【感動☆厳選5本総集編】新社長就任祝いのパーティーで会場の高級ホテルに着くと、課長「新社長にこんな奴が部下だと思われたくないから帰れw」俺「…わかりました」→直後、前社長が現れ「わしの孫は?」
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お前新社長相手に点数稼ぎでもするつもり か見え見えなんだよ俺を差し置いて余計な ことをする な自分がなかなか新社長と話せないことに 苛立っている宮森課長は八つ当たりとも 言える口調で俺をきっと 睨みつける新社長にこんな奴が部下だと 思われたくないから 帰れとばっちりもいいところだだがここで 課長に立てついてもこの先ろなことはない だろうわかりまし た俺はキビスを返して会場から立ち去ろう としたその 時の取巻きを引き連れて着物に身を包んだ 老人が姿を 表すわしの孫はどこ だ隠して波乱の新社長衆人パーティーが幕 を開け た俺の名前は三原 咲お兄ちゃんまた間違えてる私は醤油って 何度も言ってる でしょ朝から俺が男性込めて作った目玉 焼きを箸でつきながら妹の萌が文句を 言うお前なあ作ってもらってるだけ ありがたいと思えよ俺が何時に起きてお前 の弁当と朝ご飯を用意してると思ってるん だ大体醤油よりソースだろこっちの方が 絶対うまいっ て俺は反論しソースのうまさを力説したが 妹は聞耳を持たずすでに朝のニュースの 占いに夢中 だ天秤座11位か中途半端が1番 テンション下がるんだよ ね占いのコーナーが終わると同時に妹は 食器を片付け始めた そろそろ大学院に行く時間 かなあ萌えか昨日の話だけど さあえて朝のバタバタな時間にこの話を 持ち出してみる妹も察したのか黙って俺の 顔を 見る お兄ちゃんまさかお母さんに会わない でしょうねあの人を許せる の萌のし言い方に思わずひんでしまうだが この件は咲夜散々考えたのだやはり俺たち はあの人にもう一度会うべきだと 思う悪いけど私は会うつもりないよ玄関で 靴を吐きながら背中を向けて俺にそう言っ た萌香はそのままドアを開けてじゃあねと 手を振る その言葉に俺も力なく右手を上げていつも のように妹を見送っ たギビングに戻るともう一度あの手紙に手 を 伸ばす昨日ポストに投函されていた母から
の手紙 だ黄色の名の花のイラストが描かれた便箋 で差し出し人の住所は岡山県勝田 軍5年以上音信不通で父親の見舞にだって 1度も来たことがない母がなぜ今更俺たち に手紙をよしてきたのかそしてなぜ岡山に 住んでいるのかその謎はまだわから ない開封した手紙には 一言話したいことがあるのでこれから会に 行きますとだけ書かれていた意を決して 手紙を開いた割にはあまりにもシンプルで 妹と2人しばらく顔を 見合わせるなんなのこの人信じられない どこまで勝手なの全く同感だだがあの人に はそういう節が昔からあった自分勝手を絵 に描いたような人で常に自分の幸せを優先 する人だっ たながその自由本法な姿はどこか 危なっかしく放っておけない独特の雰囲気 をまとってい たきっと父は母のそういうところに惹かれ たの だろう大恋愛の末に結婚し俺と萌が生まれ たがその後も母は家庭という狭世界に 収まることなく常に外を見ていたねえ明日 は学校をずる休みしてテーマパークに行き ましょうある時たまたま夕方のニュースで テーマパークのシーズンイベントが開幕さ れたという報道を耳にするやいや母は 思いつくままに突しもない提案を するお母さん本当 当然子供にとっては願ってもない話 だ一方そんな時父親は母の話をニコニコし ながら 見守るまるでもう1人の我が子のわがまま を微笑ましく見るかのよう に母は子供で無邪気で時に遠で 危なっかしくて端的に言えば魅力的な女性 だったのかもしれ ない子供ながらにして父と母の夫婦なは 決して悪くはなかったと思うけれど父親の 事業が失敗したことで事態は大きく急変し た通人の社員を抱えていた父の会社は バブル崩壊により大きな影響を受け銀行ふ 当たりを 出しを差し押さえられやがて自己破産をし た父は真面目な人だった全ては自分の不な さが原因であると自らを責め続けてなんと か自分たちの生活を守ろうとしてくれた時 に無理な節約を共用し不要な外出を母に 禁じたそれが母にとっては1番のストレス だったのかもしれない やがて母は何も言わずにフラッと近所の 買い物にでも出かけるかのように家を出て そのまま帰ってこなかっ
た俺が22歳萌香が18歳の時 だ母親を恋しいと思う年齢は塔に超えてい たため俺も萌かも特段日常は変わらなかっ た自己破産をした父親は罪悪感からか家事 全般を率先してやっていたし一方の俺は妹 を大学に行かせてやるためにアルバイト ざまで母のことを考える余裕なんてなかっ たの だ父親は会社を潰した後ろめたさと妻が何 も言わずに出ていったことから極度の ストレスを抱え込み今も入隊員を繰り返し ている 家族4人でいた頃とはまるで違う父は明る さを失った老人になりつつ ある最近になって母と一緒にいたことが父 にとっての生きがいであり全てだったのか もしれないなと思う同時に俺はあれだけ あの人に振り回されていたというのに今も 母を思う父の姿をまのあたりにして夫婦の ことは夫婦にしか分からないのだと実感し て いる話したいことがあるのでこれから会い に行き ますこの手紙の言い方から察するに おそらく俺たちの予定なんか帰り目ずに のこのこやってくるのだろうと予想はして いた が日曜日の午後15時手紙が届いて2日後 たった2日後だ [音楽] 俺と萌の目の前に母が座っているスカイ ブルーのシャツにベージュのカーディガン を羽織る母は涼しい顔をしながらにっこり と微笑ん だねえ駅前に新しいドーナツ屋さんができ たわねちょうどおやつの時間だから買って きちゃったほら3人で食べましょう よまるで出て行った時と何も変わらない 様子でさもさっき買い物から帰ってきまし たという態度だえっとドーナツだからお茶 じゃなくてコーヒーの方がいいわねああ 大丈夫私が入れるから2人は座って なさいそう言いながらすくっと 立ち上がるその動きはとても5年ぶりに家 に帰ってきた人物とは到底思えなかっ たこれじゃあどちらが来客かわからない この人は今もこの家を自分の家だと思って いるの かお母さん5年ぶりなよ私たちに何か言う ことがあるんじゃない のじっと耐えていた萌がいよいよ母の態度 に我慢ができなくなり勢いよく立ち上がっ た台所に向かってコーヒーを探している母 に向かって叫ぶまず謝るべきじゃないの私 やお兄ちゃんや何よりお父さん
に母は何も言わず平然とインスタント コーヒーにお湯を注いだ俺はその様子を しばらく眺めていたやがて静かにゆっくり と母は3人分のコーヒーを 差し出すそうねあなたたちには謝らなけれ ばならないわねごめんなさいでもあの時の 萌は高校3年生咲とはとくに成人していた わねそりゃ受験生を動揺させてしまった ことは悪いと思ってるわでも今は立派に 大学園に通うお嬢さんになったじゃ ないあまりにも清々しく全く悪びれてい ない言い方だっ た岡山で何をしていたの俺は話題を変えた 単純に知りたかったのだ母の5年間を お母さんねずっと岡山に行ってみたかった の桃太郎の発症の地よ咲とが小さい頃 大好きだったわね 桃太郎そこに行って着いたらすぐに帰る つもりだったでもねたまたま近くのお店で 食べたおそばがとっても美味しくて感動し ちゃったのふと周りを見渡すとお店の壁に 従業員募集のがあった運命だと思わない そのまま住み込みで働かせてもらったの 今日はお休みさせてもらってねなんてこと だそんな理由で岡山を選んで5年間も帰ら なかった なんてしかも今の言い方だと話が終わっ たら母はまた岡山に戻るつもりなの かねもう私の話はいいから本題ねいやいや あなたの話以外にどんな話があるんだよと 思わず心の中で突っ込むだめだ完全に母の ペースに巻き込まれて いる咲とあなたは今通販会社で働いている のよね就職おめでとうでも近いうちに転職 しなさいおじいちゃんがそこの社長やっ てるのもうすぐ新しい人に変わるみたいだ けどね え母から祖父の話をこれまで聞いたことは なかった全く良きしていなかった話に俺も 萌かも目を丸くする言わなかったけれど私 って結構お嬢様だったのよ黙っていて ごめんねなぜかそこだけ素直に謝るどうも ちぐはぐなんだよこの人は話したかったの はそれだけそうだ萌えか入学祝いをあげて いなかったわね何か欲しいものはないの 年頃なんだからブランドのバッグとか洋服 とか色々ある でしょう唐突に話を振られて萌香が戸惑う いやえっと最近リオルの新作で可愛いのが あってSNSで見たやつこちらも完全に母 に丸め込まれている無理もないか大学院生 である萌香は勉強付けの毎日だ学費をあげ に出してもらっているという自覚がある からなのか滅多に無駄遣いはしない やっぱりねまだ新幹線まで時間があるから
銀座にでも行きましょうほら早く支度し なさい母にせかされて萌は狐につままれた ような表情で立ち上がり言われた通り身宅 に 入る咲と萌の費を防ぐために今の会社に 入ったのは分かってるでももう大丈夫よ これからは自分の好きなことをやっていい の来月からはここに行きなさいそう言い ながら母は俺に1枚の名刺を差し出し たサイバーテック 株式会社営業部課長宮森 裕太郎驚いたサイバーテック株式会社は 日本西手の通信電気事業者であり最近では 携帯事業だけではなく独自のポイント プログラムでSポイント経済権なんて言葉 も生まれたほどこの国の消費や投資には 欠かせないあらゆるサービスと提携して いる超有名企業だあなたちょうど転職 しようと悩んでいたんじゃないのだから ちょうど良かったでしょうコ入社にはなっ ちゃうけどね母が苦笑いしながら言うどう してなぜそこまで俺の現状を知ってるんだ 確かに今いる通販会社は役職が上がるに つれて過重労働が増えている上司に働き方 改革を提案したことは1度や2度ではない 古い敷たりが残る死の企業では部署館の風 とも悪く仕事を進める上ではがゆい思いを 何度もしてきた母からの天職の提案は今の 俺にとって正直とても魅力的だっ たその名刺の人に会うだけでいいわよもう 話はついてるからあとはあなたがどうし たいかどうか息子を試すようないたずらな 表情を向けたいい年して母親に転職先を 斡旋してもらうなんて恥ずかしいと思った が冷静に考えればこれくらいはしてもらっ てもバチは当たらないのかもなとも 思うそんな俺の気持ちを見透かすかのよう に母は満足げな表情でうんうんと頷いて いる銀座へと出かけていった妹と母を 見送った後俺はしばらく机の上に置かれた 名刺を眺めながら母が5年ぶりに入れて くれたコーヒーを味わっていたえっと君が 三原咲君ね全くこの忙しい時になんで俺が 採用面接 なんて母からもらった宮森さんの名刺に 早速電話をかけたところ明らかに不機嫌な 様子で対応されたのでやはり転職は間違い だったかなと少しばかり後悔した実際に こうして会ってみてもやはり宮森課長は 機嫌が悪そう だ対面して以降俺の履歴所に向かって ブツブツとつぶやきながら一向にこちらに 視線を合わせてくれないあああのテバにい たんだ大手通販会社ねそこでも営業してい たとまあ扱えそうだな
とりあえず明日から来て よ顔をあげてやっとこちらを見てくれたと 思ったら宮森課長は吐き捨てるようにそう 言い放ったとりあえずは採用ということ だったがなんだかあまりにもあけない仮に も日本国士の大手企業であるというのに こんなにもあっさり採用されていいの だろうかさすがに不安になったながその 不安は翌日から適中 する初出勤はあらかじめ30分前に出社を したが入社ガイダンスを一通り受けると 修業開始から即仕事を振られるだが不思議 と苦ではなかった同じ営業食ということも あるからなのか何より前の職場と違って 部署館の風通しはいいし 宮森課長は相変わらず部愛装で冷たい態度 だが少なくとも同僚はいい人たちばかり だありがたいのはこの会社では顧客リスト が完全データベース化されており常に個人 情報はアップデートされていて営業を かける面ではとてもやりやすかっ た前の職場で地味にネックだったのは書類 があまりにも多かったことだ経費でボール ペン1本買うのでさえ臨症書いて応援して 経理家と総務家の許可を得てとあまりにも 長い道のりに自腹で購入したことも しばしばあったここではペーパーレス化が 徹底されており紙だけではなく時間の節約 も重視している5人以上の会議は非行率の ため会社として推奨しない会には30分 程度が望ましいと明確にルール化されて いるの だ何か困ったことがあればいつでも相談し てくださいね直接でもチャットでも出勤 初日に声をかけてくれたのは同じく営業部 の双さこさんだ年は同じくらいだろうか とても親しみに安く周囲からの信頼も熱 そうな女性だった昼休みになると同僚の 鈴木タオが声をかけてくれたここの社食 結構うまいんだよよかったら一緒に どう彼も営業部の人間だがIT関連に強く 今はシステム部を検務している らしい背が高く短めに切られた黒髪と重長 の顔がは細いフレームのメガととても マッチしていて決まって いる鈴木の会話に向側の席に座る里子も 反応したその場の雰囲気で俺たち3人は 一緒に昼食を取ることとなったオフィスの 2階が広い社員食堂になっていて入り口は すでに食欲をそる香りで充満している俺は 社食のエランチの揚げネギソースを注文し 前がかりのおばちゃんからこんもりと盛ら れた白米を 受け取る出勤初日でもう気づいたかもしれ ないけど宮森課長は愛そないでしょう
同じくAランチを注文した鈴木は白米を 受け取りながら俺に小声で 話す上には太鼓持ちでヘラヘラして下には いるタイプの人間なんだよな それがあの人が部長になれない 原因なかなか辛辣な意見だ自分の部下に こんな風に言われてしまうなんてと俺は 少し宮森課長に同情した定食を受け取り 食堂を見渡すと先にbランチのアジフライ 定食を頼んでいたさと子が3人分の席を 確保してくれていてこちらに向かって 手招きしている 3人で席に着くと鈴木はまた宮森課長の話 を持ち出しさこに同意を求め た極悪人ではないですけど私も正直好きで はない ですアジフライにソースをかけながら さと子が言うおっとこちらもずりというの か熱々の立た揚げに絡むネギソースは酸味 が聞いていて絶品だった俺は2人の宮森 課長に対する悪評を黙って横で聞きながら 今度萌の弁当にもこういうメニューを入れ てやろうかと考えてい たみ新卒じゃないんだから手取り足取りは 教えんぞ共有ホルダの顧客リストから数十 人見つろって新しい料金プラン提案しとけ 1人に時間をかけすぎるな よ昼食から戻ると俺を待ち構えていたかの ように宮森課長からチャットが届いていた 挨拶もなくかなり傲慢な言い方に俺は思わ ず眉を潜めたなるほど宮森課長はあの2人 が話していた通りの人間なのかもしれ ない新卒ではないとはいえ採用の出勤初日 だ会社のルールもまだ体に染み込んでいる わけでもなしどこから手をつけたらいいの かわからないまたこの会社では日報という 大金時に課長への大金連絡を兼ねた成果 報告をしなければならない俺はうっかり それを忘れて帰宅してしまったため翌日 パソコンを開くと案の定宮森課長からの 嫌味なチャットが俺当てに連続投下されて いた入社ガイダンス受けたんだろううちは 成果主義って分かってるか日報1つかけ ないようなやは営業部にいらんこれはまだ マシなレベルの嫌みだこの後も絶え間なく 宮森課長からのチャットが続いて いる直接謝った方が良さそうだと判断し俺 は宮森課長の出勤する姿を今か今かと 待ちわびていたするとさと子が先に出社し て顔を 見せる早いですねああそういえばもうすぐ 新社長の衆人式があるのをご存知です か鞄を置きながら何気なく里子が俺に 話しかける新社長そういえば以前母が そんなことを言ってい気もする自分自身も
すっかり忘れていたが何を隠そうここは俺 の母方の祖父が社長を務めていた会社だ すでに引退しているためまだ俺も会った ことがないというか生まれてから1度も 祖父に会ったことはないの だどういう理由で母がこの会社に俺を斡旋 してくれたのかは未だに謎だが あのサイバーテック者に中途採用して もらえただけで俺にとっては万万歳だった そうみたいですねでも営業部にいる俺たち にはあんまり関係ないのかなって俺が笑い ながらそう返すとさと子はとんでもないと いった雰囲気で右手を顔の前でパタパタと さ せる新社長衆人のパーティーはもも株主 たちに向けたものではありますがその裏で は新社長に顔を売るべく各部の本部長たち が2人きりで話せるチャンスを腰淡々と 狙ってるんですよ新社長は若いしやり手だ という噂もありますから今のうちに親睦を 深めておかないとって本部長たちは必死な ん ですさと子は強い口調でそう教えてくれた となるとうちは営業本部長が俺がそう 尋ねるといつの間にか出社して俺とさと子 の話を聞いていた鈴木が横から口を挟む そう思うだろうところがうちは営業本部長 は育児休暇中部長はその日地方で営業会議 があるとなるともう分かるよな3人が3人 とも同じく向こう側にある人物の机に視線 を向けた宮森課長か俺がそうつぶやくと そういうことですとさと子がため息まじり に同意した新社長就任パーティーは荒れる ぞ少なくともうちは他の部署のように本部 長ではなく課長が筆頭になるわけだからな 宮森課長がどういう立ち振る舞いをするか 編み物だ よ鈴木はむしろこの状況を楽しんでいるか のよ調だ里子はがっくりと肩を落とすもし 宮森課長が新社長の機嫌を損ねてしまう ようなことをしたらこの営業部は来年度の 予算が大幅に削られてしまうかもしれませ んそれだけならまだしも人員削減なんて ことになっ たらその言葉に俺は天井を青いだ中途採用 されたばかりでいきなり首を切られるのは さすがにショックが 大きい嵐が来るぞそろそろ宮森課長の お出まし だ噂をすれば課長と思しき気だるい靴音が 聞こえてきた重い足取りをそのまま表現し たかのような特徴的な歩き方 だ見原今度日報忘れたらどうなるか分かる な出社早々ドスの聞いた声でに詰めよる 爽やかな朝には似つかわしくない課長の
