「ゼロの焦点(第四部)」を朗読。
禎子は夫の金沢での秘密を目の当たりにし、その失踪との関係が明かされて行く。そして北国の寒村でまた新たな事件が起こる。
・イントロ (00:00:00)
・夫の意味 一 (00:00:08)
・夫の意味 二 (00:08:50)
・夫の意味 三 (00:17:47)
・夫の意味 四 (00:29:22)
・雪国の不安 一(00:48:31)
・雪国の不安 二(01:00:56)
・雪国の不安 三(01:09:53)
・雪国の不安 四(01:21:45)
・雪国の不安 五(01:29:35)
・雪国の不安 六(01:39:06)
・雪国の不安 七(01:58:25)
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邂逅する昭和。追憶の彼方にまどろむ青春。
今夜ここで出会うのは、かつてそこにいた
貴方なのかもしれない。
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このチャンネルは、日本の昭和期の文化・風俗を朗読にて皆さまにお届けする唯一のチャンネルです。
同時に、日本語を学ぶ方々に日本の「昭和」を知っていただき、さらにその理解を深めてもらう事を目的としております。
このチャンネルで日本文化の爛熟期である「昭和」を堪能していただければ幸いです。
This channel is the only channel that provides you with reading aloud the culture and customs of the Showa period in Japan.
At the same time, the purpose is to let people who learn Japanese know about “Showa” in Japan and deepen their understanding.
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[音楽] ゼロの 商店第4 [音楽] 文7時前に天子が金沢駅へ行くと待合室に は本田がもう来ていた本田も帝STが来る ことを半分良きしていたらしく椅子から腰 をあげ笑いながらやってきた どうも恐縮ですすぐ帰ってくるのにお 見送りをいただいては申し訳ないです な本田の顔は嬉しそうだっ たどうぞ早くお帰りください ませ定子は挨拶し た大体のご予定はいつになるんですかそう ですね明日1日はあんまり大した用事は ありません明後日から会議があってこちら に帰ってくるのはその次の日ということに なりましょう 定子は心の中で指を折った東京に着いた日 は今言ったようにあまり仕事がないので僕 はできるだけ田沼久子の行方を探すことに し ます本田は真剣な顔で言った定子はまた ここで本田がどのような手で久子の行方を 探すのであろうかと疑問に思ったが女の 言うことはやはりただ1つの思いつきの 言葉だとしか思えなかった この時本田は帝STのそばに少し寄ってき たそうそう田沼久子のことですがねと彼は 少し低い声で言っ た僕は早速彼女の原石地の役場に 問い合わせてやりましたよえ何をでござい ます かつまり履歴書によると夫のソマ三郎は 昭和33年に死亡したことになっています ねこの日をを役場で確かめてみたの ですなぜそのようなことを確かめねばなら ないのか帝ことにはよくわからなかっ たそうしますとね本田は続けるので ある確かにそ正三郎というのは田沼久子の 内炎の夫であり彼女の書いた履歴書の通り に死亡していますよところ が本田は奇妙に真剣な口ぶりで言ったこ がですね死亡は死亡に違いないのですが 原因は病気ではないのですよえ病気では ないそうなんですただ履歴書には死亡とし てあるからこれは間違いないんですが死亡 だと言うと大抵我々は拍子だと思いがち ですねけれども役場の回答によるとソマ 三郎という人は自殺しているんです 自殺天子は目を丸くした 今日の午後についた役場の回答は簡単で よくわかりませんが何でもそれは覚悟の 自殺らしく衣装もあり警察の方でも確かに 自殺であるということを承認している らしいのです全て正当な手続きはちゃんと 住んでいるそう ですなぜその方は自殺なんかなったん でしょうそれはよくわかりません僕は時間 があったら今日でも現地へ行ってみる つもりだったんですが愛にと本社から出張 命令が来たのでそれもできません けれども田沼久子の内炎の夫が自殺してい たということは何か大変な含みがありそう です ね定子もそう聞いて同じ感じを持つので ある時間がないので本田はホームに向かっ て歩き出した帝STもそれに従っ た列車は福井方面から滑ってき たそれではと本田は2等者の前に立って いった 僕は今申し上げた通り3日もしたら帰って きます多分その時までには田村久子のこと ももっとはっきりすると思い ます相変わらず本田の言い方には田沼久子 の行方を追求する自信のほどが見え た帰ってきたら早速にもこの事件のことを 追求しますまあそれまであなたも楽な 気持ちで待っていて ください発射のベルが鳴った時に本田は何 を思ったか一旦歩めかけた足を戻していっ た忘れていました大変なことなんですがと 彼は 言うそマ三郎の死亡した日ですがねこれは 昭和33年つまり今年の12月12日に なっています帝ことが昭和33年12月 12日の意味をはっきりと自覚しない前に 本田の足は記者の口に乗ってい た発には数分の時間があっ た田沼久子はですね昭和22年から26年 まで東京の東洋商事という商事会社に勤務 していたと履歴書にありますねそれで僕は まず東洋商事という会社に行ってみる つもり ですそうだそれがある帝ことは本田が広い 東京でどのようにして田沼久子の所在を 突き止めるのかと考えていたが本田の考え 方は履歴書にある彼女の5年間の勤め先を まず調べてみようというのであっ た最も履歴書にはこの東洋商事という会社 が東京のどこにあるか何にも書いていない ので分かりませんがまあ向こうへ行ったら 電話帳を見るなりなんなりして僕は探す つもり です発射のベルが鳴ると本田は手を振っ た記者は東京の方へ向かって小さくなって いく本田が窓から顔を出しているのが見え て やがて記者はカーブを曲がって赤いテール 塔を見せて小さくなっていっ た見送り人がホームから散った天子は辺り の人が少なくなるまでそこに立って暗い 線路の行方を眺めてい た信号の赤と青の小さい明りが暗いところ にポツンと ある帝STはいつかこれと同じ場面を経験 したと思っ たそれは夫の地がが上野駅を去る時に彼女 が見送った時の経験であっ た天子は駅の校内から外に出 た寒い風が吹いている空には星1つなかっ た駅の前の商店街の明りも凍っているよう に感じられ た頬が痛い天子は北国のサムさが初めて 分かったような気がし た子が朝起きてみと外には雪が降ってい た女中がこたの日を持ってき て今朝は随分降っていますのよと言っ た外を見ると昨日歩いた金沢の城から権六 園あたりの森が真っ白になって いる窓が曇っているのは粉雪がガラスを 打っているためだっ た今日はツモるでしょうか定子は窓を見 ながら行った いいえまだそれほどでもありませんがこれ からだんだんこの地方も雪に閉ざされて 飛車のラッセルが出るようになるんで ございます よ女中はそんなことを言って朝の前などを 出し た食事が住んだ後定子が外出の支度を しようとするとおやこんな日にお出かけな んですかと女中が目を丸くしたえ ちょっとどちらでございます 市内なんですかいいえのまで行ってきます の女中はまたびっくりしたような目をし たそれは大変でございますね向こうは雪が 多いでしょうにあらそんなにええずっと奥 のとになるとこちらより雪がどうしても 積もりますでも海岸だと風が強いのでそれ ほどでもないと思います私が行くのは海岸 なんです 定子は微笑ん だどちらの海岸でございますか西海岸なん です西海岸だととても風が強うございます からね雪はそれほどでもないでしょうが そりゃ寒うござい [音楽] ます天子は10時15分発の和島行きの車 に金沢駅から乗っ た線はいつぞや来たことのある線だっ たこの前来た時は白衣の駅まで1時間 ぐらいで前の席に若いものが座っていて 映画の話ばかりをしていたことを思い出し た今日はどこかの村会議員らしい男が2人 仕切りに村の予算のことばかり話し合って いた黒いオーバーをき婦人客の中には明治 時代に見るような毛布を背中にかけた人も い たやはり北の国なので ある窓から見ると心配した雪もそれほどで はなかった空は曇っているが雪も降ってい ず遠い山の頂上が白くなっているだけだっ た白衣の町に降りてまた小さな電車に 乗り換え たそこから高浜の駅までは1時間足らず だったが電車は絶えず日本海の冷たい鈍い 色を窓に見せながら走ってい た高浜の駅に降りるといつぞや来た時と そのままの景色が帝STの眼前にあっ たここも雪はそれほどでもなく表通りの裏 の笑屋にわずかに積もってい た高浜の町役を訪ねて天子は歩い た町役は小さい辻を曲がったところにあっ た戸籍がかりという標識の出ている窓口に 行くとそこには40ばかりの痩せた男の 事務員が熱いに何か書き込みをしてい たちょっと伺います が天子が声をかけるとその事務員は小さな ガラス窓を開け た高浜町あ末吉の田沼久子さんの戸籍の ことでお伺いしたいのですが定子が言うと 事務員はこの町では見ない顔だとばかり 珍しそうに彼女を眺めたがそれでもひょい と立って戸棚から何か熱い簿を探してき たた久子さんです ね事務員は番地を聞くとページを送っ たこれですと出した戸籍thenを見ると 田沼正太郎長女久子とありこれは履歴書に 書いてある通りであっ たここで分かったことはただその田沼 小太郎も久子の母もその兄も全部死亡して いるということであっ たつまりたまは久子だけを残して全部死に 耐えているので ある帝ことが知りたいと思ったそマ郎の ことはこの戸籍簿にはなかっ た当然これはないはずでソマ三郎というの は久子の内遠の夫であるから入籍してい ないわけで ある彼のことはどうして調べたらいいで あろう子はその通りのことを事務員に聞い たするとやはり土地のもで中年の痩せた 老人臭い事務員は久子の家の事情を知って い たああ内炎のご主人のことですねそれなら 死亡届けが出ており ます事務員は別の帳簿出してそれを調べ 始めたそれから探しているところを出す と亡くなったのは昭和33年12月12日 ですよと帝STの顔を見た 無論死亡診断書は出ているんでございます ねもちろんですそうしないと役場も埋葬 許可書を与えないわけですから ね病名は何でございましょうか 病名と事務員は帝STの顔を見つめ た失礼ですがあなたは田沼さんとどういう ご関係 でしょう当然な質問だったし帝にもその 答えの用意があっ た実は私田沼さんとは知り合いなんですが 今度田沼さんの一心上のことでもっとよく 知りたいと思って参ったものでござい ますこれは案に田沼久子の菜園のことを 聞かしたつもりであっ たすると事務員は素直に帝ことの言うこと を信じ て医者から出たのは死亡診断書というより も死体案所 ですというのは実はそ郎さんは師ではない んですよと少し気のくそうに言ったえ拍子 ではないんですか天子はわざと驚いたよう な目をした拍子ではないと言うと何で ござい ましょう自殺 です事務員は言った ま子は叫んで見せたがこれは本田から聞い たことだし帝が考えているのはそれから 突っ込んだ詳しい事情だっ たどうしてその方は自殺なんかなさったん でしょう事務員は少し椅子稽古の方に寄せ 前鏡になって声を低くし た当人の事情のことは私たちには分かり ませんがねと彼は言うので ある死体検案書によるとこのソマ三郎さん という人は12月13日の日の朝死体と なって発見されています 牛山という海岸の段階から身を投げて頭部 を打ち亡くなったのです ね牛山というのはどこでござい