変わらずの弱 に周囲も引き気みだそんな気配を気にする ことなくさらにみおは私を馬鹿にしようと するとその時おらお前そこの女お前だよ お前柄のよろしくない連中がいきなり乱入 してき たあんた田さん俺たちあんたに用事があん だ よどうやら彼らはりに事があるらしい鈴木 みおは結婚して田中みになっているな何よ あんたたちあんたたちなんて知らないわよ えのいお姉さんだなあんたの旦那俺たちに 金借りてんだよね返してくん ない借金そんなもの知らないわよなんで うちの旦那が借金なんかするのうちは 金持ちなんだからあんたたちみたいなの からお金なんて借りるわけないじゃない おらおらこれが借用者だっつうの旦那の 借金の方つけろ や身がヤザに絡まれ店内が然とするおい君 たち警察呼ぶぞ ああ呼べるものなら呼んでみろやこっちは 貸たも返してもらいに来とるだけ やさすがな迫力にたじたじとなる同級生 たち女人は恐怖に震 どうやら身の旦那が借金をして返済してい ないらしいがどう見ても正規の借入れでは ない闇金だろうしょうがない私が出る か君たち静かにしないかなんだ あんた私はポケットから弁護バッチを 取り出して胸に

つつける正義と自由のひまわり公平と平等 の計りは弁護士のあるべき姿を示している ヤザな商売の彼らには見覚えのあるバチ だろう彼らが怯むのが わかるみおさん旦那さんは金利いくらでお 金を借りているんですかななんなのよ あんた知らないって言ってる でしょう意地を張るな本当のことを言い なさい強い口調に驚いたのか身は体を ピクッとふわせて顔面蒼白になるに2% です完全なる違法ですね返済の義務はあり ませんおいお前何勝手なこと言ってるんだ 借りた金は返すに決まってんだろう が大声を出さないでください同かですよ そのような言葉遣いや態度も違法となり ますなんなら今から警察に行きましょうか 調子に乗ってんじゃねえぞ こらここには証人がたくさんいますそれに この店には防犯カメラが複数台設置されて いますほらあそこあっちにもあり ますあなたたちの行為は全て記録されてい ますから立派な証拠となり得 ますどうしますか続けますかお引き取り いいた方が懸命なのではくそおい行く ぞ私の迫力に押されてか男たちは立ち去っ た何どういう ことみおは何が起こったのかよく理解でき ないらしい周囲の同級生たちもポカンとし て いる実は僕今は弁護士なんだよ先日までカ 法律事務所に務めていて今度からこっちで 働くために戻ってきたんだカ法律事務所 って大手企業ばかり相手にしてるあの大手 のどうやら同級生の中にも法律事務所に 詳しい人間がいるようだそんなにすごいの エリートばっかり集めてる事務所で弁護士 の中でも上位数パーの人間しか入れないと か聞いたことが あるどういうことよ高校中隊のあんたが なんで弁護士なんかやってんのよ無職の 貧乏人じゃなかった のこうなったら仕方がないから私はこれ までのことをみんなに話した高校中隊後 夜間高校に通って大学へ進学したこと大学 では法学部に在籍し主席で 卒業2度目の挑戦で司法試験に合格し弁護 士になったこと 5年間の修行を経てお世話になった会社に 恩返しするために専属顧問弁護士として 戻ってきた ことすごいな小原頑張ったんだ なもしかして小原君が弁護士になったのっ てお父さんのことがあった からうんそうだ ね俺たち小原には本当にひどいことしたよ

な原のお父さんが悪いわけじゃないって 知ってたのに謝って許されることじゃない と思うけど本当に ごめん私も小原君が苦しんでるの知ってた のに何もしてあげられなかったごめん なさいみんな気にしないで色々あったけど おかげでこうして弁護士になることができ たんだこれから困ったことがあったら言っ てよとりあえず鈴木さんよかったら相談に 乗る けど異性のいい姿はどこへやらみおは すっかりげて座り込んでい たお願いし ます消え入りそうな声で 答える確かにあの頃私は私を取り巻く全て を恨んでいた事実5人によって追い落とす れた私たち家族をさらに追い詰める周囲の 目悔しくて苦しくてもどかしくてイライラ したけど今思えばそんな苦しみがあった から こそ私は人の痛みを知る弁護士になれたの だと 思う人生意味のないことなど1つもないと いう父が亡くなったことにどんな意味が あったのかそれを考えるのは未だに胸が 痛む けれど今の私を作り上げる一要素であった ととしたのなら何とも残酷でだけど残酷な 分強大なパワーとなって今の私を形作って くれているの だろうもしかしたら存在で傲慢な身にも 超えられない苦しい心の壁があったのかも しれ ない今からでも遅くはないいや今だから こそ 語り合い分かり合うことができるのかも しれない もしかしたら本当にただの嫌なやかもしれ ないだとしてもいいじゃない かそういう人間との付き合いもまた学びの 1つであり私という人間の養分となり得る のかもしれ ない袖振り合うも多少の 縁幼い時代を共に過ごした仲間たち仲間と 呼べるかどうかは分からないけれど確かに 同じ時間を の だこれから先の長い人生いつまた同じ時間 を共に過ごすかわからないだったら私は 断絶より歩み寄りを選ぼう その方が人生はずっと楽に自由になる だろうもし来年また同窓会があるとしたら 私も参加させてもらおうか なその時まで橋本が言うげの意味が理解 できていればいいのだ

けれど

You may also like

1 comment

@user-ch2mv4zf6e January 3, 2024 - 11:15 pm

自衛隊を底辺と言うこと自体間違えてないか?💢💢

Leave a Comment