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【スカッと】私が息子宅へ行くと孫がポツン…1人でケーキを食べていた→孫「パパがいない日はサンタさんがお菓子をくれるの!」私「ママは?」➡→俯き黙り込む孫…全てを察した私は【感動する話】

by ANNAPOST



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#スカッとする話 #スカッと #朗読 #修羅場

やよいですみつさんゆいなちゃんいたら 返事してちょうだい 大声でドアをどんどんと叩くが全く何の 反応もないどこかに出かけているのかと 思ってドアの前を離れようとした時 がちゃりと鍵が開く音がし たドアが開くと中には孫のゆいちゃんが 立っている彼女は不安そうな顔をしていた が私を見るなりパーっと明るい表情に なるおばあ ちゃんそう短く叫んだ彼女は勢いよく 抱きついてくる私はユイナちゃんのことを 抱き上げると部屋に入った室内はしと 静まり帰っておりみさんはそこにはい なかった ユイナちゃんお母さんはどこかに出かけた の私の問いかけにユイナはただ頷くだけで あるそのまま部屋の奥へ進みリビングに 行くとテーブルの上に食べかけのお菓子が 置かれているのが目に入っ た私はそこでユイナちゃんを床に下ろし また問いかける もうお昼だけどお菓子食べてた のうんパパがいない日はサンタさんが来て お菓子をくれる のサンタ さんパパがいない日に来て色々くれるの ママはすっごく嬉しそうにしてるよでも パパには内緒なんだサンタさんが困る からっ て私はそこまで聞いてあることを確信し た先日のみさんの派手な格好はサンタさん に会うからだったの だ私はすぐに部屋住を回って証拠を集める ことにし た私はやよい家の近くの喫茶店で働いて いる 年ほど前に夫をなくしそれからは女で1つ で息子のハルトを育ててき た夫をなくしてからというもの喫茶店の 常連客は何かと私を気にかけてくれていた 周囲のサポートもあってハルトは無事に 成長し社会人として独立私はその喜びを 常連のみんと分かち合っ たハルトが社会人になって数年後彼は たか子さんという女性と結婚して2人の間 には孫のユイナちゃんが誕生し た私の最近の楽しみといえばもっぱら彼女 に会うことだユイナちゃんも私になついて くれているようなのが何より 嬉しい編み物が趣味の私は生体や帽子を 作りことあるごとにプレゼントをした ユイナちゃんセーター編んだ よ私が編んだセーターを見てたか子さんも 目を細めて笑ってい たいつもありがとうございますゆいな ちゃんとお礼するんだ よ ありがとう彼女は私があげたセーターを 大切そうに抱えると鼻歌混じりで自分の 部屋に持っていくのだその後ろ姿をたか子 さんと見ながらゆいなちゃんの将来につい て語り合った何もかもが充実していたはず だっ ただが不幸というのは突然訪れるもの だ高子さんは重徳な病に倒れてしまっ た私は彼女の代わりにゆちゃんの世話をし ながら必死にこさんの回復を祈り続ける 日々を送っ たハルトも仕事の合間を見ては看病をしに 行ったりユイナちゃんの心のケアをしたり と忙しそう だ私たちはたか子さんが元気になることを 信じていたしかし数年の闘病生活の後彼女 は帰らぬ人となってしまっ たそれでも悲しみにくれている暇はない 私たちにはまだ幼いユイナちゃんがいるの だハルトは仕事が忙しいので私が息子の家 に通って面倒を見ることになった私は孫の 顔にたこさんのおかを見てなんとしても 彼女を幸せにしようとそう心に誓っ たそれから数年後のことである私は息子宅 でいつものようにゆいなちゃんに夕飯を 作ってい たすると仕事から帰ってきたハルトが 珍しく真剣な顔をして話しかけてきたの だ 母さんちょっと2人だけで話したいことが あるそうしてユイナちゃんを彼女の自室に 連れて行きしばらくしてハルトだけが戻っ てき た何の話なのだろう 少しだけ不安になった私のそれでどうかし たのという問いかけにハルトは恥ずかし そうにもじもじして いる うん実は さ再婚しようと思うんだよ え思わぬ言葉に大声を出してしまっ たゆいちゃんに聞かれてはまずいと口を手 で 覆うハルトは真剣な表情でさらに続け たごめんそりゃ驚くよね俺もそのつもりは なかったんだだけど今後のことを考えると やっぱりユイナが寂しいかと思ったん だ確かにハルトの言うとり だ今は私も元気にを見ているがこの先も それを続けられる保証は ないまだユイナちゃんも幼いから新しい 母親を受け入れることはできる だろうわかったわあなたが決めたことに私 は従うそれで相手の女性はどんな人な の緊張の糸が解けたのかハルトはそこで 初めてをぼし た会社の後輩だよ入社した時から俺に 一目惚れしてたんだってさ話してみると とても明るい子だったからユイナも喜ぶと 思うそうそれなら安心 ねそれでさもし良かったら結婚前に会って ほしいん だ分かったわ そうして話は進み数日後に私はハルトの 再婚相手と会うことになった名前はみきと 言ってハルトの言っていた通りとても 明るい人だ話している間ずっと笑を絶やさ ない彼女に私は素直に交感を持っ たそれで入社して初めて彼を見た時好き だって思ったんですよ 前の奥さんをなくしてるって聞いたけど気 にせずにガンガン行っちゃえってもう アプローチしまし たとにかく彼女はよく喋った動眼なので 年齢よりもずっと若く 見える私はユイナちゃんがみさんのことを どう思うのか心配だったがゆいちゃんは すぐに心を開いたよう だすっかりさんにた孫を見てこの人ならば 大丈夫だと思っ たみさんどうか2人をお願いします何か あれば協力しますの でなるべく丁寧に頭を下げた私にみさんは 親指を立て たオッケーです任しといて くださいその後ハルトとみさんは結婚して 新たな生活をスタートさせた私は2人の前 とを心から祝福するとまた元の生活に戻っ た喫茶店で常連客と冗談を言い合いながら 働き家に帰ればテレビを見ながら編み物を する充実はしていたがかつての忙しさを 思うと少し 寂しいそんな時私はの中でたこさんに手を 合わせるの