行走に俺は思わず冷やっとし た1週間後朝から雲行きが怪しい空の中 いよいよ今日新社長衆人のパーティーが 開催される俺たちは今日本橋にある某有名 高級ホテルの大園会場に立って いるピンヒールでも走れそう エジ色のフカフカとした絨毯を歩きながら さと子が関心したように つぶやくおそらく足首に負担を感じない くらい絨毯が柔らかいということを言い たかったの だろう会場の天井を見上げればその高さに 驚くホテル内で一番広いこの大宴会場の 真ん中には直径3Mを超えるような シャンデリアが吊され あれ落ちてきたら人たまりもないよ な仮にもお祝いの場であるというのに鈴木 は演技でもないことを言うパーティー開始 30分前音響や証明スタッフが会場内の 最終チェックをしている中司会者と思わ れる女性もスタンバイに入った会場の 入り口から数人の社員たちがぞろぞろと 入ってくるその中には宮森課長の姿も確認 できた各本部長が顔を揃える中課長は少し 控えめな様子で集団の一番後ろを金魚の のようについて回っているそして満をじし て新社長が姿を表したその姿を確認するや いなや一斉に本部長たちが新社長を 取り囲むみんな我先にといった様子で新 社長に挨拶をしている宮森課長はあえて 一歩遅れを取りながら自分が新社長と 話せるチャンスを伺っているように見えた 初めて新社長をこんな間近で見たよ結構 若いな鈴木が腕を組みながら言う元 ベンチャー企業の代表取締り役で実業家 らしいです役員の誰かが引っ張ってきた みたいですよ 今日の衆人パーティーでどこまで株主たち の心をつめるかですねさと子が冷静に分析 している俺は新社長の立ち姿表情目線を じっと見つめるそしてあることにふと 気づきすぐさまそばにいたホテルの スタッフに耳打ちをしたスタッフは俺の 指示をすぐに実行する新社長のそばにけ より取り巻く本部長たちをかき分けて新 社長に飲み物を手渡したその様子を観察し ていた鈴木がぽつりと つぶやくあれお前の指示だよな不思議そう に俺に尋ねたああ新社長多分喉が乾いてた んじゃないかなさっきから喉仏がよく動い ていて唾を飲み込むようにしていたしここ の空調は少し高めに設定されいでも挨拶が あるからジャケットは脱ぎにくかったのか もしれないそう答える俺に鈴木と子は ポカンとしていたすると宮森課長が俺たち
の方へと向かってずかずかと歩いてくる お前新社長相手に点数稼ぎでもするつもり か見え見えなんだよ俺を差し置いて余計な ことをするな自分がなかなか新社長と話せ ないことに苛立っている宮森課長は 八つ当たりとも言える口調で俺をきっと 睨みつける新社長にこんなやが部下だと 思われたくないから 帰れとばっちりもいいところだだがここで 課長に立ついてもこの先ろなことはない だろうわかりました俺はキビスを返して 会場から立ち去ろうとしたその時入口が何 やら騒がしくなる付近のドアに目をやると 着姿の杖をついた老人の男性が入ってくる のが見えた老人は会場を見渡しながらそば にいた社員に 尋ねるわしの孫はどこだするとすかさず新 社長が老人の元へと駆け寄る三原社長本日 はお越しいただきありがとうござい ます一礼するその姿に周りにいた本部長 たちも老人に向かって慌てて一斉に頭を 下げる朝倉社長わしはもう社長ではない 今日の就任パーティーを楽しみにしている それより孫を知らないか最近中途採用で 営業部に入ったはずなんだがお孫さんです か俺は心臓がバクバクしていたそうかこの 人がすると隣にいた宮森課長がはっとなり 顔面蒼白となったどうやらこちらも気づい たようだおま見原ってもしかして俺は こくりと頷くお互い気まずい空気が流れる すると誰かが俺のことを指さし老人が こちらに向かって歩いてきたお前が咲とか 美子によく似ている祖父は目を細めながら 俺を 見つめる母から祖の話は1度も聞いたこと がなかったそもそも生きているとも思って いなかったしまさか大企業の元社長だった なんて本当に信じられない何を話すべきか 俺が言葉を探していると祖父が静かに 言う商人しなさいそう言い残すと祖父は くるりと背中を向けてゆっくりと会場を後 にした俺はしばらくその後ろ姿を眺めてい た宮森課長は居心地が悪そうに しどろもどろして いる三原君営業部に入ってくれて ありがとう期待しているよそういうのが精 一杯と言った様子だ自分が元社長の孫で あることを黙っていた後ろめたさもあった ので俺は宮森課長を責めずに釈してその場 を離れた 自宅に帰ると母と妹が呑気にすき焼きの 準備をしていたああお兄ちゃんお帰り なさいもう牛肉入れちゃっていい母はあの 日岡山に一度戻っていったがその後もまた 自分の家に帰ってきたのだ最初はトト
しかった妹の態度もだんだんと変化してき ているのがわかる妹の部屋にはディオール のショルダーバックがが飾られていたなん とも現金なやつだほらあなたも着替えてお 肉食べなさい母が菜箸で鍋をつき野菜の 様子を見る母さん今日おじいちゃんに会っ たよ母の手が止まったどうして俺をこの 会社に入れてくれたのどうして今までお じいちゃんのことを話さなかったのどうし て母さんはあの日出ていったの話し出すと 止まらなかった萌香はその様子を片を飲ん で 見つめるすき焼きの鍋がグツグツと音を 立ててリビングの天井に湯気が 立ち込めるおじいちゃんは父は自分にも 他人にもそして私たち家族にも厳しい人 だった1人娘の私に会社を継がせるために 私に帝王学を叩き込んで自分が作り上げた 全てのルールに私と母を従わせた左利きを 無理やり強制させられた時は辛かった な母が遠い目をする私は幼い頃から厳しい 起立の家庭で育って自由への欲望が人一倍 強かったのだから父とは真逆の男性を好き になったそれがあなたたちのお父さんよ 当時は大学教授で研究に没頭していたあの 人は私を自由な世界に連れて行ってくれた のだいぶ鍋が煮詰まってきているねえそれ でどうして父は私たちの結婚に反対した 当然よね自分とは真逆の男に娘を取られて 面白くなかったのよだから私は黙って家を 出た駆け落ち同然ねでも真面目な彼は父に 結婚を認められたくて大学を辞めて起業し たのけれど知っての通り会社はうまくいか なくてやがて生活は苦しくなったでも私は それでも良かったの彼と一緒にいられれば 合わせだっ たそう語る母に向かって俺は 尋ねる愛していたから俺の言葉に母は 大きく頷いたでも彼は私に申し訳ないって ずっと思っていたみたい自由を愛する君が 好きなのに僕にはそれをさせてやれない から苦しいってあの頃の彼は本当に 追い詰められていたのね私も謝り続ける あの人をそばで見ているのが辛くなって しまっただから家を出たのそうだったのか てっきり自由本法な母が気まぐれにフラッ と家出をしたのだとばかり思ってた23年 はあえて連絡を取らないようにしていたで も彼が入隊員を繰り返すほどストレスを 抱えていると知ってもう私も我慢ができ なくなっただから父に会いに行ったもし 私たちの結婚を認めてくれたら少しは彼が 元気になってくれるんじゃないかと思った のだが簡単には認めてくれなかったの だろう会場で初めて目にした祖父のあの
佇まいを思い出す誰もがひれ伏してしまう ほどの威圧感があったから だ今更何のようだって怒鳴られたわでも 当たり前だけれど父も年を取った私に子供 がいると知って親足驚いていた結婚は簡単 には認められないかもしれないけれど孫に は会いたいでしょって聞いたら案の定 ね多分祖父は素直になれない人なのだろう 孫には会いたいがそれがどんな顔をして 会えばいいか自分でも分からなかったのか もしれないそれであの名刺を俺はあの時母 が差し出した宮森課長の名刺を思い出した そう父がもうすぐ会社を引くことを知って 入れ違いに息子を入社させてくれたら娘に 会社を継がせたかったという父の望みも ほんのちょっぴり叶えてあげられるかなと 秘書の方がこっそり私に宮森課長の名刺を 渡してくれたの課長と同期なんだって母 らしいまるで自分が交感条件の手札になっ た気分だが不思議と悪い気はしなかったお じいちゃんに商人しなさいって言われたよ そう伝えると母は感慨深に目を閉じて笑っ た念願の孫に会えてきっと嬉しかったん じゃないかかな咲とおじいちゃんの会社に 入ってくれて本当にありがとうね親高校が できなかった私の身代わりのようになって しまったけれど年収は保証するわ よいたずらに母が笑う確かに今の職場は前 の職場と比べて年収が2倍近くになった おかげで萌の学費の心配もほぼなくなった の だお母さんお父さんとは俺もそれが気に なっていた父は今でも母を愛している母も 同じ気持ちだったということを今日俺たち 兄弟は初めて知ったのだもちろんこれまで もこっそりお見舞いに行ってたのよ先週は 病院近くのカフェでデートをしたわ今度 一緒に映画を見る約束もしてるなんだよ まるで新婚じゃないか父さんはきっと お母さんが戻ってきてくれたことでこれ から少しずつ回復していく だろう母が不在の5年間俺も父も必死だっ たどうして何も言わずにいなくなったのか それを考えない日はなかった母が姿を消し た日以降自分でも気がつかないうちに俺の 体には見えない重石がのしかかっていたの だなが5年の時を経て今ようやく肩の苦が た気がする俺の中で心配の種が少しずつ 積みとられていく破天荒な母親持ったこと を恨んだこともあったでも今はその母に 自分が守られているそう強く実感している お兄ちゃん早く食べよう萌かにせかされた ことで急に腹が減ってきた目の前には 美味しそうなすき焼きが出来上がっている 家族4人いや祖父も入れて5人ですき焼き
を食べられる日も近いかもしれないその時 は俺が稼いだ給料でとびっきりの特上牛肉 をみんなに振る舞ってやりたいそんなこと を考えながら急いで自分の部屋に行き ジャージに身を包むリビングへ戻ると妹と 母と湯気が立ち込める食卓が俺の帰りを じっと待っていてくれ た新入りの低学歴のおっさんを紹介し ます木下は歓迎会が開かれている居酒屋で 大きな声で俺を紹介し た木下の声はとても大きく居酒屋中に響き 渡っ た木下は俺が本社に人事移動になった日 からこうやって俺を見下してき たみんなこのおっさんの介護をよろしくな 木下は俺を見て笑いながら言っている俺は 腹が立ったが仕方のないことだったのかも しれないなぜなら木下は俺のことを何も 知らなかったのだ から俺の名前は横あ45 歳幼い頃に父親がなくなり母兄貴弟2人の 5人家族として育って た母は父の代わりに必死で働き4人兄弟を 育ててくれたしかし常にお金が足りない 状況で明日の食べるものにも困る状況だっ たの だ俺の5つ上の兄貴も家族のために中学を 卒業後アルバイトをして家に全額お金を 入れてくれてい た周りの友達は高校受験のために塾に行っ たりしていたが俺の家はお金がなく塾に 行くことなどとてもじゃないけどでき なかっ たしかし俺は勉強が好きだったので自己流 で勉強をしてい たそして学校では常に成績が良く学校の 先生からはレベルの高い高校を推薦で行く ことができるとまで言われてい たしか俺はこれ以上母や兄貴の負担を 増やしたくはなかったのだ兄貴 は俺が働いて稼ぐからお前は気にしないで 高校に行っていいよと言ってくれたが兄貴 ばかりに負担を大きくさせるわけにはいか ないと思ったそこで俺も兄貴のように中 学校卒業後は働くことに決めたのだっ た俺は中学卒業後は日本の会社で働いてい たが海外の工場に人が必要だと言われ海外 の工場で働くことを決め た当初は現地の言葉も分からず身振り 手振りでの会話で正直大変だった思い出 しか ないしかし月日が経ち周りの仲間たちと 打ち解けてくると仕事が楽しくて 仕方なかっ たこんな楽しい日々がずっと続くと思って
いたが人生はそんなに甘くなかっ た俺が45歳になったばかりの頃本社から の人事移動で俺は本社に戻らなければいけ なくなっ た俺は楽しかった海外の工場を離れ日本に なくなく帰国したのだっ た本社はエリートの集まりだ俺はドキドキ しながら本社に向かった そして入口の重い扉を開けると入り口にい た綺麗な女性が俺に向かって歩いてき た初めまして人事部の七瀬優香です横井 さんが今日から配属になる製造開発部まで ご案内し ます七瀬さんはそう言って俺を見た俺は 少し緊張しながらありがとうございますと だけ言ったすると七瀬さんは少し笑い ながらそんなに緊張しなくても大丈夫です よ製造開発部でも頑張ってくださいねと 言って俺を励ましてくれた俺は七瀬さんに 案内されて製造開発部のオフィスがある4 階のフロアに来 た製造開発部は他のフロアに比べると活気 がありとても賑やかだだっ た俺と七瀬さんが立ち止まっていると1人 の地震に満ち溢れた男が俺たちの方に歩い てき た部長の木の下だっ た君がよ行くんか七瀬さん ありがとう木下は七瀬にお礼を言った七瀬 は軽く釈をして人事部に帰って行っ た俺は製造部の部長の木下30歳だこんな 年寄りが俺の部下だと思うと吐き気がする よまあ俺たちの迷惑にならないように働く んだ な俺は自分の耳を疑った木の下は態度を 表編させたの だ精一杯頑張りますのでよろしくお願いし ます木の下の言葉にイライラしていた俺は その言葉を言うのが精一杯だっ たすると木下はあわい ながら君は中卒なんだろう精一杯頑張った ところで俺たちエリートには勝てないしき でやるんだよと言った木の下はどこまでも 俺を見下すんだな俺は怒りを通り越して 悲しくなったすると木下は俺の教育がかり の魔を呼び出したマノは面倒くさそうに俺 たちのとろに来たマノ忙しいところ申し訳 ないんだが適当にこのおっさんに仕事を 教えてくれないかどうせ教えても何もでき ないだろうから適当でいい ぞわかりました適当に教え ます2人は何が面白いのか顔を見合わせて 笑っている俺はマノに連れられて自分の席 に座ったそしてマノから仕事を教えて もらうのを待っていたのだしかし待てど
暮らせどマは俺のデスクには来なかっ た最初から俺に仕事を教える気などなかっ たのかもしれ ない俺は暇になりあたりを見渡したすると 俺の隣に座っていた鳥が焦った表で仕事を してい た俺はまじまじととばの仕事内容を見てい たとばは新しい機械の生産管理書を作って いた前に工場に勤務していた時俺は嫌と いうほど生産管理書を見てきただから生産 管理書のことは大体把握していたの だこれはこうするんだ よ俺がばににそう言うととばは初めは俺を 疑いの目で見ていたしかし俺の言う通りに するとうまくいくと気づいたとばは俺に 積極的に質問してくれるようになっ たこれってこうですかいやこれは貸して ごらん俺がとばの代わりに少し仕事をして あげるととばの焦った表情がやい だすすごいですね部長からよいさんは何も できない中卒のおっさんだと聞いていたの に全然できるじゃないです か木下は俺のことを何もできない中卒の おっさんだとみんなに言いふらしているの か俺が中卒なのは紛れもない事実だが俺は 絶望感でいっぱいになったするととばは俺 に小声で囁いた 木下部長は某有名大学を出ていてそのこと を花にかけているんですまのさんは木下 部長の大学の後輩で仕事ができないのに 木下部長のお気に入りなんですよ絶対に よいさんの方が仕事できるの にとばは辺りを見渡しながら俺を見たそう か木下は工学歴が好きなのかだから卒の俺 のことは気に食わないというわけだな俺は 妙に納得し ただから木の下部長やマさんのことなんか 気にしないでください ねとばはそう言って俺を慰めたその時マが 俺の席にやってきたおいこの資料のコピー を100部中卒でもこのくらいだったら できる だろうマノは資料を俺に投げ捨てた俺は 驚いて魔を見た魔は笑っていたすると俺と マのやり取りを見ていたとばがそれなら僕 がやりますと言って資料をかき集めて席を 立とうとしたすると部長の席から木の下が 大きな声を出したおいそれはよいにやら せるんだどうせ中卒のおっさんはその くらいしかできないんだから なあとばは驚いた表情をした俺はそんな とばから資料を受け取りコピー室へと急い だまさか自分が本社に来てこんな雑用を するとは思わなかったしかしこれも一応 仕事の1つだと自分に言い聞かせてい
たコピー室に到着したコピーをしようと コピー機のボタンを押してみたが起動し ないどうしてだ色々なボタンを押してみた がだめだったするとその時七瀬さんが コピー室に来 た大丈夫です か七瀬さんは俺の代わりに資料を100部 コピーしてくれ た中卒のおっっさんはコピーもできないと 言われてしまう な俺が笑いながら言うと七瀬さんは少し 怒ったような顔でそんなこと自分で言って はだめですよいさんは仕事ができるんです から自分に自信を持ってくださいよと言っ た俺は七瀬さんの言葉に救われた今は俺は ただの中卒のおっさんだけど木下や魔を 仕事で見返そうと決意し た瀬さんな意で いいえ私は何もしていませ ん七瀬さんはそう言ってコピー室を出て いったそして俺は製造開発部に戻った俺が コピーした資料をマに渡すなり木の下が 大きな声を出してき たおいおっさんコーヒーを買ってきてくれ ブラック な俺はどうやら完全な雑用がかりにな しまった らしい仕方なくコーヒーを買うために会社 を出たそして数分後コーヒーを木の下に 渡すとおいなんだこのコーヒーは俺は有名 店のコーヒーしか飲まないんだ よ俺は驚いて口をあんぐり開いた有名店の コーヒーは会社の近くにはない俺にそんな 遠いところのコーヒーを買えということか 俺のイライラは最好調に達していたしかし ここで反論すればまた面倒なことになると 思い俺は必死にこらえたの だ申し訳ございません今から買い直してき ますもういいよこれだから中卒のおっさん は使えないんだ よ木の下は俺を睨みつけてきたそばでとば は気の毒そうに俺を見たそして俺は任され た雑用を1日必死にこなしたそして代謝 時間の18時には俺は完全に疲れきってい たよいさん今日ご飯でも一緒にどうです かとばは笑顔で俺を誘ってくれた疲れきっ ている俺を見て気を使ってくれたの だろう俺よりも一回り以上も若いのによく 気が聞くなと感心し たせっかくだし行こうか な俺がそう言うととばは嬉しそうだっ た今日俺の同期も誘ってるんです少し仕事 で遅れるかもと言っていたので先に行き ましょう かそして俺ととばは近くの居酒屋に入った
