Home » Announcers » 女子アナ » 【感動☆厳選5本総集編】有休を使い南の島へ旅行中 、海で溺れた女性を心臓マッサージで助けたら元請けの社長令嬢だった「触らないで!」→勘違いで俺を退職に追い込もうとするが、そこへ元請け社長が【いい話朗読

【感動☆厳選5本総集編】有休を使い南の島へ旅行中 、海で溺れた女性を心臓マッサージで助けたら元請けの社長令嬢だった「触らないで!」→勘違いで俺を退職に追い込もうとするが、そこへ元請け社長が【いい話朗読

by ANNAPOST



【感動☆厳選5本総集編】有休を使い南の島へ旅行中 、海で溺れた女性を心臓マッサージで助けたら元請けの社長令嬢だった「触らないで!」→勘違いで俺を退職に追い込もうとするが、そこへ元請け社長が【いい話朗読

#感動サウルスの朗読 #朗読
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※登場する人物は仮名です。実在する人物とは一切関係ありません。
※ストーリーの流用や再編集したものなどを含め、無断転載は固く禁じております。
※このストーリーはフィクションです。

▼音楽・効果音▼
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▼イラスト▼
本動画で使用しているストーリーは「感動サウルスの朗読」がクリエイター様に製作依頼をし、作品は契約・法律によって保護されています。
許可のない二次利用・転載等は御控えいただきますようお願いいたします。

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毎日が忙しく過ぎ去っていく俺は思い切っ て有給を取り南の島へ旅行に行くことにし たその時事件が起きたので ある俺の名前は田村孝太37歳だ今の会社 に入社するまで幼い頃から絶望的な忙しさ に追われていた 俺の父は個人病院の医師だ俺には年子で1 つ下の妹がいる2人とも私立の幼稚園で 幼稚園の頃からひらがなぐらいはある程度 かけるように教わった小学1年生になると 父は 厳しくお前はうちの病院の後継だと言われ て塾や会話教室などに毎日通わされてい た妹の子はそんなに期待はされていなかっ たが俺にくっついて一緒に塾に通ってい た母は父の言いなりであったが俺たちを 優しく応援してくれていたん だ後で聞いた話だが両親は大恋愛の末結婚 しをしていた 母母さん大丈夫 と俺は母に声をかけた母は涙しながら少し のの笑顔を見せてキッチンへ行くが俺たち は母が心配で母の後ろで片付けを手伝って いた皿は割れていたが母には怪我がない 様子で俺はほっとしたそんなことが日常さ 半時になりある日母が家を出て行って しまっ た俺は父のいない時に母の実家の祖母に 電話をしてみると俺にとってのおばあ ちゃんがお母さんは家にいるよと言ったん だ妹は夕方帰らない母を玄関でずっと待っ ているその背中がとても小さく震えてい たお兄ちゃんママはどこに行ったの ああおばあちゃんの家にいるよママ帰って こないのそのうちきっと帰ってくるよと妹 に言って俺は冬の灰色の空を眺めて玄関に 鍵をかけ妹を部屋に連れてっ た妹は三角座りになって泣きながら固まっ ていたんだ俺も泣きたかったきっと母は 帰ってくるだろうと1週間塾に通いながら 待っている間に知らないおばさんが家で 夕食の用意を 始めるその人は火府さんだっ た俺と妹は生さんが作ったご飯を食べて また塾に出かける ある日火府さんの話で母がもう帰らない ことを知ったのだが俺にはそんな話は信じ られなかっ たそして夏休みを迎えた俺たち塾はあった のだが珍しく父が旅行に連れて行って やろうと言い出したある日曜日のことだっ た父は車に俺たちを乗せて何時間も運転し ているやっと着いた時母が出迎えてくれて 俺と妹は母に抱きつい た母は関西の中の地方の育ちだったようだ

俺たちが車を降りるとすぐ父はそのまま車 を降りず去っていっ た久しぶりね近くに綺麗な海があるのよ 明日一緒に行こうねと母が 言う翌日いい天気に恵まれて白い砂の上を 歩きながら綺麗な海で俺たちは喜んで泳い でいた母は砂浜で俺たちを笑顔で見ていた が砂浜に上がるとぽつり とこたまこごめんねお母さんねもう お父さんが怖くて家に帰れないのとそう 言ったのだった俺は母が父に怯えていた ことは知っていた妹は嫌だと泣き叫んだが 俺は妹に母さんが怪我したら大変だし家に いると危ないからさと言うと妹は涙し ながらも頷いたのだっ た1週間ほどおばあちゃんが俺たちの世話 をしてくれて天気のいい日は母と海へ 向かう俺は母ともう会えなくなる気配がし て青い海がなぜか灰色に見えてしまったの だっ たそして次の日曜日父が車で迎えに来て また長い時間車で揺られながら俺たちは家 に 着くすると政府さんはいなくて知らない おばさんとまやという少し年上の男の子が いたんだ父はそのおばさんのことを今日 からお前たちの新しいお母さんだまや君は お前たちのお兄さんだよと言ったのださえ という母より少し女性だった俺たちは突然 そんなことを言われてもと妹とただ呆然と 立ち尽くすだけ だ翌日からまたすぐ塾が始まり俺と妹は 毎日塾に 通うまさやというのは俺より2つ上で小 学校3年生だった俺が3年生になった時に は父と母は離婚をして父が再婚したことを 理解したんだ 新しいお母さんのことを俺と妹はお母さん とは呼べないままだったただおばさんの 料理はまずくはなく家も綺麗に掃除をして いるまや兄さんは塾には通っていないが 勉強ができる方で父はいつもまや兄さんを 褒めていてご機嫌だったの だ俺と妹は1度も父に褒められたことなど ない俺は毎日頑張って塾にはいたがや 兄さんのことを腹立たしく思っ たある日まや兄さんの部屋から何か楽しげ な音楽が 聞こえる俺と妹はノックをして兄さんの 部屋へ入ると兄さんはゲームを楽しんでい たその時中学生の兄さんはおいお前らこの 問題分かるかと英語の参考書を出して見せ てくる小6年生の時だった俺と妹は塾で 英語も習っていてA会話も続けていたが その英語は全く訳せなかっ