だもし彼女が生きていたらどんな話をする だろうそんなことを考えて編み物を進めて いっ た2人が再婚してからさらに数年経った ある日のことで あるその日私は編んだ生体をユイナちゃん にあげようとハルトたちが住んでいる マンションへと向かっ たハルトはこの頃仕事が忙しいのかよく 出張に行っているようだった家にいない日 の方が多いらしくみさんに育児の負担が 増えているのではないかと心配になってい たのだセタを持っていくついでにみさんの 手伝いができたら 嬉しい私は彼女と何の話をしようと考え ながらハトの住むマンションに向かったえ えっと何回だったかしら ねマンションに着いた私はそう独り言を 呟いてエレベーターの前に 立つタイミングが良かったのか エレベーターはちょうど降りてくるところ だった3階2階とランプが点滅し1階の ランプがついたところでチンと音が するゆっくりと開くドアとは対象的に1人 の女性が足早に降りてきたちらりと目を やった私はその女性がみつさんであること に驚い たあらみ さん私にそう声をかけられた彼女は予想外 のことに大きく驚いたのかわっと声をあげ て小さく飛び跳ね たあおお母さんですかびっくりしたどうし たんです かごめんなさいユイナちゃんにセータを 編んだからあげようと思っ てそう聞くとみは急にそわそわし始めた ありにキョロキョロと視線をさわせ 落ち着きが ない私はふとみがとても綺麗な格好をして いるのに気がついた服装もメイクも ばっちり決まっているのだ ひょっとして今から出かけるところだった タイミングが悪かったわ ねそうなんですよこれからママ友に会う 約束をしてるんですだから [音楽] その私とは目を合わせずバッグを持ってい ない方の手を握ったり指をすり合わせたり しながらみつさんは言った みはどうも焦っているよう だ私は事前に連絡すればよかったと後悔し て別に私のことは気にしないで行ってきて ちょうだい ユイナちゃんは部屋にいるんでしょ私が いればみさんも安心して遊べる しと提案をし たちょちょっと待ってくださいよそれ じゃあおに悪い わ気を使わなくていいわよみつさんだって 気分転換ぐらいしたいでしょ私はどうせ暇 なおばちゃんだから ねしかし彼女は私の提案を堅くに拒むので 私はその様子に違和感を覚え た確かに私の言っていることはおせかかも しれない それにしてもそこまで慌てる必要はあるの だろう かあのですね実は部屋が散らかってるん です見られるのが恥ずかしいから嫌なん です よ別にいいのに片付けくらいする わとうとうみさんはしびれを切らしたのか 私の手からセーターの入った袋を ひったくっ たとにかく困るんですセーターはちゃんと ユイナに渡しますからお母さんはもう帰っ てください後日連絡します からそしてエレベーターのボタンを 押す彼女は扉が開いて乗り込んだ後も私が 乗ってこないか注意深く睨みつけていた ドアがゆっくりと閉まっていくので私は手 を振って別れを 告る後にはしけさだけが残ってい ただが私の心はちっとも静かではなかった 季節はもうすぐ秋になる頃だがそれにして は露出の多い服装をしているさらに香水の 匂いもかなり感じ た私もママ友と会うことはよくあったが そこまで刺激的な服装をしたことはない 時代が違うと言えばそれまでだがみさんの それはどう考えても異性を意識している ように見え たそれにあんなに笑顔が明るかった彼女が 全く笑わないどころか睨みつけるような目 をしていたのも気になって しまう私はすぐにでも追いかけて部屋に 行き疑問を晴らしたかっ たしかし部屋にはゆいなちゃんもいる あまり揉め事を起こすのは良くないと思っ てそれはやめておくことにし た私はどんどん上昇していくエレベーター のランプを不安な気持ちで 見つめるモヤモヤとした感情を抱えたまま 私は足早にマンションから立ち去っ たその日の夜のことであるテレビを見 ながら編み物をしていると急にさんから 電話がかかってきた私は作業の手を止めて 電話を 取る もしもしもしもしおばあ ちゃん電話口からは孫の無邪気な声が 飛び出してきた私はその声を聞いて思わず 笑顔になっ たあらゆいなちゃん久しぶりね元気だった かしら がうんそれでねセータをくれて ありがとう大切に切れ ねその言葉にほっとしたみつさんは ちゃんと渡してくれたよう だいいのよまた必要だったらいつでも編ん であげるから ね本当に嬉しいおばあちゃんもサンタさん みたいだ ねおばあちゃんもという言葉が妙に 引っかかったまるで私以外にもプレゼント をあげている人がいるみたいではない かそうねユイナちゃんはいい子だから サンタさんがいっぱい来るの ね私が言葉のシーンを確かめようとそれと なく聞いてみると ゆいな余計なことを言う な奥の方からかかにみつの怒鳴り声が 聞こえてき た私に聞こえていると気づいていないのか みさんはなおも厳しい口調で しるお礼はもうちゃんとしたんでしょ さっさと切りなさい ようんうん分かったおばあちゃんごめんね もう切る ねユイナちゃんの声は震えている叱られて 落ち込んでいるというよりはみさんの声に 怯えているようだっ たわかったまた電話してちょうだい 私はそう言ってとりあえず電話を切って かぎ針を再び手に取った先ほどの2人の 様子は親子と言うにはあまりにも変に思え た漠然とした不安からか編み物にも手が つかない昼間に見たみさんの派手な服装と 先ほど聞いたユイナちゃんの怯え切った 声何かまずいことが起きているのではない だろう かなんとかしなければならないとは思うの だがどうすればいいのかが分からなかっ た私はしばらくの間じっと動かずにどう 行動すべきか 考えるそうだハルトだハルトに相談 しよう私は息子の顔を思い出し早速スマホ を取り出してハルトに電話をかけた彼は今 出張で県外にいるがさすがに仕事も終わっ ている時間 だろうお願い出てちょうだい 私のりが通じたのかハルトはすぐに電話に 出 たもしもしどうしたの 母さんこんな時間に珍しい ね怖からは少しの疲れが見えただが今の私 にそんなことを気にする余裕は ないもしもシはると今大丈夫 相談したいことがあるんだけど え大丈夫だけどどうしたの何かあった