青山和子 [ 愛と死をみつめて ] COLUMBIA DENON 3S-50F (1965?) SPEAKER DS-6526 DS-36B 16cm 真空管ステレオ スピーカー ★DMA7 大同製鋼

Windows 10 PC (Straight Out)
↓USB Connection
Amplifier：Nobsound NS-01G
↑Recording
Camera：iPhone 13 Pro (1080p HD/60 fps With Built-in Stereo Microphones)

1965年頃？のCOLUMBIAの真空管モジュラーステレオ、3S-50Fのスピーカー部です。(取扱説明書には17cmとあるのですが、実寸するとよくあるサイズの)16cmロクハンアルニコフルレンジ+7.5cmアルニココーンツィーターのバスレフ型2WAYです。このモデルがはっきりとその頃のモデルとは分からないのですが、1965年の大型セパレートステレオ、7S-30Fのスピーカーと背面板吸音材の波のような立体的な貼付け方等似ている部分や、何より音づくりも似ているためこの頃のモデルでほぼ間違いないだろうと思います。

この小粒なスピーカー、後の1969年頃以降のCOLUMBIAの同様のモジュラーステレオのスピーカーより大分随所にこだわりが見られます。

具体的には…
・16cmアルニコメインユニットDS-6526のエッジは半透明な布クロスフリーエッジで、60年ほど経っているにもかかわらずダンプ剤のコーンへの浸透もなし、またエッジの硬化も0でありながら接着剥離もなしで、見るからにかなり良質なユニット
・その60年の月日を感じさせないしなやかなエッジ&90mm程の大型ダンパーで、大変しなやかなストローク感があり、時代を考えると異例のハイコンプライアンスユニット
・そのアルニコ磁石はNKS-5DGより古くてレアな‪★DMA7という強力タイプ
・ツィーターはDS-36Bという7.5cmタイプで、4cmや5cmよりも大口径タイプ。ただしDMA7等の印字は見られず磁石の銘柄は不明
・7S-30F同様、背面板には厚みのある吸音材を波型に立体接着
・この時代では異例の？左右対称ツィーターレイアウト
・ロゴマークもスプリング付きビスで固定されており角度調整可能
・(説明書には密閉型とあるが)ロゴマーク横のバッフル板一部が小さくスリット状にカットされており準バスレフ型
等々、どれも60年前のモデルと思えないくらい吟味された構造です。

残念ながらコーンツィーターのエッジがウレタンで崩壊していますが、元々硬めのサポートのダンパーで音の歪みも感じられず、ウレタンエッジの役割も元々軽く抑えていた程度だと思います。

音は小型ながら大変滑らかで良く響き高域も良く伸び、お世辞抜きで1970年代のこのサイズのモジュラーステレオのスピーカーよりもHi-Fiな音色です。一聴して感じたのは、冒頭に書いた25cm2WAYの7S-30Fのスピーカーと非常に音づくりが似ている点です。もちろん7S-30Fほど深い低音は出ないものの、明るくも深みのあるユニット自体の音やそれを響かすBOXの綺麗な響き方など、ブラインドテストでも音が似ていると分かるレベルです。今のミニコンポの同サイズのスピーカーでこんなに音離れが良く滑らかに綺麗に響くスピーカーはありません。

と言っても私はMD全盛期に学生でしたので、デジタル時代のグライコビュンビュンのミニコンポも一番馴染みがあって好きだったのですが、このような1960年代の古いスピーカーがこうも綺麗に響いてくれる≒歌ってくれると、今の小型スピーカーって一体何なの？と思わず考えてしまうくらい魅力溢れるスピーカーです。この頃のCOLUMBIAの設計陣、7S-30Fの時も感じましたが(7S-30Fも本機も自社製ユニットではないのは分かっていますが)、改めてユニットのチョイスとスピーカーシステムとしての音のまとめ方がとても上手に感じました。