たお前らはもっと勉強しないと無理だな あははと笑い兄さんは再びゲームを 楽しむ俺たちはもちろんゲームなんて買っ てもらったことはない学校はゲームの話や スポーツクラブに入っている子たちの会話 でげいたが俺も妹も外遊びもしたことが なく学校では孤立していたん だある日おばさん がまさや君はねIQが高いのよ頭がいい から塾なんて行かなくていいのよというの だそれで俺たちは兄さんが塾に通わなくて も自由に遊んでいることを知るのだった 地頭がいい人には叶わ ないと妹はそれを承知で相変わらず熟付け の日々だったんだそれは中学生になっても 変わらなかっ た正屋兄さんは中高一貫の私立に通い大学 にもスムーズに合格し た俺たちはなんとか普通高校に通いながら も塾に行きながら大学に 合格父がある日俺の病院はに継いでもらう ことになると一言言ったので腹が立って 仕方がない俺は妹を連れてアパートを探し 家を出たんだ父とおばさんは大学費用と 仕送りはすると言って俺たちが家を出る ことに反対はしなかったの だずっと勉強漬けだった俺たちは妹と2人 で自炊を楽しむことに するもちろん今まで遊ぶことも許されず 励んできた学は無駄にはしなかった その後妹は彼氏ができて彼氏と同棲する ことになったん だ俺は大学の医学部から大学院に進み医学 を6年間学んで医師国家試験に挑む妹の まこは大学を卒業して割と大手の薬品会社 の事務員として就職したが同じく一緒の 会社に入った彼氏の瀬川弘樹君という同級 生と結婚をした2人は小さく結婚式をあげ たらしく写真がメールで送られてき た幸せそうな妹の綺麗なウェディング姿に 俺は涙しながらおめでとうとぽつりと メールを返した妹のことを知らせたいと 思って長らく距離を置いていた母の実家へ 電話するとばあちゃんから母は再婚して もう母の実家にはいないことを告げ られるふと無言になってしまった俺だが 分かったと言って電話を切ったあの時の 最後の海がノりに浮かぶそして母の言葉を 思い出して窓を開けた相変わらず星の見え ないどんよりとした空を眺めて大きく息を 吸い込んだそうだあの時母が暮らしていた 地方の実家で祖母と妹と4人で夏の花火を したのだったそんなことをふと 思い出す空にはたくさんの星があり一番 最後に先行花火を妹としたがほとりと落ち

た日の塊が妙に切なく感じたのを覚えて いるあの場所は白浜だ子供の時には分から なかった今妹はきっと過去から離れて幸せ に暮らしているそして母も新しい人生を 選んだの だろう俺は孤独感に襲われて恐怖さえ感じ の だ狭いアパートで妹と暮らした日々父には 全く愛情を感じたことは ない俺は父の病院を継ぐためだけに勉学に そしんで過ぎた過去を心の外に放り出さ ないと生きていける気力をなくしてしまう ほど胸が 苦しい俺は再び机に向かう何かしていない と自分を忘れてしまいそう だそんな日々が続き俺は石免許を取得した その後2年間の研修が始まっ た同じ研修生と仲良くなりたまには町の 居酒屋へ行ったり少しは俺もこの年で やっと同級生との触れ合いを楽しめたの だったずっと灰色だった世界に街のネオン が光る同級生と飲みながら俺は冗談が うまい同級生の話に心の底から笑うことが できたのだった大きな声で笑うと苦しかっ た過去が吹き飛んでいくような気がした 研修生として頑張りながらも楽しい2年間 があっという間に過ぎ俺は総合病院の内科 として27歳で勤務し出した父からは毎月 仕送りが続けられていたがそれには一応 感謝して俺は父に就職が決まったからと 一言だけ告げて仕送りのお礼を言う 父からはただそうかと言われただけ だそれからは忙しい日々が始まる医者と いうものはこんなに忙しいものなのかと 実感させられる日々だ世の中は高齢化に なり総合病院は毎日たくさんの患者さんが 来るパソコンのカルテを見ながら1人ずつ の病を確認 する午後には突然のオペが入り目まいが人 の命を預かる仕事だ俺には若き日の青春 時代はなかったが今こうして1人1人の命 を守る仕事に使命を感じながら充実した 日々になっ たしかし昼食を取る時間もなく売店で簡単 なものを買って急いで食べ栄養補助食品 などを流し入れて仕事に 励む幼い頃から外遊びもせずスポーツもし なかった俺には全く体力というものがない ん だ今更体を鍛えると言ってもジムに通う 時間も気力もない夜はスーパーの弁当を 食べてクタクタになって眠るそんな俺には 季節さえ感じることもなく1年があっと いう間に過ぎて しまう少しずつそんな生活に慣れた頃妹