の私の切歯詰まった声にハルトもたごでは ないと思ったのかすぐに真剣な声に なる私は昼間にセーターを持って マンションに行ったことエレベーター ホールでみつさんと会ったことそして 先ほどのゆいちゃんのことを話した私が 話している間ハルトは静かに話を聞いて くれたそして私の話が終わる と話はよくわかったよ確かにそれは おかしいと言って大きくため息を つく でしょう私も気になって仕方がないの よ私が慌てふめいているのに対してハルト は思いの他冷静だっ たどうすればいいかしらユイナちゃんに 何かあっ たらちょっと待ってよ母さんそんなに慌て てもどうしようもない でしょ俺が忙しいからみつもしんどいんだ と思うだからあまり騒ぎ立てるのは良く ないハルトにそうされて私は少し突きを 取り戻し たそそうね勝手に先走ってごめん ねそれはいいよだけどこのままにするわけ にもいかない会社に何とか頼んで出張を 早く切り上げるよそのタイミングで家に 一緒に 行こう確かに1人で先走るよりかは2人で 行動した方がいいだろう ハルトの提案に私も乗ることにし た分かったわ予定が決まったらまた連絡し てちょうだい うんくれぐれもみつには内緒にしてねそれ じゃあ また電話を切った後で大きくため息を つくまだ何も解決してないし不安な気持ち が消えたわけではないだがハルトの冷静な 声を聞いて少し気持ちが楽になったことは 確かだっ たあの子ももうすっかり大人ね私も しっかりしなくっ ちゃそう自分に言い聞かせると気持ちを 切り替えてハルトの連絡を待っ たそれからすぐハルトから予定よりも早く 帰れることになったと連絡があった 私たちは2人でマンションに行く日を 打ち合わせその日が早く来ないかと願った ユイナちゃんが無事であることをただ祈る だけ だたか子さんどうかあの子を守ってあげて くださいお願いし ます私はただ心の中で彼女に頼み続け たそしてついにその日がやってき来 た私は時間よりも早めに家を出たのでまだ ハルトの姿は見えない先に家に入ることを ハルトに連絡してからエレベーターに乗っ て部屋へと 向かうドアの前にたどり着いた時心臓の 鼓動が早くなるのを感じ たみさんに対して何を言うのかを頭の中で シミュレーションを するそして各を決めてインターフォンを 鳴らし た1回2回と鳴らすが室内から全く返事は ない私はいても立ってもいられなくなり ノックをし たやよいですみつさんユイナちゃんいたら 返事してちょうだい 大声でドアをどんどんと叩くが全く何の 反応もない どこかに出かけているのかと思ってドアの 前を離れようとした時がちゃりと鍵が開く 音がし たドアが開くと中にはユイナちゃんが立っ て いる彼女は不安そうな顔をしていたが私を 見るなりパーっと明るい表情に なるおばあ ちゃんそう短く叫んだ彼女は勢いよく 抱きついてくる私はユイナちゃんのことを 抱き上げると部屋に入っ た室内はしと静まり帰っておりみさんは そこにはいなかっ たゆいなちゃんお母さんはどこかに出かけ た の私の問いかけにユイナはただ頷くだけで あるそのまま部屋の奥へ進みリビングに 行くとテーブルの上に食べかけのお菓子が 置かれているのが目に入っ た私はそこでユイナちゃんを床に下ろし また 問いかけるもうお昼だけどお菓子食べてた のうんパパがいない日はサンタさんが来て お菓子をくれる の私は先日からずっと頭にあった疑問を ゆいなちゃんに尋ねてみることにし たユイナちゃんそのサンタさんって一体誰 なのか な彼女はお菓子を頬張りながら首を横に 振っ たわかんないパパがいない日に来て色々 くれるのママはすっごく嬉しそうにしてる よママはなんて言ってるのかなそのサンタ さんの名前と かユイナちゃんはうーんと首をかしげ た知らないすぐにサンタさんと出かけ ちゃうから帰ってくるのはママだけだ しサンタさんはいつも来てくれるんだね ゆいなちゃんがいい子にしてるからでも パパは知らないんだ うんパパはサンタさんには会ってないよ ママもパパには言うなっていうのサンタ さんが困るからっ て私はそこまで聞いてみさんがハルトのい ない間に知らない男と遊んでいると確信し たつまりセーターを私に行った時もサンタ さんに会うつもりだったの だろうそう考えればあの時のみさんの行動 の説明も つくそしてユイナちゃんはお菓子や おもちゃをもらえるので本気でサンタだと 思っているの だろうそれでごまかせるのなら安い出費 だそこまで考えた時私はふとユイナちゃん の服が汚れていることに気がつい たユイナちゃんちょっとここにいてね なんだか嫌な予感が する家の中を見て回るとすぐにその予感は 適中した部屋のあちこちに洗ってない衣類 が散らばりキッチンには使用したままの 食器が山積みになって いる私は床のものを踏まないように気を つけながら冷蔵庫を開け た冷蔵庫の中にはほとんど食材がないあっ たとしてもすでに賞味期限が切れたもの ばかり だ私はあまりの状況に愕然としながら リビングへと戻っ たそこではユイナちゃんがガツガツとお 菓子をむさぼって いるゆいなちゃんお腹が空いてるのご飯 は食べてないからお腹空い ただからサンタさんのお菓子が 好き私は孫を強く抱きしめて頭を優しく 撫でたこんな幼い子がこんな目に会う なんてあんまりだこれでは天国にいる たか子さんに合わせる顔が ない私が抱きしめる力を弱めた時ハルトが 帰ってき たスマホを触りながら部屋に入ってくると 荷物を床に置いて私とユイナと部屋を 見回してため息をつい た こりゃまいった なパパお帰り なさいゆいなちゃんはすぐに私から離れる とハルトに抱きつい たおユイナいい子にしてたかよし よしハトはゆちゃんを抱き閉めると私が さっきまでしていたように優しく頭を撫で て いるハルとユイナちゃんの面倒を見てて くれないこの子何も食べてないみたいなの ちょっとスーパーに買い物に行ってくる わ分かった俺からもお願いする よ返事もそこそこに部屋を出て最寄りの スーパーに行き最低限の食材を買った そして部屋に戻るとキッチンの洗い物を 片付けてすぐに料理を作ったユイナはそれ を美味しそうにもぐもぐと食べて いるその間に私とハルトは部屋に散らばっ た衣類やゴミを片付けさらに部屋に残され