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ふつう、右の東側の池を「源氏池」、左の西側の池を「平家池」とよんでいます。夏になると、紅白の蓮が豪奢に咲ききそいますが、むかしは東の池に白蓮を、西の池には紅蓮を植えて、源平の旗の色をあらわし、また平家池より源氏池のほうを大きく掘り、源氏池には三つの島をきずき、うむという「産」の文字をあてて、栄えるになぞらえ、平家池には四つの島をおいて「死」を思わせ、滅びることにたとえ、東国の源氏が西国の平家を滅ぼすことを祈願したのだ、と伝えます。寿永元年（一一八二）につくられたこの池は、政子のアイディアによるといいます。源氏池の島に、「源氏の旗上弁天」といわれる、弁財天を紀った旗上社があります。 ＊白旗神社：頼朝と実朝が祀ってあります。天正十八年（一五九○）、豊臣秀吉は、小田原の北条氏をやぶって天下統一をなしとげたあと、この白旗神社に参拝しました。そのおり、安置されていた頼朝の木像の肩をたたいて、「天下をとったのはわたしとあなただけだ、しかしあなたは源氏の嫡流、わたしは下賎より身をおこして天下を手にした、だからわたしのほうが偉い」と得意気に腹をかかえたといいます。
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