からメールが入った妹が可愛い娘を出産し たという知らせだった俺にとってはめっこ だ普段の休日は1人でスタミナをつけよう と焼肉屋行ったり中華を食べてただ眠る だけ俺は正月の連休に初めて妹の家にお 邪魔して可愛い姪っ子を抱かせてもらった んだ俺はおじさんになってしまっためっこ はよく笑いとても 可愛い俺も子供が欲しくなるがこのような の中そんな日が来るのだろう か研修生の頃は町で女性と会っていた時期 もあったが交際したいと思う人とは 巡り合うこともなかっためこを抱かせて もらっただけでも俺にとっては幸せなこと だ妹は育休が開けるとめこを保育園に入れ て働くと言っていた本当に女性も社会で 活躍する時代だそうしている間に俺はすぐ 30歳になってい た病院は年々と言っていいほど忙しくなっ ていく高齢者が介護施設に入るにしても 診断書を書くのももちろん俺の仕事だその 時間も作り診察の人数は途切れなくて午前 の仕事は昼の2時までなってしまい3時 からはオペが待って いる平日も時折りいろんな研修に出かけ なければこともあり苦しくまた1年は過ぎ ていくの だ32歳ある研修へ向かう朝俺は電車を 待っていたその時聞き覚えのある声 で先生じゃないですかあれ今からご出勤 はいそうですか僕は今日は研修でそうなん ですね今度お食事でもご一緒いただけませ んかたまにはいいですね是非といつも一緒 の看護師さんとばったり出会い連絡先を 交換したん だ彼女はリコという名前で仕事もできる 女性 だ以前話した時に同じ年齢と言っていた 恋愛感情まではかないが清潔感が溢れる 素敵な女性だと俺は思っていたん だ彼女も師として夜勤などもあり忙しい 感じだが後日彼女からメールがあり時間が 取れたので俺たちは食事に行くことになっ た彼女から食事は何がいいかと聞かれたの で俺が焼肉と言うと彼女は焼肉店を予約し てくれ仕事の延長のように会話が弾み 帰りがけに彼女から俺は交際を申し込まれ てしまった俺が喜んでと返事をして2人の 交際が始まっ たそれからは忙しい合間の中でお互いの 時間を確認し食事やショッピングなどを 楽しむ日々で1年の交際を経て彼女から プロポーズをされ結婚に 至るお互いに33歳の時だっ たその後妻は産婦人会移動して結婚式は

写真だけ撮って済ませたんだ仕事は立てん で 新居は賃貸マンションを借り妻は夜勤の ない日は料理を作ってくれておいしい夕飯 に幸せを感じて俺の孤独感が吹っ飛ん だ俺は早く子供が欲しいとのことで俺たち は妊活にも 励む忙しさに追われていつしか充実感を なくしていた俺は妻との生活の中新しく 充実というよりも温かい春のような重感を 感じる俺たちには喧嘩もなく結婚して2年 が過ぎたしかし俺たちには子供がなかなか できず1度調べてみることになったん だこの時に俺は絶望した妻には問題はなく 問題があったのは俺だったそこで妻と ぎこちなくなるの だ妻がせに願っていたことだったがそれは 俺も同じだしかし俺の絶望感は妻には 伝わらずに喧嘩が増え 出すどうしても子供が欲しいと願う妻から 俺は離婚を願われて しまうこた本当にごめん なさい俺は苦しかったが涙を耐えた女性と して子供が欲しい気持ちが深いなら彼女も なるべく若い間が望ましいだろうなと彼女 からの離婚を飲み込む そして彼女は別の病院へ転勤してしまった のだっ た俺にとってほんのつの間の幸せはまるで 風に舞う歯のように消えていっ た彼女はその後お見合いをして結婚したと いう噂を看護師同士の中で俺は耳にした ただ離婚の原因は誰にも伏せてくれていて 俺も誰にも言ってい ない子供が作れないことを知ってしまった 絶望はあったが俺はもう発想を転換して 早めに分かってよかったんだと思い込み 再び忙しい仕事にだけ励む日々に戻っ た3年も持たない結婚生活だったが今の 時代独身の人も多く気にしないことにし た俺は気分転換に車を購入してドライブを 趣味にするいつかの青い海を見たいが近場 にはない疲れているので遠くへも行けず 近くの海沿いを 走るしかし関東の海はなぜか悲しく青いと はとても思えず山沿いに道を変更した都会 から少し離れると案外田舎もあり夜山道で 野生の鹿を見つけたんだ最初4つの目が 光り何かと思って車で近寄ると2匹の鹿 だっ た俺は野とし強く生きる動物に少し微笑ん だそうして山の道の駅にあるお蕎麦屋さん により山の空気を吸い込んで 帰るあまり長い運転は俺には結構疲れるの だっ

た家に着くとひたすら眠るこうして気分 転換もしながら毎日の医療現場で戦うのだ が日々の疲れが取れなくなって くるもう36歳になっていて年齢も感じた しかし俺よりもっと年配でも頑張っている 医者はたくさんいる俺は疲れた体に鞭を 打ちながら日々をこなすのが精一杯で家に 帰ると寝て しまうそんな次の日の帰り際に俺は とうとう倒れてしまったまだ院内だったの ですぐ検査をしてもらい意識が戻った俺 だったが特に悪いところもないのでだと 診断されてしまったん だ俺は1週間休みをもらったのだが意思と しての自信をなくして しまう倒れたのが帰り際だから良かった もののオペ中だと大変なことになるのだ 結婚もダメで仕事もダメな俺は将来の夢が 分からなくなってくるのだっ た俺はたった1人の家族とを思っている妹 に電話をして全てを聞いてもらうことにし ためこはは元気に育っていてそれは何より も嬉しかったのだが意思としての自分に ついてだすると妹が夫の弘樹君にも相談し てくれ2人が働く会社の下請けだが今人手 が足りず募集しているとのこと で何よりも体が資本だから転職すべきだと その会社を進め られる小さな薬品会社での向上の簡単な 作業 らしい俺は再びまた全ての過去の生産を 迫られたがせっかくの妹の話に乗ることに して総合病院の委員長に礼を述べて俺は 転職したの だ工場には若い子から年配までいろんな人 がいて人時家は俺の履歴書を見て首を かしげたが医者は自分には向いていないと の理由を告げると納得してくれたよう だたくさんの先輩に作業を教えてもらい ながらから流れてくる薬品の検査をして いくだけの単純作業で時間は定時で 終わる昼休憩もあったので俺は自炊も始め てなるべく栄養を考えながら簡単な弁当と お茶を持っていっ た結婚時代も元妻は働いていたし子供も できなかったので給料はもちろん減った けれどある程度の貯金はある気の合う同僚 もできて外食もしたり飲み会もあったりで 全く別の世界だが俺は精神的に本当に楽に なったのだっ た意思になりたかったのかと問われれば 幼い頃に父にそう言われていただけで本音 の部分は未だに分からないままでただ勉強 付けになっていた自分へのご褒美だったの かもしれ

