「表情変えずに刺した」目撃者語る犯行の瞬間　長野立てこもり4人死亡(2023年5月27日)

　女性と警察官ら合わせて4人が死亡した長野県中野市の事件で逮捕された男は、27日午後、検察に身柄を送られました。犯行を目の前で目撃した男性は、「表情を変えずに人を刺していた」と恐怖の瞬間を語りました。

■「悪口言われたと」殺害動機を供述

　4人の命が奪われた凄惨な事件はなぜ起きたのか。殺人の疑いで逮捕され、27日に送検された青木政憲容疑者（31）は容疑を認め、こう供述しています。

　青木政憲容疑者（捜査関係者によると）：「女性2人に悪口を言われたと思って殺した。射殺されると思ったので、駆けつけた警察官も殺した」

　悪口を言われたことに腹を立てて、村上幸枝さん（66）と、竹内靖子さん（70）の2人を殺害。通報を受け駆け付けた警察官2人は、自分の身を守るために殺したという趣旨の話をしています。

　本格的に始まった現場検証。警察では、青木容疑者が計画的に犯行に及んだとみて捜査を進めています。

■目撃者語る恐怖「怖くて体動かず」

　村上さんが襲われた畑です。当時、ネギを植える作業をしていた男性の目の前で、犯行が行われました。

　犯行を目撃した人：「（青木容疑者は）黒いマスクにサングラスに帽子。顔がよく分からないなと思ったんだけど、1つだけ特徴的なのはもみあげ。彼は一目で、もみあげで分かるから」

　もみあげを見て、近くに住む青木容疑者だと分かったといいます。

　犯行を目撃した人：「（青木容疑者は）迷彩服」「（Q.普段から（迷彩服の）格好をする？）初めて見ました。編み上げのブーツで完全にサバイバルに行く感じのスタイル」

　青木容疑者は、大ぶりなサバイバルナイフで村上さんを複数回刺したといいます。

　犯行を目撃した人：「冷静な顔して『殺したいから殺してやった』と。表情を変えないで人を刺すなんて、とても信じられないって感じ。さやにナイフを収めて顔色一つ変えないで来た道を慌てもせず歩いて帰った。もう本当に体が動きませんよ、怖くて」

　狙いは、悪口を言われたらと思った女性2人だけだったのか。この男性には危害を加えませんでした。

■「最も大切なのは命」中学卒業文集に

　中学時代の卒業文集：「この世の中で最も大切なのは『命』だと思います」

　中学時代の卒業文集にそう書いた青木容疑者。幼稚園の年中のころから、様々な戦争映画ばかり見ていたとも書かれています。

■散歩コースが？女性2人と接点は…

　両親と叔母の4人で暮らしていた青木容疑者。歩いて10分ほど離れた場所に、村上さんと竹内さんは住んでいました。2人は以前、同じ職場で働くなど仲が良く、一緒に散歩することを日課としていました。

　近隣住民：「ここを毎日2人で散歩していたから、いつも楽しそうに。大きな声で会話しながら通るから、2人が来ればすぐ分かるから」「（Q.家の中にいても分かる？）そうですね。結構、大声で会話していたから、それが耳障りだったかもしれない」

　被害者の村上さんと竹内さんはいつも夕方ごろに現場周辺を散歩していたということで、近所の人によりますと、事件当日も容疑者の自宅の方に向かって歩く2人の姿が目撃されていました。

　一本道に面している青木容疑者の自宅。被害者を知る人によると、その道は2人の散歩コースだったということです。

　警察によると、刺されたとみられる竹内さんは、青木容疑者の家の近くで見つかり、逃げた村上さんはおよそ100メートル離れた畑で刺されました。

　警察では、青木容疑者は凶器を用意して計画的に2人を襲った可能性があるとみて調べています。
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