ましょう定子は息を弾ませ た牛山というのはこの浜から約4km ばかり北に行った海岸ですそこは大変高い 段階になっておりましてねそうそうあなた は朝鮮の海号というのをご承知でしょうか え名前だけは聞いていますけれど何でも とても高い段階だということ でそうですその海根号とそっくりのとこが この辺りの海岸にあるんです名前ものと コゴとつけていますがねその段階の上から 投身したものですからこれは誰でも即死し ます人たまりもありませ んでそ正三郎さんという人はやはりその 段階から身を投げて付近の魚民が13日の 朝の10時頃死体を発見して届け出てい ます天子は唇が白くなっ たその死体提案書を書いたのはどちらのお 医者様でしょう かそれはこの高浜にいる西山さんという 医者です西山委員と言えばすぐわかり ます天子はそれをメモし たそのそさんが自殺なさった原因は分かり ませんでしょう かそれは我々には分かりません 事務員は小さく首を振っ たまあ人には色々な事情がありますからね 噂は聞きますけれどそれが本当かどうかは 分かりませんまあ本人も衣装を書いたこと ですし西山さんに行かれたらもっと詳しい 事情が分かるかもしれません ね最後にお尋ねし ます定子は言っ たそのそさんには戸籍があります かいやそれが何しろ内炎なものですから 入籍になっていません久子さんに聞いても そさんの原石地はよくわからぬというの ですと言っても仕方がありませんから後で 分かったらその時本石文明書を出して もらうことにして埋葬許可書を出しました よ本石文明 届文字通り後で本石地が分かった時に届け てもらうという意味です分からない場合は 分からない場合は未決書類にしておきます 何しろ仏様を中に迷わせておくわけには いかないからどうしても書類処理は後に なり ます天子は頭を下げてどうもありがとう ございまし た霊を言って役場を出ると冷たい風が頬に 吹きつけ た歩いているうちに帝の頭は乱してき た三郎は12月 に身自殺した帝は不に耳のそばで大きな 響きを聞いたような気がし たそれを口にした時の本田の顔つきを帝こ は思い浮かべてい [音楽] [拍手] [音楽] た西山委員は小さな家であっ た玄関を入ると畳敷きの患者待ち合い室が あり寒そうに子供を抱えた母親が鉢に うまってい た受付の小を開けると178のいかにも 田舎臭い看護婦が座ってい た先生はいらっしゃいますかと聞くと患者 さんですかと看護婦は問い返すたいいえ ちょっとお伺いしたいことがあってあがっ たん です真っ赤な頬をした看護婦は眼鏡を きらりと光らせて奥へ入ったすぐにどうぞ と言われて定子が診察室に入ると頭のはげ かかった丸い顔の医者がストーブのそばで 足を投げ出して本を読んでい たお邪魔いたし ます定子は慎ましく入っていっ た医者にとってこの客はかなり思いもよら なかったものらしく帝STを見て思わず足 を引っ込め姿勢を改め たも上りまして子は挨拶し た実はこの12月12日に自殺した田沼 久子さんのご主人のことで少しお伺いに 上がったんです がそうです か医者は前の椅子を示したどういうこと でしょう医者の目にも物珍しそうな表情が あっ たこの病院としては滅多に彼女のような 都会的な客を迎えることはないらしいので ある私はと定子は軽く辞儀をしていっ た田沼久子さんの知り合いのもので今度 田沼さんについて色々事情を知りたいと 思ってきたものでござい ます ほう医者は頷い たそれで田沼さんのご主人の自殺のことで ございますが先生がその死体をご覧になっ たわけです ね見ましたと医者は答え たその事情を少々伺いたいんでございます が帝ことが頼むと医者は案外素直に答えて くれ たあれは全く気の毒でした私のところに 駐在から連絡があったものですからすぐに 警察のジープに乗って行ったん ですこの辺りの警察医はまあ私が代理 みたいなことをやっていますのでね それで13日の日も現場に警察の車で行っ たんですが何でも到着したのは12時を 過ぎていたように思います よ医者はそこまで行って後ろにある戸棚の 引き出しから何やら書類をもそもそ探し その中の1枚を取り出し たここにその検案した控がありますがねと 医者はカルテのようなものを手に取って 眺めながら行っ た私が見た時は今申した通りに12時頃 ですで死後の経過はおよそ134時間 つまり死亡した時刻はその前夜12時 ないし11時ということになります ね帝STはメモをしながら夜の真っ暗い 段階の上に立っている1人のある人物を胸 に書い た地名称は東部の座ですもちろんこれは 墜落した時に岩角にぶつけて頭蓋骨に 達するほどのものですまあ言ってみれば頭 を粉砕されていた状態ですねこれは人 たまりもありません即死です よ医者は手真似を加えていっ たあの段階からは旅自殺者が出ますこの 23年代3人の霊がありますがいずれも みんな頭部を砕いて死んでい ますでそさんの場合も全く同じ状態で即死 しています その死体は解剖なすったんでしょうかいや 解剖はしませんこれははっきり自殺だと 分かっていましたから ねそのはっきり自殺だと分かった事情は どういうことなん でしょう衣装があったんですそれから本人 が投身したと思われる場所つまり段階の上 には当人の靴がきちんと揃えられそれから 手紙が置いてありそれには今行った衣が 挟まれて靴の上にいたのですこれは誰が見 ても覚悟の自殺ですから ねそうしますとと定子は唾を飲み込んで いっ た衣装の内容は先生はご存知なんでしょう かいやこれは医者の仕事の他ですからね 衣装のことはお話ししていいかどうか 分かりませんが私も見るだけは見まし たお差し使いなかったらお話しして いただけませんでしょう が医者は少し躊躇の色を見せたがやがて 低い声でぼそりと話しだし たその衣装というのはですね警察立ち会い の上で私も見せてもらいました要するにソ 松三郎さんの衣装の文面は奥さんの田沼 久子さんに当てたものでその分位は色々と 考えることがあって生きて行くのが辛く なった詳しい事情は何もお前に知らせたく ないただ僕はこのを抱いて永遠に消える ことにするといったような文章だったと 思い ます定子はその文章を心の中で繰り返し た永遠に反問を持ってお前の前から消える ことに するそれはどういう意味で あろう医書としては甚漠然としているし またはっきりとした事情を第3者に見 られることなくただ相手だけに真を伝える 文章のようでもあった その時の死体はと医者は話を続け た早速奥さんの田沼久子さんに連絡を取っ て来てもらいましたよそうすると久子さん も本人だと確かめたし状況が自殺になって いるのでこれは諦めて引き取られまし たその久子さんには旦那さんが自殺する ような心当たりがあると言っていました か定子は医者を見つめて聞い たささんはソネさんが自殺するような 心当たりはないと言っていましたしかし 当人がちゃんと衣装を残していることでも あるしそれに自殺する心当たりはないと 言っても人の家庭には第3者には言えない 色々な事情があるものですからね大抵警察 から聞かれたらそう答えるものですよその 証拠に久子さんは自殺に対してあまり深い 疑いを持たずどこか納得したような様子で 引き取りました その時の死体の衣服などは乱れていません でしたかいやそれはなかったのです ちゃんとみなりも整っていました上着には ちゃんとボタンもかけネクタイもきちんと 閉めていましたそれに印象的だったのは私 が見た時に上着の裏側についているネーム つまりそという縫い付けの上に小さな船虫 が1匹張っていたのを思い出し ます被害者の洋服の裏についていたソと いう ネームテコはそれを聞いた時に頭の中を かめるものがあっ た死んだ義兄の羽原宗太郎が金沢の クリーニング屋を仕切りと探し歩いていた 姿で ある段階の上には確か本人の手帳が残って いたとおっしゃいましたねそうなんです 手帳がきちんと靴のそばに置いてありそれ に衣装が挟んであったん ですその手帳には何か自殺に関係したよう なことは書きつけてありませんでしたか いや警察も一応はそれを読んだのですから ねところが何かそれはそさんの心覚えの ようなことばかり書いてあって別に自殺の 原因とは関係がなさそうでし たその手帳はどうなったんでしょう定子は 聞い た無論奥さんに渡しました よ帝はそれ以上聞くことはなかった は医者に診察の邪魔をしたことを詫び熱く 礼を述べて西山委員を出 た帝ことの頭には1つの混乱があるそれを 整理するにはもっと事実を確かめねばなら なかっ た彼女は田沼久子の住んでいた家に行く ことを決心し た高浜町あ末吉というのは高浜の町から 2kmぐらい北に外れた半分は農業をし 半分は漁に従っているような寂しいブラ だっ たそこは街道沿いで後ろには雪の積もった 喉の高い山脈が続いて いる天子はそこにある一軒の小さなタバコ 屋で家を聞い た田沼という家はすぐに分かっ た教えられた通りに街道を少し行き東の方 に曲がると一軍のブラがあり田沼の家は そのブラの外れたところに一件だけ立って いた は定子はその家の前に立った時思わず声を あげ た自分の目を疑っ たこれは確かに前に見たことのある家なの であるいや現実には初めて見るのだがこれ と同じ家同じ景色を写真で見たことがある 夫の羽原健一が持っていた分厚い用所の中 に挟んでいた2枚の中の1枚の写真なので ある屋根にはこの辺りの風習として石が 置いてある入り口も狭い久しが深くて窓に はレンジ窓のような甲子組が外側にはまっ てい たその1つ1つが写真とそっくりだっ た定子には初めて写真の疑問が解け た羽原健一は2枚の写真を持ってい た1枚の写真は室田社長の家である1枚の 写真がこの田沼久子の家だっ た室田社長の自宅は社長から特別に目を かけられていてしばしばそこに出入りして いた剣一としては何かの記念にとったもの だろうがこの田沼久子の家を取ったのは それとは別の意味があったのだつまりこれ は憲一の住んでいた家なのだこれは帝ST の直感であっ た先ほどからの恐れが現実となった 今や夫の剣一とソマ三郎とが同じ人物で あるということがはっきり分かってき た寒い日だし粉雪が斜めに皮膚に当たって いたが帝STの頬は熱いものに触れている ように感じられた頭の中が燃えてい [音楽] [拍手] [音楽] た子はその家の近所に住んでいる人を訪問 し 色々とマ三郎なる人物を知ろうとし た勝をしている中年の主婦は帝にこう言っ た久子さんは田沼の家の1人娘でしてね家 は前から農業なんですが気の毒に親子さん もお兄さんもみんな廃BRAで倒れて死ん でしまいましたたった1人兄さんだけが 残っていた自分そうですね昭和223年頃 でしょうか子さんは突然に行ってしまった んですその時は兄さんとの折り合いが悪く て飛び出したというような格好ですが東京 で何をしていたのかさっぱり兄さんにも 手紙が来ず誰もこの近所では様子を知り ませ んところが今から5年くらい前ひょっこり 久子さんは帰ってきました何でもその帰っ てきた時 はそのことを主婦はかなり興味を持って 話し たひどく派手な様子で以前とはえるように れていましたそれで近所の者は東京へ行っ て何をしていたのかと悪口を言っていた くらいですそのうち本人もやはり田舎の 習慣に慣れてしまったのかそんな派手な こともなくなり兄さんが死んでからは家を 守ってわずかな他を耕していたようです その暮らしはあまり楽とは言えませんでし た ねする と話てはまた面白そうに目を輝かし た今からちょうど1年半ばかり前でしょう か久子さんが突然おむこさんを取ったん ですねけれどそのむこさんというのも正式 な結婚ではなく無論結婚式も披露もやって いません私たちにも久子さんは初めのうち はなるべく隠すようにしていましたがしま にはそれが主人だと言っていまし たその主人というのがソ松三郎さんです そさんは私たちと顔を合わせても滅多に口 を聞いたこともなくどっちかというと顔を 背けていたような具合ですまあ一緒になっ た事情が事情なので私たちも察してはい ましたけれどとにかく口数の少ない人でし