ない土日は休みで俺はパソコンを買いに 行くこんなにも時間がゆっくり流れていい のかと思うほど俺には信じられない時間の 感覚 だ家に帰ってパソコンを接続して俺は いろんなゲームをしてみる生産したはずの 過去の中に父の息子となった兄の昔を 思い出して しまうそういえばクラスのほとんどが ゲームの話をしていたなと今頃思っ た俺は全く孤立して妹と2人で塾へ通って いた 家に来た新しい兄はすでにこうしてゲーム を楽しんでいたし今はどうしているのか わからないが父と個人病院をしているの だろうそんな気持ちがふと湧き上がったが 俺は今の自分の方が好きだもちろん意思と して頑張った分のご褒美の貯金もあり ドライブも楽しめていたのではあるが ずっと勉強付け仕事付けの日々からは完全 に解放されて今は欲しかった時間が あるもし子供を望まない女性でもいれば いつか巡り合えたらいいなとは思ってい た工場の仕事も慣れた頃俺は海に行きたく なった忙しくて以前結婚した時も旅行に 行けていなかった俺日曜日に旅行会社の パンフレットを持って帰りあれやこれやと 見ていたが海外までは望まず沖縄の海に 気持ちが引かれたんだそんなに遠くもなく 色々悩んで宮島の2泊3日に決めたスマホ で予約したチケットはすぐ届くお世話に なっている今の会社に早めに有給のお願い をしておいて俺は飛行機に乗っ たそういえば飛行機に乗るのは生まれて 初めてだっ た浮き上がる雲を下に見下ろすとはとても 不思議な光景で胸が 踊るいつも1人だ俺にとって1人旅は気楽 でいいものになりそう だしばらくすると南の島が見えてくる なんて綺麗な海なのか遠い記憶の母を 思い出すが着いた旅館から眺める海は全面 がエメラルドグリーン だ俺は荷物を置いて真っ白な砂の上を歩く 引きつけられる海の色を見ながら浜辺を ゆっくり歩い た忙しかった俺の若き日のことや父や母 離婚のことなどまるで全てを洗い流して くれる気分 だその後沖縄料理をいただきながら俺は波 の音を聞きゆっくり眠っ た翌日は海水浴の姿に着替えて少し泳いで みようかと試みた透き通った海は足の指 までしっかり 見えるそして数人かの人たちも海水欲を

楽しんでい た浜辺で少し休憩していた時なんか変な人 の動きを感じた危ないそう思った俺は海に 走りより溺れかけている女性を浜辺まで 運ぶすでに女性の意識がないすぐ救急車を 呼び俺は女性の心臓に耳を傾けるこれは 危険だ俺は心臓マッサージを始めた しばらくするとの方から年配の男性が走っ てき たまさか溺れていたとは娘 はお父様ですか多分大丈夫です今救急車を 呼びましたんで本当に申し訳ない娘と気分 よく飲んでいたら突然泳ぎたいと申しまし てと年配の男性は慌てて話していた俺が 心臓マッサージに集中していると女性は 少し水を吐き出し意識が戻った様子だが その途端何してるの触らないでと驚いた俺 が何かしたと勘違いしているよう だそして救急車が到着したのですぐ単価で 運ばれ年配の男性は一緒に乗り込み救急隊 に俺は当時の様子と名前と電話番号を聞か れて女性は運ばれていったのだっ たまだ30歳くらいの綺麗な女性だった俺 はもう大丈夫だろうと安心して旅館へ戻り 食事を取って昼寝をするあまりアルコール には強い方ではない俺は沖縄の名刺は飲ま ずにチハだけでいい気分の昼寝だった きっと女性は酔っ払って溺れてしまったの だろう夕方エメラルドグリーンから深い色 に変わるまでの海をぼんやり眺めて海に 丸い月が浮かぶ多分普通で考えれば俺の 人生は今真ん中ぐらいとして働き盛りの 年代にこんな1人の時間を授かったことが ありがたい今後の人生についてはゆっくり 時間をかけて考えていこうと思っ たそして再びエメラルドグリーンを目に 焼きつけ2日目をのんびり過ごして俺は町 へ帰るのだっ た町はとてもざわついて感じるが俺は心 新たに仕事へ向かうその週末に元受会社と の合道の飲み会が開かれるそうでみんなは 緊張してい た俺は妹にメールを入れてみると妹も妹の 夫も飲み会へ出席する らしいめっこは妹のお母さんが預かって くれるよう だそして当日広いホテルの大まで飲み会が 開かれた元会社の新会長の挨拶だったよう だうちの社長も緊張して食事会で大人しく していた少しずつみんなもお酒で 盛り上がり賑やかになっていくその時お 手洗いに行こうとした妹が兄ちゃんここに いたのと少し大きめの声で言ったああここ にずっと座ってたよと言うといい感じでお 酒が入っている様子の妹はじゃまたねと