そしてとばは俺の分のビールを注文して くれたの ださんのに 乾杯とばは一気にビールを飲み干した俺も とばに釣られてビールを一気のみし た仕事後のビールは格別です ねとばはそう言って笑っ たそれにしても木の下部長の態度には イライラさせられます僕もう耐えられない です よとばはそう言って俺を見た ああそうだな俺が中卒じゃなかったら 木の下ももっと態度が良かったかもしれ ないな俺のせいで ごめん俺はため息をついたするととばは よいさんのせいじゃないですって木下部長 は誰にでもそんな感じですよ僕たちも本当 にうんざりしてるんですよと言ってため息 をついたちょうどその時俺の席に七瀬さん が来た遅れてしまってすみませ ん七瀬さんはとばと同期でよくとばの愚痴 を聞いているそう だよいさんに愚痴ばっかり言ってるのやめ なさい よ七瀬さんは鳥羽の隣に座っ ただって木下部長のせいで何人も仕事を 辞めてしまっていて製造開発はいつも 人手不足なんだよしかも有能な横さんには 雑用ばかりさせている し木の下部長は仕事ができてエリートだ からって少し応募よ ねとばに続いて七瀬さんも木下部長のこと をよくは思っていないようだっ た会社で見る七瀬さんとは違って居酒屋で の七瀬さんはサバサバしていて雰囲気が 少し違て見えたお酒が進みとばは言いたい 放題だっ た木の下部長がいる会社なんてもうダメ です よとばはこれでもかというほど愚痴を言っ ている会社で相当のストレスを抱えている の だろうよいさんすみませんとば君はお酒が 入るといつもこれなんです よ瀬さんは切れながらとばを見て いるよいさんにとってはいづらい環境だと 思いますがよいさんならきっと大丈夫 です七瀬さんはそう言って微笑んだ俺は 酔っているとばを駅まで送り届けることに し た今日は楽しい時間をありがとうまた明日 から頑張るよはい応援してい ます俺は酔って足になっていばの腕を抱え て夜の道を歩いた俺の本社での1日目は 予想以上に辛い1日だったがとばと七瀬
さんのおかげで心が少し軽くなったように 感じた俺は2人に心の中で感謝した家に 帰るとアパートの前に兄貴が立ってい た遅かったじゃないか今まで仕事だったの か兄貴は驚いた顔で俺を見て いるまさか同僚と一緒にご飯を食べに行っ ていたん だ日本での仕事はどう だ俺は兄貴をアパートに入れてお茶を出し てい たまだ慣れないけどまあまあか な兄貴の質問に本当のことは言えなかっ た木の下に嫌われて雑用しかやらされ なかったことを言ったら兄貴が悲しむと 思ったから だそれなら安心したよたまには俺とも飲み に行ってくれ よ兄貴は笑って俺を見た兄貴はお茶を一口 飲むとすぐに立ち上がってじゃあ明日も朝 早いし早く寝ろよと言い帰っていっ た兄貴はこうやって俺をいつも気にかけて くれる仕事で忙しいのにこまめに連絡を くれる本当に家族思いの人だ俺はそんな 兄貴を心から尊敬して いる俺は明日のために早めにベッドに入っ た明日はどんな1日になるん だろう俺は正直不安しかなかっ たそして次の日製品開発部にと何やら 騒がしかっ たどうした何かあったの かとばに尋ねる とマノさんが今日取引先に提出しなければ いけない書類を噴出してしまったそうなん ですと小声で教えてくれたそれで木の下は 大騒ぎしているのか俺は納得した今日も 雑用か俺はとりあえず自分のデスクの上を 整理整頓をしていたすると木の下が俺の ところに来て怒鳴ったおいおっ さん俺は木下の声に驚いて後を振り返った すると顔をしかめた木の下が立ってい たマノはおっさんにかったせいで書類を なくしたんだよおっさんが責任を持って からやり直す よ木下は俺に向かって大きな声を出し た俺のせいで書類をなくしたとんだ 言いがかりだった俺は驚いて声も出せ なかっ たすると隣にいたとばは間髪を入れずに 木下を睨んだ木下部長よいさんのせいでは ないと思い ますとばは果敢にも木下部長に反論したの だ俺はしまったと思った木下に反論すると いうのはあまり良くないアイデアだと思っ たからだ俺はとばに小声でもういいからと 伝えたが時すでにおしだっ
た木の下はとばを睨ん だとば俺に反論するなんて100年以上 早いんだよさんと2人でせいぜい頑張るん だなあ書類の期限は明日まで だ木下は怒りながら席に戻っていっ たなんで俺を庇うんだよおかげで君にまで 被害が広がってしまったではない か俺は少し怒りながら小声で飛ばに行っ た俺はそんな理不尽な木下部長には うんざりしているって昨日言ったじゃない ですかこれからは横さん側につきます よとばの言葉はとても嬉しかったしかし これ以上とばに迷惑をかけるわけにはいか なかっ た俺はとばのためにも仕事に打ち込んだ 作成しなければいけない書類はびっっくり するほど多く1日ではとてもじゃない けれど終わらせることができない量だっ たこれ絶対に下には終わらないですよ ねとばは涼の王さに知り込みをしている俺 はそんなとばに終わらなくてもやるんだよ やるしかないんだと言っ たそして昼食も取らずに仕事をし続けた そして夕方に差しかかった頃毛下が俺の とろに来 たそろそろコーヒーを買ってこい 俺は木下の事故中心的な発言を無視した すると木下はオフィスに響くような大きな 声 でおっさんは耳も悪いのか俺はコーヒーを 買ってこいと言ったのだと怒鳴ってき たとばは木の下を睨んで何かを言おうとし た俺は目でとばを静止したそしてで仕事を 中断してコーヒーを買いに行ったのだとば はそんな俺を見てため息をついた俺は わざわざ木下のために会社から徒歩で20 分もかかる有名店に行ってコーヒーを買っ た割れながら馬鹿げていると思うしかし 木下の言うことを聞かなければとに迷惑が かかる俺は葛藤しながらもコーヒーを持っ て会社に戻っ た木下にコーヒーを渡そうと席に戻ると 木下の姿はすでになかっ た木の下部長は用事があるとか言って帰り ました よとばは怒りながら俺に行ってき た木下部長は横さんに嫌がらせをしたかっ ただけなんですよ本当に信じられませ ん俺は呆然とした そう かしかしもうどうしようもない俺は イライラしながらも買ってきたコーヒーを 捨てたそして時計が夜の21時を回った頃 頼まれた書類を全て作り終わったこれも とばが一生懸命協力をしてくれたおかげ
だっ た本当にありがとうとばのおかげだよ僕は 何もしていませんよ よいさんがほとんどやってくれたじゃない です か俺ととばは顔を見合わせて喜んだ俺は 自販機でとばにコーヒーを買ってあげ た有名店のコーヒーじゃなくて悪い ねそう言ってコーヒーをとばに渡すととば は笑い出し たそんなの気にしませんよ気にするのは 木の下部長だけ ですとばは帰り自宅をして家路に着いた そしてアパートに着くと俺はすぐに眠りに ついた海外での工場勤務に比べると オフィス仕事の方が楽なはずなのに俺は 疲れ果ててい た次の日会社に向かう俺の足取りは重かっ た会社の最寄りの駅で降りると俺の肩を誰 かが叩いてきた振り返ると兄貴の姿があっ たもうあじゃないか元気がないようだけど 大丈夫 か俺は突然の兄貴の登場に驚い た慣れない仕事の連続に疲れているだけだ よ時間だからもう行く よそうか何かあるんだったら何でも言うん だ ぞ兄貴は心配そうに俺を 俺はそんな兄貴に心配かけないように元気 なふりをして会社まで歩いた自分の席に 座ると木の下が大きな声で部署にいる全員 に今日は仕事が終わったら中卒のおっさん のために歓迎会をするから来れるやだけで いいから来て ほしいと言ってきたのだしかし明らかに下 はそうだっ た人事部長から歓迎会をするように言われ て木の下た部長もかわいそうだよこんな 使えないおっさんのための歓迎会だなんて 人事部も何を考えているのかわからない なあマはわざと俺に聞こえるように大きな 声で嫌みたっぷりに行ってきた俺ととばは バの言っていることを聞いていないふりを して木下の席に向かったそして昨日終わっ た書類を木下のデスクに置いたの だ昨日任された書類終わりましたので確認 をお願いし ますすると木の下はまさかという顔をして 俺たちを睨んでき たこんなに早く仕事が終わるとは思ってい なかったのだろうしかし木の下は書類の 確認もせずに俺たちに書類を突き返してき たどうせ適当に終わらせたんだろうこんな の確認をする価値もないもう一度 やり直せさすがの俺もここまで言われて
黙ってはいられなかっ た俺がマンを自死て反論しようとすると とばが顔を赤くして木の下に怒鳴り始め た適当にやってなんかいませんよ僕とさん は昼も食べずに頑張ったんです見てくれ たっていいじゃないです かとばの大きな声がオフィス中に響き渡っ たすると木の下は鳥の顔を睨んで仕事も 満足にできないやが俺に怒鳴るなんて信じ られないもうお前はこの部署にはいらない んだよさっさと荷物をまとめて出ていけ お前は首 だこんなとに僕だって痛くないですよやめ られて生生し ますとばはそう言ってデスクに戻り自分の 荷物をまとめ始め た俺は必死でとばを止めたが俺の精子も 聞かずにとばはオフィスを出て行って しまっ た俺は目の前が真っ暗になったなぜ罪の ない鳥が首にならなくてはいけないのか俺 は納得がいかなかったしかしここで俺が 木下に反撃をしても同じことの繰り返しに なるだけだと思ったそこで俺はある決心を したのだそして定時の時間になっ た会社の近くの居酒屋に集合だぞおっさん の歓迎はしなくてもいいから楽しく 飲み食い しよう会社の経費なのでたくさん食べ ましょう ね木下と魔は先に居酒屋へと向かっていっ た部署のみんなは木下の命令なので 仕方なく居酒屋に行くようだった俺も帰る 支度をして居酒屋へと向かったすると七瀬 さんが声をかけてき た今日色々大変だったようですねでももう 大丈夫ですよああそうだ な俺は七瀬さんと一緒に居酒屋の中に入っ た俺のために人事部は居酒屋を貸し切りに してくれていて中は同じ部署の同僚や人事 部のメンバーで賑わっていた木下とマは もうすでにお酒を飲み始めていて人気は うるさかっ た俺は七瀬さんの隣に座ったするとその時 木下が立ち上がり俺の自己紹介を勝手にし 始めたの だ新入の低学歴のおっさんを紹介し ます木下とマはニヤニヤしながら俺を見て いる俺は思わず下を向い たこいつはなぜか製品開発部に配属された 中卒の仕事ができないおっさんですみん このおっさんの よろしく な木下は俺を指さしていった木下の えげつない言葉に居酒屋の中は静かになっ
た人事部の人たちは顔を真っ青にして いるするとお酒を飲んでいた人事部長が 立ち上がって叫んだ木下部長やめないか 失礼だ ぞ俺は本当のことを言っただけですよ 木下は人事部長の言葉を遮って話を続け たおっさんのせいで車内の雰囲気が悪いん ですよ中卒のおっさんはこの会社には必要 ないん です木下の言葉は本当に狂気のように俺の 心を突き刺し た中卒はそんなにいけないことなのか俺が 周りを見渡すとみんな静かにびっっくりし た目で木下の言葉を聞いていたその時 居酒屋の入り口から声が聞こえてき た誰が仕事ができないおっさんだっ てし 社長社長だったいや俺の兄貴と言った方が 分かりやすいだろう兄貴はこの会社を 立ち上げた社長だそして兄貴の後ろにはば が立ち尽くしてい た木の下部長今すぐに謝りなさい横さんは 副社長だぞ本来ならば君が来やすく 話しかけられる人ではないん だ木の下は目を丸くして俺を見た状況把握 できていないようだっ た中卒の俺が副社長だなんて想像もしてい なかったの だろう兄貴は中学を卒業してすぐに働き 始めたそして俺が中学を卒業する年に俺 たち家族を養うために会社を立ち上げたの だ最初はうまくいかなかった会社経営も 兄貴の努力でだんだんと大きくなり今では 1000人以上が働く大きな会社になった そして俺を雇ってくれたの だ海外に工場を作ると兄貴が言った時俺は 率先して初期メンバーに立補した少しでも 兄貴の役に立ちたかったし兄貴の会社に ついて勉強しておきたかったから だ海外の工場勤務は誰も俺のことを中卒だ からと言って馬鹿にする人もいなくて自由 に仕事することができたそして海外の工場 で働き始めて数年が頃兄貴から連絡が来 たあを副社長に就任させたいこれからは 2人で会社を作って いこうと提案されたの だ俺は当時正直に言うと副社長になる自信 がなかったそれでこの年齢になるまで答え を出せずにいたのだしかし海外の工場勤務 で自信がついてきて今だったら副社長が できるかもしれないと思いまずは腕試しの ために製品開発部に配属させてもらったの だ仕事をしやすくするためにも同じ部署の 人には言わないように兄貴に口止めする ようお願いしたしかし人事部には隠し通せ
なかったみたいだだから七瀬さんをはめと する人事部はこの俺の正体をみんな知って たのだしかしその場にいた俺の正体を知ら ない製品開発部の同僚たちは驚いて話を 聞いてい た中卒のおっさんが副 社長嘘 だろ2人は顔を見合わせて驚愕している そして鳥を見てなんで君がここにいるん ださらに驚いた声を出した 君はうちの大事な社員のとば君を首に できるほど偉かったの か兄貴は木下を睨みつけていった木下は 小刻みに震え ながらいやあの本当に仕事ができない社員 なの で兄貴は鞄から書類を出して木の下に 突きつけ た誰がどう見たってこの書類は完璧だよ 仕事ができないというのはどこの部分を 言っているんだ い木下は愕然としたそう俺があの時決心し たのは木の下の全てを兄貴に暴露すること だっ た兄貴は俺が小さい時から心配症で俺の 心配をよくしてくれていただから俺が 木の下に嫌みを言われていると知ったら 兄貴は心するし悲しむと思って今まで何も 言ってこなかっ たしかし無実のとばが首になってしまった 以上兄貴の助けが必要だったの だ俺は重い口を開きとばが会社を出ていっ てすぐに兄貴に電話をしたの だ俺は小さい時からあまり兄貴を心配させ ないように生活してき ただから突然のからのSOSに兄貴は びっくりしたに違い ない辛い思いをさせてしまって申し訳 なかっ た兄貴は俺が事実を伝えるとそう言って俺 の肩を抱き寄せた兄貴が悪いことなんて何 1つないしかし兄貴は会社のメンバーがし たことは全部自分の責任だというの だ俺の話を聞いた兄貴はいつも温厚で あまり感情荒にすることはなかったが我慢 ができなくなり居酒屋に乗り込んできたの だろうあれ俺の勘違いだったか な木下はまだしらじらしいことを言って いる俺は我慢ができなかっ た木下部長は俺が中卒だからと言って 見下しているんだ俺の味方をしてくれ も肉はなくて首にしてしまう本当にどう しようもない人だ よ俺の言葉に木下はうえて いる君は中卒を見下しているのかいそうだ
としたらこの会社にはいられないななぜ なら俺も中卒だから ね俺は中卒とかそんなの気にしていません 今までの発言のことは謝ります本当にすみ ませんでし た木の下は兄貴に土下座をして いるこれまで冷静に見てきた七瀬さんが 立ち上がったそして木の下に向かっ てあなたが謝らなければいけない人は社長 ではないわ早くよいさんととば君に謝って と言い放った木下はすぐに俺とばにも謝罪 してきた今までのことは申し訳ありません でし たしかし俺もとばも木下の謝罪を知らしい と思いながら聞いていた兄貴はそんな 木の下に冷たい視線を向け た木下君とまの君の処分は追って連絡する 今日はあの歓迎会だみんな楽しんで くれ自分の名前が言われるとは思ってい なかったはびっっくりして口をあぐりと 開いて いる兄貴はそれだけ言うと居酒屋を出て いった俺は急いで兄貴を追いかけた そして今日は本当にありがとう兄貴の おかげでとばも首にならずに住んだし車内 も平和になりそうだよと言って兄貴に感謝 した兄貴はそんな俺を見ておえん だ俺たちは兄弟だろう困った時はいつでも 言ってくれよ俺は頼ってもらった方が 嬉しいんだ一緒にいい会社を作ろう な兄貴の言葉に俺の目からは涙がこぼれ た俺が居酒屋を飛び出すのを見て心配して ついてきてくれた七瀬さんは俺を抱きしめ て背中をさすってくれたそして居酒屋に 戻ると大園会が始まってい た副社長たくさん飲んでください よ人事部長の陽気な声が居酒屋に響き渡っ ていた同僚たちも楽しそうだっ た横さんが副社長だったなんて本当に びっくりしましたでもすごく仕事ができる し納得ですこれからもよろしくお願いし ますね とばはそう言って大食期に入ったビールを 飲み干し た一方で木下と魔は全く飲み食いをして おらず途方にくれているようだった当然の 報いだ自分たちがしてきたことをしっかり 反省していってほしいと 思うそれから1年の月日が過ぎた木下と魔 は歓迎会のすぐ後に海外の工場への左川が 決定し海外へと旅立っていっ た本当は木の下は首にしたいところだった がまだ小さい子供がいる木の下の家族を 持っての人事動だったと兄貴は言ってい た兄貴の優しい人事動に木下は涙を流して