た久子さんの話によると松三郎さんは何で もある会社の外交員だそうで朝早く出て 行き夜は遅くでないと帰ってきませんでし たそうですね 大抵バスの最終ですから真っ暗ならないと 家に戻っていなかったようですそれに1月 のうち10日ばかりは東京に出張があると かで全然帰ってきません久子さんはマ三郎 さんが東京に出張することをひどく自慢に していましたけれどさあどういう商売の 外交だか私たちにもさっぱり検討がついて いませ んこのような話はこの主婦だけでなく もっと別の中年の農婦や漁父からも帝ST は聞い たそれから自殺の原因についてはみんなが こういうので ある久子さんはマ三郎さんをとても好き だったようで我々の目から見ても大切にし ていましたそのマサロさんがどうして自殺 したのかよく分かりませんがまあ我々の 考えでは外交員という商売にありがちな金 の使い込みでもしたのではないかと思って い ます子さんもマ三郎さんががなぜ自殺した かというようなことは我々に言うはずも なく当座はひどく悲しんで口も聞かなかっ たよう ですするとそのうちに突然家を畳んで畑や 辞書諸々売り払って金沢に引っ越して行き まし たその時の久子さんの話では何でも向こう の会社に就職が決まったということでした が帝STが聞いた話は大体総合するとこの ようなことだっ たするとソマ三郎というのは室田社長が 言うように室田大下レガの行員ではなく どこかの会社のセールスマンであったと いうことに なるこれは近所の人の言うことが本当なの か室田社長の言う話が本当なのか帝STに はすぐに判断ができ ない例えば久子が近所のものにそが室田 大下レガ工場の行員だというのがなんだか 制裁が悪くどこかの外交員だと取り繕って いたのかもしれない しかし帝STには近所の人が言うのが本当 のような気がし たいずれにしても室田社長は嘘をついて いるもしソマ三郎が羽原憲一と同一人物で あったとしたら室田大下レガの行員などと いうことはありえないのであるしかも近所 の話で聞いたところによるとそのソネマス 三郎なる人物の人相特徴はことごとく羽原 憲一を指しているのである すると近所に久子が不調した20日間は 金沢に10日間は東京にというソ松三郎の 生活が不折を合わせるように憲一の生活に 会うので ある憲一は20日間は金沢地方のA社の 広告取りに歩き10日間は東京に帰ってい た室田社長はなぜそのような嘘を言わねば ならないのであろう かそれにしても帝ことはずっと以前夫の 羽原健一から自分が他の女と比較されてい たことを思い出さずにはいられないので あるあの時夫は仕切りと自分を褒めた褒め 方がいつも誰かに比較されているように 思えた当時それはただ自分の感じに過ぎ ないと思ったが今こうして実際の真相が 分かるとその直感が間違いでなかったこと に思い当たるので あるそれでは夫の羽原健一はなぜ自殺した のであろう か定子はともかく夫の自殺したというその 現場に行ってみたくなっ た近所で聞くとそれはまたバスに乗って 4km離れたところにあると いう定子は要因に来ないバスを待っ たこのバスは日に3往復しかなく彼女は雪 の降る道端で年と1時間近くも待たされ たバスでそこまでは20分かかっ バスが通る道から見ても左側の窓の下が 絶壁になっていることは海が低いところに 見えていることでも分かっ たある停留所に降りたらそこは帝ST1人 だっ た彼女は乱れて降ってくる雪の中を段階の 上に向かって歩い た草は短く枯れている雲も低いところに あっ たいつかこの近所に来た時は遠い雲の間 から日が刺して海の一部が明るく見えた もので あるしかし今日は空全体が熱い壁に 塗りつぶされたように熱い雲であっ た日の限りもなく雲の動きもなかっ た夫の死の場所が果たしてどの辺りか検討 がつか ないしかしその地点がこの辺りであること は間違いなかっ た海の方を見るといくつもの岩が立って海 に突き出て いる干渉的に見ればなるほどの金剛の名に 値しそうな景色だったが今の帝STには ウバの墓場のようにしか思えなかっ た彼女は前に来た時にここで思い出した死 をまた胸に浮かべ たしかしご覧空の乱れ波がさいて いるさがら塔がわずかに沈んでどんよりと した塩を押しやったかの ようあかも塔のいきが幕のような空にかか に裂目を作ったかの よう今や波は赤く光る時間はかかに低く きづいて いるこの世のものとも思われぬ真金の中に 海沿いの墓の中に海際の墓の中 に帝は涙が流れ たそれは悲しみのためか正面強く吹きつけ てくる冷たい風が目に染みたためか分から なかっ た夫はなぜ死んだのであろうなぜ自殺した ので あろう夫は2年前にこの地方に不妊してき たそこで田沼久子との関係ができたに違い ないその同機が何から始まったのか元より 帝ことは知るよしも ないがともかく夫は2年前に不妊しそ半年 後にこの海沿いの村にひっそりと女と同棲 していたことは間違いないので ある夫の自殺の理由は天子にはほぼ想像が つきそうだっ たつまり帝STを妻として得たことに彼の 自殺の原因があったのではなかろう か夫は帝皇を愛していたしかしもう1人の 妻田沼久子も愛していたが彼は新婚の帝を もっと愛していたので あろうそのため田沼久ことの1年半の生活 を彼は努力して打ち切ろうとしていたに 違い ないしかしそれができず悩みの果てにここ の段階から身を投げたのではあるまい かソ増三郎が死亡したのは12月12日で ある夫の羽原健一が失踪したのは12月 11日の晩であった彼はまた明日金沢に 戻ってくと言いながらそのまま行方不明に なっ たここで初めて羽原健一がなぜ一晩よそに 止まらなければならなかったかという謎が 解けてくるつまり剣一は有国金沢を出ると この高浜の久子の家に一泊せざを負え なかったので あるその日に金沢に戻る記者の連絡がない の だ剣一の当初の予定ではその時久子と別れ てある日に金沢に戻り東京に戻ってくる つもりであったので あろうところがその晩に彼はこの段階から 投身してしまったのだ本田が東京行きの 記者に乗る前そ正三郎の死亡した日が12 月12日になっていると言ったが彼もソマ 三郎と羽原憲一とは同一人物であることを すでに悟っていたの だだからこそ彼は勢いづいて東京の田沼 久子に会ってくると言ったのでで あろう海の上に重なっている雲は急速に 青ざめた海の色も黒ずんで くる天子は冷たい風と雪に打たれながら しばらくそこからじっとして動かなかっ た天子が金沢に帰ったのは夜の9時を過ぎ てい た宿に帰ると女中が帝の顔を見て急いで 告げ た奥様のスに何度も電話がかか参りました あらどこから定子は目をあげた東京の母 からと思ったのだA広告者からでござい ます何でもとてもお急ぎの御用らしく2 時間ばかり前から3度ほどかかりました どうも ありがとう定子は言ったが胸騒ぎがし たA広告者からかかってくる用事といえば 剣一のことか本田のことしかなかった 東京に出た本田から何か重大な手がかりで もあったというのであろう かしかしそれだったらA広告者などを通じ ないで帝STの止まっているこの宿に直接 かかってきそうなものだっ た何の用事か帝ことには検討がつかない 今頃になってA広告者に剣一のことが知れ たとも思えなかっ た定子はA広告者に電話をかけた交換台に 命じてそれが出てくるまで胸の同機が 静まりなかっ た電話が通じた出たのは男の声だっ たもしもし私羽原でございます定子が言う と相手はああ羽原さんの奥さんですか僕A 広告者の木村というものです が声の調子では向こうでもかなり慌ててい た 理想しておりまして大変失礼いたしました 実 は向こうは早急に言うので ある大変重大なことが起こりましてすぐに ご連絡しなければならぬことになりました 速これからお伺いしたいのですがご都合は よろしいでしょう か相手はその内容も大体の輪郭も伝え なかっ たそのことがかって要件の重大さを抵抗に 思わせた 結構ですお待ちしてい ます電話が切れたがその男が駆けつけて くるまでの時間彼女は心が落ち着かなかっ たもはや剣一のことではないの だ何かが怒ったとすれば本田義男の身の上 で ある天子は女中に言いつけてこたの火を 起こしひにも火を持っ た客は1人か2人かわからないがともかく 座布団も3人前用意させ た長場から連絡があったのは30分の後 だっ たA広告者の木村という人と土地の警官だ というので ある警官と聞いて定子は息を飲んだたごで ないことが起こったのは疑うべくもなかっ たしかもそれは警官の来るような用事で あっ た帝は胸の震えるような思いで足が階段を 上がってくるのを聞い たお邪魔し ます襖の外で男の声が控えめに聞こえ た どうぞ入ってきたのは無論帝ことが見知ら ぬ人ばかりであっ た戦闘に立ったのも後ろの2人もいずれも 背を着てオーバーを片手に抱えてい た先に入ってきた男が僕A広告の木村です と自分のことを言って挨拶しそばにいる 中年の2人の男をこれが金沢所の刑事さん ですと紹介し たどうも昨日からひどく冷えます ねその刑事の1人は助祭なく言った彼は ポケットからよじれたタバコを出して 落ち着いた様子で吸い始めそれとなく じろじろと帝この顔を見てい た女中が茶を出して去ると待っていたよう に木村が口を切っ た実は奥さん大変なことが起こりまして ね天子は木村を見つめた普通ではないと いう予想はあったが木村の口から吐かれて みると初めてその現実に突き当たった思い だっ たそれは本田さんのことなんですがああ やっぱり本田のことだったと帝ことは心の 中で叫んだ 本田さんが東京に出張されていたのはご 承知と思いますが今日の午後4時頃この 金沢書の方に連絡がございまして本田さん が急に亡くなったという知らせを受けまし た え定子は顔色を変え た本田の身に何か地変があったことは予想 したがまさか本田の死を聞こうとは考え なかったしかもそこに刑事がいることで女 のがどのようなことであるかということも 直感でき た定子は自分の唇が白くなるのを覚え たその亡くなったというの は木村も興奮を見せていっ た大変不幸なことなんですが本田さんは 殺されたの です定子は声が出なかっ た直感はあったが言葉に出されてみると頭 の中が真空になっ たそれににつきましてと横野刑事が穏やか に話を引き取っ た私から一通りざっお話いたしますこれは 警視長の連絡なのですが本田さんは今日の 12時頃東京都世田谷ババ町ババ番地の 政風総というアパートの一室で亡くなられ ていたのをアパートの管理人が発見したの です管理人の話によるとその部屋はその 前日に過のとこという名前で30前後の女 が借りたのだそうですそのある日に本田 さんが訪ねてきたわけですがその時本田 さんは管理人に杉野さんという人がこちら に移っているでしょうと尋ね部屋を聞いて 入って行ったと言いますそれが大体9時頃 でそれから彼女の部屋で本田さんの死体が 発見されたのが今申し上げた通りおよそ3 時間後の12時近くでし た死因は生産借りで これは死体のそばにウイスキーの瓶が残っ ていたことで分かりました式ではその ウイスキーの瓶に生産借りの購入を認めて おりますつまり本田さんはこのウイスキー を飲んだわけですまた杉野という女性は9 時過ぎに外出したところを管理人が見て かなり慌てている様子だったと証言してい ます帝はその刑事の顔を見ているだけだっ たどのよう言葉を出していいかわから なかっ たそこでと刑事は穏やかにタバコを吸い 続けていっ た奥さんにお伺いしたいのですが本田さん が東京に行ったのは大体会社の出張だと いうことは分かりましたけれども本田さん が杉野という女を尋ねたのは無論指的な ことと思いますこれについて本田さんを かなりご存知の様子の奥さんにご意見を 伺いたいのですが [音楽] 定子は刑事に聞かれてもしばらく答えられ なかっ たそれは刑事の質問が分からないというの ではなく言葉よりも先に頭の中が混乱した ので ある本田義男が殺されたまるで現実とは 思われなかっ たりの物体が急に傾い見え た本田吉夫別れた時の最後の姿だけが目の 