言ってお手洗いに向かっていったその時 どこかで見た感じの素敵な女性がこちらへ 向かってきたちょっとあんた沖縄であった 人ねと叫んだので俺は溺れた女性だと やっと 気づくあんたあの時は何をしてくれたのよ いや誤解ですよあなたは私は笹川役の社長 の娘よあんたはただで済まさないわこんな 男はすぐ首よとご令嬢が叫んだ時うちの 社長が現れて事情を尋ねてき た社長令嬢が怒っている時にすぐ笹川社長 が走ってきて稽古静かにしないかこの田村 孝太君はお前の命の恩人だえパパどういう ことと周りもざわつき始めたまさかあの 女性が元請会社のご令嬢だったとは俺も 驚いてしまったその後笹川社長からうちの 社長に話があるとのことでご令嬢と席を 外していっ た俺は翌日笹川社長に呼ばれることになり その日は無事にお開きになっ たそして当日笹川薬品の本社からがれ俺は 乗せられて高級レストランへ佐川社長に 連れて行か れるこの度は本当に娘の命を助けて いただきありがとうございましたお礼が 遅くなり申し訳ございませんどうぞ ゆっくりお食事をされてくださいそして これはほのお礼 ですと言って分厚い封筒を差し出された俺 は元医者だったことを告げて当たり前の ことをしただなので受け取れないと言って 断ったんだするとすぐご令嬢も現れ た昨日は申し訳ございません私沖縄でも父 と少し飲んでまして飛んだ勘違いをいたし まして昨日父から説明を受けましたいえ いえご無事ならそれでいいのですと俺が 言うと社長はけい子さんに俺がシレ金を 受け取らないことを話すそして もしお受け取りいただけないのなら私とお 友達になってくださいませんかえ僕で よろしければ是非という話になったのだ その後社長令嬢のけい子さんと度々食事に 行ったりお互いペットが好きなのでペット ショップに行って可愛い子猫と遊んだりと お友達から男女へと交際が深まって いく彼女がどうしても相談があると 少し暗い雰囲気のカフェへ行っ たあのよろしければ結婚を前提にお 付き合いいただきたいのですが実は私 赤ちゃんができない体なのそうだったの ですねお恥ずかしい話だけど僕一度離婚し ています僕の体に子供ができないことが 原因でとれが言うとけの目が天になる そして俺はけからのプロポーズで結婚する ことになり小さく結婚式を済まし社長は

喜んで一軒屋をプレゼントしてくれたの だっ た俺は笹川薬品へ引き抜かれて時期社長と して今は週3日の事務作業を事務所でして いる可愛い子猫と暮らしていたが俺も稽古 も子供が好きなので自動施設へ行き両親の いない赤ちゃんを容姿にして今とても幸せ に暮らして いる新婚旅行は俺の過去の記憶の中の白浜 にしてくれた彼女白浜の海と遠い記憶の母 の笑顔そして美しい稽古の笑顔が重なり あの悲しかった白浜の砂を俺は手のひらを 合わせて砂時計を作っ た人生は早いのかもしれないそして人の縁 とは分からないものだ俺はこの不思議な 出会いの妻とを新しく迎え入れた可愛い 息子のために精一杯生きていくことを誓っ たの だばばさんはどうして棚卸しのバイト をドラッグスターの棚卸しのバイトをして いた俺に薬剤費と看護師の合コンであった 看護師が質問をしてくる とこいつは学生時代に僕たちのように努力 をしてこなかったもんでクリーターしか できないんですわと同じ職場にいる薬剤師 の町田が勝手な返答をした直後薬剤師の 男性の1人が突然倒れ俺はとっさに対処を し たねえばばさんあなた一体何者な の俺を手伝ってくれた看護師たちが俺の崇 に気づき始め た 俺はババ憲吾昼は家事手伝い夜はドラッグ ストアで棚卸しのバイトをしている勝ち 手伝いと言っても両親のではなく実の姉の 手伝い だ両親は15年前姉が大学生俺が中学生の 頃に亡くなったその後の俺は姉の助けで 生活や進学ができたから姉には感謝しか ない俺は今姉を手伝うことで姉への恩返し をしているつもり だ姉の仕事は漫画家だ大学生の時には すでに商業雑誌に作品が採用されていて コアなファンもいたしかし有名になるに つれ姉はプレッシャーに耐えきれなくなっ て眠れなくなったり食べられなくなったり して少しずつ不調を感じるようになった そこへ両親の会や遺産族での類との揉め事 などが重なったさらにはその一歳合さを 一部マスコミに面白おかしく書かれたのも 姉の心を追い詰めていっ た目立つものは叩かれるのだろうが作品の 内容にまで謎の誹謗中傷が集まりあては 当時付き合っていた彼氏にも金銭関係で 裏切られてしまったそういった散々な目に

あって姉は一度筆を置い た読者や編集者から復帰を期待されていた のは連載休止から3年ほどでそのうちに 新人やヒット作品が世の中に多く現れ出す と姉の作品の続編を待つ人は激減した俺も 面白い作品だと思っていたから続編は気に なってはいたが姉自身は世間からから 忘れ去られている方が心身ともに楽そう だったので続編のことは一切口に出さない ようにしてき た不調から立ち直った姉はペンネームを 変えまた漫画を書き始めたその時にはもう 姉の漫画を扱ってくれる出版社はなく姉は 自分で個人事務所を立てた無理のないよう に現在もそうやって漫画を書き続けている 姉は今でも時々不安から来るう状態になる ことがあるため唯一の憎しである俺が日々 の体調管理や仕事の補助などを進んで受け おって いる姉が繊細な一方俺は結構タフだから俺 が助けてやるのは自然だと思うそれに姉の 心が疲れてしまったのは俺のせいもあると 思う から姉は本当はすごく繊細なのに両親が 突然揃って事故で亡くなった時は社会を 全然知らない俺のために気場に振る舞い 事後処理を完璧にこなしてくれ た自分の仕事も大学の勉強もあったのだ から本当にいっぱいいっぱいだっただろう と思う情けないことに俺は社会に出て やっと世の中の不条理さや世間の無責任な 他人の本質のを知っ た嫌なことは全部姉が引き受けてくれその ために姉は不安症を抱え た俺以外へは完全に人間不信にもなって しまっ ただから俺は自分のことよりこれからは姉 の助けになれるような人生を過ごそうと 思って いるドラッグストアでバイトをしているの は姉が家で1人きりになる間を作るためだ そんな事情を知らない職場の人間は俺の ことを30歳にもなって姉に食わせて もらってバイトで悠々自的な生活をして いると思って いるなんと思われようが俺は平気だ がようばばよこのオレンジジュースこの棚 じゃねえだろうなんでこんなに簡単なこと をすぐ間違うか ね薬剤師の町田信之が俺に言うこいつは 仕事場の人間の中でも最強のめどくさい やつ毎日絡んできては余計なことばかり 言ってくるこのドラッグストアは遅い時間 まで処方箋を受け付けているので俺が 棚卸しでバイトをする遅い時間帯に町田も