お礼をしていたと いう海外の工場では木下と魔は主人に怒ら れながらも死に仕事をこなしているそうだ 今後は子供に胸を張れる父親でいてほしい と切に願って いる製品開発部は新製品の開発のために 慌しい毎日を送って いるよいさんこの資料なんです が新部長には史上最年少の飛葉が就任する ことになったとばを部長に推薦したのは この俺だ 学歴で人を見ることがない鳥だったらこの 製品開発部を良い方向に導いてくれること は間違いないと思ったの だ新部長のとばは不器用ながらも製品開発 部を引きいてくれて いるそして俺は副社長として今まで通り 製品開発部に席を置いて働いて いる今まで製品に携わってきたからやはり 製品の近くにいることができるこの場所が 1番自分に合っていると感じて いるよいさんまたお弁当忘れてるよもう 本当におっちょこちょいなんだ からしまった今日も弁当を家に忘れてきて しまっていたごめんごめんついうっかりし ていた よ七瀬は丁寧に作ったお弁当を俺に渡して 分の部署に戻っていったそう歓迎会のすぐ 後に俺は自分の気持ちを正直に七瀬さんに 告白したそして七瀬さんも同じ気持ちだっ たのだそこからはトト拍子に話が進み俺は 七瀬さんと結婚することにしたのだ一回り 以上離れている七瀬さんとの結婚はみんな から反対されると思っていたがすんなりと 賛成してもらえたそれもこれもしっかりし ている七瀬さんのおかげだと 思う特に俺の兄貴は自分のことのように 泣いて喜んでくれ た七瀬さんこれからもあをよろしく頼む よ兄貴は俺の結婚式の時にはスピーチを 担当してくれて俺も七瀬さんも号泣してい たいつでもも家族を一番に考えてくれて いる兄貴は俺の父親の代わりであり恩師で もあるこれからは俺も兄貴のように家族 思いの強い人でありたいと思って [音楽] いるまだ先を読まなけれ ば袖で目をこすり日記を手に 取る最後のページにはある電話番号と名前 そしてさらに驚愕することが書かれてい たなぜなぜ言ってくれなかったん だ今になってこんなことを知ったっていや 知りたくもなかっ た最後のページに書かれていた電話 番号俺はその番号へ電話をかけるのを新々
したが母が亡くなったことを連絡しなけれ ばと思いて番号を押し た俺の名前は菅沼 涼一年齢は二十歳 だとある勝者でサラリーマンをやって いる父はいない俺が物心つく前に亡くなっ たと聞い た父のことを聞くと母は寂しそうに笑い 言ってい たお父さんはヒーローだったの よ黒い車の前でスーツを着こなしている父 の写真は子供心に見てもかっこいいと思っ た父のことについてしつこく聞いたが母は いつも微笑みそれ以上のことは教えてくれ なかっ た生活はとても苦しかった片親だったこと を馬鹿にされ一時期荒れたことも ある中学で立ちの悪い先輩たちとつむよう になったが色々と目に余る行為が過ぎたの だろう警察に歩道されてしまっ たバカこんなに心配かけ て派出所で涙ながらに俺の方を叩きしる 母朝から晩まで働いて 赤切符 じんじんと熱を持った頬の痛みよりも 痛かったのは心だっ た後にも先にも母が俺を叱り涙を見せたの はこれが最初で最後だっ たそうして俺は悪い先輩たちのグループを 抜けることを決意するだが話はそう簡単に はかなかった詳しい話は省くが俺の腕には 消えない傷跡が残ってしまったとだけまあ 事故のようなものだったが腕を見るたびに それを 思い出すそれからは2度と母を泣かせまい と勉学に励む俺放課後勉強で分からない ところがあると職員室に教師を尋ねて何回 も何回も教えをこうた最初はどうせ密日 坊主だろうとやされしもかけなかった教師 もいたし俺のことなんかいないものとして 扱う教師もいたなが何度も頭を下げる俺 そして他の教師が教えてくれた科目の成績 が上がっていることを知りついに1番 厳しかった学年担当の数学教師も折れた そして県内の商業高校に入学できる程度 まで成績の上がった俺これなら安泰だと 太鼓版をされただそして俺は無事に商業 高校に入学し卒業を迎え た両一が大学卒業するまでは学費を出して あげられるの よ高校3年の時母に言われただが俺は母に 早く楽をさせたいがために就職の道を選ん だ簿記や小取引会計などの知識を学んで中 にいくつかの資格を取っていた俺は運よく 高校生採用を掲げていた勝者で雇って
もらえることになった希望者が複数いた ため校内先行という競争を勝ち抜き て母は俺が就職した時とても喜んでくれた そして初年球で温泉旅行に連れて行ったら とても喜んでいただが新郎の種はあったす 沼これを明日までに形にしろ社外費の資料 だから家に持ち帰ることは禁止だ言って おかないと高卒の人間は何をするか分から んから な俺に侮蔑の言葉とUSBメモリをよした のは八木新一郎ポストは課長だ年齢は味そ 字程度だっただろうか入社した当初から とても風当たりがきつかった 最初は若さに嫉妬しているのかと思ったが 違った先輩たちに聞くと自分より学歴の 低いものを見下している らしいなぜかは分からないだがそのおかげ でこの部署は離職率が高いと聞いたある日 俺の腕にある傷跡がやに見られたことが ある俺はとっさに隠したが山は目ざとく 陰間に笑ったどんな学生生活を送っていた かわかる な上からねめつけるようなじっとりとした 視線新しいおもちゃを見つけた喜びなのか 横に伸びた目と口は獲物を見つけたカエル を連想させ た誰にも見られないところで小さな 嫌がらせをしてくるやぎ言葉をあえて 分かりにくくし重要なことをその中に隠し て伝えるそして俺がミスを誘発するとさも 有能な上司のように俺のフォローをして 解決するのだった当然上からの評価は高く なる何度人事の人間を節穴だと罵りたく なったこと かそうして1年ほど経った時俺にも後輩が でき た花岡マリです年齢は18歳ですが若さを 武器に頑張りますこれからに働く先輩方を 尊敬し成長していきたいと考えていますの でご指導ご達のほどよろしくお願いし ます少し高めで甘さを感じる彼女の声 焦げ茶色の髪をゆく巻き見た目も 可愛らしい欲をそられる小動物系の印象 だったおそらく俺と同じように高卒で入っ てきたのだろうまだや敬語の使い方などに 違和感があるがそこも愛嬌だ現に女性社員 と男性社員の両方から歓迎ムードが漂って いるしかし俺は見た横に立つヤの瞳に 怪しい輝きがとる のできる限り守ってやらないと なだが俺が思ったより花岡は優秀だった しかし時折り信じられないようなミをする そこをやにつけ込まれないように俺が チェックがかりを引き受けた俺の負担は 増えたが構わないやぎはそれが気にら
なかったようで俺と花岡が一緒にいる ところをやゆするようになっ たただどんな人間も間の悪い時やミスを することはある俺がいない時にたまたま 花岡がやに頼まれた仕事を受けたまたま ミスを犯した いつもの手口だ花岡君君の作った資料だ けどね問題なさそうだったから客先に提出 したんだが金額が間違っていてねこれは 我が者としては大損害なんだその責任を どうやって取るつもりか な俺が会社に帰ってくると花岡を出席する ギの姿花岡は真っ青になりカタカタと震え ている本来ならヤギがチェックするべき 立場にあるだろうにとっさに俺の体が動い た待ってください俺と花岡で先方に謝罪を しに行きます精神誠意話せばきっと分かっ てもらえ ます俺が帰ってきたことはやぎにとって 想定外だったようだ好きにしろと言われた ので俺は花岡と客先に向かったそうしてこ なきを得たが山からはさらにに適しされる ようになったなんとか仕事をこなしながら 1年が過ぎたある日母が職場で倒れたと 連絡が入った母さん大丈夫か慌てて病院に 駆けつけるが母には色々な天敵のチューブ が刺さっていたごめんねお母さん疲れが出 ちゃったみたいすぐ元気になるから涼一は 自分のことを最優先に考えてねしかしそれ は優しい嘘だっ た母が入院している間も山からは嫌がらせ が続いていたおや菅沼これお前のかあっ たヤギが何かを拾おうとしてしゃがみ込ん だがバランスを崩してたらを踏むそして 足元からバキッという音が聞こえた え俺は慌てて机の上に置いていたはずの 万年室を探すない ああ床が汚れちまったやぎの声に俺は がばりと床を見るそこには無惨に割れた 万年室母が俺の成人式のお祝いにと買って くれたものだった俺がとても喜んでいたの で会社の人間なら誰しもが知っている そしてお守り代わりとこぞという時の契約 書に使うために 机の上の目の届く場所にいつも置いていた それがなぜ俺の満年室いやあすまんすまん お前の亡くなった母親からのプレゼント だったっけ弁償するよ1000円でいい か言っておくが母が苦労して買ってくれた 万年室はその50倍はするヘラヘラと笑う ヤギ絶対にわざとだ俺の目の届かないうち に万年筆を床に転がしておいた犯人でも あるの だろう訂正してください母はまだ生きてい ますだがもう長くないんだろういいんだぞ
会社を辞めてお母さんに付き添っていても 心配そうに大きな声で俺に語りかけるやぎ だが俺の方に口を寄せて小さな声で高卒は 役に立たないからなと捨てゼリフを残して やは去っていっ た菅沼さん え大丈夫だ俺はバラバラになって壊れた 万年室を手が汚れるのも構わずに1つ1つ 破片を 拾い上げる花岡が心配そうな声で 問いかけるが俺の表情が危機迫るものにで も見えたのだろう少し怯えた声をあげて 自分の机に戻って言っ た入院してから3ヶ月くらいだっただろう か母は病と言える間もなくなくなった痛み を消すための医療用の強い薬のせいで最後 の方は意識がある時の方が珍しいくらい だっ たこれから親高校をたくさんできると思っ ていたの に菅沼さん大丈夫辛いようならいつでもて ね力になれるか分からないけどそうだ これ花岡が息承した俺のそばで声をかけて くれるそして手渡されたのは有名メーカー の万年室色は違うが母に送られやに壊され たものと同形の万年筆だったお前 これちょっとコがありまして菅沼さんには いつもお世話になってし元気になって ほしいからだからもらってくださいね返品 は受け付けませんそう言うと花岡は俺に 万年筆を 押し付ける少なくとも今の俺たちの給料で はかなりきつい金額ではなかろうかいくら コがあってもそれに海外メーカー性で とても人気が高いこともありいつも販売 ページは入荷待ちと表示されていたはずだ ありがとう俺は花岡に霊を言うといたずら 成功みたいな顔をして微笑んでいた山から 何度もかっているうちに懐かれたのだろう かただおそらくれNATではないだろう ひどが最初に見たものを親だと思う すり込みだと思っている ああ底辺同士で暑いねいちゃついている暇 があったら契約のでも取ってこいよヤギが 相変わらずヤジを飛ばすなぜここまで俺 たちを適しするのだろう か母が亡くなったことと激務で俺の精神と 体はボロボロだったこの世代なら揚げ物を がっつり食べてエキを養う方法もあるの だろうがそれをやったら俺は王として しまうすでに芋悲鳴をあげていた三た係り 長が俺と花岡を昼食に誘ってくれた胃に 優しいメニューを出す店を知っているから とそして小さなかぽ料り屋で係長は俺と 花岡に奢ってくれたその店で係り町から
やぎの話も聞けたなぜ俺たちのような高卒 連中を目の方にするのか聞くところによる とやは有名な大学を卒業し 全で傾きかけた会社を立て直したという 実績を買われてこの勝者に引き抜かれた そうだしかし自分自身をエリートと孤児し 他の人間を機械のように扱う節があると 今日と明日は2人とも有給でも飛んなさい 何山課長にはうまくいっておくさ特に菅沼 君スーツのシが目立つ家が荒れているのが 透けて見える その様子だと遺品整理もまだなんだろう 係り長の言葉に俺はおっしゃる通りですと 返すじゃあ私が片付けを手伝います ね花岡が俺の隣で拳を握って鼻息も荒く 言葉を放ついいのかそれで男の家にほえ ほえついてき てただこの時の俺は本当に信郎がひどくて 花岡の明るさに救われていたのもあったの でお言葉に甘えることにしたそして代謝後 花岡は俺のアパート に汚いですね大学のシェアハウスより汚い 家って初めて見まし た開校1番花岡があれと笑いの混じった ような声でつぶやくはて花岡は俺と同じ卒 だったので はか体を動かしていると気が紛れるなと 思って片付けながら先ほどの違和感を疑問 にして聞いてみたああ私は大卒ですよと 言っても海外の大学を飛び級したんです 中学の頃ちょっとした人間関係の総意で不 登校になりましてで卒業と同時に公認を 取って海外の大学 へとてもすごいことだが本人はそれを自慢 するでもなくあっけらかんと話していた 花岡は特定の部分にだけ凄まじい集中力と 知識を発揮するがそれ以外はどこかボミを やらかしてしまうおそらくこの辺りが同級 生たちから異物として認識されたんだろう と思った理解がある親子さんなんだな ええ私の好きなようにやらせてくれた親に は感謝していますあっちの大学に通うには 色々と費用がかかったので会社が傾くわと 冗談混じりで言われてました ね会社ということは花岡はいいところのお 嬢さんだったのか俺が驚いた顔をしている と花岡は慌てて訂正した社長の娘と言って も小さな会社ですよそれどころか社会経験 を積んでこいって可愛い娘を野獣の檻に 放り込むような父親なんですから野獣って 誰だいやそれよりも可愛いって言ったのか 誰が少しだけ呆れながら笑って突っ込むと 花岡はえへと自分と俺を両方の手で指さし て笑っていたこの底抜けに明るい部分は俺 を癒してくれるなできればずっと見てい
たいとそんな考えが頭をよぎったので ブンブンと振って追い出したそんな俺を 不思議な目で花岡は見ていたっ けだいぶ片付きましたねあ菅沼さんの お父さんとお母さんにご挨拶をしても よろしいですかああ ありがとう花岡のおかげであ片付き床が ちゃんと見えるようになったまだコツが 置いてある小さな仏壇の前そこには母の 写真と若し父の写真俺と母が映っている 写真もあった俺がロソに火を灯してどうぞ と座布団を進める花岡は先行を折り火を つつけると備えたいつも菅沼さんにはお 世話になっています菅沼さんがとても 優しくて頼りがいのある人に育ったのは あなたたちのおかげですこれからも菅沼 さん と最後の方は聞こえなかが多分一緒に働け たらとかそんな内容 だろうありがとうございましたそれじゃあ 私は帰りますねああ送るよ俺が上着に手を 伸ばすと花岡はそれを止めた大丈夫ですよ 割と近くに住んでるんで時間はまだ有国前 少し黄みがかったような色だが外は明るい この時間なら心配ないかと思い俺は花岡を 玄関まで送ったあ菅沼さん明日は暇ですか 暇ですよね私が決めました一緒にどこか 行き ましょう係り町がうまくやってくれたなら 明日も休みをもらえているはずだ俺は推し の強い花岡に苦笑しながら頷いたやった じゃあ迎えに行きますね車出しますんで デート行きましょう まるで嵐のように俺の心をかき乱して帰っ て行った花岡花岡は免許持っていたのか いやそれよりもデートってまあ多分方便だ と思うがそういえば過去にもいくつか ラブレター的なものはもらったことがある ただ学業が忙しくて全部断っていたなそう 考えると花岡が俺の初デートの相手になる のかふふじゃあ見切れにしないと な家族が亡くなった悲しみがほんの少し 薄れたような気がしたら腹の音がぐっと 鳴ったどうやら少し食欲も出てきたらしい 自分の腹ながら現金なやつ だ俺は少し早い夕食を作るため台所に立つ のだったそして夕食を取り隅に寄せてあっ たダンボールを移動させようと持ち上げる と赤い表紙の本が出てきたこれは日記 か俺のつぶやく声に答えるものは誰もい ない悪いとは思いつつページを開い た 良一ありがとうあなたが生まれた時本当に 嬉しかったのあなたのパパは俺にそっくり だっって言ってずっと離れなかったの
よいたんだな俺写真でしか知らない父に俺 はそっと感謝を心で 述べる涼一が初めてのお給料で温泉旅館に 連れて行ってくれたことがあったわねそこ で食べた神鍋はとても美味しかったわいつ かまた行きましょうね ああ甘みがあっておいしかったな身も ぎっしり詰まっていてあんな贅沢な飯は 初めてだったまた行こう あそうだったもう母 は俺は溢れ出る涙を拭いながら歯を食い しるまた行こうな 母さんいつ かどこか でそれだけ言うのがせ杯だったしかし ページが進むに従って字が歪んでいった この世界に1人俺を残してしまうことへの 謝罪ごめんなさい 涼一お母さんはあなたのお嫁さんと一緒に ショッピングとかしたかったな結婚式にも 出席して良一に今まで育ててくれて ありがとうって言われるのそしたら お母さん泣いちゃうなそれで孫とかにお ばあちゃんって呼ばれてねお父さんになっ た涼一に孫に甘すぎるって叱られる のごめん ね祝ってあげられなくてごめん ね結婚式に出席できなくてごめんね一が もっと素敵になっていく姿を見てあげられ なく て力の入らない手で必死に書いたの だろう文字は歪み 所々何か濡れたように滲んでいたごめん なさいまだ行きたい息子の成長していく姿 をもっと見ていたいと歪んだ文字で埋めれ たページを見て俺は号泣 するよかったな母さんもう苦しまなくて いいんだ よおえの中でそれだけつぶやくのが精一杯 だっ たこれは電話 番号次のページの隅に電話番号と名前が 書かれていた母さん まさか俺はフエル手で母の遺品である日記 のページをめくるそしてはなぜこんな生活 になったのかが書かれていたずっと言え なくてごめんなさいともなぜなぜ言って くれなかったんだこんなこんなことを今更 知ったってどうすればよかったんだ よ言われたところでどうしようもなかった 俺はアパートの畳に拳を打ち付けて同国 する真相を確かめるためスマホを取り出し て震える指で書いてあった電話番号を押す はい もしもしスコールした後酒とタバコで焼け