前に大きく移っ た記者に乗ってからも窓から首を出して ホームに立っている帝STの方をいつまで も見ていた本田の顔が目にいっぱいに 広がって くるどうでしょう奥 さん訪問した刑事は彼女の返事を促し た本田さんとは 彼女はやっと言っ たそれほど個人的な親しさはございませ ん帝はそう言いながらそれが自分の正直な 返事かどうか自信がなかっ た彼女は本田の気持ちをある程度感づいて い た本田が新人早々全ての仕事をほとんど 投げ打って剣一の行方を探すことに一生 懸命になったのは友達への友情というより もむしろ帝へのではなかっただろう か子も最初はそれが本田の夫への友情だと 信じてい たが本田が彼女と一緒に色々と夫の行方を 探してくれているうちに底はとなく覗かせ てみせる愛情に気づき始めたので ある夫の剣一を捜索する本田の方向は体操 な努力と 言えるその本の気持ちの中には第に 積み重なって帝への愛情が彼女にも目に 見えるように分かっ たこれは彼女にとって迷惑なことで ある金沢の滞在も彼女には少々長すぎた ようであるこの上本田の気持ちを進ませ たくはなかっ た定子は本田に愛情めえた気持ちは持て なかっ ただが自分のことを密かに思い善意に努力 してくれる彼に感謝している以外ににない ので ある本田さんとはそれほど個人的には 親しくございませ ん定子は重ねて刑事に行っ たただ主人の同僚であり5人者という関係 から主人のことを心配してくださっただけ です金沢所の刑事は帝ことの夫の羽原健一 が失踪したことを知って いるああそうですか 刑事は頷い たそうすると今度本田さんが東京で殺され たことについてはお心当たりがないわけ です ね全然ございませ ん定子は本田が殺されたという部屋の主杉 のとこという女を知らない初めて聞く名前 なので あるしかしその女が本田の殺された前日に そのアパートに引きつったことと言い本田 が東京に出発する時会議の夜にできる限り 田沼久子の行方を探すと言っていたことと いい次のとこなる女性はもしや田沼久子と 同一人物ではないかと考え た室田大華連が会社の受付にいた田沼久子 は突然行方をくらまし た当時本田の話によると彼女は東京方面に 行ったらしいというので あるそれは本田が探っきたことだすると 東京に出張した本田が杉のとこなる女性を 訪ねていったであろうことは色々な点から 見て不折が合うので ある杉野智子こそ田沼久子の偽名に違い ない受付の窓口に座っていた大人しそうな 細い女性が帝STの頭に浮かん だアメリカ人と話をする時に特殊な 言葉遣いをしたあの女である 本田の口ぶりではひどく田沼久子を疑って いた彼女の内炎の夫そマ三郎の死亡につい てもかなり疑問を持ってい たその真相は帝ことが自分で探したが本田 もある程度感づいていた節が あるそして最も怪しいと彼が考え出したの がこの田沼久子なので あるそうなれば本田が田沼の偽名を杉と 推したも彼女の新を懸命に調べていた彼に とってはそう時間がかからなかったのでは ない か田沼久子はなぜ本田を殺したのであろう か天子が頭の中に思考を忙しく働かせて ぼんやりした顔つきでいる とそれではあなたは本田さんの殺された ことは全然お心当たりがないわけです ね刑は帝に念を押すように聞き帝の返を 聞い て今後の捜査の進展次第でまたお伺いして お話を聞くことがあるかもしれませんから と断って帰っ た刑事たちが帰った後帝STは深い物思い に沈ん だ彼女は刑事の前には夫の失踪と田沼久子 の内炎の暴風ソ正三郎が密接な関係にある ことを漏らさなかっ たそれはまだ推定の息でこれという証拠が ないのみならず夫の行方不明の影には今や 田沼久子という存在が明らかになっ た夫の剣一は帝STに隠して久子と日本 海岸の古い百勝家に同棲していたの だ夫の失踪は久子の表面上の主人ソ松三郎 の死亡と同じなので ある田沼久子はおそらく自分の内炎の夫 三郎が原一と同一人物とは知らなかったの であろう今になって考えると羽原健一は2 年間の金沢在任中1年半を田沼久子の夫と して暮らしていたの だ彼は野の西海岸の久子の家から金沢のA 広告会社の出張所に出勤してい たそして久子の家から地方の得意先回りの 出張に出かけていたので ある原は1月のうち10日間連絡のため 東京の本社に詰めなければならないその間 久子の夫のソ正三郎として室田大下レガの 社用という名目で東京に出張していること になっていたのだつまり羽原健一としての 1ヶ月のうち10日間の東京記者はソ 正三郎にすれば行員としての東京出張に なっていたので あるまだ思い当たることがある 羽原健一は東京から金沢の出張所に主任と して不妊した時最初は金沢市内の川沿いの 道から路地に入った古い家に下宿してい たしかしそこはわずか半年で引っ越して いる帝ことが本田と尋ねていった時その 下宿先の老婆は羽原さんの引っ越し先は よく知らないと言っ た荷物も羽原さんがタクシーを呼んで自分 で運び出したというのである あの時金沢駅も調べたが行先は分から なかっ た憲一は能半島の西海岸にある田沼久子の 家を他人に突き止められることを嫌い一得 工作をしていたので ある当時彼は妻となるべき帝STの存在を 知ら ない健一が久子と同性の居所を隠したのは 会社の同僚などに対してであっ たその事実を羽原健一の家族 例えば実にあたる太郎は知らなかったので あろう か帝ことは今宗太郎がそれを知っていたと いう気がして いる初めて姉の家に夫の留守中訪ねて行っ た時義兄の宗太郎は弟の剣一は女には硬い 男だと保証し たその時の彼の表情はひどく大げさだった ように 思うあれは新しく来た弟の嫁の帝に対して の天才であるただ姉も宗太郎からその事実 を知らされていなかったようで ある宗太郎は弟の秘密を自分の妻にも隠し ていたのだろう宗太郎は京都に出張に行く と言いながら直接に金沢に来たそれも弟の 剣一が行方不明になってしばらく立って から だなぜあの時太郎は弟の行方不明を聞いて すぐに慌てて駆けつけなかっのかここで帝 は思い当たるので あるおそらく剣一は兄の太郎にだけ自分の 秘密の生活をある程度打ち明けたに違い ないそれも帝国との円THがまとまった 直後のような気が する剣一は新生活に入るため田沼久の1年 半にわる生活を生産しようと考えたで あろうしかしそれは子の愛情の前には容易 には告白ないことだっただから彼は兄の 太郎にだけはその苦悩をある程度打ち明け たと思わ れる剣一が田沼久子の愛情と帝ことの愛情 に挟まれ自殺した時羽原太郎はまだ失踪 だけを聞いているので多分剣一が女との 別れ話に長引いていると考えたに違い ない一の女の家は誰も知らないから表面上 は行方不明になっているのだと だろうだから太郎は弟の失踪を聞いても 悠々として腰を上げなかったの だ彼は必ず剣一が出てくると言ってい た出てくるというのは女との間を生産して 帰ってくるという意味で ある他のものが剣一の精子を心配している 時でも太郎が自信を持って生存説を主張し た理由はそこに あるはまた考え 続けるところが夫の剣一は失踪したまま 容易に姿を表さなかっ たそこで宗太郎にも初めて不安がきざして き た彼は表向き京都に行くと言って金沢に来 たそして密かに捜索を始めた帝ことと一緒 に行動しなかったのも彼には弟の事情が ある程度分かっていたからで あるある程度というのはが兄に全部告白し ていないと思われるからで ある宗太郎は剣一の失踪を聞いて金沢に来 たが彼は随分妙な行動をして いる例えば市内のクリーニング屋を探して 回ったことなどで あるおそらく健一は宗太郎に自分に1年半 の同性生活をした女があることは告白し なかったで あろうその名前もはっきりした住所もまだ 告白していなかったに違いない ただ宗太郎が金沢に来た最初の日能半島 から来る列車に乗っていたことは帝ことが 目撃したことで ある宗太郎は弟のその隠れ場所が能半島で あろうくらいは検討をつけていたに違い ない剣一はその辺りまでは行ったであろう と思わ れるたださすがの剣一も全部を兄に言い かねたところに今度の事件の不可解さが あった [音楽] [拍手] [音楽] 帝STの考えはまだ 続く今や夫の剣一の同性者が田沼久子で あることは決定的で ある兄の相太郎の捜査はもしかするとそれ を知ってのことかもしれ ない田沼久子と夫の剣一との結びつきは 容易に想像できるので ある夫の全身は立川警察書の風気係りで あっ た田沼久子はその操るアメリカ語でも全身 がアメリカ軍相手の特殊な女性であったと 想像されるので あるすると健一が立川所の巡査時代もし 久子がそこで夜の女だったら職務上彼女と 知り合っていたことが想像さ れる多分その間に2人の間の特殊な関係が できたので あろう田沼久子がそのような商売をやめて 生まれ故郷の喉に帰ったのは憲一が立川所 の巡査を辞めたと同じ頃ではあるま かいやそれは少し 違う彼は巡査をやめて現在のA広告者に 入るまで約1年間の空白があるの だもし2人がその時示し合わせていたら すぐに同性生活が始まっていたに違い ないそれよりも憲一がA広告者に入って 金沢地方の担当員となりその地方を外交し て歩いている時偶然に久子と遭遇したと 考えた方が自然で あろう当時剣一は独身だっただから再会に よって生じた久ことの交渉で同性を決意し た剣一は着任後わずか半年ぐらいで下宿を 辞め荷物もできる限り行先を隠すようにし て久子のとろに運んだので あろうこの時一は久子に対してもも偽名を 使っ た憲一の気持ちとしては久子と結婚する 意思もなくまたどうせ東京の本社に帰る ことを考えていたので永久にのの田舎で 久子同棲するつもりはなかったので あるそのことから考えると巡査時代に久子 と知った時の剣一はただ顔見知りという 程度だけで久子が名前をろに知らない程度 であったと思わ れるそれが数年後に北陸でばったりと顔を 合わせたのを機会に2人の愛情が動き ついに剣一にそマ三郎という偽名に なりすまし久子の内炎の夫となったので あろう地方に不妊した独身の男性としては 考えられるケースであるその田沼久子が 本田義男を殺したことは今は明白であっ たなぜ彼女は本田を殺したのか本田は彼女 の調査の途中である度彼女の秘密に触れた ところが あるそのことで久子が本田を殺したと 考えるなら義兄の宗太郎が久子に殺された こともまた同じ原因と考えて よかろうつまり義兄の宗太郎も本田も剣一 の失踪を調査しているうちにあることが 分かりかけて田沼久子に殺されたので あろうではそのあることとは 何かそれは久子と一との隠れた生活の秘密 でで あろうしかしその隠れた生活のために殺さ れたというのは不自然であるそれ以外の 何かがなくてはならない帝ことは目を つぶってしばらく考えた当然それは剣一の 死にかかってくるものであるもし剣一の死 が多であった場合その真相に迫った義兄の 宗太郎も本田義男もその犯人の手によって 消されたことは考え られるこの場合犯とは田以外に ない犯人はけ一を殺して自殺を予想わせ それを知った宗太郎がまず殺され次に本田 がおびき寄せられて殺されたと一応筋は 成り立つので あるしかし剣一の死は自殺であった多とは 考えられない警察の長所を見ても自殺の 場所に立った夫はきちんと新を整理し特有 の心理によって靴も揃え所持品も帳面に 置き衣装も書いて いるそうだ衣装がある紛れもない夫剣一の 衣装であったこの線は崩れようもないので ある夫は明らかに自殺であっ たしかしそれを調べていた宗太郎と本田は なぜ殺されたかこれが帝ことにはどうして もわからない なるほど夫の剣一はソ松三郎の偽名で自殺 した死体は完全に田沼久子の内炎の夫とし て合法的に処理され たしかしそういうことが暴かれても何も 久子が相手を殺すことは ないわからない全く検討がつかないので あるただ本田義男を殺したのはた久子だと いうことははっきりしているが義兄の太郎 を殺した犯人とは断定ができ 北陸鉄道の電車の中で太郎と一緒にいた女 は一見パンパン風だったというそのことが ひさこと結びつくのだがその女性が 