医学博士の知識を生かし、探偵小説の草分け的な存在でもある小酒井不木のホラー小説。
金持ちの一人息子良雄と貧乏な家の娘あさ子。あさ子はとても美人で二人は恋人同士。しかし良雄から病気を染され、あさ子は失明……。そして、捨てられてしまう。気が狂ったあさ子は一体……。
「因果応報は仏教の根本をなす思想であって、私たち日本人も、伝統的にこの因果応報の観念に支配され、悪いことをすれば、必ずそれに対するむくいが来はしないかと、内心ひそかに恐れ慄おののくのが常である。」
「血の盃」の冒頭より
【書籍情報】
小酒井不木「血の盃」 青空文庫
https://www.aozora.gr.jp/cards/000262/files/48068_39012.html
【小酒井不木 プロフィール】
生年：1890年（明治23年）10月8日
没年：1929年（昭和4年）4月1日
本名は小酒井光次（こさかいみつじ）。愛知県蟹江町出身。医学博士。東北帝国大学教授。生理学の分野では当時世界的な権威だったという。1921（大正10）年から雑誌「新青年」に探偵、犯罪を主題にした小説、論文を発表。翌年、病気のために退職。1924（大正13）年から探偵小説家として本格的に活動した。代表作は「疑問の黒枠」（1927年）、「闘争」（1929年）。
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