た老人の声が聞こえた少しだけかれて低い 声だっ た菅沼と申します先日母が亡くなりまして 遺品整理をしていた中であなたの連絡先を 見つけましたのでご連絡させていただき まし たそう か電話口の老人は少しだけ言葉を切った それはどこか小計ともう手に入らないもの を思い出しているようなそんな響きが感じ られたそして老人は語り出す5一時間 くらい話していただろう か電話を切った後も母親の日記にあった ことが真実だと知った俺はしばらく針して いたそしてゆるゆると動かない手を必死に 知ったし花岡に電話をして翌日のデートは キャンセルしたいことを告げた花岡はいつ になく真剣な俺の声を聞き納得してくれた 翌日は方針したまま1日中寝ていたそうし て老人から語られた真実を誰にも言うこと なく胸に秘めて数日が経った相変わらずの 嫌がらせは続いているそしてそれから花岡 を変わったりすることも日常半時だったが ある日のことだ今日は建築機会の紹介をし て欲しいってことで建設会社に行くんだ けど菅沼さんについてきてもらえると 嬉しいないいよ資料見せてチェックする から花岡は相変わらず俺になついてくれて いるデートをしたお詫びとして何度か ランチは奢らされたがかなり仲良くなった と思う少なくとも個人的にメッセージを やり取りするくらいに は俺は花岡が作成したプレゼン資料と商品 の紹介にそがないか 確かめるうんこれなら大丈夫運転は花岡 さんまち社用者の鍵はゲットしてあります ぜだんなこれで兵の果てまでレッツゴー ホム芝居がかった口調で社用者の鍵を指先 でくるくると回す花岡ただ1つだけ 突っ込むとしたらお前の家は地平の果てに あるのかと問いただしたいお前らだけでは 心配だ俺も行こう俺が立ち上がろうとした 時ヤギが声をあげた花岡は見るからに嫌 そうな顔をしていたが口に出すことはし なかったそして俺たちは無言のまま 建設会社に着いた大きくもなく小さくも ない会社だ受付で名前を記入し アポイントメントの確認をする俺と花岡 しかしやは無言でそのままエレベーターで 先に行ってしまった顔を見合わせる俺と 花岡失礼があってはいけないと受付の女性 に頭を下げてやぎを追ったエレベーターを こと数十秒俺たちは乗り込んだこのビルの 最上会5回のボタンを押す今日は社長自ら が話を聞いてくれるのだと花岡が
エレベーターの中で教えてくれたながやぎ が先に行ってしまったもしかしたら台無し になるかもしれないじりじりとした気持ち で目的の会に到着するのを待つそして エレベーターから降りて社長室横に併設さ れた大雪室に向かうとやの声が聞こえた 役立たずどもには任せておけませんでした からね俺が印刷代わりに来たってわけなん です よ俺と花岡は顔を 見合わせる勝者の課長と言っても相手は 取引先の社長そんな王兵な態度を取って いい相手ではないノックをして慌てて部屋 に 飛び込む座っているの横でヤがヘラヘラと 笑っていた遅かったな役立たずどもほら 資料よこせ全部買い取ってもらえるそうだ ヤギが花に手を差し出すまるで犬にお手を させるような動作だいやそれよりもなぜや はそして俺は1つの結論にたどり着い た どうぞ俺の思考は花岡の言葉で中断された が うんよくできているメリットデメリットも 分かりやすく書かれて好ましい な資料を読みうんうんと頷いている 聞き覚えのある社長の声やはりこの人は そうでしょ俺が1から育てあげたんです これくらいやってもらわないとヤギが ソファーにふんぞり帰っている言っておく がお前に育てられた経験はない花岡を見る と同じ気持ちだと言わんばかりに頷いてい た父さんこんな役立たずども使える人間に 育てたんだいい加減社長の座を俺に譲りな よ えやの声に花岡が驚いた声を あげるやはりそうだったのか社長の名前は やぎ義郎母の日記に記されていた人物俺が 頭を下げると長は重苦しくため息をつい たそうかでは新一郎は自分が役立たずと 馬鹿にしていた家族に命を救われたんだな あの時菅沼がいや菅沼君の父がいなければ お前はすでにこの世にいないというのに え苦しく言葉を吐くやぎ社長と半笑いの まま固まるやぎ課長そして俺はすでに聞い ていたが真相が山木社長の口から語られた 山羊課長は幼い頃転んだことが原因で脳 浸透を引き起こしたことがあったそうだ 当時やの母はうえた山羊社長は出張先にい たためすぐに駆けつけられない状況だった おしもその日は記録的なカパが到来大雪の せいで事故も多く発生しており者が出払っ ていて到着が遅くなると聞き山木社長は 近くに住んでいた菅沼夫妻の家に電話をし た山木社長と俺の父は過去やんちゃをして
いたらしくそれからずっと友人関係にあっ たそうだいや親友と言っても過言ではない そうしてタクシー会社の社長をしていた俺 の父は幼い山課長とやの母をタクシーで 病院まで送っていったただ深夜勤務の後 だった父は疲労もあったのか事故を起こし た雪にタイヤを取られたのだろう見通しの 悪いカーブに止まっていた車を避けようと したら崖から落ちた らしいそして父は帰らぬ人になったそして 父がワンマンで采配を振っていた会社は 引き継げる知識があるものが誰もいなかっ たため資金繰りにも困るようになり倒産 従業員に賃金と退職金を支払ったら家には 何もなくなった山木社長は赤ん坊の俺を 抱えた母に支援を申し出たが恩義を受けっ ぱなしなことを良しとしなかった母は山 社長から離れたそのまま連絡先も居場所も 伝えないまま10数年が経った菅沼君 大きくなったな幼い頃に俺がオムを変えた ことも抱き上げたら泣きはえて君の お父さんに叩かれたことも昨日のように 思い出せる山羊社長は涙を流しながら嬉し そうに声をふわせるそそんな俺がこんな やつの父親に命を救われた なんてヤギがうえて信じられないと言った 表情をするしかし山社長はそれを一括し たこんなやとは何事だ菅沼は昔から困って いる人に手を差し伸べるやだった本当の ヒーローだっただからお前も救われたんだ それを頭を打ったからとはいえ綺麗 さっぱり恩人のことを忘れおっ て聞けばやんちゃしている時悪い連中から 一緒に抜けようと山羊しちの手を引いて光 の中に戻らせたのが俺の父らしい父がい なければ今の山社長はいなかったと中学を 卒業してお互いに仕事をしながら会社の 社長となって競い合おうと約束をしたその 一心で必死に働いたそう だすみませんやぎが誰に向かってか何に 対してか分からない謝罪を口から絞り出し たそしてそのまま方針状態のやを置き去り にして俺と花岡は社長から契約を 取り付けるのだっ たやぎ社長いい人だった ねやぎ社長の会社を後にした俺たち花岡が 俺に明るく 話しかける1人足りないが言わなくても 分かるだろうああ俺も話を聞いて感じた俺 ももしかしたらと思っていたんだ山課長に 似ていたし名前もな電話では話したが いまいち確信が持てなかったあったら はっきりしたよそういえば引き抜きの話が 出ていたねだめだよ菅沼さんは私のもの じゃなんや私の専属なんだ
からブーブーとむくれる花岡なんとなく どんぐりをほったリスを連想させた俺は薬 と笑って花岡の頭を撫でるふわふわの 髪の毛が心地よい行かないよお前俺がい ないと致命的なミスをするし専属宣言され たしたまに思う花岡は案外独占欲が強いの ではないかとえいや専属ってのはほら言葉 のあ2本後難しいねはいはいじゃあ運転し てくださいな帰国市女 様変な発音で喋る花岡に俺は笑いながら 社用者のドアを開けようとするとそれを 引き止める声が響いた待ってくれ やぎ 課長息を切らして走ってきたヤギ父親と 話していたのでは俺と花岡が軽減な顔をし ていると目の前でがばりと頭を下げられた すまなかっ たいきなりの謝罪に俺たちの目が天になる 謝罪あのやが顔を見合わせる俺と 花岡だが顔をあげたやぎはいつもののよう な半笑いで人を見下した表情ではない何か を決意したような真剣な瞳だったそのまま 駐車場で話を聞く俺たちやぎは自身の父親 が中卒だと言われるのがコンプレックス だったらしいその反動で猛勉強して日本人 なら誰もが知っている大学へ入ったヤギ 幼い頃から父親を尊敬していたが自分が 学歴で追い抜いてしまっことで天狗になっ てしまった何より他の会社を立て直した 実績があったこれで父を超えたと増長した ヤギは学歴で劣る人間が何か別のものに 見えるようになってしまったと山木課長が やってきたこと今ここで俺たちに謝った くらいでは済まされないと思い ます今まで何人もの部下を僻地に飛ばした あるいはやめさせてきたやそれは到底許さ れることではないああだから俺は父の会社 で一職員として働かせてもらうことにした 1からやり直して罪滅ぼしになるかは 分からないが今まで迷惑をかけた人間に 1人1人許されるまで謝罪していく覚悟 だそう誓ったやの目は真剣だった確かに あのや社長のことだ息子が歪んでしまった 状態を良しとする性格ではないおそらく 相当辛い居の道を歩むことになる だろうわかりましたただ引き継ぎなどは しっかりお願いしますそれから困ったこと があれば言ってください話くらいは聞き ます菅沼さん花岡が驚いた声をあげる確か にあれほど迷惑をかけられた相手だ俺も 甘いが人に組んでもしょうがないからな 構成すると言うならいくらでも手を 差し伸べるべき だろう ありがとうヤギが再び頭を
下げるそして俺と花岡はキトに着いた本当 に良かったのかなあれで山木社長の血を 引いてるんだきっとなんとかなるよ花岡が 運転する車の中呟いた声に俺は返すそう いえばデートの約束をまだ果たしてなかっ たよね菅沼さんあ色々ゴタゴタしていた からだよわ忘れていたわけじゃないからな 俺が必死で弁名しているとちょうど赤信号 で止まった時にこちらを向いてニコリと 微笑まれた仏の顔もサーティ1なんだから ねそれは随分と完用な仏様なことでアイス でも供えすれば全部許してもらえそうだ そうして俺と花岡が付き合ったり花岡の 両親に挨拶に行った時に抱きしめられて 号泣されたり色々あったがこれはまあ機会 があればどこかで語ろうと [音楽] 思う絶対絶命のピンチというのはそう何度 も訪れるものではない人生で数回あれば すごい方だだが俺たちはなんとかピンチを くぐり抜けた先に再びピンチに行手を阻ま れ万事キスカという状況に追い込まれた 情報漏れですでにギリギリの状態で プレゼンに挑んだのに誰も話すことのでき ない言語で質問されて末野さんは固まって いる他の社員も英語ができるかどうか 怪しいライなので緊張感が漂っ た目立ちたくはなかったが俺は末野さん からしマイクを奪って前に立つ俺を見た 質問者は言葉を投げかけそれに返答すると 思わぬ出会いを引き寄せることになった俺 の名前は柏村翔吾39歳家族は高齢の両親 が地元に住んでいるくらいで妻や子供と いった家庭はないいわゆる独身だ仕事は ごく普通の サラリーマン大学を卒業してからはそれ なりの企業に務めていたのだがわけあって 今の会社に転職し落ち着くことにし た中途採用なのでヒシインスタートで特に 役職などの重要ポストについているわけで はないもちろん望めば課長程度にはなれた のかもしれないがポットでの俺がここの 会社で努力してきた人の出世を奪うわけに はいかないと思ったからだ出世するなら ここでしっかりと成績を残し周りの人が 認めてからがいいそう思い1からスタート を切ることになっ た俺の特技は資料を作ること昔から文章 作成能力だけは高かったと自負しており前 の会社でもプレゼン資料などを作れば 分かりやすいと好評だったそのためここの 会社でも自分の長所を生かしながら少し ずつ仕事に慣れていこうそう思ってい た柏村さんすみませんここ教えて ください額に汗を流しながら走ってきた
この男の名前は倉山 ひ34歳と俺より5つとししの同僚だ はっきりと言って倉山は仕事ができない ただ明るく元気でコミュニケーション能力 が高く 自分の間違いを言い訳することなく 飲み込んで謝ることのできる人だだから 会社でも嫌われることはなくむしろ年上の お姉様方に可いがられている方その分同性 の同僚からは適しされる場面もしばしば あるが本人は全く気にしていないようだっ たどうしたんだそんなに走っ ていやこの資料が英語ちょっと分かり にくいというかカ村さん英語できるって 聞いたからちょっと翻訳して欲しいんです よしょうがない なあそんなことを言いながら手伝ってあげ た頼られることに対して悪意気はしない むしろ自分の存在を認めてもらえてるよう な気がしてちょっとだけ嬉しかったの だ俺がこの会社に入ったのは今から ちょうど半年前 実はそれまで海外にいたのだいわゆる外資 刑企業のアメリカ死者に勤務していたのだ がそこでちょっとしたいこに巻き込まれた 俺自身は無関係だったのだが同僚同士の見 にくい胃争いに口を挟んだ結果濡れを着せ られ 左川日本死者に戻ってくることになったの だがそこでも後ろ指刺されることが分かっ ていて退職を決意した 他の会社がどうかは知らないがうちの会社 は特に出世レースが激しかった他人のこと なんてどうでもいいそんなことを考える ものばかりの職場だったためちょっとでも ライバルに祖が見つかると揚げ足取りを するそれが日常左半時だったの だそれにけが刺していたのでそろそろ転職 をと考えていたためある意味でちょうど 良かった 正直俺は独身で彼女もおらず地元で暮らし ている両親もお金はそれなりに持っていた のでしばらく仕事をしなくても大丈夫な 状況だった半年くらいはゆっくり過ごそう かそんな風に考えていたところ俺に声を かけてくれた人がいたそれが末の明りと いう 女性大学時代の先輩でとある中小企業で 課長候補だったキャリアウーマン だもしよかったらうちに来ない課長が今 年度で退職される関係で私が次の課長に 任命されたので席が1つ開くからどうか なっ て当時の俺はすぐの転職を考えていなかっ たそのため末野さんからの提案には即答
できなかっ た考えておき ますそうは言ったもののどうしてもすぐに 次の仕事を見つけなければならない出来事 に見舞われたうちの両親はこれまでお酒を ほとんど飲んだことがなくタバコも吸わ ない食生活も気にしていて糖尿病予備軍 だった母のことも考え父も一緒に甘いもの を控える生活を送っていただから暦を迎え ても2人は健康そのものだったしかし 末野さんと話をした1か月後父が濃梗塞で 倒れてしまっ たあまりにも急なことで母もショックを 受けて倒れ近所で付き合いのあった女性 から連絡が入ったの だ俺はすぐさま帰省して両親の様子を見に 行ったのだがあまり良くなかった父は とりあえず山を超えたしかし体に麻痺が 残って妖怪後状態ととなってしまったのだ 母も父のことが心配なのか食事も喉を通ら ないようで最後に会った時より10km 近く痩せこけてい たさすがに心配になった俺は一緒に 暮らそうと提案したのだが断られた俺には 俺の人生があるそう言われ て結局父は介護施設に入所することになり 母もゆくゆくは父と同じところに入所する ことになる だろうお金には余裕があったもののやはり 介護施設に入るとなると両親の貯金だけで は 心もとなここまで育ててもらった恩を今 解さしていつ返すというのだ俺はそう思い 両親の介護にかかるお金は全て自分が面 すると言ったもちろん自分の生活もあるの で半年ほどゆっくりという余裕はないそこ ですぐ末野さんに連絡を入れると社長に 掛け合ってくれたらしく翌月から働いて ほしいと言われたのだここまでが俺がこの 会社に中途でやってきた経緯 だ聞いてますか川村さんえああごめん聞い てなかっ たしっかりしてください よ山の声ではっと我に帰ったそうだった 資料の翻訳をお願いされていたのだった俺 は軽く目を通し簡単な日本語に直すその 様子を倉山は目を輝かせて見ていたそして 無事に資料の翻訳が終わる と助かりましたありがとうございますもし よかったらこれ どうぞと言ってよく分からないお店の クーポン券を手渡してきた俺は苦笑いをし つつもそれを受け取り財布にしまっ たさてそろそろ俺も自分の仕事に戻ら なければならない最近は国内外問わず業界
での競争が激しくいかにトップに踊り出る かが重要な時期でもあった単に前に出たら いいというわけでも ない相手の同 トップに出たものの真後ろで風をよけ ながら戦略を寝るというのも立派な戦い方 だうちの会社も先手を打つかそれとも周り の様子を探るかというし烈な情報線のまた 中にいたそのせいか最近オフィス内は ピリピリした空気と緊張感が漂っており ちょっとしたミスでも知名称という雰囲気 だった俺は長年その小さいミスが自分の足 を救うかもしれない職場にいたので大きな 失態を犯すことはなかっただがこの後あの 倉山がやらかしてしまうことになるとは誰 も想像していなかっ たある時末野さんがかの全員を集めて臨時 礼を開きとんでもないことを言い出し たこれから半年 海外でプレゼンをすることになる わもちろん日本の企業が何者も参戦して いかに有名な海外企業と定型を組めるかが 重要になってくるうちもそれに参戦して 少しでも上取引先を発掘しないといけない わ確かに最近はグローバル化が進んでいる 印象を受けるグローバル化を進めることで 生産性を飛躍的に向上させも同時に解決 できる海に囲まれた小さい島国にある日本 企業にとっては大きなメリットと言える だろう例えばだが企業がグローバル化を 目指して国際的な取り組みを積極的に行う としようすると技術や知識はもちろん人材 など様々な分野での活躍が見込まれるそれ に外国企業と国際的なつりを持つことで今 よりも仕事の効率がはかに上がることは火 を見るよりも明らかだだからどこの企業も こぞってグローバル化を図りグローバル 社会で活躍できる人材は重宝さ れる最近日本の義務教育過程で英語や プログラミングに力を入れているのはそう いった背景があるからだろうまた国際的な 経済問題は一国で解決できるわけではない お互いが協力し手を取り合うことで解決へ つながるの だこういった経済の活性化や経済問題の 解決というのがグローバル化を進める上で 1番のメリットだと言えるただ雇用の損失 や文化の違いでの衝突などデメリットの面 もあるがそれをいかに工夫していくかが 企業の課題だ俺がそんなことを考えいと 倉山が小声で話しかけてき たこれ俺が取ってきた案件なんです よそれには驚い た聞くとたまたま道で倒れた外国人を倉山 が救護したそうだ倉山は都会生まれ都会