果たして宗太郎を殺したかどうかは分から ないのであるがまずそれは久子と考えて 良いて あろう本田を殺した女であるからそれ くらいのことはやりかね ない他に別な共犯者がいて太郎を殺した とも で ある 者帝はここで思い当たることが ある田沼久子の夫そ松三郎が室田大下レガ 株式会社の行員であると言ったのは室田 社長である本田が調査した時そのことは 会社の工場のローム課長も承認しているが 実際は三郎は原一であり半島の彼の住んだ 近所のも子の言葉ではある会社の外交員だ と言っていたというので あるこのことから考えれば社長の室田が 久子の夫を自分の工場の行員と称したのは 彼の死後ではないかもし事前にそのことの 工作があれば久子が近所のものによその 会社の外交員と言うはずはないので ある彼が死んだ後室田が引にさせたと 考えれば辻妻が合う それならなぜ室たしは久子の内炎の夫そ 正三郎を自分のとろの行員と称したかその ことは室田夫人の幸子の言葉で思い出さ れるので ある夫人は前に帝STに言っ たあの方うちの工場で働いていたご主人が この間亡くなりましてね気の毒なので奥 さんをここで採用したのだそうです主人が そう言っていました つまり室たしはたさを自分の会社の女子 事務員にするためにその口実として彼女の なき内炎の夫自社の行員と称したのである そして社長の権限を持って工場の労務家に も社外の人から聞かれた場合そう言い 合わせるようにしけたので あろう無論退職金は出ていない務課長は 出したと言ったが本田が調べてみると会社 の会計からは退職金は出ていないらしいの で あるしかし誰かに聞かれた場合はあれは うちの行員であったと答えさせるように 工作したのではない か現に本田がその通りに聞いて いるでは室たはなぜそのような工作を必要 としたの か明らかに死は嘘をついて いる自分の工場の引でもないものを員と 称して義することの同機は何であろう それは明らかに田沼久を自分の会社に採用 させるための口実で ある羽原健一の久子の夫ソ正三郎が自殺し て生活の道を失った彼女を社長は救済した ので あるでは田沼久子を救済するだけの特殊な 理由が社長と彼女との間にどのように因縁 付けられているのであろうか [音楽] ここで思われるのは田沼久子がなぜ突然 東京に出版したかということ だ本田吉尾は田沼久子をしきりと調べてい た帝STに話した言葉でも彼がかなり自信 を持っていたことが 分かる本田の彼女についての探索はまず 相当に進んだものと見て よかろう田久子はそれを恐れた恐れる理由 が彼女にあった本田は帝にいずれゆっくり 全部話すと言ったまま死んだので帝は本田 がどのような調査を遂げたか知ってい ないしかし久子は途中で東京に逃げ追って きた本田を殺したくらいだから彼女には 異様な秘密があったに違い ないここで帝STはまた同じような暗証に 乗り上げるその秘密とは 何かそれは夫の一の死に関係したことで あろうことは想像されるがでは相手を殺し てまで防衛しようとする久子の秘密とは 何かまだ分からないことが1つある田沼 久子は東京のアパートに偽名を名乗って 前日に引っ越してき た本田がそれをどうして知ったかで ある本田の出張は無論会社の公用で東京に 来たのであって一応彼女の捜索には関係は なさそうで あるその偶然はあるにしても前日に東京の アパートに入ったばかりの田沼久子の居所 をどうして本田は知り得たかまた偽名の 彼女を彼はどのようにして探り得たので あろうそれは別の意味で本田の調査が非常 に進んでいたことが察せられるので あるあらゆる疑問が帝の頭に渦巻いて いる室田作はどの程度この事件に 関わり合いがあるの か田沼久子を救済したのは全然別な同機に 立っているのかあるいはその同機がこの 事件に反映しているのか帝STには はっきりとまだ分からなかっ たが一応室田社長に会うことは必要で あるそれは得意先と勝者の社員という関係 でも必要だしこの事件に色々と相談に乗っ てもらった室たちに報告する義務もある 翌日天子は室田大下レガの本社に電話を かけ た公館主はすぐに社長の声を出し た室田 です羽原天子でございますが突然にお電話 申し上げて申し訳ございませ ん定子は言っ たいやいや どうぞ社長は話を促し た少し急な出来事が持ち上がりましたので お耳に入れたいと存じますなんです か社長の声をはまだ落ち着いてい たいつもお世話になっておりました本田 吉男のことですがああ本田君がどうかし ました か社長はまだ何も知っていない らしい土地の警察署は本田義男と社長との 関係を無論知らないこれはA広告者の一種 にと出行のスポンサーという関係でしか ないのだ警察署から社長に本田の死を知ら せるはずはなかっ たその本田が殺害されたという知らせが 昨夜参りました え社長の声はじきに響い たなんですってもういぺ言って ください子はそれを繰り返し た本当に本田 かこちらの新聞にはまだ出ていないので あるこの事件が新聞社に発表されたとして も多分この地方の新聞に出るのは明日 ぐらいではなかろう か警察の方から知らせがあったのです 間違いないと思い ます犯人は誰です か社長はすぐに聞い た犯人 は帝は言いかけて声はためらった田沼久子 と推定しているのは彼女だけで杉の智子と いう名前を社長は知っているかどう か杉の 友子社長は定子からその名前を聞いて 問い返す た声の調子では全く未知の名前を聞いた 口ぶりだっ たテコの耳は室たの瞬間の声を正確に判断 するために尖っていた しかし今聞いた限りでは室たの声の調子に は別に老いもない嘘の声でもなさそうだっ た室たはやはり杉のとこの名を初めて聞い たのであろう か恐縮ですがもし社長さんに今お時間が 終わりでし たら定子は言っ たそちらにお伺いしてこのお話を申し上げ たいと思います がとては田長に会う必要があっ た社長がどこまで田沼久子のことを知って いるかその顔色を直接に見て判断したかっ た社長の方でもしるかと思うとええ時間は どのようにでも都合つけますよ是非来て ください室たは承諾した子はその後でも 考え た田沼久子が東京へ出したは果たして彼女 自身の意思だったのだろう か例えばそれは第3者の指示はなかったで あろう か室田社長があくまでも田沼久子の行動に 全く関係がないとすれば話は別で あるしかし久子はどうやら室田社長の意思 で動いているようなところが ある例えば彼女の内炎の夫そ三郎を室田 工場のとさせて彼女を会社に入れたのも 社長の室たちの采配で ある田沼久子の東京逃走は本田の追求が 神辺に及んだために逃げたと思われるが子 はそれを誰かに相談しなかったとは言え ないつまり室田社長がこの間の事情を知っ ていたとしたら彼の指示で久子は逃げたと も考えられそうで あるしかし電話の声に関する限りは素直な き以外には巨な印象であっ たが声だけでは分からない実際に室たちの 表情や顔色を見極めなければまだ納得が でき ない帝ことが室田大下レガの本社につくと 受付の人は社長から聞いていると見えて すぐに社長室に通るように行っ た受けの人はすでに田沼と入れ替わって いる社長はすぐにに引き入れ た仕事の途中らしかったがそれをやめて 稽古の前に来 た電話を聞いてびっくりしました一体本田 君はどうしたと言うんです急に殺され なんかしてちょっと信じられないくらい です よ定子は時間の邪魔をした詫びを言ったが 社長の顔はただ意外な事件を聞いて驚いて いるというだけで別に何かを隠している ような表情は探せ た室田社長はでっぷりと超えて結がいい 細い目をして普段から人が良さそうに思わ れたのだが今見ている室たちの目も一向に その印象に変わりはなかっ た室たが何かを隠してそのように振る舞っ ているとしたら非常にうまい演技者と 言える子にはまだ判断がつか ない本田君が殺されたことをも話して くさい社長は請求した電話ではただ殺され たというだけなので室たが話を聞きたがっ ているのは当然だっ た私も警察の方から聞いただけでそれ以外 の詳しいことは分かりませんがと定子は 前置きして話し出した話しながらにムたち の表情にほどの変化も見逃さないつもりで あった さんのお話では昨日の昼12時頃東京都 世田谷区ババ町ババ番地の西風総という アパートの一室で本田さんは殺されていた そう です定子は自分の小さいメモを出してみ ながら話し たその部屋というのは前の日に杉野智子と いう人の名前で30前後と思われる女の方 が借りたそうです本田さんはその翌日に 杉野さんを訪ねてきたわけですがそれが 大体朝の9時頃だったそうですそして本田 さんの死体の発見は12時近くだったと 言い ます天子は目をあげた室田社長の視線は じっと帝STの顔に座っている非常に熱心 に話を聞く場合話しての顔を見つめている と言った時と同じ表情であっ た警察の調べではその死因は生産狩だと 言うんですが生産狩 室たちは聞き返し たそうですその生産借りは死体の横に ウイスキーの瓶が残されていてその瓶の中 に生産家の購入が警察によって監視された そうですそれで推定では杉のとこという人 が訪ねてきた本田さんにウイスキーを出し 本田さんがそれを飲んで毒殺されたという ことになってい ますなるほど ねその杉のとという人は電話でもあなた から名前を聞いたが本田君とは一体どんな 間柄です か室田社長はただ不思議だという顔をして いるそれがさっぱりわからないのです私は 本田さんと今度のことで初めて親しくして いただけで本田さんがどんな生活をなすっ てらしたか全然存じ上げません私が本田 さんから聞いた範囲でもこれまで杉野とこ さんという名前はありませんでした 警察ではどうなん です警察でも今のところ杉野とこという人 に全然検討がつかないでいるよう です本田さんが死んだと思われる時刻に そのアパートの部屋の主杉野さんは慌てて アパートを出ていったそうですこれは管理 人の話です が室たは帝STの話を聞いてただただ驚い ているばかりで ある細い目を大きく開けて瞳も動かさずに 抵抗を眺めて いるその驚愕の表情には少しも嘘はない ように思われ たこれが室たちに何かの工作があってそれ を帝国に悟られまいとする表情とすれば これほどうまい役者はある [音楽] [拍手] まい子は杉野智子と田沼久子と同一人物で あるとして いるしかしそれは帝国の考えであってまだ 実際には分からないので あるあまり親しくない室田社長にはっきり 分かったわけでもない田沼久子のことを ここで持ち出すのは何か気遅れがした杉の 智子がはっきり田沼久子と分かっていたら 帝こととしては田沼久子の内炎の夫そ三郎 が室田大レガのでもないのにだと言わせた 社長の嘘を質問したかったが今はその きっかけがないので ある室田社長の表情から見ると杉の智子は 初めて聞いた名前のようで ある定子は質問を後の機会に譲ることにし たここで考えられるのは室田社長はソ マサロなる人物を実際に見ていないことで あるもし社長がソ三郎と会っていたら彼が いつも広告現行の仕事で来るA広告者の 羽原憲一と同じ顔であることを発見するで あろうつまり社長が田沼久子の防府を自社 の行員に仕立てたのはこのことから言って 彼の死後のことでありしかも一方的に久子 の言葉に頼ったからで ある室田社長と田沼久子の間はどのような 関係かわからないがとにかく社長は田沼 久子を自分の会社の女子事務員に採用した たえ受付係りにせよ突然入社させるのには 周囲のものを納得させるしるべき理由が なければなら ないその偽装の理由が彼女の暴富が自社の 行員だったということになる恩情主義の 現れで あるすると田沼久子を入社させたのは久子 の希望を社長が入れたのかあるいは社長の 行為で彼女を社長に入れたのかその辺は 定かでない 要するに室田長は生前のソ三郎を全く知ら なかったので あるすると室田社長が田沼久子を社に入れ たのはどこまでも室田社長と田沼久子だけ の因縁で あるこの辺までの推定はできるがそれ以上 の新部は帝STにはまだ検討がつかなかっ たとにかく今目の前にいる室田社長の顔は 人も嘘のない意外な話を聞いたの驚きの 