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【スカッと】初雪の凍える中、私に大掃除を押し付け、自分の両親と温泉旅行に行った息子嫁から電話「今から両親と一緒に帰るから埃一つ残すなよ!」私「家はもうないわよ」「え?」

by ANNAPOST



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#スカッとする話 #スカッと #朗読 #修羅場

おはようございます年末年始のご都合 いかがでしょう か今日から大掃除よお正月はゆっくり 過ごしたいから ね息子である慶太の妻リカさんがとても 可愛らしい格好をして私の家を訪ねて くる息子夫婦とは偽世帯住宅ですぐ隣に 住んでいるので用事がある時はチャイムを 押して連絡し合うようにしていた [音楽] リカさんは掃除の格好をしている私の姿を 上から下までじっくりと目を細めながら 確認すると嬉しそうに手を叩いて微笑で 見せ たそうですか私自分の両親に今まで親高校 をしていなかったなって思って明日から 両親を連れて温泉旅行に行くん ですあら素敵ね も働く慶太さんには申し訳ないんですけど ねそれでわざわざ出向いたのはお母さんに お願いがあってです ねあら何かしら 私は首をかげる年末ですよ大掃除です 大掃除 お正月には両親も家に招くと思っているん でしっかりお願いします よそう笑顔で言うリカさんが私に 50000円玉を渡してくるこれはという 顔をして私がリカさんに視線を向けると 彼女は満面の笑を浮かべながら首を少しか しげたさすがにただ働きは辛いでしょう から私が何か返事をする前に彼女は扉を 閉めて帰っていった手のひらに乗ったまま の500円玉が妙に冷たく感じられる 何かが私の中で吹っ切れる気がして年を 越すまでにはさっぱりしないとねと つぶやいてい たそれから数日後年末から正月にかけて 近年稀に見る大雪が降った日の こと私の名前は美は55歳という年齢にし ては明るめの髪をしているからなのかよく 実年齢より若く見られる独身の頃美容紙を していた名残りで私は明るめの神を選んで しまう美容師としてそれなりに長く勤めて いたが結婚をきに辞めてしまっ た辞めてからはずっと専業主婦として家庭 を守るという立場を保っていたが去年の夏 5歳年上の夫である純一を病気でなくして しまう 私は順位がなくなってからは経済的な理由 も含めて週に2日ほど老人ホームなどの 訪問美容師として働くことにし た数ヶ月は落ち込んだりもしたが一緒に 暮らしている息子夫婦の励ましもあり 立ち直る時間は早かったと 思うそれに訪問美容師としての仕事は とてもやりがいがありそして楽しかった 悲しみを乗り越えるには忙しくしていた方 がいいと老人ホームの利用者に助言された が本当にその通りだと 思う私が暮らす家は元々夫の順一と自分の 両親と共に暮らしていた偽帯住宅だっ た私の両親も夫も亡くなってしまい今は私 の老後の心配をしてくれる息子の慶太と その妻であるさんとで隣り合って暮らして いる泣き夫と結婚した時に立てた偽世帯 住宅は完全分離型と呼ばれる間取りで同じ 敷地内に大きな家が立っているというだけ で家の中から互いの家を生きすることは できないそれぞれの家はほとんど同じ 間取りをしていて窓の位置や形も同じで 左右対象の家と近所の人が話しているいる のを聞いたこともあっ たリビングの北側の窓から見える庭は横に 大きく広がり私の家と息子夫婦の家からも よく見え た庭には花壇がある花壇にはいつも色々な 花を植えていた順位であったが自身の病気 が発覚してからなぜか毎年ひりを植え たある時順一は先終わってできた種を袋に 入れ私に手渡し た俺がいなくなったら毎年植えてくれよ なその時は演技でもないこと言わないでよ と言葉を返し た暑い日差しの中ひまわりが朝も夜も 私たちの家の窓に花びらを向けている様子 がノりによぎるまるで私たちを見守って くれているみたいにその黄色の花は温かく 見え た庭にキャンプ用の椅子を置いてそこに 順位を座らせ散発しようと提案する 私椅子に座り気持ちよさそうに目を閉じる 順一の髪を優しく撫で た病気の影響で細くなってしまった方に 散発用のケープをかけて静かにハミを 動かすいいなお前に髪を切ってもらうのは 本当に気持ちいいよそうこれでも一応は プロだったからねいつか自分の美容室を 持ちたいなってずっと思っているわそうか それは素敵な未来だないつかお前が自分の 美容室を始めたら最初のお客様はこの俺だ な順一はそのひりの種を私に手渡した年に この世界から消えてしまっ た彼の最後はとても衰弱しそれこそ本当に 枯れたひまわりのようで私としても見てい て胸が張り裂けそうであっ た若い頃から明るく元気だった人が次第に 弱っていく姿を見るのは本当に辛いのだな と私は誰に説明するわけでもなく順一の 生涯と短い夏の間だけ咲くひまわりの命を 同じような視点で見ていたのかもしれ ないだからという理由は少し大げさかも しれないが私はひまわりを庭に植え 続けようと決意 する夏になると庭いっぱいに広がるひりを 想像しながら純一が採取したひまわりの種 を大事にするのだっ たある朝ピロンと私のスマホにメッセージ が届くメッセージを送ってきたのは慶太の 嫁であるリカさん だ今日は午後1時によろしくお願いいたし ますと一行だけのメッセージにわかりまし たと返事 する数日おきにリカさんから家の掃除を 求めるメッセージが届く順位がなくなって からリカさんの態度が変わってきたように 思える いつの頃からか家の中を掃除してもらい たいとリカさんにお願いされるようになり 今では週に3回は掃除をして いる掃除の箇所はほとんど台所で使い 終わった食器やフライパンなどが乱雑に シンクに放り込まれてい