育ちだったため車の免許を取っておらず 最近彼女に言われてようやく忙しい間をっ て自動学校に通い始めた らしいその時に救急救命講師を受けていた という関係や都市の離れた姉が看護師を やっているということから応急処置の基礎 は心得ていたそうだすぐさ救急者とAED を手配しその外国人の命を救って消防から 表彰されたと自慢していたのはつい先日の こと実はその助けた外国人が海外有名企業 の用人だったらしく倉山に今度のプレゼン 大会に出てみてはどうかと誘ってきたそう だこのようなチャンスは2度と訪れない だろうそう思った倉山はすぐさま社長に 報告し社長ものりのりで案件を受けること を了承したそれでこのようなことになった のかと納得する倉山が褒めて欲しそうな顔 でこちらを見ていたの でさすが倉山だなお前の正義が会社に 大きな恩恵を与えたんだと思うよと言うと 鼻息を荒くしてでしょ俺だってやれば できるんですよと言いながら堂々と胸を 張っていたもちろんこの後死後をするなと 末野さんに注意されて謝っていた がさてこれから忙しくなるぞそう思って 色々と準備を進めていた俺たちだがその日 を迎える直前に絶望のどん底に突き落とさ れ たう嘘でしょううちにそんなことができる わけないじゃ ないプレゼン大会の数日前から前入りで 渡米していた俺たちだったが前前日の夜に なってある問題が浮上した末野さんが電話 で誰かと高論を繰り広げていたため電話を 切ったのを確認してどうしたのかと問うと 驚きの事実を告げられ た今回のプレゼン最低でも3カ国ベストは ご加国語でプレゼをすることが条件って 日本だけじゃなくて他の国もアメリカの大 企業と契約を結ぼうと必死なのは知って いるわよね ええもちろん だからなのようちみたいな日本語英語だけ のプレゼなんてしたら当然相手にされない お隣の国ですら英語をはめとするご加国後 でプレゼンするらしいのよどうしよう私は 英語しかできないの にどうやら案件を取ってきた倉山は用人が 話していた条件をうまく聞き取れず適当に 返事をしてしまった らしい今になって本社の人間がそんな うまい話あるだろうかと調べたところ今回 の事実が発覚した俺も変だとは思っていた うちのような中小企業が参加できるような 規模の大会ではないそこで考えられること
はただ1つ倉山がその用人に名刺を渡した と言っていたがそれを見たその人がうちと もう1つ似た名前を持つ大企業と勘違いし たのではないかあちらの企業なら英語の他 に中国語やドイツ語フランス語などを操る 人が所属していてもおかしくないやはり俺 たちは招かれざる存在だったの だどうしたものかと末野さんは頭を抱える ここに来て辞退をすると日本の印象が悪く なってしまうだろうそれに本社からも絶対 に逃げ出すなと圧をかけられてしまった らしくまさに排水の陣だっ たもちろんこの話はすでに倉山に連絡した らしく真っ青になって謝ってきた らしいだが倉山はあくまでも会社のためを 持ってこの案件を持ってきたから責める わけにもいかないそれは末野さんもよく 分かっていたらしく彼を咎めるようなこと はしなかったそうだただプレゼンはもう 明後日に迫っているというのに英語と日本 語の資料しか作成できていないみんなで 手分けすればある程度作り直しはできる だろうがご加国語の資料を作ることは容易 ではない だろう同じ大学だから知っていると思う けど私ドイツ語は若干できるのだからなん とかして 英語日本語ドイツ語でのプレゼンで押し 切ろうと 思う本当は日本語以外の言語で3か国語に するのがベストなんだろうけどこればかり はもうどうしようもない わ末野さんの判断は正しいと思うただ 負け戦をしに行くようなものだ恥を書くの は俺たちだけでなく他に参加している日本 企業にも迷惑がかかってしまう それだけは絶対に避けたかったいくら国内 でのライバル的立ち位置にいたとしても今 ここでは仲間のようなものだどこかの企業 が失敗をしてしまえばその国から参加して いる別の企業も同等のレベルだと勘違いさ れてしまうだろうそうなれば国内での立ち 位置も怪しくなりかねない悩みに悩んだ末 俺はこう言っ た僕がやります基本的には5カ国以上が 1番いいんですよね えそそうだけどなら日本語英語中国語 ドイツ語ロシア語で行きましょう えむ無茶よ誰がそんな 言語一瞬の沈黙が流れた確かに何も知ら ない人からすれば無謀な提案にしか見え ないだがそろそろ俺の正体を明かすべき時 が来たのだと思っ た僕は日本語を初めとするご加国語を話せ ますもちろん日常会話以上のレベルです僕
はドイツ語以外の資料を何とかするので 末野さんと他の皆さんで手分けしてドイツ 語をお願いし ます今は時間がない論しているような暇が あるなら今すぐにでも作業に取りかかった 方がいいだろうそれを課長として末野さん もよく分かっているらしくそれ以上俺に 何か言及するようなことはしなかっ た力強く頷いた末野さんはあちこちに連絡 を入れているおそらく死者に残っている人 はもちろん圧をかけてくる本者にも協力を 仰ぐのだろうここは末野さんに任せては 一刻も早く他の言語での資料を作成し なければなら ない電話をしながら指示をしている末野 さんに軽く釈をした後俺はキスを返して 地質へと戻っ たすぐさまパソコンを立ち上げるああ なんて久しぶりなのだろう日本に戻ってき てからは基本的に日本語で生活していたし 触れることがあっても英語くらいだった それが今になってそれ以外の言語に触れる 機会が訪れるとは明てのプレゼンまでと いう制限時間があり焦りもあったがそれ 以上にワクワクが上回っていたやはり俺は この緊張感こそ自分を高めるための材料だ と改めて思わされたやるしかないやら なければならないそう自分をこぶしデルマ も惜しんでパソコンとニめっこしてい た途中何度かくじけそうになったがここ まで来た以上もう引き返すことはできない ししたくはなかっ たそうして仲間たちと協力し手分けして 作業をした結果無事に当日の発表数時間前 までに資料が完成したのだ倉山は泣き ながら感謝を伝えてき たかか村さん本当にありがとうございまし た俺が身のほどわきまえて断ったらよかっ たのにって後悔したけど本当に本当に ありがとうござい ますみともないから泣くなよほら彼女が プレゼントしてくれたスーツが鼻水で汚れ てるぞすみませ ん倉山を慰めた後数時間の仮眠を取って 目覚めたらなんだか気持ちがすっきりして いたこれならいいプレゼができそう だ気合を入れ直し俺たちは顔を見合わせて 強く頷い た資料の準備は万端基本的にアメリカ企業 に向けてのプレゼンとなるためこの業界で 20年以上の経験を有する末野さんが プレゼンをすることになっ た緊張していると言っていたが彼女はこう いう場面に滅法強い英語は堪能でドイツ語 が少しでも話せるなら問題ないだろうあと
は俺が別の言語で少しずつフォローを 入れれば失態だけは免れるはずそう思って いたのにえ えっと末野さんは言葉に詰まってしまった 他の社員たちは動揺し全員質問者の言葉を 理解できていない相手はアラビア語で質問 をしてきたのだ日本の小さい企業に アラビア語を理解できる社員がどれほど いるだろうかそんなことこのような場では 関係ないのだ相手はただ自分の国の言語で 質問しているだけにすぎないそれでも全員 アラビア語を理解できずに硬直し再び絶対 絶命のピンチに陥ってしまった 俺はこういった国際的な場で目立ちたくは なかったもしかしたらあの人に出会うかも しれない からそれでも自分のことより会社の仲間 たちの方が優先度がはるかに高く俺は ゆっくり立ち上がって末野さんからマイク を奪っ た突然のことに末野さんは反応できず ただただ俺の動を見守るしか 様倉山も俺が何をしようとしているのか 舞台袖から心配そうに見詰めてい た俺は息を吸い込みアラビア語での質問に 対する返答をした途端に会場内がどよめき 出す俺たちがプレゼンをする前にも数社 ほど日本の大企業が発表をしていただが どこの企業の人もアラビア語での対応に 苦労しており片言での返事しかできてい なかっ たそれでもこの質問者がアラビア語で質問 をするのは俺たちを試していたからだろう アメリカ企業との連携ばかりを狙う国々に もっと周りを見ろという忠告を兼ねている のだと思うだが俺の悠長のアラビア語を 聞いて質問者は絶賛の拍手を送ったどうし てそこまで上手に話せるのかとも聞かれ ため幼い頃エジプトに滞在していた頃が ありましたうちの父はエジプト文明の考古 学研究者でしてそれで数年ほどアラビア県 にいたのである程度は話せますと答えた 質問者は満足げに頷き座ると横にいた秘書 らし人に何かを伝えていた最後は完全に俺 のアドリブでなんとか乗り切る形とはなっ たが後に車内では神プレゼンと呼ばれる ようになったそれを俺が知るのはもう少し 後の話になる がこうして南極を何とか乗り切って舞台を 降りると末野さんがその場にへたり込んで しまっ た緊張しないタイプとはいえ最後の最後で アラビア語での質問は結構焦ったのだろう 俺は舞台袖から他の企業のプレゼを聞いて いたのでアラビア語での質問があることを
分かっていただが直前になってバタバタし ていたから末野さんは他の企業のプレゼン を聞かずひたすら発表の練習を繰り返して い た俺もこのことを伝えたら良かったのだが 集中している末野さんに話しかけるのは どうかと思い黙っていたいざとなれば アラビア語が話せる俺が前に出たらいい そのつもりでいたのである程度心にゆりは あったのだそうでなければあのような アドリブはできなかっただろう改めて俺 たちが他の日本企業の後のプレゼンで 良かったと思え たひとまずみんな緊張が解けてその場で 断捨し俺の元に駆け寄ってきては最後の アドリブについて褒めたえてくれた実際の 質問内容は大したことはない俺でも答え られる範囲の内容であったため末野さんが アラビア語に成通していたらもっと 素晴らしい回答ができていただろうそれ だけが少し心残りではあったが相手は満足 していたので結果往来だすると後ろの方 から足音が聞こえてきたかと思う と正吾久しぶりだ なあとアラビア語で声をかけられた 懐かしいその声に俺は無意識に 振り返るそこに立っていたのは幼き頃に中 互いで絶縁したはずの元親友花巻たるの姿 があっ たたるお前どうしてここ に俺が日本語で質問するとたるは少し考え た後ああ悪い悪いあっちでの暮らしが長く てつい日本語で話すってことを忘れていた よお前さっきうちの社長に絶賛されていた だろうと日本語で言ったその言葉に末野 さんが反応 するあなたはまさか花巻たるさんあの エジプトで1番の大企業に勤めている唯一 の日本人で室長を任されてい るってどうやら俺が知らないだけでたるは かなり有名な人物のようだった今末野さん が言った通りたるは先ほど俺たちに質問を 投げかけてきた人の会社に所属している 唯一の日本人で重要なポストについている らしいどうやら先ほど社長が秘書らし人に 声をかけそこからたるに連絡が行き同じ 日本人として交渉をしてこいと言われ たそう 何をと思っているとたは思わぬ話を あっさりと切り出し たうちは今回ひっそりと主催者側として 参加していたんだよ大体はアメリカ企業の ためにプレゼン資料を用意し他の言語は 使用者の多い中国語やヒンディ語あとは 有名どを使っていたよななかなかアラビア
語でプレゼする企業がいなくて残念だった よただうちの社長は日本の技術力と人柄の 良さを買っているだから見込みのある日本 企業があれば声をかけるつもりでいたん だつまりたるの話を要約するとうちと企業 官定形を結びたいということであっ たこれには俺も驚いて言葉を失って しまう正直俺たちの会社のベではアメリカ 企業の目にも止まらなかっただろう実際 手応えはあまりなかったなんとか乗り切り 日本の恥だと言われるのを回避した程度の プレゼンだったため収穫はないまま帰還 するだろうと誰しもが思っていたそこに 思わぬ話が舞い込んできたものだから倉山 を始めとする社員たちは 大喜び末野さんはすぐさま本社に連絡を 入れれると言ってた去るするとたるは顎で くいっと合図をし俺は断りを入れてから その場を離れてたると2人になれる場所に 移動し たプレゼが始まったのはお昼を少し過ぎた 辺りですっかり日は落ちて月が顔を覗かせ て いる夕暮れ時の少し深い青と月の色が 美しいコントラストをなしていたたるは俺 に缶コーヒーを手渡しベンチに座って ゆっくりと話しだし たお前と会うの12歳の時以来だないや 11歳 かそうだな中学に入る前くらい だろ元気にしてた か まあそれ以上の会話は続かないお互いどう 話したらいいのか分からなかったから だビジネスの場となればお互いの立場を 分かった上で話をするので昔の関係なんて 特に弊害にはならないだが今ここにいるの はただ1人の人間カ村翔吾と花巻たると いう存在 だ俺たちは昔エジプトで出会って同じ日本 人同じ年齢ということで息統合し仲良く 遊んでいたただ俺の父親が日本に帰る直前 にたるとは些細なことから大きな言い争い に発展しそのまま仲互いして別れてしまっ た今思えば本当にしょうもないこと だシアとはうまくいったの かおかげ様で今は娘と息子もいるよそうな ん だシアとは俺が小さい頃に片思いをしてい たイギリスの女性で長いブロンドヘアに海 のように深く鮮やかなブルーの瞳が特徴的 な子だった残念ながら彼女はたるを選ん だまだ幼なかった俺は自分の方が先に彼女 と出会って好きだったのにどうしてたるが と争心を燃やしていたのだと
思うたるも彼女には行為を寄せていたが 俺とも有効的な関係を気づきたいと 歩み寄ってくれたそれを拒否したのは俺だ 2度とお前の顔なんて見たくないそう 言い捨て振り返ることなく飛行機に 乗り込んだことを今でもよく覚えて いる同じエジプト文明の考古学者の子供と して生まれた俺たち3人だがあのような形 で絶縁してしまったことは大人になった今 でも後悔して それなのにまさかこのような場でたると 再開するとは思わなかった がしばらくお互い何も喋らずに沈黙が流れ ていたがふとたるがこんなことを言っ た俺さずっと後悔していたん だもっと別の方法で寄り添えば大事な友達 を失わずに住んだのにって視野も同じ 気持ちだったよお前の気持ちに気づけ なかった自分の配慮のなさを呪って るってそんなことない俺が行けなかったん だ俺が2人に顔を背けて日本に戻ったから 俺がもっと2人の気持ちを大切にできたら こんなことにはならなかっ た気づけば俺は泣いていた俺が今の会社に 転職する前は通訳の仕事をしていたそれは 心のどこかで2人に会えるかもという 気持ちがあった から父親は考古学者で母親は通訳者の家庭 に生まれた俺はほとんどの時間を日本で 過ごさず海外で過ごしてき た日本語は両親が純粋な日本人だから 話せるし他の言語は滞在していた国だった ため日常会話ならどってことない特に エジプトにいた期間が長かったため アラビア語は堪能だっ たたると別れた後日本に一時帰国したが すぐ父親の仕事の関係で渡米することに なったそうしてアメリカの高校卒業した後 俺は日本に戻った大学は日本の大学に進学 しそこで末野さんと出会ったのだ変な目で 見られて注目を集めるのが嫌だった俺は 学生時代平凡な成績をキープして中途半端 な成績で卒業し たそれを末野さんも知っていたためまさか 俺がご家国後を操るポリグロットとは思い もしなかったの だろう通訳として世界中をあちこちし アメリカ企業に落ち着いたのはいいが無駄 な派閥争いに巻き込まれて日本の小さい 会社に転職したそれがこれまでの俺の人生 だ もうたると出会うこともないだろうそんな 風に思っていたのにまさかこのような機会 が訪れるなんてなんだか考え深くなり俺と たるはやはり見えない絆で結ばれているの
ではないかと思え た俺の涙を上書きするように突然の雨が俺 たちに 降り注ぐ声がしたので顔をあげると同じく 頬に涙なのか雨なのかわからないがたるも 目からしくを垂らしてい た俺はあの時お前の言葉には返事をしてい ないだからあれはお前の一方的な宣言で俺 はお前に会う資格があるとずっと思ってい たそれでもお前の顔を見ると一瞬足が 止まったのも事実だよ怖かったけど俺は もう一度お前と腹を割って話したかったん だそう言ってたるは俺の肩を優しくこい た俺の中にあったモヤモヤが晴れ心地の 良い風が吹いているような感覚だった同時 に通り雨も過ぎ去りまるで俺たちの心境を 表しているかのような見事な星空が顔を 出したのであっ たそれから数日後俺たちは無事に帰国した 一時期は本当にどうなるかと思ったのだが 無事にたるが所属しているエジプト企業と の取引を持って帰れて社長も満足していた これから忙しくなるぞ倉山も気合いを 入れ直し相変わらず俺の元に質問に来てい た柏村さんここです がこんなの中学英語のレベルだぞまずは 自分で考えてそれでも分からなかったが 周りを頼るんだううそうですよねいつまで もカ村さんにばかり頼ってちゃだめですよ ね俺が軽くあうと倉山はすぐさま状況を 受け入れて自分で調べ始めた電子辞書や スマホの検索ではなくて英語時点を 引っ張り出しているのがまた倉山らしいと 言えばそうだ がそんな様子を見ながら末野さんが クスクス笑っ た徐々にオフィスは落ち着きを取り戻して いるそろそろ切り出してもいい頃だと思っ て俺は末野さんに自分の考えを話し た短い間でしたがこの会社を去ろうと思い ますその言葉に末野さんは一瞬目を丸くし たがすぐにいつものような様子に戻りこう 言った そう言うんじゃないかと思ったの学生時代 平平ボンボンなあなたがご家国語話せ るって聞いてびっくりしてさ時間がある時 サークルの後輩だったあなたの同級生に 連絡したのよそしたらあなたは高校まで 海外の学校を出ていたって知ってねどうし て言わなかったのこれまで通訳としても 活躍していたそうだしあなたなら課長の ポストくらい その言葉に俺は首を横に振った最初にも 言ったが課長の座が約束されていた末野 さんの出世を奪ってまで自分がその座に