表情だけであっ た警察のことですからと室田社長は言っ たまもなくその杉野智子という犯人を あげるに違いない でしょうことに東京で起こった事件で警視 長のお膝元ですからこれは確実 でしょうまあ人には色々外部には知れない 事情があるから犯人があげられれば死相が 分かるでしょう 室田社長の言葉は本田と杉野智子との間を 特殊な個人関係に考えているそれが室田 社長の実際の言葉であるかどうか帝ことに はまだ見極められ ないこの時卓上の電話が鳴っ た 失礼社長は断って椅子を立っ たああ君か社長は低い声を出した ああそうかと社長は向こうの言葉を受けて 返事をしていた が6時から始まるのかじゃあこっちへ寄る かねと言ってい た定子が聞いてその電話は室田夫人からだ と直感し たよらないそう知事夫人のとろに先に行く んだねそれなら時間がないだろうないいよ 分かった そこで先方の話の答えは済んだが今度は 社長の方がちょっと声を変え たそれからね今ここに湯原君の奥さんが 見えているがまた大変なことができた よ定子の耳には聞こえないが室田夫人が びっくりして聞き返したらしかっ た君も知っている本田君 ね社長は電話に行っ たいつか原君のことで奥さんと一緒に見え ていた人さあの人が昨日東京で殺された そう だ見えない電話の声の主は驚いている らしかっ た東京なんだある夫人を本田君は訪ねて いってそこで生産借入りのウイスキーで 毒殺されたそうだがねそのことで今羽原君 の奥さんがお話に見えているのだがああ いずれ詳しいことは後で話すよ 先方の声は大変だわと言っているらしかっ たいいよいいよとムたちが答えているのは 夫人がその話を聞いて今そこに来ている帝 STに会わなければならないだろうかと 聞いたからで あろう時間がないから今日は失礼させて もらい なさい室たちは電話を切った後元の椅子に 戻っ たかないからですと社長は説明し た本田君の話をしたらかも驚いていました よすぐにこちらへ来てあなたの話を伺い たいと言っていましたが愛にと今日は こちらの放送局で座談会がありまして ね室たしは夫人のことになると言葉が少し 高くなった本田のことはちょっとどこかに 遠い た東京から有名なA博士が見えましてね こちらの放送局の企画で博士を囲んで当地 の地方文化のあり方というテーマで知事 夫人と家内が座談会に出ることになったの ですまそれは結構でございます わ帝ことはa子の名前は無論しっている 博士はT大の教授で東大の有数な社会評論 家であっ た室田夫人が知事夫人と一緒にA博士と 対談するのは夫人が日頃から地方の明夫人 であるたで あろう帝ことが受けた室田夫人の印象は この地方の明雄夫人にふさわしいイメージ である穏やかでいつも物静かであるそれで いて話をしていても頭の回転が早くその 知性と共用が思われ た夫人がこの地方を代表するインテリ文化 夫人とされるのも最ものような気がし た帝ことは室田社長に挨拶して立ち上がっ た 社長はドアの横まで 見送り今日はお話を聞いてただびっっくり しましたこの次おにかかる時までには新聞 にはもっと詳しい報道がされるでしょうし 真相も分かるだろうと思われますどうか またいらっしゃって ください社長は帝国に丁寧に言っ たその表情には美人も抵抗を疑わものは なかったがそれがどこまで実際かは分から ないので ある室田社長は田沼の逃亡のことは少しも 口から出さないの だ定子が町の喫茶店に入ったのは6時前頃 だっ た疲れていたのですぐに宿に帰る気がせず 少しそこで休みたかった はくれていた昼間の黒い雲がそのまま夜に なった感じで冷え込みがひどかっ たその喫茶店は小さかった狭い店を選んだ のは今の帝STの気持ちからで ある落ち着いた場所が欲しかっ たありがたいことに店にテレビがなくレジ の横でラジオが鳴っているだけだっ た定子は温かいコーヒーを飲みながら考え た 杉の智子が田沼久子の偽名であることは もう動かすことのできない事実だその久子 が本田を殺した理由は本田の彼女への追求 が急だったからで あろう本田は久子のどのような秘密を握っ たというの か本田がそれを知ったのは彼が剣一の行方 を探している途上であっ た剣一の失踪の後を追っている時に田沼 久子がその線に登場しそれで本田が彼女の 秘密に触れたと言えそうであるそのために 本田は殺され た一方義兄の宗太郎も弟の剣一の捜索の 途中に殺されて いるこれもその時社中で一緒にいた パンパン風の女のことから久子の仕業と 考えて良いのではなかろう か久子の使うパンパン英語蒼太郎の横にい たパンパン風の女 この2つの線はぴたりと会うので あるすると田沼久子によって殺された本田 も宗太郎もその知り得た秘密というのは 田沼久子の暗い全身に関係があったのでは ない かもちろん田沼久子が単に戦後の混乱機の 特殊な女であったというだけでは解決に ならないそれだけの秘密が知られたからと 言ってまさか殺人までするわけはないが 少なくとも彼女の全身が殺人の同機に何ら かの影を落としているような気が する帝ことは前に立川の警察署を尋ねた時 そこであった早山警部保を思い出し た早山警保はかつての警察官時代の剣一の 友人であっ た田沼久子と夫の 剣一1人は戦後の混乱機の特殊な職業の女 であり1人はそれを取り締まる風気がかり のであっ たこの2人の間にどのような接着があった か無論帝には推察はできないただ本田も 宗太郎もある程度剣一につがる被子の もっと深い秘密に近づいたのではなかろう かそれが彼らの殺された原因でもあるよう な気が するそうだと帝ことは思っ た立川に行って早山警部保にもう一度会っ てみよう立川所の夫の旧同僚に聞けば夫の 過去の何かが聞けそうであっ たその時ラジオが6時のニュースを伝え その後座談会のアナウンスをし た帝ことは思わず聞き耳を立て た室田社長の話を思い出し た巧妙なA博士を囲んで社長夫人と現知事 夫人の座談会が始まろうとしている その座談会の室田夫人の声は生の声で聞い ているのとそっくりだっ たなかなか活発な発言をしているしA博士 の巧みな座談にも決して引けを取らない ように思え たむしろ連れの現知事夫人の方が遜色が あると感じられるくらいで ある座談会は15分ぐらいであっ た地方夫人の問題をテーマにした現代第1 選の評論家であるA博士の話だけに聞いて いて興味があっ たが帝ことに興味があるのは話の内容より も室田夫人の声であっ たやはり知った人の声をラジオで聞くのは 普通よりも興味があるもので あるその座談会の放送が済んだ時ふと横の テーブルで話している会話が耳に入っ た室田幸子もすっかりこの辺の名流夫人に なったな テコがその方を見ると話しているのは3人 の男でみんな30前後のサラリーマン風の 男たちだっ たまあ他にないからね室田幸子というのは 頭が切れるだけに一応の水準に達している ねあれくらいだと東京に出しても立派に 通用する なと別の男が言っ た東京の女だって大したことはないよ環境 とチャンスに恵まれたらよほどのバカで ない限り名詞は務まるものだ よそうすると別の年傘の男が言っ た地方にいるというのは随分そんなわけか そういったところだ第一地方にいると ジャーナリズムが騒がないからね何と言っ ても中央にいるものは特をしているわけだ とにかく と別の1人が言っ た室田夫人というのは今やこの辺のピカ一 だね文化夫人団体を牛耳っていることだし 会自体もあの人が会長になってから随分 活発になったんじゃない か他の1人が言っ たまあ当世の除だろう な帝ことは室田夫人の噂話をそこまで聞い て喫茶店を出 た水のないとした粉雪が降って くるこんな雪が降るのはやはり雪国だっ た喫茶店にいるうちに振り出した雪がもう 屋根に薄く積もっているので ある宿に帰ると座敷のこたに火が入ってい たお帰りなさいませ女中が出てきたお夕食 はいかがでございます かは何かは何か胸に使えるようで空腹を 感じなかっ たそれで今日は欲しくないと断ると作用で ございますかと女中はアを引き始め たそれで気づいたのだが暗い闇の中に遠い 街灯が寂しく見えるその明りの辺りの松の 枝に雪が乗ってい た女中は雨戸を引き終わると膝をつい てあの奥様お洗濯物がございましたら どうぞご遠慮なくお出しくださいませと いう帝STの滞在がもっと長引くと思った らしかっ たいいえ結構です随分お世話になりました けれどと帝STが言っ たもう明日あたり東京に帰ろうと思ってい ますあらそうです か女中は帝の顔を見 てそうでございますねもうあと3日でお 正月ですから色々と御用がございます でしょう宿の女中たちは帝STの滞在が 何か普通でないことを感じ取ってい た警察から刑事が来たり本田が度々訪ねて きたりすることで無論ただの遊覧目的の客 でないことは気づいているので あろう女中にあと3日と言われて帝STは なるほどもうそうなったかと思った なんだか無意にこの北陸の都市に長交流し たような気が する夫の剣一の後を求めてやってきて以来 様々のことはあったが事実は無意味の体積 のような気がし た東京に帰ろう急に母の顔が見たくなった が洗濯物はないかと女中が言ったことで帝 はふと思い当たることが あるそれは義兄のが金沢市内の クリーニング屋を探し回っていた姿であっ た本田の報告で帝はそれを知ったこの時も なぜ蒼太郎がクリーニング屋を探していた かよくわからなかったが宗太郎の目的が 剣一の洗濯物を探すことであったのは 分かって いる分からないのはその意味で あるそのことも何か同者の田沼に関係が ありそうにえたそして宗太郎がそのような 不思議な行動を取ったことで彼もある程度 まで久子の生活の秘密と剣一の行方を探り 得たと言えそうで [音楽] ある天子は宿の部屋でラジオを聞いてい たガラス商事から権六園の辺りの山が 真っ白だっ た雪は止んでいるが曇った空が重いなりい に凍りついてい たラジオが12時のニュースを報じ た東京のニュースで母もこの同じ声を聞い ているかもしれないと思っ た定子は今晩にでもすぐに帰りたくなっ た東京のニュースがあった後に地方の 出来事を伝えてい たその時帝STの耳を捉えた声が聞こえた [音楽] 石川軍剣木町の崖下で女の変死体が発見さ れました今朝7時頃剣町ババの農業山田 京子さんが付近の崖下を通行中崖下に 横たわっている女の死体を発見初発書に 届け出まし た所轄書では直に係り館が現場に急行禁止 したところ死体は323歳ぐらいの夫人で 東部に打木と勝があり状況からから判断し て現場の上の15mの手取川段階場より 投身したと思われ ます所轄所では直に死体を剣町役場に運び 詳細を調べたところ死後推定約13時間を 経過しており前日の午後6時頃死亡したと 見られてい ます服装はグレーのワンピースオレンジ がかった赤オーバー白のネッカチーフ所持 金は現金2万円と化粧品の入った ハンドバッグでオーバーの裏に田沼という ネームがあり衣装はありませんが覚悟の 自殺と見られますなお金沢所では死体の 人証や服装が東京警視庁より手配の本田 吉男さん殺しの犯人に似ているので調べて い ます定子は息を飲んだ思わず体が震えて 固くなっ た田沼久子が死んだラジオがじたのは確か にた久子で あるオーバーの裏のネームにたのまとだけ あったというが彼女以外に誰が あろう覚悟の自殺らしいというのも本田を 殺したことでわかるので ある帝ことはすぐに支度をした女中が来て お出かけでございますかと 聞く天子は剣に行く順序を聞い た剣でございますか女中は外を見てあちら は雪が深いかもわかりませんよと道順を 話し た白木区長の駅まではタクシーで行っ た途中で金沢の警察書に寄ってみることも 考えたが死体の発見されたのは剣で ある死体は剣に置いてあるに違いないし そこでしか詳しい事情は分からないはずで あっ たとにかくここへ行ってみることだっ [音楽] た白木町から剣の町までは電車で40分 くらい かかる帝ことはそれに乗って義兄の羽原 宗太郎が乗ったのもこの電車だと思っ た電車は薄化粧した脳を渡って いく沿線には小さな駅の他建物はなく駅と 