たお母さん掃除が終わったら買い物もお 願いしますね買い物リストはスマホに メッセージで送っておきますね リビングで化粧をしながらリカさんが言っ たリカさんの言い方はとても事務的で感情 もなくただ当たり前の要求を発言しただけ という感じがあるまるで金銭を払ってやっ た家政府への態度のような欲yetのない 声ああお母さん庭に植えてるひまわりなん ですけど花が終わったらすぐ切ってもらえ ませんかあああれはね花が終わってから種 が落ちるまで少し時間がいや分かるんです けど花が終わってぐったりしている ひまわりってなんか気味が悪くて夕方に なると薄暗くて宇宙人が立っているみたい に思えるん ですそして次の世代となる種を再び採取し 庭の手入れを終えて今は花壇に何も植えて い ないリカさんは前前から庭にはも植えずに コンクリートを敷き詰めてしまいたいと 言っていたその方が女装などの面倒も虫に よる被害もないからと慶太は常日頃から リカさんの言うことは素直に聞く傾向が あり庭をなすという意見にも納得して しまうことで あろう私は少し寂しい気持ちを胸の奥に し込み息子夫婦がもしも私を原因にして 喧嘩になるようなことになったら辛いなと 思い小さく 微笑むそれからも日に日にリカさんの要求 は細かくなっていく台所やトイレ掃除 風呂場や玄関なども掃除を頼まれ次第に家 の全ての掃除を任されるようになっていっ たあまりに頻繁に息子夫婦の家にお邪魔 することが増えてきているので太が気を 聞かせて私に相をてきた時には少し複雑な 気がし たそんなある日のことごめん母さん会社で 使う資料を机の上に忘れたみたいでさ悪い んだけど相か使って家に入って会社まで 持ってきてもらえないかなえリカさんに 頼めないのリカだって仕事だよごめん頼む よ会社で待ってるから さ半ば強引に頼み込まれ電話は一方的に 切られてしまっ たその日は久しぶりに自分の家でのんびり と過ごしていたのだが慶太からの電話で しぶしぶ椅子から腰を あげる息子夫婦は共働きだからリカさんも 普段は家にいない私は相かを使って慶太 たちの家に入ると妙な違和感があっ たそれは玄関の扉を開けた瞬間から感じて い 頻繁に息子夫婦の家に掃除のために訪れる 機会は多いのだが今日は家に足を踏み入れ た瞬間からいつもと異なる空気で ある数秒の間を置いてすぐに気づく温度だ 今日は小が吹きつけ外はとても寒い誰もい ないはずの家の中は当然寒いはずなのに リビングから漏れ出した温かな空気が玄関 まで漂い家の中にいる誰かのかかな声が私 の耳に 届く誰かの声はしのぎを削っている小の音 に紛れてしまっていたので私は忍び足で声 がするリビングに 歩み寄るそれから1ヶ月後の年末私が自分 の家の大掃除をしていると家のチャイムが 鳴っ た玄関を開けるとそこにはリカさんが立っ ている淡いピンクのセーターと黒いタイト スカートを履きとても年末の掃除をする気 などない格好で私に微笑んでいるおはよう ございます年末年始のご都合いかが でしょうか今日から大掃除よお正月は ゆっくり過ごしたいからねそうですか私 自分の両親に今まで親高校をしていなかっ たなって思って明日から両親を連れて温泉 旅行に行くんですあら素敵 ね年末年始も働くけたさんには申し訳ない んですけどねそれでわざわざ出向いたのは お母さんにお願いがあってですねあら 何かしら 年末ですよ大掃除です 大掃除 お正月には両親も家にうと思っているで しっかりお願いします よそう笑顔で言うリカさんが私に500円 玉を渡してきたこれはという顔をして私が リカさんに視線を向けると彼女は満面の笑 を浮かべて首を少しかしげたさすがに ただ働きは辛いでしょう から私が何か返事をする前に彼女は扉を 閉めて帰って行った 手のひらに乗ったままの500円玉が妙に 冷たく感じ られる何かが私の中で吹っ切れる気がして 年を起こすまでにはさっぱりしないとねと 1人呟いてい たそれから数日後年末から正月にかけて 近年稀に見る大雪が降った今年は弾頭と テレビで伝えられていたのだが例年通りに こえるような寒さの年末を超えて元旦は 正月らしい海晴であっ た温かな日差しが降り注いではいるが道路 の端には多くの雪が未だに積もって いる雪解けの濡れた路面を睨みつけながら 運転する慶太の助手席に私は座っている 前ぶれもなくスマホが鳴った呼び出して いるのは太のポケットに入ったスマホだ 太はタイミングよくコンビニに左折して 駐車するとスマホの通話ボタンを 押す狭い車内では通話の音が響いて誰から の電話なのかすぐに分かったあけた久し ぶり元気してたうんリカは旅行楽しんで いるそれがさ聞いてよこの温泉のおがさ さんが楽しそうに温泉旅行中での出来事を 話しているの慶太はうつろな表情で聞いて いるそれでも時折りうんとかそうだねと いう相槌はいつも通りの慶太の声だった から今の慶太の沈んだ気持ちなどリカさん には童貞理解することなど無理な話だと 思う旅行させてもらっちゃったし本当に ありがとうねかったら太の好きな料理 いっぱい作ってお腹いっぱいにさせて あげるから ねなあリカああごめん帰る前にちょっと 用事あるからこれで切る ね慶太が話を切り出そうとした矢先に理科 の方から強引に通話を切ってしまっ たしばらく通話の切れたスマホを見つめて 黙っていた慶太はやがて諦めたように車を 発信させる 数分後に今度は私のバッグに入っている スマホが震え たバッグから取り出し着信相手の名前に リカという名前が表示されていることを 確認 する私がちらりと横にいる慶太の表情を 見ようと視線を送るが慶太は路面凍結を 警戒して真剣に運転してい たはい もしもしあどうも 明日には家に帰るのですが大掃除は もちろん終わってますよねリカさん開け ましておめでとうあそういうのいいんでて いうか私の親も一緒に帰るんで誇り1つで