ていたみさんの不倫の証拠も確保し た私はハルトとみさんにどうやって不倫の 事実を認めさせる 話し合う話し合いの最中ハルトはみさんが 帰ってくる気配を察知したようだっ た彼は自分がいない時のみさんの姿を知り たいからと奥の部屋に引っ込んでいっ た ただいま何もしていないでしょう ね部屋に入ってきたみさんはすぐに私が いることに気がついて荷物をに落とし たちょちょっとお母さん何してるの よそのまま部屋を見回してキッチンに 行くそして怒りに顔をあめながら私に 詰め寄ってき た信じられ ない勝手に部屋に入ってキッチンを使った のねどういうことよいくらお母さんでも非 常識 でしょみつさんはなおも怒りが収まらない ようだそのほさはユイナちゃんにも向い たユイナあんた勝手にドアを開けたのね どうしてあんたはそんな余計なことばかり する のユイナちゃんは箸を床に落とすと大声で 泣きながらみさんの足にすがった お母さんごめんなさいもう悪いことしない から許して [音楽] よちょっとみつさんそんな言い方ないじゃ ないのユイナちゃんはずっとお腹をすかし て待ってたの よみさんは怒りで顔を歪めながら大きく ため息を つくそんなことを言われる筋合いはないわ ユイナは私が育ててるのお母さんは口出し しないで ください私は思わず拳を握りしめた確かに 彼女の言っていることは間違っていないだ が孫のためにこの状況を見過ごすわけには いかないの だだけどこんなの育児放棄じゃないの ハルトが忙しいから辛いのは分かるだっ たら私に相談すればいいじゃない のああもううるさいうるさい今すぐ出て 行っ てハルトさんに頼んできつく行ってもらう わその必要は ないハルトはみさんの暴言に耐えかねたの か隠れている場所から出てきたみさんは その姿を見ると目を大きく開け た あハルト帰ってきてったんだ早かったじゃ ない仕事は順調だった の彼女が必死で取り繕うとしている様子が 伺えただが今更そんなことをしても手遅れ だしかしみさんはそんなことにも気がつか ないのかなおもハルトに対して甘えた喋り 方をして まあ早く帰ってくるなら行ってくれれば いいのに部屋の片付けもしてなかったしご 馳走も用意できなかった わしかし私にもハルトにもそんな言葉は もう通じないハルトは目で私に合図をした 私はすぐに察するとユイナちゃんの手を 取っ たゆいなちゃんお腹いっぱいになった でしょ私と一緒にテレビを見 ましょう別室にゆいなちゃんを連れて行っ た私はテレビを つけるユナちゃんは泣きじゃくっていたが すぐにテレビに夢中になっ たゆいなちゃんちょっとテレビ見ててね私 はお片付けしてくる からうんわかっ た笑顔でテレビを見る名を残して私はすぐ にリビングへと戻った2人は食卓に 向かい合うように座って いるみさんは先ほどの甘いた姿とは打って 変わって静かに俯いていたハルトは腕を 組んでじっとみさんを見ている私はハルト の隣に腰をかけたそれを会いずにハルトが 口を開い たそれでこれは一体どういうことなのか 説明してもらおう かみさんは何も答えずに唇を噛んで いるいいかみつ別に責めるつもりはない俺 にだって責任はあるさ仕事が忙しくて育児 を手伝えなかったんだから なするとみさんは急に顔をあげてハルトの ことを睨みつけ たそうよ全部私に押し付けたあんたが悪い のよあなたは家にいないしユイナは手が かかるし大変だったの よだから不倫したって言 のどうも開き直ったようなみさんに私は 淡々と 返す焦りからか彼女は聞いてもないことを べらと喋り始め たそりゃハルトのことは好きだったわよ 入社した当時からねたか子が亡くなって チャンスが来たと思って結婚したけど今は 後悔している わ私たちが黙っていることをいいことに なおも まくし立てるだけどハルトはおっさんに なったわ見なさいよそのお腹 だらしなくてみともないわもう厳密よ私は まだ若いからまた遊びたいのそれくらい いい でしょ私は思わずハルトの顔を見ただが彼 は特に怒っている様子は ない言いたいことは分かっ たそれでお前の不倫相手は誰なん だ学生時代の友人よゆきっていうのこの間 たまたまあったの彼は素敵なままだったわ あんたと違って ねそこまで言うとみは天井を見上げ た はあこんなことなら結婚するんじゃなかっ たゆはだんだんに似てきて全然可愛くない 勇気が子供好きだからまだ利用価値があっ たけど ねするとハルトは突然テーブルを拳で叩い た私もみさんも驚いて思わず体を固くし たハルトは怒りに満ちた表情で三月さんを 睨みつけて いるお前俺が何も言わないからって調子に 乗ってないか俺は許すつもりだったのに くらないことをベラベラ喋りやがっ て先ほどまでとは全く違うハルトの姿にみ さんはすっかり怯え切っているようだっ た私もその迫力に思わず唾を飲み込ん だそれに俺を馬鹿にするのはいいだが ユイナのことをそんな風に言うのは許さん もうこれまでだお前とは離婚する慰謝料も 払ってもらう ぞちょちょっと待って よ離婚と聞いた途端みさんはにわかに顔色 を変えたようやく自分が余計なことを喋り すぎたことに気がついたの だろう離婚なんてしないわ言いすぎたこと を謝るよにも悪いことをしたと思っている し勇とも別れるから許し ていいや別れるここで許してもお前はまた 同じことをするだろう俺の気持ちは変わら ないこんな冷やかな表情をするハルトを 見るのは初めてだったハルトの気持ちが 変わらないことにみさんは再び怒りの ボルテージをあげ たいい加減にしてよあんたが自分で悪いっ て言ってるじゃないの離婚なんて絶対にし ない わその言葉を聞いてハルトはむにスマホを 取り出しテーブルの上に置い たそして画面を操作するとそこからみさん の声が流れて くるみさんはそれを聞いた途端はっして 静かになっ た先ほどの彼女の発言の数々が部屋に響い てい た聞いての通りお前の声は録音させて もらった部屋の状況も不倫の証拠も全て 抑えてあるだからもうお前に勝ち目はない んだ よそうしてついにみさんは折れ離婚する ことを受け入れたユイナちゃんはひとまず 私が引き取ることになったハルトは忙しい しみさんの元に置くのは危険だと判断した から