よくいるの だ松田さん薬局エリアにいた方がいいじゃ ないですかまたこの前みたいにいない からってお客さん帰っちゃいます よ俺も言わなきゃいいのにいつも一言余計 なことを返して しまう町田はおそらく同じくらいの年だ俺 がバイトを始めた時にはすでにい たバイトのくせにうるせえなた早く直せっ てんだ よしかしマジで町田はやばい薬剤したどう やって試験に受かったのかを 疑う仕事も会話も全てが適当だし責任感が なさすぎる言い加減なことも堂々という そんな薬剤師がいるのは良くない俺は むかつくけどちゃんと教えてやる職場への 貢献だと思っ て町田さんこれはジュースじゃないんです よく見てください確定感ですああマンダリ ンって書いてあんだろなんだよ紛らわし めんど くせえそう言って町田はだるそうに生材 薬局コーナーに戻っていっ た町田の薬剤師としてのミスについては俺 が来てからもかなり多く聞いているあろう ことか上西の単位を間違えて処方したこと もあるくらい だその時はもう1人の薬剤師の大森優香が 気づいてすぐに対処してくれたが町田しか いない時には来ないというお客さんもいる ほど有名 だ俺だって絶対に町田に処方箋を渡したく ないと思うなんなら一言も口を聞きたく ないなのに町田は毎日俺に何かを言いに くる俺も何か生意気な返事をしてしまう そしてどんどん嫌われていくどうだって いいと思いながら相手をする俺が悪いの だろう町田はそのいい加減さや口の悪さ からドラッグスター内に話し合いてがい ないここは働くところだからそんなもんい なくたっていいんだが町田はプライベート でも友達がいなそうだし寂しいのかなつい そう思って返事をしてしまうの だそこ言う俺も友達という友達がいない から俺も寂しいのかななんて思うでも俺は 客観誌には自信があるんで町田のように 盲目的ではないはず だ帰宅するとあれがそわそわしながら 話しかけてき たあの憲吾 ちょっと姉の顔がやれているまた寝ないで 健康に没頭していた などうした姉ちゃん これ見て欲しいのこの下りが少し不自然か なっ

て姉が指摘する現行の箇所を確認する俺の 見解では不自然ではなかったが作者である 姉がそう感じるのなら流れを多少変えた方 がいいかもしれ ないストーリーが変わらないようこの部分 俺が調整してみるよだから姉ちゃんは寝て おきなよ軽い飯も食って さ姉の顔はさっきよりはほっとしている ように見え た姉はアシスタントも雇わずに作品を書い ていて時々自分の書いたものがいいのか 悪いのか分からなくなって俺に確認を求め て くる心が不調な時は1人だけで判断するの は辛いだろうなと俺はいつでもしっかり 確認して やるけいつもごめんね私憲吾の人生邪魔し てるよ ね俺は笑って返して やる何言ってんだよ俺は俺でこうしたい からやってるんだからほら余計なこと考え ないでねな休息するのも仕事だ ぞ姉が寝たのを確認すると俺は現行の流れ を整える作業に入っ たあが言った俺の人生いってやつを俯瞰し てみ た俺は一より長く大学に通ったその学費は 姉が出してくれたやっと就職してしばらく した頃姉の心の状態がすごく悪くなった今 まで俺のために気を張ってずっと頑張って くれていたんだと思い俺は俺の意思で就職 先に標を出し た多分姉はそのことを気にしているでも誰 のおかげで俺が生きてこられたかって言う とやっぱり姉のおかげだ俺の人生で大事な ことはこうして姉を手伝うことだと改めて 思っ たある日夕方になってバイトに行くと町田 が話しかけてき たようあ今日は棚が綺麗に整ってるな たまにはいい仕事できるじゃん 何やら機嫌が良さそうだでも相変わらず 面倒 くさい別に町田さんに褒められなくても 構わないんですけどねどうしたんですか いいことでもあったんです か町田はニヤニヤしながらこう言っ た美人看護師との合コンに誘われちゃって さいいだろ羨ましいだろう昨日薬剤と師の 勉強会があってよそこで決まって ね合コンの予定ができて嬉しかったのか 単純なやつ だお前も行きたいだろうでもダメなんだわ お前は医療関係者じゃないから残念だった な学生時代に勉強したけばよかったのにな