も残ってたら許しませんからねあのねリカ さんそれとうちの親が気を使っちゃうと 思うのでお母さんはどこかに出かけておい てもらえますあの家はもうないのよ 電話越に顔の見えないリカさんが私の言っ た言葉に新々している様子が伺えたそして 数秒の間を置いてどういう意味をと強い 口調でわめき始めた私はスマホを車の ダッシュボードの上に置きスピーカー モードに切り替え話声が運転している慶太 にも聞こえるようにして説明を始める 元々あの2世帯住宅は私の両親が立てたと いうことだから家の権利書は私が所有して おり理科さんが温泉旅行を楽しんでいる間 に不動産会社に売却手続きを終えてあの家 に住むことはできないということを丁寧に 説明し た今新しい新居に向かっているのと伝える とリカさんは劣化のごとく怒り狂った声で 怒ったろに財産もない未亡人の分際でよく もまあ1人息子の嫁である私に嫌われる ようなことをしてくれましたね老後ただで 住むと思わないでください よ何の連絡もなく勝手に家を売ったことは 申し訳なく思っている わ慶太は私を常に最優先にしてくれる人よ 私が2度とお母さんには会うなって言っ たらもう2度と顔を合わせられない でしょうね大事な息子と縁を切 るっていうのねそれも覚悟の上よ ね私が返事をするまま与えない勢いで喋り 続けリカさんの口調は次第に強くなって くる雪道で慎重にゆっくりと進む車は信号 待ちのタイミングで止まり太は ダッシュボードの上に置かれたスマホを 見つめるその表情はどこか寂しげであった おい黙ってないで何か返事しろよそれと今 すぐ家の売却は撤回しろよ気持ち悪い髪色 した豊島がよ女やもめに花が咲くってか 気持ち悪いんだ よ私は黙って彼女の声を聞きながら自分の 髪を軽く 撫でるその後もしばらくの間私の容姿を 侮辱するような言葉を投げつけ たリカさんの言葉は明確な悪意を持って 投げかけられていた純水になぜと私は思う なぜ私はここまで彼女に嫌われているの だろう考えてみてもリカさんの気持ちなど 美人も分からないと思っ た隣に座る慶太は一度大きくため息をつい てからスマホに顔を近づけた リカ聞こえる慶太だけど え けたリカさんの声のトーンが急に高くなる それは私に対してドスの聞かせたような声 とは全く異なる乙女のような甘い声 だうんごめんね今の話聞こえてたんだえ ちょっと待ってお母さんのにいたのあその 今のはちょっと私としても急なことで気が 同点していてひどいこと言ってた けど俺は縁を切るよ母さんじゃなくてリカ と は今までの母さんへの態度とか俺への 裏切りとか全部知ってるから今更どこを 取り繕う必要はない よ信号が青になると太はまたアクセルを 軽く踏んで慎重に車を発進させ た国道沿いの道から左折して銀色に広がる 田園風景が車窓を 流れる雪がなければ素通りするような非 日常な美しさに私が思わず見れていると隣 で運転している慶太が静かに路肩に車を 駐車した しばらく沈黙が続いていた電話は今も通話 中でスマホの向こう側にいるリカさんは 一体どんな顔をして慶太からの次の言葉を 待っているの だろう慶太が裏切りと表現したことで身に 覚えがあるであろう理科は自分から何か 言葉を発することボケを掘ってしまう だろうとためらっているの だやがてエンジンをかけたまま停車した 車内で慶太は静かに語りかけるように話し 始め た母さんから色々と聞いた信じられない話 だったけど信じるしかないようなこと以前 私が慶太の忘れ物を確認しようとした相か を使って家の中に入った日の こと玄関に足を踏み入れた時に感じた違和 感は温度だった 冷たい外気の影響を受けて家の中も寒々と しているはずなのに十分な温かさが家の中 を漂って いるそこには仕事で家にはいないはずの リカさんが猫撫で声で誰かと電話している まさに家政府は見たというドラマに出て くるようなシーンを自分が演じているよう な衝撃的な場面を見てしまったのだ リカさんはつっぽい笑を浮かべソファーに 腰をかけながら自分の髪を指にくるくると 絡めながら電話しているあなたと早く会い たいとか愛しているわと かそのうちに慶太とは財産目当てで結婚し たが期待したほどではなかったと愚痴の ような発言が耳に届き私はリカさんの不倫 を疑い始めた 私は急いで探偵事務所に連絡し調査を依頼 する探偵はすぐに報告書を提出してくれ 中身を確認すると案の定な内容であっ たリカさんは年下の男性と不倫している ことが発覚しさらに平日は毎日働いている という話だったのに週に3日ほどしか勤務 していなかったつまり仕事と偽っていた2 日間は不倫相手の部屋に遊びに行っていた らしく証拠写真も用意された私は探偵から 渡された調査報告書の入った封筒を抱え これまでのことを全て慶太に話すことにし た私への悪態なら我慢できるが夫である 慶太を大事にしていないならリカさんを かい立てる必要などないと思ったの だ探偵の浮気調査を太に伝えると最初こそ 驚いたような素振りを見せたがやがて本人 の中でも小さな違和感の塊りがいくつも 生活の中に転がっていたのだろう事実を 静かに受け入れ た理科さんは仕事で残業だと言って帰宅が 遅くなることもあったらしいがもう何もか もが疑わしく思えるようであっ た証拠の写真して若い男と一緒に移るリカ さんの横顔はとても綺麗で楽しそうに見え たとゲタは悲しげに つぶやく電話越しのリカさんは何も喋ら なかっ た気がつくとさっきまで海晴だった空は 白い雲に覆われやがて雪が降り 始める車のフロントガラスに粉のような雪 が張り付いてすぐに消えて くしだよね何か悪い夢を見てるみたいけた は優しいもんそんなの全部笑って許して くれるん でしょ浮気相手と一緒にいた写真を見たよ リカすごい綺麗だっ たそんな慶太と一緒にいる時はもっと綺麗 でいられるよね今度一緒に温泉旅行に 