だそして離婚長底が進んでいる間私は許可 を得て喫茶店にもユイナちゃんを連れて 行った常連客はユイナちゃんにメロメロで 面倒まで見てくれてい た私がことの経緯を彼らにこぼすとその中 の1人から刑事国訴するように進められ た聞くとその人は元刑事だそうで証拠さえ あれば可能だとアドバイスをしてくれたの だ私は早速ハルトにそのことを伝え刑事 告発をする準備を始めたまた同時に離婚 頂点も着々と進んだ事前に証拠を十分に 保全していたため真剣は無事にハルトが 得ることになったあの時ハルトに相談して 本当にたと 思う慰謝料に関しては春と2も日があると いうことでそこまで多くはないそれでもみ さんに払える金額ではなかったので彼女の 両親に建て替えてもらうことになったそう だそうしてみさんは逮捕されることになっ た刑事告発の結果によると彼女の行為は 保護責任者生材に当たるそうだ 裁判の後みさんは今刑務所に習慣されて いるこの騒動が収まるまでユイナちゃんは 少々していたが常連客や私たちの心のケア が実ったのかすぐに元気になっ たハルトは私の進めもあって近所に 引っ越すことになっ た相変わらず仕事が忙しいのでハルトが 出張の時ゆいちゃんは私の家に止まって いるそこで一緒に編み物をしたりテレビを 見たりするのが何よりの楽しみだユイナ ちゃんはますますたか子さんに似てきた孫 の笑顔にたか子さんの影を重ねながら 私たちは毎日を楽しく暮らして いる夫である啓介は私にショップからの 広告はがきを渡すくらいの適当な態度で 離婚届けを手渡してき たあまりに唐突な状況に私は驚きしばらく 方針しながら記入済みの離婚届けを 見つめるどうしたボールペンならあるぞ 印鑑がないと かちょっと待って離婚どういう 意味私を見下すような口調でそう言うと胸 ポケットからタバコを取り出し火をつけ たこの旅館は売却する 私は耳を疑った先祖代々続いた死旅館を 売却最近になって旅館の女将でもある お母さんが体調不良でネタきり状態となっ てしまったのは確かで ある既にホテルグループとの話は進めてる 最終的に俺は実質的に旅館業務に一切の手 を出さずに収入を得られるんだすごいだろ ちょっと待ってせめてお母さんの体調が 良くなってから旅館の話とかその離婚の話 とか を彼は私を下げんだ笑を浮かべていたこの 旅館の売り上げと従業員はもらって いく待って冷静にせめてお母さんの具合が 回復して旅館についての話し合いが進んで からその後で私たちのことを話し合えない の 時間稼ぎのつもりかまあいい今日は帰るよ この旅館をどうするかの決定権は俺にある んだ し啓介が事務所から出て行った後私は呆然 と立ち尽くしてい た部屋の扉が開く私は啓介が戻ってきたの かと思い一瞬体を硬直させたけど現れたの はお母さんであった 今朝までネタきり状態でパジャマを着てい たお母さんはいつも仕事で来ている無事の 着物に着替えて立っているそして微笑み 方針している私の肩を抱くと静かにごめん なさいねと謝罪したさて私の出番だ ね今まで見たことのない上品で少し いたずらっぽい笑顔が目の前広て [音楽] いる私の名前は優香大きなビルが並んだ 都内のオフィスビルで働くことが憧れだっ たこともあり長年に渡り輸入ワインや ビールなどを取引する勝者で働いてい たしかし今は数年前に移住し夫である啓介 の実家が営む旅館で若として働いて いる40代半ば者のキャリアを失うことに はそれ相応のたいもあったが今はこの旅館 で働くことにやりがいを感じている毎日 だ旅館は随分と昔から代々続いている死に であり深い参観の奥地に立てられた秘境の ような趣きが ある春になれば桜の花が先夏には青葉秋に は紅葉が美しくそして今の季節は雪化粧さ れた危機に囲まれて いる視界に広がる風景は全て白銀に染まり 温泉から湧き上がる湯だけがぼんやりと 夜空に 舞う私が初めて夫と共に旅館を訪れた時に 思わず発した言葉は不安だの 一言元々旅館を経営していた義父が高し 義母のくみ子さんが1人になってしまった た私と介も旅館に務める運びとなっ た結婚した頃に啓介はいずれは実家の旅館 を継ぎたいと私に宣言していたがそれは 啓介が仕事で大変そんな時に言う愚痴の ようなものだと思っていて私は本気にして いなかっ たしかし義父がなくなってすぐに啓介は 仕事を退職し た仕事を退職した日の夜性別会すら開催し てもらえなかった啓介は自宅で酒を 飲むコンビニで買ったであろう安いワイン を飲みながら上期限でスマホ画面に 映し出された麻雀ゲームをして いる私には何だかわからないけれど啓介は スマホの麻雀ゲームにはまっていて対局 すればするほどゲームの中でのランキング が上位に食い込めることを生きがいにして いる様子 なき義父も麻雀が好きだったらしく死旅館 を改築するという機会に麻雀ルームなる 部屋を作って いる宿泊のお客様用ではあるが希望があれ ば人数合わせのために旅館のスタッフが 参加することもあるそう だそのような話を聞いていた啓介はこの 旅館で働くことをとても楽しみにしていた いつお客様から一緒に麻雀しましょう なんて誘いが来てもいいように麻雀好き そうな中年の男性に微笑んで受付で立ち 続けてみたりしかし実際に働いてみれば 麻雀の誘いを受けるどころの忙しさでは なく夕飯の準備や風呂の準備など手の回ら ない箇所の手伝いに向かうなど旅館での 啓介の業務はなかなかに激務であった 私のイメージしていた女将という仕事は もっと華やかでただニコニコとお客様を 出迎えるくらいに考えていたのだが意外と 裏方の仕事が多く覚えることも多く宿泊し てい たそんな私をお母さんは優しく指導して くれる初めて教わったのは鶴の橋置きの 作り 方この旅館でお客様にに提供する料理に 使われる橋置きはスタッフ相手で全て 手作りしていると いう休憩中や仕事の合間に旅館のスタッフ などとの交流の意味も込めて一緒に折り紙 をしているとすぐに旅館のスタッフとも 仲良くなれ たいずれは啓介と優香さんにこの旅館を ついてほしいと思ってるの私が元気なうち は全力であなたたちをサポートするから ね暦を塔に超えているようには見えない 上品で美しいお母さんが 微笑む長年振る舞ってきたシサが彼女の身 