この先もバイト生活なんだろう なあ嬉しいのまでは理解できるが そこまで必要に俺をいじる必要はなくない か今日の町田は異様に しつこい俺興味ないん で俺がそうはっきり伝えても町田は まだまだ絡んでくるうんざりし始めた時 薬剤師の大森優香がすごい見幕でやってき た町田君さっさと仕事に戻りなさい よさんは町田よりも長くここで働いて いる町田とは大違いで仕事のミスもないし 勤勉だ俺は密かに大森さんを尊敬して いるなんだよ大森お前みたいな硬い薬剤師 こそ自分から出会いを求めていかないと 生き遅れるぞ大森も医者と合コンしたら どうよもうすぐクリスマスだ ぜ大森さんは汚らしいものを見るような 目つきで松田を見ていっ たしないわよ合コンなんてそれに医者だの 看護師だのって職業で一括りにして人を 見るのはどうかと思うわよどんな仕事だっ て世の中のためでしょほら町田君も さっさと働きなさい よ町田は大森さんに無理やり連れて行かれ た俺は大森さんの言ったことが本当に まともだと関心し棚だしにせを出し たそれから数日後俺はバイトが休みで街中 をブラブラしていた俺が家にいない時間が ないと姉が余計なプレッシャーを抱えて しまう俺は特に何をするでもなくバイトが ない日はこうしてただ外を 歩く今日は週末でクリスマスの装飾の中を 多くの人たちが生きかっている友達同士 カップル親子 グループ俺は人間観察が好きだこうして見 ていると誰が何歳でどんな職業の人か なんて全然わからないがその人が今どう 考えているかは行動や仕草に現れるので 分かるあの人は酔っ払っているようで実は 結構冷静に空缶を避けて歩いている もしかしたら隣の女子に今日何か大事な話 をするのかもあっちの人はスマホを ひたすらいじりながらもキョロキョロして いる待ち合わせ相手が来るタイミングで 全然待ってない風にしたいのかもしれ ない俺の勝手な予想も混じっているが人間 心理について考えるのは 面白い姉のような辛そうな人の様子を見る のは辛いものだがその重たい心を一緒に 支えて少しでも負担を軽くしてやれたら いいと 思うひたすら人の流れに逆らわず歩いて いると盛大にイルミネーションが光って いる場所にたどり着い たそこは外子系の高級ホテルの庭だっ

た一般公開しているスペースが装飾を見物 に来る人間で賑わってい た俺も綺麗なイルミネーションに しばし見入ってい たすると突然名前を呼ばれ たあれババじゃ ねえ振り返ると町田がいた光沢のある スーツに尖った皮靴随分張り切った格好を して いるおいばばここはパーカーとデニムで 来るようなとこじゃねえよしも1人1人で イルミネーション見てんの だせえ俺は散歩中になんとなく寄っただけ だと伝えたが町田は興奮しながら俺を いじり続け たばばってよマジでかわいそうだよなここ にいる姿バイトの時よりもっとみじめに 見える わペラペラと俺をなじる町田が面倒で俺は その場から去ることにしたしかし町田が俺 を 引き止めるよお前も誘ってやろうか今から この前言ってた合コンなんだよこんな機会 ないだろ奢ってやるからよなんかすっげえ かわいそうだもん お前俺は少しだけ考えたまだ家に帰るには 早いし寒いどっかで飯を食うにしても今夜 はどこも混んでいそうだ合コンに来る人間 はどんな感じなのかもまあ気に なるよし行ってみよう か行ってみ ます町田はいまるそうな笑顔 でよしそうしようと言っ た俺は町田の考えそうなことは分かって 人の前でまた俺をいじって話題にするん だろうそんなことは気にしないって言うの に な合コンの会場は上海のラウンジだった 会場の照明は夜景を楽しむために薄暗くを 落としてあり正直人の顔もあんまりよく 見えないが俺の目的は様子を見るだけだっ たからまあいいやというだっ たどうもどうも下で友人にあってあんまり 寂しそうにしてたもんだから一緒に連れて きましたわうちのバイトのパバ君 です町名がそう言って俺をみんなに紹介し た薬剤師の男性が町田を含めて4人看護師 の女性が4人ソファーで向い合って座り俺 の席はお誕生会の主役が座るような場所に 着席で1人用の椅子を持ってきてもらう形 で用意され た乾杯が住むとみんながお互いに探り合い の会話をし始め た暗いけどグラスの光の加減でグラスの それぞれの持ち方に緊張や紅葉感があるの

が伝わって くる皆さんはどちらにお務めですか僕は4 丁目のドラッグストアでこいつはそこの 棚卸しワイトです よ薬剤師さんって大変そうですよねまあ 仕事には緊張感はありますけどねああ こいつは気楽なもんです けど町田がいちいち俺を絡めて女性に返事 をするのはおそらく激しく緊張している からだろうあとは少々の嘘を言っている 罪悪感 から ねばばさんでしたっけばばさんはどうして 棚卸しのバイト を看護師の中の1人アカが俺に質問をして き た俺は姉と住んでて ああこいつはお姉さんのスかじりなんです わ学生時代に僕たちのように努力をしてこ なかったもんでフリーターしかできない からバイトなんです わ俺の話を遮って町田が意味不明の説明を まくし立ててき たそうなん だそこへ薬剤師の1人である石川という 男性が割り込んで くるばば君君はフリーターになりたくて 生きてきたの何にも夢はなかったのどうし てデニムなんて来てきた の石川はをジュースのようにごくごく飲ん ですでにかなり酔っていた何から答えよう か迷っていると石川だけでなく他の薬剤師 たちも町田のノりに合わせて俺に乱暴な 言葉を投げかけてき たばば君高級ホテルに来るのは初めてなの かその格好はマナー違反だよ職業に担は ないがやはり社会的な常識は学んでおけば よかったので はばばちゃん時給で働くの不安じゃない手 に食がないとこの先は結婚も難しいんじゃ ない男性人はみんな悪酔いしている女性人 はそんな男性人に引いているよう だアカ以外の看護師たちは自分たちだけで 自撮りをしたり料理を食べたりしてまるで もう別グループのように楽しんで いるこれって合コン失敗してるのではそれ なら俺も帰ろうか なそう思ったところでアカがまた俺に 話しかけてき た私ばばさんに会ったことがあるような気 がするん です俺はアカの顔をよく見ようとしたが 夜景の逆行になっていてよく見えなかっ えっとどこででしょう か多分そこの大学病院だったか