行こう今回私がいたところとっても良かっ たの慶太と一緒に来たい な俺さリカのこと本当に大好きだったよ たえ浮気されていたとしても心のどこかで リカのことを許したいって思ってる自分が いるんだわかるよ慶太は私を一番大事だっ てよく言ってくれたもんね早くあの温かい 家でゆっくりしたい家を売却なんて 取り消してまた2人でゆっくりしたいよ そうだねでも俺がそういう風に理科を大事 にしていたのは母さんにそう教えてこられ たからだ結婚したら親より理科を大事に しろっ てけた私 は俺を裏切るだけじゃなく大事な親を 傷つけたリカに未練なんて ないリカさんが温泉旅行で長く家を開ける というタイミングで私と慶太は引っ越しを 済ませ今はこうして車に乗って新しい住居 に向かっている最中で ある前もって理科さんの実家には不倫の 内容を証明する文書と写真を郵送してある ということ今回はこのまま実家へ帰り以後 の離婚や慰謝料の手続きは弁護士を通す ようにすることを淡々と慶太は告げた 電話越しに言葉を失っているリカ さん嘘でしょお願い嘘だって言ってよ けた慶太が辛そうに顔を背けているので 今度は私がスマホに顔を近づけ囁くように 言っ たリカさんさっきは財産のない未亡人だ からって老後のことを心配してくれて ありがとうお母さん一度冷静に話をしませ んか電話じゃなくて会って話がしたい です遺産は多くはなかったけど自分の両親 から受け取った財産と独身時代に夢を 叶えるために必死で貯めたお金があるの それに慶太との絆はそんなに簡単に壊れる ものではないから心配しないでね待って お母さん私はそこで太がスマホのを指先で 押して通話を切った慶太は深く息をつき ハンドルを軽く握るフロントガラスには雪 が積もって全面は真っ白になってい たワイパーを作動させると目の前が一気に 明瞭になったが空から舞い落ちてくる粉雪 が風景の全てを真っ白に染め上げて いる運転怖くない大丈夫 怖いでも大丈夫 ハンドルを強く握りなした慶太が慎重に車 を発信さ せる私たちを乗せた車はゆっくりと前に 進んでいくのだっ たその後しばらくしてリカさんの両親から 私に連絡があっ たリカさんの両親としては太から離婚を 突きつけられたことが耳に水だったという 前置きから話は始まっ たリカさんと一緒に温泉旅行に行っていた のは両親ではなくなんとも合端な話だが実 は不倫相手と旅行していたというのだ まさかそこまで大胆な行動をしているとは 思っていなかっただけにその事実には私も とても驚いて怒る気にもなれなかっ たんのは私と太に対して深く謝罪をした上 で離婚が成立した後もきちんと慰謝料も 支払ってくれ たリカさんと不倫相手はどうなったか別に 気にも止めていなかったのだがある日仕事 から帰ってきた慶太は晩酌をしながら別れ たらしいよと何気なく教えてくれ た現在私と太は賃貸マンションで暮らして 引っ越し後の新しい生活や離婚の成立など 色々なことがありすぎていつの間にか季節 はもう夏になろうとしている私はいくつか の物件チラシを眺めながら指先でくじを 揉みつつ 考え込むどこかいい物件見つかった慶太が ベランダから外の風景を眺めながら私に 聞いてくる 今までマンションで暮らしたことなどない ので長めのいい場所から見える自分たちの 街並がとても新鮮なのだと いうケタの後ろ姿に視線を向けるとその 背中の向こう側に大きな入道雲が遠くの空 に見えるもうすぐ本格的な夏が始まるよう だ私たちが暮らしていた2世帯住宅は一等 地に立てられていたので売却価格はとても 高額だっ 私はその大金の一部を使って夢だった自分 の美容室兼自宅を建てようと考え物件探し にせを出して いる今になって思えばリカが俺と結婚した のはあの大きな家に住んでるから財産狙 いって分かってたん だ慶太は振り返らず私に言うでもさリカが 俺に言ったんだのを大事にしたいってそれ が決め手だった よ私は物件チラシを片付けケタの横に 並ぶマンションの小さなベランダの隅に 小さなプランターがあってそこにひまわり が咲いて いる泣き夫が私に託した約束は今も私の 近くで温かく見守ってくれて いる慶太の気持ちは嬉しいけど私たちじゃ なくて慶太自身を大事にしてくれる相手と いつか結ばれるといいわ ね私の言葉に慶太は返事をせずただ黙って 入道群を見つめている母さんの美容室 どんな風にしたいのはら聞いてくれる の私は嬉しくなって太に説明を 始めるまずそんなに派手な作りの美容室 じゃなくてどんな人でも気軽に来て もらえるような明るい店にしたい老人 ホームへの訪問美容師の経験を生かして バリアフリーに気を配った建物にしようと 考えて いるそして私たちが暮らしていた家と同じ ように家の北側に大きな広い庭を作って ひまわりを植えると私は微笑ん だ太は少しは なんでわざわざ日加になる北側にひりを 植えるんだよと いう私はベランダの手すりに両肘を置き目 を閉じ た亡くなった夫の順一の笑顔を思い出す私 は順一ほど花など好きではなかった花壇の 手入れをするのはいつも純一の仕事で真夏 の時期にふと気がつくといつもたくさんの ひまわりが窓からこちらを向いて いる私がそのひりを見て綺麗ねと何気なく つぶやいた日順一は私に得意気に話したの だ俺はひまわりが好きだ明るい気分に なれるし大きいしかっこいい しそうなのそれにうちの庭場は北側にある だろうこれがまた最高なんだよどうして 加減になって花が成長しにくいんじゃ ない純一がニヤニヤしながら得意に自分の 顔の前で指を左右に 振るひりは太陽の方角をむくって小学校の 時習わなかった北側の庭にあるひりは常に 家の窓の方を向いているんだ よプランターに咲くりを 私は静かに目を閉じ たまぶの裏に浮かんだ純一の表情はいつも と同じようにくったこのない笑顔をして いるそれはまるでひまわりの花のように どうしようもなく明るく