に染み込んでいるようでその一挙手一等速 が旅館の女という感じが する私もお母さんのようなおになれる だろうかそんな風に考えながらも義母で ありもあるくみ子さんに尊敬のまなざしを 向けるお母さんの方としても私の前向きな 視線を評価してくれているようで可愛がっ てくれてい た私は若女将としてのそして啓介は支配人 としての修行を2ヶ月ほど続けたある日の ことで ある優香さん昼くらいから啓介を見てい ないんだけど何か聞いていない 受付でパソコンを見つめる私にお母さんは 少し焦った表情で聞くと素早く手に持った タブレットで客室の予約状況などを確認し て いる見ていないです支配人室にはいないの です か啓介には支配人としての業務を覚えて もらうためにまずは旅館内の各部門に順次 配属しようって話だのよそれで今は雑用 がかりをさせているんだけど ね介は支配人補佐なのに仕事していないん です か自分の息子ながら恥ずかしい話よね掃除 もきちんとできないし好きあれば逃げて いるよう ね まくお母さんは小さく肩を落とす何気ない 落ちついた にもお母さんは片手にタブレットを持って 宿泊者の情報を確実に管理していた私は スマホの着信を確認するが啓介の名前は ない優香 さん呼ばれて私は顔をあげたお母さんは他 のお客様に感づかれないように私に顔を 近づけ小さな声で言うごめんなさい ちょっとが苦しいわ少し休ませてもらって もいいかしらえはいもちろんです大丈夫 ですか何か私にできることはいえ大丈夫よ 私がいない間はあなたがおよごめんなさい ね何か分からないことがあったら連絡し てそれからしばらの間お母さんは旅館に顔 を出さずに従業員用の部屋で横になる時間 が増えていっ た時々私服で部屋から出てくることがあっ たのだがお母さんは具合が悪いから病院に 行ってくるねと言って1人で車で出かけて しまうお母さんの体調を心配して旅館の 業務が終わった後に何度かお母さんの部屋 を訪れ体調はどうですかと聞いてみたが いい返事はなかったごめんなさいね何か所 も病院回っているんだけどこの胸の苦しみ の原因が分からなくて ねお母さんは申し訳なさそうに私に謝罪 する私は本当に判断に困るような事態に ならない限りは女将としての業務を何とか 行うことができるようになってい たスタッフとのコミュニケーションも自分 ではできている気がするけれど誰も将来的 にはこの旅館の支配人となる啓介の不在に ついては触れなかったそれがむしろ旅館 スタッフ一同が啓介に対して期待してい ないような気がして焦った私はその夜少し 酔った状態で帰宅した啓介に話をすること にしたなんだよ怖い顔してお母さん最近 体調が悪くてほとんど旅館の仕事ができて いないって知っ てるそんな話かとうんざりした様子で畳の 上に座り込む 啓介旅館から少し離れた場所に住居として の家がある元々はお母さんと岐阜が暮らし た家なのだがお母さんはほとんど旅館内の 休憩所で寝泊まりしていて実際にこの家に 来ることはほとんど ない未だに引っ越しした際の私たちの荷物 などを整理できていない状態でいくつかの ダンボールが積んである そのダンボールを背もたれような形で啓介 はあを描い たなあ真面目な話だけどさ母さんがこの まま具合悪くて動けなかったらスタッフの スケジュール調整とか運営の統括とか全部 俺がやることになるわけ じゃん当たり前じゃないそれで一生懸命 お母さんから指導してもらっているん でしょああ なんか思ってたのと違うっていうか ちょっと思ってたのと違うとかそういう 甘い考えを言ってる前にきちんと旅館に出 て仕事してよ ね私が少しきつい調子で行った時間はあっ たのだが次の瞬間に急に啓介ははと怒って 立ち上がり私を睨みつけてきたそれが あまりに唐突だったために私は思わず と小さな悲鳴をあげると啓介は少し気まず そうな顔をして部屋から出ていって しまう部屋の壁にかかっている時計の針は 22時を刺しているその日啓介は朝になっ ても部屋に戻ってくることはなかっ た啓介は旅館の仕事を完全に放棄するよう になってしまいお母さんの体調も良くなら ない日々がしばらく続いた 雪こそ降らなかったが寒さがさらに厳しく なる日が続い た私が旅館入り口玄関を掃除していると すぐ近くに見える渓流の先からかかな鳥の 鳴き声が聞こえるおやと私が目を凝らすと 渓流の近くの折れた木の枝に奇妙な何かが いる大きさは鳩くらいだろうか遠目に見る と頭以外が全部白っぽく見えるがよく目を 凝らすと白黒のゼガをした鳥だ庭鶏みたい な奇妙な頭をしているまるで寝癖のついた 少年みたいな頭をした鳥は木の枝から じっと渓流の水面を見つめている山セミだ 私がそのとても珍しい鳥に見れていると坂 を登ってくる1台の車の音に驚いた は素早く木々の奥へと隠れて しまう車から降りてきたのはスーツ姿の 啓介ねちょっと今川の向こう側にすごい 珍しい鳥が話が ある私の話を切り捨て言葉少なに私を連れ て控室に 向かう啓介は私にまるでショップからの 広告はきでも渡すくらい適当な態度で離婚 届を手渡してき たあまりに唐突な状況に私は驚きしばらく 方針しながら記入済みの離婚届けを 見つめるそんな私に啓介はそっとスーツの ポケットからボールペンを取り出し微笑ん だどうしたボールペンならあるぞ印鑑が ないとかあちょっと待って離婚どういう 意味私を見下すような態度で啓介は胸 ポケットからタバコを取り出し火をつけ たお前はなんだこの旅館で働くようになっ てまるで魅力がない和服美人と言えば 聞こえはいいが地味でつまらん退屈な女だ なとにかくつまらんお前はつまらんつまら んつまらんて 何私が言葉につまらせて絶していると介は にあったパイプ椅子に腰を下ろして私を 見上げるような姿勢になっ たよく見るとスーツの袖からは私が見た ことのない高級そうな腕時計が覗いて いる私の視線に気づいたのか啓介は右手で 腕時計のバンドを撫でながら壁にかかった カレンダーに視線を移し たこの旅館は売却 する私は耳を疑った祖続いた死旅館 売却啓介は女将であるお母さんがいつまで も現場復帰できない状況ではいずれ経営 状態が破綻するかもしくは支配人である 啓介自身に多大な苦労が降りかかると断言 