着きたいとは思っていなかったから だそれに俺はし烈な出世レースから 遠ざかるために転職をしたので正直小心に 興味がないある程度稼げれば両親への援助 はできるし自分はので家族を養う義務も ないだから家庭を持っている人や自分を 高めたい人が俺を踏み台にしたらいいそう 思ってい ただけど考えが変わったんですたると一緒 に会社を起こすあの後彼とはそう約束した んですだから僕はこの会社を去りエジプト に向かい ます俺は決心を固めていた 誰が何と言おうともう1度たるとやり直し たいその一心だったのだすると末野さんは 考えるそぶりすら見せず柔らかな笑を 浮かべ て分かったわあなたの新たな挑戦をここ から応援してると言って背中を押してくれ たのだっ たそれからしばらくして俺は会社を正式に 退職した後荷造りをしてエジプトに立つ ため空港にいた施設に入っている父のこと は介護師さんやケアマネージャーさんに 任せているお金もまとまった金額を母に 預けたので大丈夫 だろう心配ではあったものの俺が日本を 立つことを聞いた母は笑ってこう言っ た1度きりの人生なのだから好きに行き なさい とそれまで父のことで頭がいっぱいで元気 のなかった母だが俺の話を聞いてから少し だけ以前のような活力を取り戻してい たそれは父も同じで思い入れのある エジプトで俺がたると共に起業すると聞い た途端嬉しがっていた両親とも俺がたると ミレンの残る別れ方をしたのをずっと気に かけていた らしいだからこそ俺の選択を心より喜び 尊重し見送る決断をしてくれ たもちろん念に数回ほど時間を作って日本 に戻ろうとは思って いる本当は向こうで一緒に暮らすのが1番 なのだが安全面を考慮すると日本にいて くれた方がいい だろう日本の介護士は優秀な人が多い俺が 面倒を見るより信頼できるそして俺をに来 た末野さんをはめとするあの会社の メンバーたちから敷とプレゼントを 受け取っ たあなた食生活が乱れているのよいっつも 昼食はおかしだったじゃない学生の時から そうなんでしょ全くもうこれでちゃんと 栄養取り なさいこんな時にそんな心配をして栄養
ドリンクを渡してくる末野さんには笑わさ れたまたの別れというわけでもないのに 倉山はワンワンと泣い てあのカ村さん俺志村さんみたいなすごい 人と知り合いになれて誇らしいですあっち に行っても俺のこと忘れないで くださいと涙ながらに告げられてしまっ たまた帰ってくるさその時はこの店に一緒 にご飯でも食べに 行こういつの日か倉山が礼2とくれた謎の 店のクーポン券をヒラヒラと見せるすると 倉山はより一層大きな声で泣い た一緒についてきてくれた倉山の彼女さん はまたスーツを涙と花水でぐしょぐしょに している彼氏を 小く何も変わらない光景ただ生きる血が 違うというだけでみんな見上げる空の色は 同じだどこから見ても青色の空を眺め夜は 同じ月を見上げるそれだけで俺たちは ずっと繋がっているそう思えたの だそれじゃあ皆さんお元気 でそう言って俺はスーツケースを手に保安 検査場に向かうみんながエールを送って くれる中わずかに聞こえてき たあっちでも元気でね好きだったよ勝村君 末野さんが何か言ったように感じたが他の 音も入り混じってよく聞こえなかったまた 今度連絡して何を言ったのか聞いて みよう俺の人生の歯車はゆっくりと動き 出し新たなる道を進み始めたのだった ああここは中卒が来る場所じゃないぞ小い 清掃員が堂々とうろうろするなよ 大都心のオフィスの ラウンジ少し派手めのスーツを着こなし嫌 みっぽい薄笑いを浮かべな癖つけてきた男 は中学時代の同級生石山直だった タブレットを片手に持ちながらもう一方の 手にはテイクアウトの コーヒーミルからにこのオフィスで働く そこそこ役職のある社員だと分かる人を 見下す態度やいちいち突っかかってくる ところはあの頃と全く変わってい ない話を聞いてたんならさっさと壁際の すみっこに身を 潜める何の嫌嫌があってそんなこと言っ てるんだい石山は軽減な顔を俺に向けたか と思ったら急にドヤ顔でとんでもないこと をしてきた俺はここの証券会社の課長な わけだからここの風呂は一体は俺の領事で もあるせいんだろうがゴキブだろうが俺に は出入りを許可する権限があるんだ よ石山がそう言うやいなや司会は一瞬何か に遮られたバシ あほら早く掃除しろよ バイト石山は片手に持っていたコーヒーを
俺にぶっかけたのだ 首ねお前はゴキブが何言ってん の中学時代の俺は石山にとっては確かに ゴキブのような存在だったあの頃は ただただ奴の好き勝手に言われるがままさ れるがままだったからしかし今は違う俺が ここに至るまで 過去あの頃の俺には想像もできない出来事 が目し生を変えていったそんな俺の過去を 少し振り返って みよう俺は父親の記憶というのがうっすら としか残っていない俺が5歳の時に遠くに 行ってしまったと母から聞いていた遠くに 行ってしまったという言い方で父が多した のだと悟ったただ腑に落ちないのは父の 葬儀の記憶が何もないことだ 精神的にショックを受けすぎて記憶でも 失ったのだろうか思い出そうとするには5 歳という年齢は若すぎ た父がいた頃の思い出といえばクリスマス になるとたくさんの親戚が家に来て プレゼントシャワーだと言って俺が抱え きれないほどのプレゼントをくれたこと テーブルには甘いカラフルなお菓子が並び 真ん中には大きな鳥の丸焼きが置いてあっ た小学校に上がったばかりの頃ふとあの カラフルなお菓子を思い出し同じものを 探したことがあったがどのお店に行ってみ ても見当たらなかっ た何でも流通する世の中になった頃それが 外国のお菓子だったということを知っ た俺にとって父の思い出は何かをした 思い出というより周りにあったものばかり がノりに焼きついてどんな人だったのかは 全く覚えていない母は写真すら飾らないの で父の記憶は限りなくゼロになってしまっ た俺は小学校に上がる前に遠くへ引っ越し をしたらしいおそらく父がいなくなって からのことでそれが原因だったかは分から ない飛行機に乗ったとは覚えているが 細かいことは覚えていない母に尋ねてみて も忘れちゃったわと言われるだけだった小 学校に上がった俺は嫌というほど母子家庭 であることを思い知らされた産官に来る 父親運動会に夫婦で観覧に来る家庭同級生 たちの父の日の絵家族の絵 作分みんなが持っているのにうちだけが 持っていない 存在学校で何か行事があるたびに俺には 父親がいないのだと実感するのだっ た嫌みを言うやもいたお前にち母子家庭な んだって と星家庭ね意味分かってる気にせず堂々と 対応すると連中は必ず見下した返しをする 貧乏
ことだろうと我が家は母子家庭でも貧乏と いうわけではなかった裕福とはほど遠い 生活だったが生活に困ったことがないから だ母は正社員で働いていたので給料は そこそこもらっていたようだそれでも慎重 な母は今後の備えにと口癖のように節約し た服はいつもボロボロに穴が開いたり 破れるか中が七になるほどサイズアウト するかそこまでにならないと慎重してくれ なかった忙しくて買いに行けなかったのも ある がそういう事情でボロ服ばかり来ていた俺 が周りからビボだと言われるのも仕方が ない母の険悪ぶりは相当だったので俺たち が住んでいたのはまさにボロアパート軽じ てお風呂つきの部屋だったが隙間がひどく 冬のよく質はまるで屋外古い岩式だった せいかシャワーの水が温かくなるのに時間 を用した母はコスパが悪いと言って早々に 家の風呂を見限り戦闘がいにシフトお湯に なるまでの水道台とガス台が戦闘台より 高くつくとリロ生前と語る母さらに近所の 戦闘には回数権があり2回分無料で利用 できるのもいい お風呂掃除しなくて済むしねと言い戦闘の 出費は合理的だと判断し た週に1度だけ牛乳を買ってくれたそれが とても嬉しかった俺のことを大事に思って くれていると感じられた からそういえば食べるものだけは十分に 与えてくれていた気がする溢れるほどの 料理が並ぶ食卓で毎日腹いっぱいご飯を 食べていた給食費の滞納も1度もないし 支払い関係での遅れもないランドセルも 買ってもらえたし修学旅行にも行けた生活 は貧しい方に寄っていたけど自分は恵まれ ていると感じられた度々からかってくる 同級生はいた がこいつは母ちゃんと戦闘行ってるんだぜ 家にに風呂ないのかよど貧乏じゃん俺は どうでもいい戯れ言は無視を決め込むそう するとますます貧乏のレッテルがついた それでも構わなかった母との生活は 楽しかった から小学生時代を貧乏と言われて過ごし 中学でもそれを継承することに小学校の時 は一部がからかってくるだけで特に実害も なく過ごせていたのだが学に入るとそれが ガラっと変わってしまっ たあいつのせい で石山直俺をゴキブ扱いする嫌なやつ石山 とは中学入学から3年間同じクラスで奴と の因縁は入学初日から始まった教室の席順 は出席番号順に並んでおり石山が3番俺が 4番の順石山は席についていても落ち着き
がなく椅子を斜めに揺らしながら座り俺の 机に肘を置くその体勢で遠くの席の自分の 友達と大声で会話を 繰り広げるお前さ小学校の時のあだ名また 使っ ていやそれは ちょっとなる ちゃん石山が叫ぶと周りのクラスメート たちはクスクス笑い始め言われた子を俯い たなるちゃんは小6の時にカにお人形を 入れてきまし た聞かれてもいないのにあだ名の由来を 語りだす目立ちたがりやお人形の名前は メルちゃんでこいつの名前はなるきだから なるちゃん ねクラス中がなるほどというような態度で 今度はは声に出して笑い出すああれは妹が 勝手に俺のカに入れて気づかないで学校に 来ちゃったからはい わか後からならなんとでも言い ます気まずそにしているナルキを見て俺は 苛立ちが頂点に達し た俺の席に肘を置くのやめてくれるあとさ 嫌がってるよね友達 入学早々石山やクラスの雰囲気に俺が感じ たのは不そのもはお前誰どしから来た うん石山は俺の学welをまじまじと見て さっきまで怒っていたのに急に うわる学どこで買ったの古く念でもしたの か な品に身よに母が立てたものの確かに俺の 学は下がり母の職場の人の息子さんの制服 をいだきボタンを新品に付け替えただけ 体操儀で過ごすことが多い息子さんだった ようで制服の状態はとても良くほぼ新品 同様だった古臭いと言われた要因は おそらく記事だろう今年から制服記事が 変わったの 前年度まではウール100%だっったのが 今年から選択可能な記事に変更になった 新旧どちらを着ても学校としては問題ない が見た目や艶感が少し違って見えて しまうウール100で品質は君のよりいい ものだよ上質なものは長持ちするからね 確かにお下がりを着てるけど馬鹿にされる 覚えはない な石山はマウントを取られたと勘違いし彼 のプライドを傷つけた俺を適しこれが各室 の始まりとなったのだっ た石山は俺の貧乏要素を見つけては攻撃し てくるようになるその頃母は残業で夜遅く まで働いていたので中学時代の弁当はいつ も勾配のパンだった石山はそんなことにも 目をつけてからかってくるあと貧乏君は 今日もパンですか割引きシールついてない
けど買金あった な俺はひたすら無視を決め込み石山は俺の 席の机の足を蹴っていく石山はクラスでは ボス的存在で周りは皆彼に追従した小学校 の時は多少からかわれる程度だったのが 中学になると毎日貧乏と言われ見下された なあ貧乏貧乏って4文字使うのも面倒だ からお前今から号き な名前ではなく俺を貧乏と呼んでいた 石山くだらなすぎて無視をして放っておい たのだがごきの意味分かる 人そうごき 正解クラス10が新しくけられた俺のに 笑い声をあげた中にはやめなようと止める ものもいたがうるさいと言われ黙って しまうこんなことに付き合っていられない ので言われるがまま放っておいたその 繰り返しの3年間だったが中3の夏急に 降りかかってきた 不幸ずっと働き盛りだった母が突然倒れた 幸い命に関わるほど重症化はしていないが 一生の病を抱えることになってしまった 母過労が原因だったのだろう母は糖尿病に なってしまっ た1ヶ月入院しての治療生活を経て隊員後 は病気と付き合いながらの 人生食事前後で血糖地を調べ食前に インスリン注射を打つ日々急な低血糖に 備えて武道刀のタブレットを持ち歩く日々 母はコンサルタント会社の営業として あちこち飛び回りながら仕事をしていたが そういう働き方ができなくなり総務部へ 移動し事務職へ変わっ た加減を忘れてたわねでも大丈夫お給料は 十分稼いたから事務職の給料でも生活は何 も変わらないから ね母は病で俺を安心させようと元気に 振る舞ったしかし事務職すらできない事態 と なるアメリカの大手投資銀行が経営破綻し 世界的金融危機が訪れたのだ母の務める コンサルタント会社は外し系でその煽りを もに受けてしまい大規模なリストラをよぎ なくされ母は状況を読んで自ら退職願いを 出し た自主退職だと退職金を倍笑え るっていうか今までの蓄えもあるから 大丈夫 退院して復帰しようという時期に起きた 不興の波母はいつもの強い笑顔で俺が逆に 励まされてしまっ た俺はこの時痛感した今までどれだけ母 からから元気をもらってきたか父がいなく なって女で1つで働きながら俺を育てるの はものすごい苦労だったと
思うそれでも母は岩根を吐いたことなど なく険悪すら合理性を追求し楽しんでいる ようだった恵まれていると感じられる くらいお腹いっぱいご飯を食べさせてくれ た母がいつも元気だったのでそれが普通な のだと思い込んでい たこんな状況でも笑いながら俺を励ます母 を見て気づいてしまったんだ母は常に大路 を立たれた状態だったのだと頑張るしか道 がなかったの だ今までの自分の甘さを知った俺は決意を 固める次は俺が母の役割と交代しよ 季節は紅葉が街路を 彩り頬が冷たく刺す風は秋の終わりを 告げる冬が近づこうとしていたつまり高校 受験が目前に迫っているという こと俺は高校には進学せず働くつもりだ 学校のことは何にも心配いらないよ学保険 にも入ってるし貯金もあるしそのために ケチケチやってたんだから弘樹の心配する ことなんてない よ俺の決意を察ししたかのように母は進学 を進めてきた母さんはこれからは通院生活 になるだろう今度は俺が働くから治療に 専念し て高校へは行かない意思を示すと母は怖い 顔をして選んでき た母さんの話聞いてたお金はあるって言っ たでしょう大学まで卒業しておけばその後 いくらでも稼げるんだからそうなったら 恩返しでも何でもしてちょうだい治療に 千年も何もたまに検査して食前に駐車する だけだし外で働けないほど重症じゃないの 母さんの糖尿 は母さんにすごまれたがそんなことで 引き下がる俺ではない俺が働きたいんだよ 学校なんて嫌なやしかいないいさ何あんた 学校で嫌なことでもあるのうそうじゃなく て幼稚な奴が多いから独学した方がまし って ことふ石山のことを思い出してしまったが あいつのことは全く関係ないどうせ高校も 違うところを受けるだろうし中学卒業と共 に顔を見ることもなくなるだろう母が変な りをしてきたので一旦話を中断した俺は母 に内緒で学校の担任の先生と就職の方向で 話を進めた先生も色々と就職先などの アドバイスをくれたものの原俺もお前の お母さんと同じ意見だ成績がいいから希望 の学校に行けるだろう今すぐ生活の支えが 必要というのでなければ将来学費を お母さんに返せばいいその方が親高校って こともあるんだ よ先生も固くに進学を進めるのだった宿代 を浮かせるために勉強を頑張り結果いい
成績を納めることができたのは嬉しいだが それが進路の足かせになると はなんとかして就職できないかを考えた ただ学校の水だったり仲がないと中卒で 就職先を見つけるのは大変だ一家を支える だけの収入を得なければ意味がない し先生の支援なしではいい就職先と縁を 結ぶことは 難しいそんな悩みと着々と迫る高校入手を 前に焦りを感じていた冬休み直前の12月 も 半ば石山を完全に決別させる出来事が起き た担任の先生が俺の進路の話を無謀日にも 廊下で話してしまったことがほったんだ 原いい話が ある先生は片手に高校のパンフレットを 持って廊下で俺を見つけるなり駆け寄って き たシリ子なんだが独自の小学金制度があっ てなお前の成績ななら全額免除も狙える だろう家からも近いから自転車を使えば 交通費もさほどかからないで済む推薦入手 だが推薦上は校長がすでに乗りきたどうだ 失してみない かここまでしてくれる先生に感謝で胸が いっぱいになったただお金のことも心配で はあるが俺はもう独り立ちをしたいと固く に思っている誰かの保護家で安全に暮らす のではなく自分の力で生きていこうと決意 したんだ早く1人前になって母さんを支え たいん だ思い上がりだったと今では思う先生 ありがたいお話ですが俺高校には進学し ませんおはらそんなこと言うなそこに会話 を聞いていた石山が急に割り込んできた 先生こいつん貧乏だから高校なんていけ ませんよ小原は学金でも行けるから金の 心配はないそれにお前が口出すことじゃ ないぞ 石山今回に限っては石山が話の邪魔をして きたことが高都合だったその場をそくさと 去ろうとしたちょうどその時 ドーン大きな音がしたと思ったら石山が 近くののドアを激しく叩いた伊山何考え てるんだ 原お前のそういうところが気に入らねえん だよまだ話途中だろうがよ何しかとして 去ってんだ よ俺には石山が急に月光した理由が全く わからなかった石山は止に入る先生を 振り払い俺の胸ぐらを掴み すごむお前の母ちゃん リストラされたってな仕事のできない病人 なんてお荷物だもん なせいぜいお前が校しろよなんなら今すぐ