て私はいつまでもその明るさに励まされて いる夫である啓介は私にショップからの 広告はがきを渡すくらいの適当な態度で 離婚届けを手渡してき たあまりに唐突な状況に私は驚きしばらく 方針しながら記入済みの離婚届けを 見つめるどうしたボールペンならあるぞ 印鑑がないと かちょっと待って離婚どういう 意味私を見下すような口調でそう言うと胸 ポケットからタバコを取り出し火をつけ たこのは売却する私は耳を疑った先祖代々 続いた死旅館を 売却最近になって旅館の女将でもある お母さんが体調不良でネタきり状態となっ てしまったのは確かで あるすでにホテルグループとの話は進め てる最終的に俺は実質的に旅館業務に一切 の手を出さずに収入を得られるんだすごい だろちょっと待ってせめてお母さんの体調 が良くなってから旅館の話とかその離婚の 話とか を彼は私を下げんだ笑を浮べていたこの 旅館の売上と従業員はもらって いく待って冷静にせめてお母さんの具合が 回復して旅館についての話し合いが進んで からその後で私たちのことと話し合えない の時間稼ぎのつもりかまあいい今日は帰る よこの旅館をどうするかの決定権は俺に あるんだ し啓介が事務所から出て行った後私は呆然 と立ち尽くしてい た部屋の扉が開く私はケスが戻ってきたの かと思い一瞬体を硬直させたけど現れたの はさんであっ た今朝までネタきり状態でパジャマを着て いたお母さんはいつも仕事で来ている無事 の着物に着替えて立っているそして微笑み 方針している私の肩を抱くと静かにごめん なさいねと謝罪したさて私の出番だ ね今まで見たことのない上品で少し いたずらっぽい笑顔が目の前に広がって [音楽] いる私の名前は優香大きなビルが並んだ 都内のオフィスビルで働くことが憧れだっ たこともあり長年に渡り輸入ワインや ビールなどを取引する勝者で働いてい たしかし今は数年前に移住し夫であるケス の実家が営む旅館で若として働いている 40代半ばで勝者のキャリアを失うことに はそれ相応のためらいもあったが今はこの 旅館で働くことにやりがいを感じている 毎日 だ旅館は随分と昔から代々続いている死に であり深い3観の奥に立てられた秘境の ような趣きが ある春になれば桜の花が咲夏には青葉秋に は紅葉が美しくそして今の季節は雪化粧さ れた危機に囲まれて いる視界に広がる風景は全て白銀に染まり 温泉から湧き上がる湯気だけがぼんやりと 夜空に まう私が初めて夫と共に旅館を訪れた時に 思わず発した言葉は不安だの 一言もも旅館を経営していた義父が高し 義母のくみ子さんが1人になってしまった ため私と啓介も旅館に務める運びとなっ た結婚した頃に啓介はいずれは実家の旅館 を継ぎたいと私に宣言していたがそれは 啓介が仕事で大変そんな時に言う愚痴の ようなものだと思っていて私は本気にして いなかっ たしかし義父が亡くなってすぐに啓介は 仕事を退職した 仕事を退職した日の夜差別会すら開催して もらえなかった啓介は自宅で酒を 飲むコンビニで買ったであろう安いワイン を飲みながら上期限でスマホ画面に 映し出された麻雀ゲームをして いる私には何だかわからないけれど啓介は スマホの麻雀ゲームにはまっていて対局 すればするほどゲームの中でのランキング が上位に食い込めることと生きがいにして いる 様子なき義父も麻雀が好きだったらしく死 旅館を改築するという機会に麻雀ルーム なる部屋を作って いる宿泊のお客様用ではあるが希望があれ ば人数合わせのために旅館のスタッフが 参加することもあるそう だそのような話を聞いていた啓介はこの 旅館で働くことをとてもを楽しみにしてい たいつお客様から一緒に麻雀しましょう なんて誘いが来てもいいように麻雀好き そうな中年の男性に微笑んで受付で立ち 続けてみたりしかし実際に働いてみれば 麻雀の誘いを受けるどころの忙しさでは なく夕飯の準備や風呂の準備など手の回ら ない箇所の手伝いに向かうなど旅館での 啓介の業務はなかなかに激務であっ た私のイメージしていた女という仕事は もっと華やかでただ2個2個とお客様を 出迎えるくらいに考えていたのだが意外と 裏方の仕事が多く覚えることも多く宿泊し てい たそんな私をお母さんは優しく指導して くれる初めて教わったのは鶴の橋置きの 作り方 この旅館でお客様に提供する料理に使わ れる橋置きはスタッフ袖手で全て手作りし ていると いう休憩中や仕事の合間に旅館のスタッフ などとの交流の意味も込めて一緒に折り紙 をしているとすぐに旅館のスタッフとも 仲良くなれ たいずれは啓介と優香さんにこの旅館を ついてほしいと思ってるの私が元気なは 全力であなたたちをサポートするから ね華暦を塔に超えているようには見えない 上品で美しいお母さんが 微笑む長年振る舞ってきた所作が彼女の身 に染み込んでいるようでその一挙手一等速 が旅館の女将という感じが する私もお母さんのようなおになれる だろうかそんな風に考えながらも義母で あり女でもあるくみ子さんに尊敬の差しを 向けるお母さんの方としても私の前向きな 視線を評価してくれているようで可愛がっ てくれてい た私は若としてのそして啓介は支配人とし ての修行を2ヶ月ほど続けたある日のこと で ある優香さん昼くらいから啓介を見てい ないんだけど何か聞いてい ない受付でパソコンを見つめる私に お母さんは少し焦った表情で聞くと素早く 手に持ったタブレットで客室の予約状況 などを確認して いる見ていないです支配人室にはいないの です か啓介には支配人としての業務を覚えて もらうためにまずは旅館内の各部門に順次 話だったのよそれで今は雑用がかりをさせ ているんだけど ね介は支配人補佐なのに仕事していないん です か自分の息子ながら恥ずかしい話よね掃除 もきちんとできないし好きあれば逃げて いるよう ね