する今の状況を打開するにはこの旅館を 大きなホテルグループに売却し参加となり 経営権を渡してしまうのが最も効率的だと 説明すでにホテルグループとの話は進め てる最終的に俺は実質的に旅館業務に一切 の手を出さずに収入を得られるんだすごい だろちょっと待ってせめてお母さんの体調 が良くなってから旅館についての話とか その離婚の話とかをそれで思ったわけよ そんなすごい俺がなんでこんな地味女と 結婚生活しなくちゃいけないんだってそう 考えたらなんかだんだんイライラしてきて さ私の話など全く聞いていない啓介が私の 手にボールペンを無理やり握らせ強引に机 の前に立たせ た机の上に置いた離婚届けを指さし今すぐ かけよと耳元でさいた全身から鳥肌が立っ て思わず啓介を突き飛ばす 彼は私を下げんだ笑を浮かべてい たこの旅館の売上と従業員はもらって いく待って冷静にせめてお母さんの具合が 回復して旅館の話し合いが済んでからその 後で私たちのことを話し合えないのふ時間 稼ぎのつもりかまあいい今日は帰るよこの 旅館をどうするかの決定権は俺にあるんだ し 啓介は机の上に置かれた離婚届けを指で数 回叩くそれは私に書いておけよという ジェスチャーであったそれとこの旅館は 介護つき老人ホームじゃないんだ仕事が できないならどこか違う場所で寝泊まり しろって母さんに伝えろ よ啓介が事務所から出て行った後私は呆然 と立ち尽くしていた夢が現実の区別がつか なくなるくらいに衝撃的な状況で理解が 追いつか ない部屋の扉が 開く私は啓介が戻ってきたのかと思い一瞬 体を硬直させたけど現れたのはお母さんで あっ た今朝までネタきり状態でパジャマを着て いたお母さんはいつも仕事できている無事 の着物に着替えて立って いるお母さんは微笑み方針している私の方 を抱くと静かにごめんなさいねと謝罪した さて私の出番だ ね今まで見たことのない上品でいたずら っぽい笑顔が目の前に広がって いる私より少し背の低い小柄なお母さんに 優しく頭を撫でられると不思議な気持ちに なるやがてお母さんさんは私の背中を軽く 叩きごめんなさい本当にと再び謝罪した実 は私の体調が悪いというのは嘘だったのへ 嘘のなんでそんなこと を試すような真似したこと謝るわでも聞い て優香 さんお母さんはに誰も聞いている人がい ないことをよく確認してから小さな声で今 までの経緯を説明し始め た実は数ヶ月前から啓介が不審な動きをし ていることに気づいたお母さんはたまたま 啓介の外出の理由はこの旅館の競合企業で あるホテルグループの経営人らしき人と 頻繁に会うためだと耳にしたらしい合企業 の員と会うことが啓介にとってどのような 意味になるのかは分からなかったが仮に お母さん自身が病気で床にふしていると いう状況での啓介を試してみたかったと 告白 する結果的に啓介は支配人としての業務も 放棄しほとんどの仕事を私に押し付ける ような形になり大きな負担をかけてしまっ たことをお母さんは何度も深く謝罪して くれた でもこれでようやく本当に守らなくては ならないものが見えてきました旅館の後継 としても家族としても裏切った落とし前は あの子に必ずつけさせ ますそれから啓介は家にも戻ることもなく 何もない日々が続い た1ヶ月が経ち旅館の周りの雪も解け 始める日課である玄関掃除をしている私は 何気なく渓流近くに視線を移しもしかし たらもう一度あの珍しい山セミという鳥が いないだろうかと 思うどこか遠くの方で私の知らない鳥の 鳴き声がするたびに自分の心の中が綺麗に なっていくような感覚がするのはきっと こういう場所で暮らす人の特権なのかも しれ ない私は最初に感じた不安はどこへやら この旅館が好きになってい た旅館のスタッフもおであるお母さんも そしてここから見える景色全てが好き だ手に持った掃除用のたぼ機を強く 握る視線の先坂を登ってくる見覚えのある 車乱暴な運転で駐車した車からりたは一番 においあれはどういうことだと声を荒げた 私は穏やかな声で事務所で話し合い ましょうと提案し啓介を案内 するさすがに啓介も他のお客様が旅館内に ちらほらといるので感情に任せてとなっ たりするようなことはなかったが事務所に 入った途端に大きな声で私を問いただした おい旅館を売却する話がなくなっちまっ てる何をしたん だお母さん啓介がどこの企業と売却の話を 進めるのか入念に調べてくれていたのだ から私は私でこの旅館の方向性を考えてみ た の啓介が軽減そうな顔をする私は事務所の 棚に整理してあるファイルからいくつもの 資料をテーブルに並べた丁寧にまとめられ た資料には私たちの旅館の経営状態や具体 的な事業内容が記されているそして啓介が 売却を持ちかけていた大手ホテル企業と 両者が提携することでのメリットをプレゼ するための資料が分厚い束になってい た売却ではなくあくまで定型という 形啓介はその資料の中の1枚契約書と書か れた紙に目を 通すそそんなあんな大手企業と定型を組め たのか完全にうちの旅館にとっては大きな メリットじゃない か優香さんはとても優秀な交渉人だったの よいつの間にかお母さんが事務書の壁に もたれかかって話を聞いて いる啓介は未だに契約書と資料を何度か 読み直し唇を噛ん だ啓介が売却を考えていた大手ホテル企業 には私とお母さんで共に出向いて事情を 説明し売却の話は無効にしてもらっていた それだけでなく旅館の強みや両者が提携を するメリットをプレゼンしビジネス パートナーとなる話を つつける私が長年大手企業の マーケティング部で培ったスキルが生きた よう だ旅館での新しい取り組みとして前に渓流 近くで見た珍しい鳥である山セに感動して いた私はこの旅館周辺に野鳥がう宿という コンセプトを目指すことにし たそれにはこの秘境のような未の地を鳥 たちの生体系に注意しながら整備計画を 進行しなくてはいけないこの発想に至った のは私が女将としての視点の中で発見した もの だ秘境の旅館に訪れる人の中に相ear鏡 を首に下げて宿泊する人が何人かい た理由を聞くとこのような人里と離れた 山奥には多くの野鳥がおりバード ウォッチングとして最適なのだ と旅館の庭に水場と餌場の設置 相手は野鳥だろ餌なんて巻いてたら確かに 