学校辞めて働いたらどう だ俺自身のことを悪く言われるのは構わ ないだが母を侮辱するようなこと はびとたりとも許さ ない石山お前言葉 選べよ俺は石山の腕をわしづかみにして爪 を立て俺の胸ぐらを持ち上げていたやの手 を剥がしたその瞬間に先生が間に入り喧嘩 両売で俺たちは各々注意を受けたお互いに 睨み合いながら先生に言われるがまま教室 に戻った遠くの席から睨む視線を感じたが 構うことなく奴を視界から消したそれ以降 なぜかあいつは絡んでこなくなり代わりに 俺の存在をないものとして扱っ た原この問題を解いて くれ先生が授業中に俺を刺すと先生俺が 答えますとなぜか割り込んできたり俺の 名前が呼ばれるたびに規制を発したり俺に 話しかけてくるクラスメートには壁に話 すんなと言って引き離す 相変わらず幼稚なことばかりするので俺も 奴のことは考えないことにしたこうして俺 たちの関係は決定的に亀裂が入ったのだっ た冬休みに入り嫌なやの顔も見ないで住み 俺の心はかなり穏やかになったしかし悩み が解決したわけではなく新学期には高校へ 出願をしなくてはならない私は働けるし 働くのが好きだからあんたは学校に行き なさいもう少ししたら母さんも就職先を 探す から母は俺の意を一周した俺は働きたいん だよ学校なんて言っても意味ないから さあんたが人生を判断するには馬鹿すぎる 今は無駄だと思っても後になってわかる から学校に行っておけばよかったっておに なって後悔しても遅いんだ よ後悔する要素なんて俺には1つもない 堂々巡りの会話にも疲れてきた頃晴天の 霹靂のような出来事が 起こる新学期投稿することはなかった結果 高校受験もしなかった俺は中学卒業を待た ずしてこの町を離れることになってしまっ たのだ 新年が開けて正月3ヶ日も過ぎた頃珍しく 家に客人が来たいや迎えに行ったというの が正しいか客人が来るというので母に言わ れるがまま迎えに行くための支度をした 防寒ぎをまとい遠い場所だからというので 水筒と小腹が空いた時のためのお菓子も 良いかなり長い時間電車に揺られ たどり着いたのは国際空港だっ た待ち合わせをして迎え入れたのはすらっ と背の高い母と同い年くらいの男性男性は なぜか優しそうな顔で俺を見つめ急に 抱きしめてきたちょっとまだ話してないん
だ から母は妙に動揺している話してないって 何 だろう再婚したいってことなのだろう か別にそういうことなら反対しないの に男性は俺から離れると今度は急に頭を 下げてすまなかったと謝ってくる展開に 全くついていけないまま母の顔を見て説明 を 置こうお父さんよ え声が出なかっ たしばらくアとした後誰のと聞いてほ混乱 した俺だからあなたの お父さんあ再婚したいって話かな俺は少し 冷静になり話の内容を察し た大原弘樹です母がお世話になっており ます男性に自己紹介をし深深と頭を下げる と母は眉間に仕を寄せ怒って いるそれを見て男性は大笑いなら自己紹介 をしてきた小原大です妻がお世話になって おり ます男性の名前に俺は卒しさになったどう いう ことこの人は小心正明のあなたのお父さん 再婚でもなんでもなくお父さんな の母はどうしてそんな解釈になるのと閣下 しながら説明し たさんも言葉が少ないから昔から変わって ない なあ大らかに笑いながら僕の父という人は 共に我が家へ向かった電車の中では特に何 の説明もなく俺も家で話を聞くつもりで 黙っていた父は亡くなったのではなくい なくなってしまっていたのか父が生きてい てくれたのは心の底から嬉しかっただが その反面父が自ら姿を消したという事実に 少なからず傷つき複雑な思いが湧い た父は母と俺を一時は捨てたのだとどうし ても考えて しまう浮かない顔でキロにつき自宅に到着 して父が家に 入る数時間開けただけなのにフルアパート の部屋はこえるように寒く暖房もすぐには 聞かない上着のままこたつに入る俺と 父母さんは台所でお湯を沸かして いる弘樹が5歳の時父さんの会社は大 ピンチでねとんでもない借金を抱えたんだ 父さんは社長だったから当時そのことで とても大変で ね父はゆっくりと当時の話を始めた仕事が 理由とはいえ気は晴れない大変だからって 俺たちの前から消える なんて15歳の俺には大人の事情を理解し て現実を受け入れるのは難しかっ た父さんは母さんと弘樹を守ったの
よ台所から母さんがフォローを入れてきた 俺の浮かない顔に気がついたかのように 父さんは責任を劣るために1人でたくさん の借金を背負ったのよそんな父さんと一緒 に暮らしていたら私たちまで借金に追われ た生活に なる父さんの会社は有名な会社でもあった からマスコミなんかも家に押し寄せてきて たしとても母さんや弘樹が安心して 暮らせるような状況じゃなかったの よそうだったん だ母の言葉で少し気持ちが落ち着い た母さんも仕事は持っていたから日本の 系列会社に転勤できたんだ日本はアメリカ より治安がいいから星家庭でも安心だと 思って ね 日本そういえば今日父はアメリカから来 たって言ってた な広樹は5歳までアメリカに住んでいたの よ父さんはアメリカで会社経営をしてたの そうか俺の記憶には忙しかった父はおらず 代わりに華やかな海外の暮らしがあった あのクリスマスのたくさんのプレゼントも 珍しいお菓子もアメリカ生活の記憶だった の か父がいなくなった経緯は理解できた そして今俺たち親子の前に戻ってきたのは 俺と母をアメリカに呼び戻すため 父はこの10年で会社を立て直し参加の 会社を合同会社にして統合そのことによっ てサービスの幅が広がりリスク分散もでき たので安定した経営になった会社規模が 大きくなったことによって常に人でも 欲しいという 状況気が早いんだが弘樹俺の仕事の手伝い をしてみない か急な話に驚いたの何を知ってそんなこと を簡単に言うのか10年間もほったらかし にして都合のいい時だけ必要だ なんて俺はまた気持ちが沈ん だ父さん 母さんからずっと弘樹のことは聞いていた 実は何度か帰国したこともあったんだよ 弘樹の運動会や発表会も実は遠くで見てい たんだこれからは母さんと2人でお前を 育てたいと思って いる まさか父さんが俺のことを定期的に見に来 ていたなんて俺はこれまでの話の中で一番 驚い たそれにアメリカは日本と違って弘樹次第 では飛び級もできるんだし早く働きたいん だったら早く卒業すればいいだけの 話この日たった1日で人生が180°
変わってしまっ た秘密裏に母が着々と渡米準備をしていた ため冬休みが終わるのと同時に俺は渡米し た中学に席は置いていたので3月に俺は 中学卒業を無事に果たす先生がアメリカ まで卒業少々をメッセージ付きで送って くれ た一緒に卒業式を迎えられず寂しいが小原 のこれからの活躍を応援し てる先生と最後に顔を合わせたのは学校に 自分の荷物を取りに行った冬休み 嬉しそうに俺を送り出してくれ少し涙ぐん でもい たいい先生と出会えたと 思うもう1つ気がかりだった嫌なやともと 顔を合わせなくて済むと思うと節生した 気持ちになりこの先の未来が善とよよに 感じ たそれからの人生は大忙して目が回るよう だった渡米してからはもうスピードで勉強 することになった英語に限らず社会学経営 学数学ありとあらゆる勉強を詰め込んだ アメリカのハイスクール大学大学院と 早く働くところかMBAまで取らされた しかし実際のところは正社員としての デビューが遅れただけ俺はハイスクール 時代からアルバイトを始め様々な触手を 経験した父の会社とは全く関係なく ドラッグストアやファストフード新聞配達 大学生の時は企業のインターンとして金融 関係人材系テレビ局なども経験 大学院生になるとMBA取得のためやっと 勉強に専念し最短で合格卒業後晴れて父の 会社に入社かと思いきや就職先は父の会社 の清掃員の バイト雇用主は父の会社ではなく清掃員 派遣の会社だまずは内側をよく見ておく ことだ会社の本質というのは境にに現れる からなそれにこの先お前が役職好きになっ たとしても決して偉くなってはいけない 初心を焼きつけるためにも1年間心を込め て清掃し なさいそう言って父は俺を1年間清掃員と して働かせたあれから10数年過ぎた今で も清掃員時代のことは頭に焼きついて離れ ない内の至るとを真剣に掃除をしていると 会社の全貌が面白いくらいに見えてくる 清掃員を空気だと思ってか無防備に立ち話 する社員たち一見くだらないように思う 世間話にとんでもない社内の滅びを 見つけることも清掃員を邪険にする部署は チームワークも成績も悪かったり員の出る 幕がないほど清潔な部署はを牽引するを 出していたり俺が清掃中に見聞きしたこと は全て父に報告し父は迅速に対応したそれ
でいくつかのリスクを潰すこともでき社内 環境と比例して車全体の成績も底上げされ たそういうこともあって俺は今でも定期的 に車の清掃をするオフィスにいては見え ないものが見えるし初心に戻ることが できるのもいい 新卒で清掃員のアルバイトを経て2年目に ようやく父の会社に入社他の学生と同じ ように就職試験を受け幾度となく行われる 面接にパスし採用されたあっという間に 月日が経ち俺も30歳半ばになる今年 ついに俺は日本の死者にA点20年ぶりの 日本 だ日本死者に不妊して数ヶ月引き継ぎや 諸々の俺の仕事も人段落した清掃の仕事を するにはちょうどいい頃あいかな俺は清掃 員の服に着替え日本死者のビル清掃を始め たちょうどラウンジの清掃に入った時 こちらをじっと睨む 視線タトなスーツをパリっと着こなし多少 派手なデザインではあるが片手に タブレットを持って堂々と立つ姿はそれ なりの役職のものだろうと一目で 分かるもう片手にはテイクアウトの コーヒーそして一瞬で思い出せるほど 見覚えのある 顔あの高満ちな顔は忘れもし ないおいおいここは中卒が来る場所じゃ ないぞ小汚い清掃員が堂々とうろうろする な よ中学時代の影をそのまま残しなくせつけ てきたのは石山なだった人を見下す態度や いちいちつっかかってくるところはあの頃 と全く変わってい ない話を聞いてたんならさっさと姿消せよ ゴキブがうろついていい場所じゃないんだ よ何の権限があってそんなことを言ってる んだ 清掃員の格好をした俺に強気に出られると は石山も予想していなかっただろう奴は 無きになって俺にマウントを取って くる俺はここの証券会社の課長なわけだ からこのフロア一体は俺の領域でもある 清掃員だろうがゴキブだろうが俺には 出入りを許可する権限があるんだ よそう言うやいなよ石山は片手に持ってい たコーヒーをかけてきたパシ あおら早く掃除しろよ バイト俺は間髪入れず石山に事例を出す首 ねお前はゴキブが何言ってん の新卒1年目に清掃員のバイトをしたのは 今この時のためだったのではないだろうか そう思ってしまいそうほど手っ取り早く 石山はボロを出したアメリカ本社でも生存 員を見下す社員は長く会社にはいなかった
さすがにコーヒーをぶっかけるようなブレ もはいなかった が君自分の勤めてる会社の名前言える馬鹿 にしてんのが俺は課長だぞ開系でも屈しの 証券会社クラークを原証券のあ 小原そうカカナ表記なので日本人の名前だ と気づかれにくいのだが社名にある小原は 俺の苗字である小原の読みだ元々は小原 コンサルティングの社名でアメリカで父方 の祖父が立ち上げた会社だった日経 アメリカ人の祖父はアメリカで生まれ育ち 祖父の実家の会計事務所を初めは受け継い でいた手展開した祖は会計会社を参加にし コンサルティング会社を設立父はソフの コンサルティング会社の系列の証券会社を 引き継いだしかしその数年後にソフが病気 で 休父は証券会社を当面は副社長に任せ コンサル会社の方を受け継ぐことになった 当時ソフの会社はて株式会社で株主にお 伺いを立てながら経営をしたIT企業が急 成長する時代にコンサルの需要が高まって いたことも確かだそこに目をつけた株主 たちの主張で父の会社は大量の人材採用を 行ったのだ人を増やしIT企業を ターゲットにして契約件数も増やしていく 一時はそれでかなりの黒を出したが数年後 にはそれが仇となる事態が 起きるIT産業の正常が飽和してくると 次第に株価も暴落し業界自体がしに コンサル契約していた会社の約半数が解約 人材幼女から大規模なリストラを 決行父の会社は退職金支払いのために多額 の借金を背負いリストラによる社員からの 訴訟も起きその費用が上乗せされ対応にも 追われたそれが父の大ピンチで あるその後父は何とかして会社を立て直し 株式会社を合同会社に 変更株主に囚われることがなくなり自社 決済ができることで経営は円滑か参加に あった証券会社会計事務所は全て コンサルティング会社に包括したその過程 で経営がうまくいっていた証券会社の副 社長のクラーク氏を共同経営者に 抜擢父は社名をクラーク小原に変え新たな 事業展開をどんどん進めていったそして今 や外資系屈しのコンサル会社となっ たここの証券会社を統括しているのは クラーク原ルティングだよ俺は今年から 就任した日本死者社長だ定期的に車内の 清掃をするのがポリッシュでね丁寧に掃除 してみるとこうやって海が出てくるもんな んだ よ石山の顔がみるみると歪んでいく反論 しよにも言葉が出ない様子だ憎まれ口で
終わらせておけばよかったのに熱い コーヒーをかけるなんて俺が火傷や怪我を 追っていたら刑事訴訟できる案件だからね そういう人材を車に置いてはおけない朝会 解雇だ よいつの間にか俺たちの周りには人だかり ができていた俺は秘書に連れられてその場 を去った背後から悔しそうな石山の声が 響くこんな形で石山と再開しまたしても 決別するとは思ってもなかっ それもこれもこの年になっても全く成長し ないやに問題があるのだ がしかし今度こそ2度と会うことはない だろうあいつもいい加減懲りたはずだそう 思って石山直という人間を忘れようとした 頃彼は退職する前に死者長室の俺を尋ねて きた言っておくか俺はお前みたいなコは ない実力でクラーク小原に入社したんだ 高校受験だってお前みたいに先生にエコ ひきされてなかったから俺は自力でお前が 行くはずだった私立高校に受かったんだ その後も必死で大学に受かって就職も決め た課長職になるのだって血のにじむような 努力の結果だったそれをお前はたが コーヒー一杯で無にしてくれたんだよ とんでもない言いがかり だコーヒー1杯で人生を棒に振ったんだろ 自分自身の手 で俺が呆れて言い返したのでまた怒りを ぶつけてくるだろうと思ったが石山は 珍しく穏やかだったまそれもそうだな後悔 はしてない俺はお前の顔も見たくないから な首になって生生したくらいだだが 1つだけお前に責任を取らせたい俺を解雇 にした責任を などこまでも傲慢なやだがこの時すでに 石山に道場の気持ちが芽生えていた単に 意地悪い嫌なやとして見てなかったが彼が 昔からそんなに努力していたとは元々避け ていたので石山が中学時代に普段どうして いたかなんて気にも止めなかった影ながら 一生懸命勉強していたのならあの時廊下で 先生と進路の話をした時あんなに石山が 起こったのは今になってやっと理解できた 石山の志望校に俺が安康と合格を約束され あさえ興味ない態度まで取ったのだから よほど彼の自尊心を傷つけたの だろう赤根の思いが積もり積もってこんな 大人になってからも俺に絡んだの か何でも言ってみろできることなら する仕事を斡旋してくれ俺は目が天になっ た解雇してきた雇用主に仕事を頼むなんて いやなかなか根性のあるやつだただだから と言ってこの男の人格を完全に信頼する ことはでき
ないちなみにこ コーヒーをかけてこなくてもいずれ君は こういう運命になっただろうそれは君の 人柄の問題だ我が者は信頼関係を最も大切 にしているちょっと気に入らないからと 言って人を見下すような発言や言動をして しまうそんな人を信じて頼りにはでき ない石山の気持ちを聞いて少しは同情した が会社はボランティアでやっているわけ じゃない 人間関係を穏やかに構築できない人を会社 に置いておくわけにはいか ないそうだいやわかった斡旋しよう君に ぴったりのとびっきりの仕事 だ1ヶ月後会社のラウンジに見慣れた顔が もう2度と顔を合わすことはないだろうと 思っていたのに思いの他付き合いが長く なってしまったな お疲れ様ですご苦労様上のフロアすごく 綺麗だったよ俺はあそこまで窓ガラスを 綺麗に向けないな今度こを教えてくれ よ石山は清掃員としてこのビルで仕事して いる俺が斡旋したのは清掃会社の仕事だ 清掃の仕事を通して石山も何か学んで くれるといいそうすれば努力家の彼のこと だ自力で最終職先も見つけることだろう父 からテレビ電話が なる日本死者でのこと聞いたよ弘樹の同級 生なんだってその流れで清掃員を進める なんてさすが弘樹だ掃除は仕事の本質だ から なそろそろ本社の時期社長のポストも なんて気の早い話をして くるまだに日本死者に来たばかりだ から確かに父もかなりおいては来ている母 も白髪が増えたまだまだ2人とも元気では いるがいずれ俺はアメリカに戻ることに なる だろう父さんも母さんもまだまだ若い つもりで元気でいてよ ねふと窓の外を見ると白い雪が待ってい た父が急に現れたは15歳の冬を思い出し たあの日を木にカラっと変わった 人生母の代わりに働こうと思ったあの 頃結局母の病気の治療や暮らしを支えたの は俺ではなく父だった母に恩返しはでき なかったけれどその分母が俺にしてくれた ように今度は俺が父と母に元気を与え続け たいと思って [音楽] いる OG