まっくお母さんは小さく肩を落とす何気 ない落ち着いた会話の最中にもお母さんは 片手にタブレットを持って宿泊者の情報を 確実に管理していた私はスマホの着信を 確認するが啓介の名前は ない優香 さん呼ばれて私は顔をあげたお母さんは他 のお客様に感づかれないように私に顔を 近づけ小さな声で言うごめんなさい ちょっと胸が苦しいわ少し休ませてもらっ てもいいかしらえはいもちろんです大丈夫 ですか何か私にできることはいえ大丈夫よ 私がいない間はあなたがおをごめんなさい ね何か分からないことがあったら連絡し てそれからしばらくの間お母さんは旅館に 顔を出さずに従業の部屋で横になる時間が 増えていっ た時々私服で部屋から出てくることがあっ たのだがお母さんは具合が悪いから病院に 行ってくるねと言って1人で車で出かけて しまうお母さんの体調を心配して旅館の 業務が終わった後に何度かお母さんの部屋 を訪れ体調はどうですかと聞いてみたが いい返事はなかったごめんなさいねね何 か所も病院回っているんだけどこの胸の 苦しみの原因が分からなくて ねお母さんは申し訳なさそうに私に謝罪 する私は本当に判断に困るような事態に ならない限りは女将としての業務をなんと か行うことができるようになってい たスタッフとのコミュニケーションも自分 ではできている気がするけれども将来的に はこの旅館の支配人となる啓介の不在に ついては触れなかったそれがむしろ旅館 スタッフ一同が啓介に対して期待してい ないような気がして焦った私はその夜少し 酔った状態で帰宅した啓介に話をすること にしたなんだよ怖い顔してお母さん最近 体調が悪くてほとんど旅館の仕事ができて いないって知ってる そんな話かとうんざりした様子で畳の上に 座り込む 啓介旅館から少し離れた場所に住居として の家がある元々はお母さんと岐阜が暮らし た家なのだがお母さんはほとんど旅館内の 休憩所で寝泊まりしていて実際にこの家に 来ることはほとんど ない未だに引っ越しした際の私たちの荷物 などを整理できていない状態でいくつかの 段ボールが積んであるそのダンボールを 背もたれような形で啓介はあを描い たなあ真面目な話だけどさ母さんがこの まま具合悪くて動けなかったらスタッフの スケジュール調整とか運営の統括とか全部 俺がやることになるわけ じゃん当たり前じゃないそれで一生懸命 お母さんから指導してもらっているん でしょ ああなんか思ってたのと違うっていうか ちょっと思ってたのと違うとかそういう 甘い考えを言ってる前にきちんと旅館に出 て仕事してよ ね私が少しきつい調子で行った自覚はあっ たのだが次の瞬間に急に啓介ははと怒って 立ち上がり私を睨みつけてきたそれが あまりに唐突だったために私は思わずきゃ と小さな悲鳴をあげると啓介は少し気まず そうな顔をして部屋から出ていって しまう部屋の壁にかかっている時計の針は 22時を刺しているその日啓介は朝になっ ても部屋に戻ってくることはなかっ た啓介は旅館の仕事を完全に放棄するよう になってしまいお母さんの体調も良くなら ない日々がばく続いた雪こそ降らなかった が寒さがさらに厳しくなる日が続い た私が旅館入り口玄関を掃除していると すぐ近くに見える渓流の先からかかな鳥の 鳴き声が聞こえるおやと私が目を凝らすと 渓流の近くの折れた木の枝に奇妙な何かが いる大きさは鳩くらいだろうか遠目に見る と頭以外が全部白っぽく見えるがよく目を 凝らすと白黒のゼブ柄をした鳥だ庭鶏 みたいな奇妙な頭をしているまるで寝癖の ついた少年みたいな頭をした鳥は木の枝 からじっと渓流の水面を見つめている山 せみだ私がそのとても珍しい鳥に見れて いると坂を登ってくる1台の車の音に驚い た山は素早く木々の奥へと隠れて しまう車から降りてきたのはスーツ姿の 啓介ねちょっと今川の向こう側にすごい 珍しい鳥が話が ある私の話を切り捨て言葉少なに私を連れ て控室に 向かう介は私にまるでショップからの広告 はきでも渡すくらい適当なで離婚届けを 手渡してき たあまりに唐突な状況に私は驚きしばらく 方針しながら記入済みの離婚届けを 見つめるそんな私に啓介はそっとスーツの ポケットからボールペンを取り出し微笑ん だどうしたボールペンならあるぞ印鑑が ないと かちょっと待って婚どういう 意味私ような態度で啓介は胸ポケットから タバコを取り出し火をつけ たお前はなんだこの旅館で働くようになっ てまるで魅力がない和服美人と言えば 聞こえはいいが地味でつまらん退屈な女だ なとにかくつまらんお前はつまらんつまら んつまらんて 何私が言葉につまらせて絶していると啓介 は近くにあったパイプ椅子に腰を下ろして 私を見上げるような姿勢になっ たよく見るとスーツの袖からは私が見た ことのない高級そうな腕時計が覗いて いる私の視線に気づいたのか啓介は右手で 腕時計のバンドを撫でながら壁にかかった カレンダーに視線を移し たこの旅館は売却 する私は耳を疑った 先祖代々続いた死に旅館 売却啓介は女であるお母さんがいつまでも 現場復帰できない状況ではいずれ経営状態 が破綻するかもしくは支配人である啓介 自身に多大な苦労が降りかかると断言する 今の状況を打開するにはこの旅館を大きな ホテルグループに売却し参加となり経営権 を渡してしまうのが最も効率的だと 説明すでにホテルグループとの話は進め てる最終的に俺は実質的に旅館業務に一切 の手を出さずに収入を得られるんだすごい だろちょっと待ってせめてお母さんの体調 が良くなってから旅館についての話とか その離婚の話とかをそれで思ったわけよ そんなすごい俺がなんでこんな女と結婚 生活しなくちゃいけないんだってそう考え たらなんかだんだんイライラしてきて さ私の話など全く聞いていない啓介が私の 手にボールペンを無理やり握らせ強引に机 の前に立たせ た机の上に置いた離婚届けを指さし今すぐ かけようと耳元でさいた全身から鳥肌が 立って思わずを 突き飛ばす彼は私を下げんだ笑を浮かべて い たこの旅館の売上と従業員はもらっていく 待って冷静にせめてお母さんの具合が回復 して旅館の話し合いが済んでからその後で 私たちのことを話し合えないのふ時間稼ぎ のつもりかまあいい今日は帰るよこの旅館 をどうするかの決定権は俺にあるんだ 啓介は机の上に置かれた離婚届けを指で数 回叩くそれは私に書いておけよという ジェスチャーであったそれとこの旅館は 介護つき老人ホームじゃないんだ仕事が できないならどこか違う場所で寝泊まり しろって母さんに伝えろ よ啓介が事務所から出ていった後私は呆然 と立ち尽くしていた夢か現実かの区別が つかなくなるくらいに衝撃的な状況で理解 が追いつか ない部屋の扉が 開く私は啓介が戻ってきたのかと思い一瞬 体を硬直させたけど現れたのはお母さんで あっ た今朝までネタきり状態でパジャマを着て いたお母さんはいつも仕事できている無事 の着物に着替えて立っている お母さんは微笑み方針している私の方を 抱くと静かにごめんなさいねと謝罪した さて私の出番だ ね今まで見たことのない上品でいたずら ぽい笑顔が目の前に広がって いる私より少し背の低い小柄なお母さんに 優しく頭を撫でられると不思議な気持ちに なる やがてお母さんは私の背中を軽く 叩きごめんなさい本当にと再び謝罪した実 は私の体調が悪いというのは嘘だった のへ嘘ななんでそんなこと を試すような真似したこと謝るわでも聞い て優香さん お母さんは周囲に誰も聞いている人がい ないことをよく確認してから小さな声で今 までの経緯を説明し始め た実は数ヶ月前から啓介が不審な動きをし ていることに気づいたお母さんはたまたま 啓介の外出の理由はこの旅館の競合企業で あるホテルグループの経営人らしき人と 頻繁に会うためだと耳にしたらしい競合 企業の役員と会うことが啓介にとってどの ような意味になるのかは分からなかったが 仮にお母さん自身が病気で床にふしている という状況での啓介を試してみたかったと 告白 する結果的に啓介は支配人としての業務も 放棄しほとんどの仕事を私に押し付ける ような形になり大きな負担をかけてしまっ たことをお母さんは何度も深く謝罪てくれ たでもこれでようやく本当に守らなくては ならないものが見えてきました旅館の後継 としても家族としても裏切った前はあの子 に必ずけさせ ますそれから啓介は家にも戻ることもなく 何もない日々が続い た1ヶ月が経ち旅館の周りの雪も解け 始める 日課である玄関掃除をしている私は何気 なく渓流近くに視線を移しもしかしたら もう一度あの珍しい山セという鳥がいない だろうかと 思うどこか遠くの方で私の知らない鳥の 鳴き声がするたびに自分の心の中が綺麗に なっていくような感覚がするのはきっと こういう場所で暮らす人の特権なのかも しれない 私は最初に感じた不安はどこへやらこの 旅館が好きになってい た旅館のスタッフもおであるお母さんも そしてここから見える景色全てが好き だ手に持った掃除用のたぼ機を強く 握る視線の先坂を登ってくる見覚えのある 車乱暴な運転で駐車した車から降りてきた 啓介は開校1番においあれはどういうこと だと声を荒げた私は穏やかな声で事務所で 話し合いましょうと提案し啓介を案内 するさすがに啓介も他のお客様が旅館内に ちらほらといるので感情に任せて怒鳴っ たりするようなことはなかったが事務所に 入った途端に大きなで私を問いただした おい旅館を売却する話がなくなっちまっ てる何をしたん だお母さん啓介がどこの企業と売却の話を 進めるのか入念に調べてくれていたのだ から私は私でこの旅館の方向性を考えてみ た の啓介が減そうな顔をする私は事務所の棚 に整理してあるファイルからいくつもの 資料をテーブルに並べた丁寧にまとめられ た資料には私たちの旅館の経営状態や具体 的な事業内容が来されているそして啓介が 売却を持ちかけていた大手ホテル企業と 両者が提携することでのメリットをプレゼ するための資料が分厚い束になってい た売却ではなくあくまで定型という形 啓介はその資料の中の1枚契約書と書かれ た紙に目を 通すそそんなあんな大手企業と定型を組め たのか完全にうちの旅館にとっては大きな メリットじゃない か優香さんはとても優秀な交渉人だったの よいつの間にかお母さんが事務所の壁に もたれかかって話を聞いて いるはは未だに契約書と資料を何度か 読み直し唇を噛ん だ啓介が売却を考えていた大手ホテル企業 には私とお母さんで共に出向いて事情を 説明し売却の話は無効にしてもらっていた それだけでなく旅館の強みや両者が提携を するメリットをプレゼしビジネス パートナーとなる話を つつける私が長年企業のマーケティング部 で培ったスキルが生きたよう だ旅館での新しい取り組みとして前に渓流 近くで見た珍しい鳥である山セに感動して いた私はこの旅館周辺に野鳥が集う宿と いうコンセプトを目指すことにし たそれにはこの秘境のような未の地を鳥 たちの生体系に注意しながら整備計画を行 しはいけこの発想に至ったのは私が女とし ての視点の中で発見したもの だ秘境の旅館に訪れる人の中に相ear鏡 を首に下げて宿泊する人が何人かい た理由を聞くとこのような人里と離れた 山奥には多くの野鳥がおりバード ウォッチングとして最適なのだ と旅館の庭に水場と餌の設置相手は野鳥 だろ餌なんて巻いてたら確かに集まる だろうけどそれじゃ勝っているのと同じ じゃないか動物園でも開業するつもりなの か よ餌は冬場限定よ鳥たちも冬は餌を探して 苦労するからね将来的には旅館周辺に 小さな身がなる植物を植えて植物の身とか 虫とかを利用して野鳥との強制関係を 気づこうと考えているのよしかしあまりに