駅の中間ほどの位置には二重ばかりの墓の 集落が右や左に在しい た女中が心配してくれたが積雪はさほどで もなかっ たしかし山は乗っている電車の中が明るく なるほど真っ白に輝いてい た剣で死んだ女が田沼久子に間違いないと 考えたのはオーバーの裏のネームからだっ たというが帝こはあと思っ た太郎が金沢市内のクリーニング屋を訪ね て剣一の上着を選択した店をを探していた その意味が今初めて分かったので あるあれは宗太郎が羽原のネームのついた 剣一の服を探していたので ある健一は東京に帰る時と田沼久子の家に 行く時とは洋服を着替える必要があっ た羽原のあるネームの洋服で田沼久子の家 に帰るのは困るので ある彼は久子の前ではあくまでもそ正三郎 の名前でばなら ないそこでけ一は久子の家に行く時には 羽原のネームのついた上着をクリーニング 屋に預け前に洗濯に出していたその上着と 変えていたのではなかろう か反対に東京に帰る時はその上着を預けて 羽原の上着を受け取ってきたので あろうつまりクリーニング屋は2つの洋服 の交換所であっ た羽原宗太郎はこのことだけでも剣一の裏 の生活を知っていたわけで ある健一が失踪したのは田沼久子の家にい た時であるから金沢市内のクリーニング屋 には羽原のネームのついた上着が残って いるはずであるだから宗太郎はその洋服が 来ていないかと金沢市内のクリーニング屋 を探し回ったので ある彼は剣一からそのクリーニング屋の 名前を聞いていなかったの だ帝は一の生活を今更のようにまざまざと 見る思いがし た剣の駅は寂しい町にあっ た駅で聞くと警察署はすぐ近くなっ た小さな建物の玄関を入るとすぐ受付だっ た係りの巡査に帝STが何か聞こうとした 時おや奥さんじゃありませんかという声が 聞こえた 天子が驚いてみるとそれは本田のことで宿 に知らせに来てくれた金沢書の刑事であっ た天子は目を見張っ た10年の刑事は驚いた顔をし て奥さんはまたどうしてここへ見えたの ですかと帝STを覗き込ん だお昼のラジオのニュースで本田さんを 殺した犯人がこの剣で自殺したと聞いたん です 定子は答えたああそうです か刑事は23度頷いて早いものですね ラジオではもう知らせたのですかと言い 気づいたよう にまあどうぞこちらへここでは話になり ませんからと自分で先に立って案内し たそこは外来の客のために使っている らしい部屋で素な室になってい た帝こととその刑事とは向い合っ たラジオでお聞きになったら大体のことは お分かりになった でしょう刑事は話しだし た我々は警視庁の通報で本田さんを殺した 犯人が上野駅からこちらに向かって記者に 乗った形跡があると知らされまし たそれで今朝から駅などを警戒していたの ですがそこへ剣からの自殺事件の報告が あったんですそれが警視庁手配の人証や 服装にぴったりなものですから慌てて 駆けつけてきたようなわけ ですそこに巡査が茶を持ってきたので話は ちょっと途切れ たところが警視庁の手配によると女の名前 は杉野とことなっていましたこの自殺主体 のオーバーの裏のネームは田沼となってい ますそこで杉の友子というのは偽名で田沼 というのが本当ではないかと思ったん です刑事は推定を行っ たその死体のハンドバッグの中に室田大下 レガ株式会社という社名入りのカラブート が1枚入っていまし たそこで我々は室田大下レガに聞きあわせ て田沼という社員はいないかと尋ねたわけ ですすると会社のシ係りでは田沼久子と いうのは自分のところの社員で受付係りを していると言いました これで杉の智子が田久子であることが決定 的になったと久子は思っ た我々は室田社長に事情を聞きましたよと 刑事は話を続け たところが謝の話ではこの田沼久子は25 日の夜突然アパートからいなくなったと いうのですそれがどうやら東京に行った らしいというのでいよいよ本田義男さんを 殺したのは田久子だと確信しました 人相もぴったりなの です死体の写真はまだ室田さんに見せて ありませんがほとんど間違いないと思い ます我々の推定では田沼久子は25日の 夜行で東京に行って27日に訪ねてきた 本田さんを殺しすぐにこちらに逃走してき たと思うん です多分久子は本田さんを殺したことで 警察の追求が迫っていることを知って自殺 したのだと思います奥さん は刑事は言葉を継いだこの間伺ったことを もう一度お尋ねするようですが田沼久子と 本田さんの関係を本当にご存知ないんです か本田さんのことはこの間申し上げた通り 主人の友達というだけで私生活の方は全く 存じ上げておりませ ん帝ことは答え たですから田久子さんという人のことは 全然私は知らないのです そうです か刑事は頷い て本人の移流品には意思も何もないので 本田さんと田との関係は明瞭ではないわけ ですしかし本人が自殺したのは本田さんを 殺したことが原因になっているのは間違い ないのでこれは問題でないと思いますまあ 当人が自殺したのですから我々もこれ以上 追求することはありません がこの剣に来たのはいつです かそれはですねと刑事は説明し た昨日の午後ですこの剣の町に野田という 宿屋がありますがね久子はそこに12時頃 に来てずっと休んでいたそう です野田屋の女中の話では久子は何か おどおどして落ち着かない様子だったと 言っています顔色も悪く食事を出しても あまり食べないでとにかく心配そうな様子 だったと言っていましたそれから考えると 子は警察からの追求を恐れていたと思われ ます ね天子はそれを聞いて考えた田沼久子は なぜこの剣の町にわざわざ来たのであろう かそれは帝STに思い当たることがあるの だ羽原宗太郎がこの剣の町で殺された日に 北陸鉄道の電車の中で彼と一緒にいたと 思われる若い女が一見パンパン風であった と目撃者は 言う今やそれがた久子であることが はっきりと分かったなぜかと言うと彼女は その時からこの土地に経験があったからで あるあの日た久子は羽原宗太郎をこの剣の 町に誘った彼女は電車で太郎と一緒だった が剣の駅に降りてからは太郎と別れて いる想像するにはめ 太郎を剣一のとに案内すると言ってこの 寂しい町に誘ってきたので あろう駅前で彼と別れたのは剣一の都合を 聞いてみて待ち合わせのかやに連れてくる からと言ったに違いないそうでなくては 宗太郎が知らない旅館で誰かを待ち合わせ てると言っていたずらに落ち着いている わけがないからで ある駅前で別れる時子は生産狩の入った ウイスキーの小瓶を太郎に渡したのだ多分 これでも飲んで待っていてくださいと言っ たので あろう酒好きの宗太郎は疑いも挟まずに それを受け取りかやにつくとその ウイスキーを水割りにして飲んだので ある宗太郎を殺したのもこの剣である田 久子が自殺したのも剣の街外れで ある人間は不思議に1度罪を犯したところ に戻ってくるというが田沼久子の場合も この心理に当てはまりそうだった要するに 彼女の崇といいあの時宗太郎の横にいたと いう女の服装といい宗太郎と彼女が死んだ 剣の町といい全てが田久子の犯罪に指を さして いる現に宗太郎の時の服装もケバケバ しかったというが今死体となっている彼女 の服装も年齢とは少し不合なくらい派手な オーバーの色で あるしかし警察では田沼久子と羽原宗太郎 の横に目撃された女とが同一人物とはまだ 知っていないので あるしかし定子は今はそのことを刑事に 話す気にはなれなかっ たたのま久子さんがと定子は聞い たその宿を出たのは何時頃なん でしょう女中の話では大体5時過ぎだった と言っていますと刑事は言った なんでもその時もひどく落ち着かない様子 でちょっとその辺まで行ってくるからと 言っておいて出ていったそう です最も宿では田沼久子が入ってきた時 今晩お泊まりですかと聞いたところがどう なるか分からないという返事だったそう ですそれでその時もこの剣の町に誰か知人 でもあってそこにでも行くのかと思ってい たと言い ます田さんが墜落した現場は寂しいところ なんでしょう と帝ことが聞い たそうです普段はそこはよそから来た人に はあまり用事のないような場所ですこの剣 の町から村道があって別のブラに行くの ですがねその途中で段階の上に道がついて いるの です道と段階の端とが5mぐらいありその 橋まで行って身を投げたのですからこれは 覚悟の自殺という他ありませ んそのラにさんはがあっていったのでは ないでしょう か子は聞いたそれは我々も一応は考えたの ですところがブラクと言っても家数は 123個しかなくそこの人たちに聞いても 死んだ久子を知っているものは1人もい なかったんですよですからどうしてもこれ は自殺と考える他ありませんと刑事は残り の茶を飲んでいっ た最も昨夜から雪が降りましてねその辺り 一体は10cmぐらい積もっていました雪 がなかったら田沼久子がその辺を1人で 歩き回って悩んだ後も分かるわけですがと いうのは自殺者の場合大抵は死の前に応能 するもので男の場合だとタバコの吸殻が いっぱいに散らかっていたり女だったら その辺りの周りをうろうろした跡があるん ですが夜中から降った雪がすっかりその後 を消してしまってい ます刑事の説明は終わった 田沼久子が本田を殺した罪に怯えて自ら命 を立ったことはこれで一応明瞭となっ たしかし帝ことにはまだはっきりしない ところが あるなるほど田沼久子は本田を殺したが その殺しの原因が帝STにはまだ納得でき ないのである何度も考える通り本田は羽原 憲一の失踪を調査しているうちに田沼久子 の存在に遭遇し た本田はそこで田沼久子の全身を知り剣一 との内炎生活関係を探り得たのであろうが その秘密を知られて久子が本田を殺したと するにはあまりにもその原因は迫 Standではないだろう かもっと殺人の同機となるような深いもの がなくてはならないそのことが帝STには まだ分からないので あるがしかしそれはこの刑事には言うべき ことではなかった 遺体はもう焼場に運んであります室田さん に連絡を取って遺骨はひとまず室田さんの ところで引き取ることに話が決まりまし たなるほど田沼久は独身であった親兄弟も なく親類演者もないことも分かっている室 たちが最後の世話をしてくれるので あろう帝ことは刑事に礼を行って 立ち上がっ た剣の町に出て駅までの間肩の上にも心の 中にも寒い風が吹いているみたいだっ た駅の校内に入って電車が来るまでには まだ10分ばかりあっ た待合室にはストーブを囲んで乗客が座っ ているこの辺りの風習として年配の婦人客 は角巻きをかぶって長靴を履いてい た帝ST1人が目立ち周りからじろじろ見 られ た多分田沼久子もこの駅に降りてそのよう に目立ったであろういや前に羽原宗太郎と 一緒に降りた時もそれだからこそ乗客たち の注意を引いたので あろうあの時の話ではその若い女は金沢 からここに来て帰りには今度は別の電車に 乗って寺方面に行ったというその寺井は 金沢から福井方面に向かって5つ目の駅 だっ た天子はなぜ田沼久子が寺なんかに行った のかと今思うので ある羽原宗太郎を殺した久子は金沢にその まま帰れば良さそうだったなぜ金沢より 西寄りの方に行ったのだろうかあるいは 往復とも同じ線を利用するのは目立って いけないからとの工夫からとも思われるの だがどうもそれでは心がどこか落ち着か なかっ たなぜ田沼さは剣から寺井の方に行ったの かなぜ金沢より西の方の駅に出たの [音楽] [拍手] か定子は金沢へ帰っ た室田社長にもう1度会わなければなら ないの だそれは田沼久子のことを今度はもっと 突っ込んで質問する必要があったからで ある帝は最初電話をして先方の都合を聞い てうと思ったが駅の校内を出たところで すぐにタクシーがあったのでそれに乗っ た社長は大抵車にいるはずである何か差し ていがあっても住むまで待つ覚悟だっ た室田大下レガの本社について受付で聞く と社長は東京に出張したという返事だっ た定子はあっと思っ たどちら様ですか 田沼久子と変わった新しい顔の受付場が帝 ことの名前を聞い た羽原だと言うとちょっとお待ちください ませと言って受付場は総務家の人を電話で 呼ん だ受付に中年の社員が出てきた係長という ことだったが帝を見て頭を下げ羽原様です ね社長が出張する前にあなたがお見えに なったら伝えてくれというのでお話します まあどうぞこちら へ総務家の係長は抵抗大間に通し た室たが東京に行った定子は足元が揺らい だ思いだっ た昨日まではそのそぶりも見せなかった室 たちがなぜにわかに東京に行ったのか社用 出張というのだから無論社の仕事のことで あろう社長だしいつ突発的なシが起こって 東京に出張するかのは当然であろうしかし 時が時なのである田沼久子が進した直後に 室田社長が東京に行ったのは妙な感じだっ た剣書で聞いた刑事の話によると少なく とも今朝までは室田は金沢にいたのである 室田が刑事から久子の等身自殺について 事情を聴取された後走行として東京に立っ たのはなぜ か社長はは急に叔父があって東京に出張 することになりましてね今朝10時前の 記者で立ちましたそれで社長が申しますに は羽原さんがお見えになったら自分は東京 からはすぐに用事を済ませて帰るのでそう お伝えしてくれということでし た室たはなぜそのようなことをわざわざ 稽古に断らせたのであろう か室たちは田沼久子のことを帝ことに特に 話したいつもりでそう言ったのか 天子が室たちに聞きたいことがあると同様 に室たちの方でも彼女に話したいことが あるのであろう かすると大せつのドアをノックするものが い た係り長が返事をするとドアを少し開けて 1人の老心士が顔を覗かせ たしけお客様だ ね係町の方で少し慌てたように椅子を立っ たにはちょっと失礼しますと断っ たドアの外に出た係り町はすぐそこで老親 士と話を始め た話し声は帝STのいるところに筒抜けに 聞こえた老人の声が大きいので ある社長の東京出張は何だ ね僕らにもそれがよくわからないんです 東京死者に顔を出すことは確かなんです が係長は答えていた 君たちにもよくわからない要件と言うと 大したことではないんだなこの忙しい時に ちょっとのんびりしてる な話の様子では老神士は重役の1人 らしかっ たそうなん です係長はそれでも留守の社長に気を兼ね たように答え た僕らの方でも社長に色々と連絡が取る ことが多いのにちょっと困ってるんです なんだだね昨夜だってローム担当のH君に 聞くとローソの断行が約になったので社長 に報告して相談しようと思ったが5時前 から社長の姿が見えないので困ったそう じゃないかそうなんです社長の居所が いくら探しても分かりませんでし た定子はその話を聞いてはっとし た昨日の午後5時前から室田社長はどこか に行って所在が知れなかったという すると田沼子の自殺推定時刻の午後6時は 室たの行方不明の時間の中に入っている わけで ある社長も会社の緊急事態の大事な時に 困ったもんだね少しどうかしているんじゃ ない か社長がローソ問題で頭を悩ましていたの は事実 です総務家の係長は重役に言い分をする ように答え たそれはそうだろうがちょっとおかしいぜ まさかノイローゼになっているわけじゃ ないだろう な重役は少し笑っ た社長はいつ東京から帰ってくる予定だね 31日の朝帰ってくると言っていました 今朝の記者は早かったのかね10時 ちょっと前でした妙な時間に行ったもんだ ねそれじゃあ東京は夜の8時頃じゃないか あまり能率のいい出張時間じゃない な老薬はずけずけと言ってい た壁を隔ててその話を聞いて帝こもそれに 気がつい た重役の言葉通り夜遅くに東京に着いたの では仕事をする時間はないはずだ普通社用 出張の場合は夜行で立って朝東京に着くの が順当で ある総務家の人が社長の出張は内容が はっきりしないと答えたことといい変則的 な記者の出発時間といいにはムたちの行動 が腑に落ちなかっ た社長が留守ではしょうがない僕はこれで 帰る よ重役の少し不機嫌な声が聞こえ たどうも申し訳ございませ ん係り町は詫びてい た重役の靴音が歩み去ると係り町は大間に 入ってき た少し疲れた顔をしてい たどうも失礼しまし た係長は帝STに釈し たしかし彼女はもうここに長いの必要は なかっ たどうも色々ありがとうございました社長 さんがお帰りになった頃にまたお伺いさせ ていただき ます天子は係り町に礼を行って車を出た外 は冷たい風が吹いている雪はなかったが どんよりと曇った日であった 北国の空は冬になるといつもこうなので あろう天子はタクシーに乗って室田夫人の 家に行っ た電話をかけて都合を聞きたいと思ったが その時の気持ちはまっすぐ夫人に会いたい 心だっ た社長に会えなかったその空撃を夫人に 会うことで満たしたかったせいかもしれ ないその通りは前に本田と来たことで知っ ている から少し登った高台の完成な屋敷町である 車で20分とはかからなかっ た長い兵がある和洋接中のその勝者な文化 住宅に見覚えがあっ た定子はそこでタクシーを降り たその庭にも特徴のあるひやすがあり代が あり梅の木があり垣根には枯れたバラのつ が張って いる見覚えがあるとのは前に本田と来た時 よりももっと以前の記憶であっ た本田と初めて来た時も思わず息を飲んだ が今でもその記憶は少しも変わってい ない夫の剣一が要所の間に挟んでいた写真 にまさに不合する建物であっ た定子は玄関のベルを押す前に改めてその 家を見守るのだっ たこの建物の兵屋根壁窓それに付随した 様々の植込みその1つ1つがあの写真の 細かな部分をそのまま確して目の前にあっ た検地は何のためにこの建物を取ったので あろうおそらく室田大下レガに得意先とし て出入りするうち室田社長に仕事のこと 以外に目をかけられそのため何度かこの 自宅を訪れている記念荷もを思って取った のであろうというのが前から考 解釈であったがもう1枚の農家風の写真が 田沼久子のの半島の家だと分かった今は帝 STにはこの室たちの自宅の写真も単純な 以前の解釈では済まされぬものを感じ たはっきりとそれを表現することはでき ないが何かもっと因縁のあるもの根深い ものといったものを感じるので ある室田社長が機械な対象として帝の目に 移ってきた今ではその漠然とした直感も 謝りがなさそうに思えるので ある夫の2枚の写真の1つはノ半島の 詫びし農家1つは金沢の高台にある豊かな 文化住宅で あるこの全く対象的な2つの建物の間に 何か共通点みたいなものがあるような気が し たしかし今はその感じを解明することが できない 近所の人らしい女性が23人そこに佇んで いる帝STをじろじろ見ながら通っ たそれに押されたように帝STは室たの 玄関のベルを鳴らし た玄関までの光景も前に本田と歩いた時の 通りであっ たただあの時より芝生の色はもっと枯れて い た閉まっていたドアの内側に音がしてドア が開いた 覗くようにして顔を出したのは女中であっ たこの女中にも本田と来た時に帝STは あっているが女中は抵抗を見 てどちら様でしょうかと忘れたように頭を 下げて聞い た羽原というものですが奥様にお目に かからせていただきたくてお伺いしまし た帝が言うとせっかくでございますがと 女中は丁寧に断っ た奥様はただいまお留守でござい ますルスかもしれないという予感はあった が定子はその言葉を聞いて枠し たなんだか今日は婦人に会いたくて仕方が ないので あるお帰りはおそうございますかしらと 思わず困ったように女中に聞い たはい夜になるよう申しておりまし た女中は少しくそうに答え た遠くにいらっしゃいましたのはあなん ですか新聞社の主催で大学の先生方とご 一緒に座談会があるとかで出かけました その後もう2つばかり会があってそのため 帰りが遅くなると申しておりまし た室田夫人はこの地方の明雄夫人として 忙しいのである帰りが夜になると聞いて 定子は出直す気持ちを失った彼女は今夜の 記者で東京に帰る決心をしていたので時間 はないので あるその境の前に夫人には一度会いたかっ たのだが仕方がなかっ た天子は室田夫人の印象を好ましく思って い た綺麗な人だし落ち着きがあり知性があっ た夫の室たちの方は今の彼女の疑惑の対象 だったが婦人によって自分の同点している 気持ちを少しでも沈めたかっ た室田夫人はそのような雰囲気を持って いる女性だっ た定子は奥様がお帰りになったらよろしく 伝えてくださいと言って門を出 た外に出ると道は坂になっていて下町に 向かって いるそこからは遠くの海岸線まで見渡せ たはるかに小水らしいものがあり雲の かさった果てには陰鬱な海の色も見え たいつぞやこの坂の途中で彼女は本田から 愛のこもっているらしい強い業師を受けて 老廃したのだっ たその場所に来て天子はその時のことを 思い出し た天子はその晩の夜行で金沢を立ち朝東京 に着い た東京は晴れていた着くとすぐ世田谷の家 に帰った なので母は喜んでくれ た母との間には色々の話があった例えば 宗太郎の死んだことや青山の姉のその後の 様子など話題に切りはなかった母の話だと 宗太郎の葬式はこちらで盛大に行われたと いうその後あれほど明るかった性格だった 姉が打って変わって沈んだ女になり時々 訪ねていく母も慰めようがないと言ってい た が母との話をいつまでもしているわけには いかなかっ た定子は一刻も早く立川に行きたかっ たおやまたお出かけか い母は多少不満そうに言ったええすぐ帰り ます から別に行先は言わなかっ た無論要件も言わ ない彼女のハンドバッグの中には畳んだ 新聞の切り抜きが入れてあっ それは金沢地方の強度市で あるほぼ1時間半の後定子は立川所の前に 着い た受付で早山警部保に面会を申し込ん だ羽原と通じておいたので早山警部保は すぐに出てきてくれ たこの前あった時と警部法は少しも変わら ない感じで あるやあ先日はどうも 警部保は帝ことの顔を見て遊の妻に頭を 下げ たさあ どうぞこの前と同じ横の小さな大雪室に 通し たこの間は失礼いたしまし た定子は挨拶したいやこちら こそ警部保は末のことで仕事が大変忙しい とこぼしていた そのような世間話が一通り済むと定子は ハンドバッグの中から新聞紙を取り出し たまたつのことをお伺いいたしますが前に 早さんが主人の剣一とご一緒だった頃 つまり昭和245年頃のことですがその頃 この辺りの米兵相手の特殊な女の人をご 存知だったでしょう か定子は聞いたええそれは知ってます 何しろここが基地ですからそりゃ大変でし たよ僕も交通係りという職でしたが時々 張り込みを手伝わされたものです羽原君 なんか随分大変だったはずです よ警部保は答え た定子は新聞の切り抜きを出し たそれには剣で自殺した田沼久子の記事が 乗っており楕円系の枠の中に彼女の顔写真 があっ たこの人ですがと帝ことは警部保に見せ たこの顔にはさんは見覚えはありません かしら早警部保は切り抜きを取り上げたが 写真をちらと見ただけで彼は奇妙な顔をし た一別しただけでその表情が変わったので ある定子は親と思っ た一目見ただけでその女の誰であるかを 警部保が別したのかと思ったがにに警部本 の吐いた言葉は彼女を驚かせ たこの同じ写真 を警部保は言っ たつい1時間ぐらい前に持って見えた方が ありましたよ え定子は息を飲んで後の声が出なかっ たそうですね名刺をもらいましたがどこか の会社の社長さんという方でしたやはり あなたのようにこの写真を見せて この女に見覚えはないかというんです待っ て ください警保はポケットから名刺入れを 出し た定子は自分で顔色が変わる思いだっ た名刺の名前が誰であるかを早山警保が 言わなくてもその当人は分かってい た果たして警保が名刺を探し出していっ たそうそうこの人 です花レガ株式会社社長室田作とあります [音楽] [拍手] [音楽]
7 comments
禎子さん、頭働きすぎ。
ありがとうございました😃😃😃
最後まで聴くと、プーと音が鳴って終わる画面もいいですね
謎だらけで面白すぎます 非常に楽しいです
利根町 三郎さんと健一さんはやっぱり 同一人物でしたね などでしたね やっぱり 謎が謎を呼びます
確信がつかめてきましたね 最終回が近いですもの
初めての作品ですがめちゃくちゃ面白いです
点と線より好みな面白さかもしれない