集まるだろうけどそれじゃ勝っているのと 同じじゃないか動物園でも開業するつもり なのか よ餌は冬場限定よ鳥たちも冬は餌を探して 苦労するからね将来的には旅館周辺に 小さな身がなる植物を植えて植物の身とか 虫とかを利用して野鳥との強制関係を 気づこうと考えているのよしかしあまりに もトピな考えじゃないかうちは旅館だぞ そんな野鳥なんかを旅館のメイン コンセプトに変える なんてそこで啓介は口を継ぐんだ私は もちろんお母さんですら冷たい目で啓介を 見ているからだ散々今まで旅館の経営を 面倒くがって売却だなんだの騒いでおいて こっちが懸命に考え抜いたアイデアにケチ をつつけるとは何事 か優香さんに失礼な態度を取ったらしい じゃないかあんたもうこの旅館にも居場所 なんてないから ねお母さんがそう啓介に言った後私も啓介 も黙り込んで しまう壁にかけられた時計の病が妙に響く 啓介は何も言わずただ長い時間を見つめて い たそして額に手を当てて床に座り込んで しまうなんてことをしてくれたんだ俺が どんな思いで売却を決めたと思ってる こんなさびれた旅館を継ぐなんて苦労する 未来しか見えないこんな長時間労働ばかり の職場優香にだって苦労かけるに決まっ てるじゃない か 啓介今からでも間に合う 旅館を 売ろ海外投資家に旅館を売却すればここは 外国人御用たしの旅館になるスタッフの ほとんどは英語を使えない状況じゃ売却後 はすぐに全員解雇される恐れもあるのよな 何そういうものか考えすぎじゃなく て啓介が怯えた表情でお母さんの方に視線 を移すお母さんは無表情のまま小さく頷き 私の考えを肯定した いや正直言うと買収後に全員解雇は言い すぎなのだけれど今の啓介にはこれくらい の刺激的な言葉の方が効果がありそう だ幼い頃はこの旅館で育ったようなもので ある啓介にとって旅館のスタッフの中には 親戚のように付き合いの長い人もいる その人たちに迷惑をかけたくないという 気持ちもあるのかもしれ ないここは数百年も続いている死旅館これ からもずっと存続して欲しいと思ってるの 私の言葉を皮切りに事務所の扉が開いて スタッフが入ってきたそれほど広くはない 事務所内に旅館内のスタッフである中井や 調理師受付やドライバーなど旅館で働従業 員が全員集まった今回の事情は全ての従業 員に報告してある啓介が支配人として ふさわしいか否かは分からないが彼がこの 旅館を自らの勝手な判断で手放そうとして いることは他の従業員にも到底許しがい ことだった らしいあるものは怒りをむき出しあるもの は悲しそうな表情で啓介を 見つめるそれらのの人の熱い視線を向け られ啓介はただうれて黙り込むしかなかっ たわかった分かったよこれからは俺も支配 人として頑張るよはい えっともう離婚届けは無事に提出してある んだけどな何ちょっと待て俺と離婚してる なら優香が旅館で働くっておかしな話だろ な お母さんついに話のほろびでも見つけた ような感じで嬉しそうに半笑いで 問い詰める啓介にお母さんは着物の帯から 1枚の写真を 取り出す写真の中で啓介と派手なメイクを した若い女性が腕を組んで いる若い女の子に尻尾振って貢いで借金し てたみたいだねそれで旅館の売却と離婚を 急いでたんだろう知り合いに調査して もらった よ写真を握りしめうめき声のようなものを 口から漏らした啓介は両腕で頭を抱えて床 に倒れ込んで しまうちょっと待ってくれよ俺が間違っ てるのかよわかんねえ意味がわかんねえ や旅館の従業員の1人が部外者には帰って もらいましょうと言い数人で啓介を 抱き抱えて事務所から出ていっ た事務所に残った私とお母さんは顔を 見合わせ深くため息を同時についた終わり ました ねそうね改めて優香さんにはこの旅館の 女将として頑張ってもらいますよろしい です ね私はお母さんに教わった女将としての 所作を思い出しながら静かな声で 越ながらと深深と頭を下げるのであっ たそれから1年の月日が立とうとしている 私とお母さんが切り盛りする旅館は毎日 予約で満室になって いる啓介と離婚が成立した今となっては 義母という関係性ではないので今はもう くこさんと呼んでいる私はを死せという 理由で常連客に愛されるだけでなく新しい 客層の獲得や顧客満足度の向上を常に考え ながら仕事に取り組んで いる実家を裏切った啓介は期末さから地元 にいられなくなり都内へと旅立ったようだ 共通の知人曰く見知らぬ土地で日雇い労働 で食いついでいるようでまるで渡り鳥の ようだなと 思う啓介は啓介なりの人生を大切に送って ほしいと心から 思う次々と新しい旅館のイベントや計画を 立てつつも私が最も大事に思っていること は従業員もやりがいを持ち満足に働ける 旅館にしたいということ義母であった子 さんもそれに賛同し私たちは本当の親子の ように仲良く支え合えて いる現在は提携しているホテルに外国人 観光客向けのノウハウを教わっており新た な取り組みを任せてもらっている私は今後 の旅館の姿をとても楽しみにして いる雪解が始まりもう春が近づいている 渓流の先にある山の向こう側に自生して いる背の低い桜がもうすぐ先出しそうで ある お客様の中に相ear鏡を首に下げている 方がいて何気なくバードウォッチングの話 になったその時私が旅館の近くで山セミを 見たという話をするとそれはすごいと嬉し そうに微笑んでくれ た時々仕事の休憩時間に私は渓流のそばに 座り自然の吹きを感じながら静かに時間を 過ごした 青々とした木々の合間から1話の美しい 白黒の鳥が飛び出し私の視界を横切って いく空想をしながら長い間水の流れを眺め て いる山々から溶け出した雪どけ水と脇道に よって形成された渓流はどこまでも綺麗で いつまでも流れ続ける永遠のようにも感じ たあの日偶然に見た山の姿をもう2度と私 は見ることはなかっ た女将さんちょっと手を貸して ください旅館の入り口で新人の中が困惑し た様子で私を呼んでいる私は立ち上がりお 尻を軽く叩くと小走で旅館へと戻っていく ことにし た私の背後で山がさそと渓流を飛行して いくDET

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