もトピな考えじゃないかうちは旅館だぞ そんな野鳥なんかを旅館のメイン コンセプトに変える なんてそこで啓介は口を継ぐんだ私は もちろんお母さんですら冷たい目で啓介を 見ているからだ散々今まで旅館の経営を 面倒くがって売却だなんだの騒いでいて こっちが懸命に考え抜いたアイデアにケチ をつつけるとは何事 か優香さんに失礼な態度を取ったらしい じゃないかあんたもうこの旅館にも居場所 なんてないから ねお母さんがそう啓介に言った後私も啓介 も黙り込んで しまう壁にかけられた時計の病身が妙に 響く啓介は何も言わずただ長い時間資料を 見つめてい たそして額に手を当てて床に座り込んで しまうなんてことをしてくれたんだ俺が どんな思いで売却を決めたと思ってる こんなさびれた旅館を継ぐなんて苦労する 未来しか見えないこんな長時間労働ばかり の職場夕刊にだって苦をかけるに決まっ てるじゃない か啓介 今からでも間に合う旅館を 売ろう海外投資家に旅館を売却すればここ は外国人御用たしの旅館になるスタッフの ほとんどは英語を使えない状況じゃ売却後 はすぐに全員解雇される恐れもあるのよな 何そういうものか考えすぎじゃなく て啓介が怯えた表情でお母さんの方に視線 ををすお母さんは無表情のまま小さく頷き 私の考えを肯定した いや正直言うと買収後に全員解雇は言い すぎなのだけれど今の啓介にはこれくらい の刺激的な言葉の方が効果がありそう だ幼い頃はこの旅館で育ったようなもので ある啓介にとって旅館のスタッフの中には 親戚のように付き合いの長い人もいるその 人たちに迷惑をかけたくないという気持ち もあるのかもしれ ないここは数百年も続いている死旅館これ からもずっと存続して欲しいと思ってるの 私の言葉を皮切りに事務所の扉が開いて スタッフが入ってきたそれほど広くはない 事務所内に旅館内のスタッフである中井や 調理師受付やドライバーなど旅館で働く 従業員が全員集まった今回の事情は全ての 従業員に報告してある啓介が支配人として ふさわしいか否かは分からないが彼がこの 旅館を自らの勝手な判断で手放そうとして いることは他の従業員にも到底許しがい ことだった らしいあるもは怒りをむき出しあるものは 悲しそうな表情で啓介を見つめる それらの多くの人の熱い視線を向けられ 啓介はただうれて黙り込むしかなかっ た分かった分かったよこれからは俺も支配 人として頑張るよはいえっともう離婚届け は無事に提出してあるんだけどな何 ちょっと待て俺と離婚してるなら優香が 旅館で働くっておかしな話だろなお母さん ついに話の滅びでも見つけたような感じで 嬉しそうに半笑いで問い詰める啓介に お母さんは着物の帯から1枚の写真を 取り出す写真の中で啓介と派手なメイクを した若い女性が腕を組んで いる若い女の子に尻尾振って貢いで近して たみたいだねそれで旅館の売却と離婚を 急いでたんだろう 知り合いに調査してもらった よ写真を握りしめうめき声のようなものを 口から漏らした啓介は両腕で頭を抱えて床 に倒れ込んで しまうちょっと待ってくれよ俺が間違っ てるのかよわかんねえ意味がわかんねえ や旅館の従業員の1人が部会者には帰って もらいましょうと言い数人でを抱き抱えて 事務所から出ていっ た事務所に残った私とお母さんは顔を 見合わせ深くため息を同時につい た終わりました ねそうね改めて優香さんにはこの旅館の女 として頑張ってもらいますよろしいです ね私はお母さんに教わった女としての所作 を思い出しながら静かな声で船越ながらと ふぶかと頭を下げるのであっ たそれから1年の月日が立とうとしている 私とお母さんが切り盛りする旅館は毎日 予約で満室になって いる啓介と離婚が成立した今となっては 義母という関係性ではないので今はもう くみこさんと呼んでいる私はこの旅館を 死せという理由で常連客に愛されるだけで なく新しい客層の獲得や顧客満足度の向上 を常に考えながら仕事に取り組んで いる実家を裏切った啓介は期末さから地元 にいられなくなり都内へと旅立ったようだ 共通の地人曰く見知らぬ土地で日雇い労働 で食いついでいるようでまるで渡り鳥の ようだなと 思う啓介は啓介なりの人生を大切に送って ほしいと心から 思う次々と新しい旅館のイベントや計画を 立てつつも私が最も大事に思っていること は従業員もやりがいを持ち満足に働ける 旅館にしたいということ義母であった くみ子さんもそれに賛同し私たちは本当の 親子のように仲良く支え合えて いる現在は定型しているホテルに外国人 観光客向けのノウハウを教わっており新た な取り組みを任せてもらっている私は今後 の旅館の姿をとても楽しみにして いる雪解けが始まりもう春が近づいている 渓流の先にある山の向こう側に自生して いる背の低い桜がもうすぐ出しそうで あるお客様の中に相ear鏡を首に下げて いる方がいて何気なくバードウォッチング の話になったその時私が旅館の近くで山 セミを見たという話をするとそれはすごい と嬉しそうに微笑んでくれ た時々仕事の休憩時間に私は渓流のそばに 座り自然の吹きを感じながら静かに時間を 過ごした青々とした木々の合間から1話の 美しい白黒の鳥が飛び出し私の視界を 横切っていく空想をしながら長い間水の 流れを眺めて いる山々から溶け出した雪どけ水と脇道に よって形成された渓流はどこまでも綺麗で いつまでも流れ続ける永遠のようにも感じ たあの日偶然に山の姿をもう2度と私は 見ることはなかっ た将さんちょっと手を貸して ください旅館の入り口で新人の中が困惑し た様子で私を呼んでいる私は立ち上がりお 尻を軽く叩くと小走で旅館へと戻っていく ことにし た私の背後で山が殺そとを行していく

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