ななんだよばば入院でもしてたことあんの まさかアカちゃんはその時の担当看護師と か俺はこれまで1度も入院した経験はない それより町田は俺なしで会話ができないの かもはやこれは合になっていない ぞいよいよ俺がここにいる理由がないよう な感じがしてきて俺は帰るためにマフラー を巻き始め たその時テーブルがガシャンとなった 大きな音にラウンジの中はしとし た石川がガラスのテーブルにかぶさるよう に上半身をうつ伏せにして倒れてい た皿やグラスワインので暗がりでも分かる くらい辺りが真っ赤 だお客様大丈夫ですかお客 様近くにいたホテル従業員が駆けつけ石川 の体を起こそうとし ただめですまずは状況確認をして ください俺は思わず叫んでしまったでも 確認する前に体を動かしてはいけ ない石川の横に行きガラスの破片をざっと 払いテーブルから倒れて落ちていた小さな テーブルライトを拾い石川の顔に当てた 顔色は真っ白 だ続いて呼吸と脈を確認する呼吸は浅く脈 も遅い呼びかけにも応じないし口からは 食べ物が出ている何よりも体が急激に 冷たくなっているこれは急アルコール中毒 だろう町田さん石川さんの体をソファーに 泣かせるのを手伝ってください起動が つまらないよう横に寝かせてあや う町田どころか男性人はみんなおどおどし ていて動いてくれない私たちやります看護 師てある女人が男性人を押しのけ慎重に速 に石川を移動させた救急車呼んでください 店員さんばばさんあ は女性人がテキパキと動いて くれる出勤によって体温がさらに低下して いるあるだけの衣服を貸してください保温 しなくてはその前に上半身の衣服を緩めて あげてくださいわかりまし た俺はマフラーやパーカーを脱いで石川の 足元に被せ ベルトを外し腰部分をどうにか保温する 方法を 探す俺はもう脱げるものがない松田さん 上着貸してもらえませんかえいやでもこれ 新品グズグズしている松田を跳ねのけ女性 人の1人が自分のコートを差し出し た私のコートファーだから保温できます 使って ください女性人は 石川の体から出た体液や固形物にも戸惑わ ずに対処してくれたさすがは看護したいて くれて助かっ

た急性アルコール中毒ですよ ね俺はアがそう聞いてくるのにうんと返事 をしつつ石川に声をかけ 続ける石川さん石川さん聞こえますか反応 できます か 他にここでできる対処はない意識を失って いるのでは水分摂取もでき ない俺は懸命に声がけをするホテルの こんな上の甲では救急隊の到着も遅い だろう意識を取り戻してくれたらいい が う石川の口から声らしきものが出てきた俺 はそのまま声をかけた しし苦しい石川さん大丈夫ですよすぐに 病院に行けますからねお水飲み ましょう私やりますばばさんはあの手の傷 をが清掃をしていた男性人が所在なさそう にしている中俺は女性神からも改めて拍手 をされ たねえばばさんあなたただのバイトなんか じゃないわよねあなた一体何者な の俺は実は俺が答えようとするとアカが先 に行っ た帝都大学病院の診療内科のババ先生です よね私看護師の研修中にお世話になってた のを覚えていますババ先生は外科からも 内科からも期待されていたけど診療内科を 選んだとみんなが噂をしていまし たアカの顔をよくよく見てみれば確かに見 たことのある顔だった女性人たちを確認し てみるとみんなかなりの美人ばかりだった う医者ばば君医者だった の街をまんまくしていったそれに対し かせるようにアカがまた口を開いた それだけじゃないんですよババ先生は医療 業界で人気の漫画ドクターBの医療監修も してるんですねババ健吾 先生それを聞くと町田以外の薬剤師たちが 町田の前に乗り出してきて騒い だあの漫画の僕すっごいファンなんです けど驚いたそんな数だったのか失礼しまし た馬 先生ドクターBは医者を辞めた俺に申し訳 ないと言って姉が企画してくれた漫画だ 監修してもらえたら俺の正式な報酬も 出せるからと気合いを入れてストーリーを 考えてくれ た幸い姉の努力が実って漫画はヒットした 姉の作品ほどではないが医療業界では要 JOがいいらしいだから俺は姉の収入だけ に頼っているわけではなくスをかじって いるわけでも ないばば先生握手してもらえませんかああ と手を出そうとして気づいた俺の手は

デニムに押しつけていないと大変だあすみ ません俺の手切れちゃって て女性人が俺の手の対処をしてくれると 口々に言ったが俺はここには何の道具も ないことだしに断っ たすみません俺はもう帰り ます両手をデニムに押し付け気をつけの 姿勢の変な姿勢のまま俺は足早にその場を 去っ た家に帰ると姉は寝ていた俺は無駄な心配 をかけなくて住んでよかったと思いながら 自分で切れた手の処置をし た翌日俺はしてちょっと困った状況に陥っ た切れた手にガーゼやテープをきっちり 巻いてきたのだが段ボールを運ぶ際に ちょうど角の部分が傷口にめり込んで しまい痛くてたまらない思いだった痛いと 言ったところで他に棚だしの人員はいない ため耐えるしかなかったこういう時に限っ て町田は俺のとに来なかったそれどころか 商材薬局の受付から全く動く気配がない 一点を見つめたまま大森さんに支持された 時だけはっと我に帰って動くような状況 だ金をもらってるのになんだその働き方 はここは俺も手の痛みを紛らわせる目的で 俺から話しかけに行って やろう町田さん町田さんふなんだよばばく ばば 先生やめてくださいよその呼び方ここでは 俺はただのバイトですぼーっととしてどう しまし た町田は俺の目を見ようとしないさては 合コンがうまくいかなかったのを今更後悔 しているな昨日の今日だからな仕方ある まいお前が悪いんだはい 医者の資格があるだけで先生だろそれだけ でとにかく持てやがってさお前が全部悪い ん だちょっと何を言っているか分からず俺は どう返事したものかと思った不に松田が俺 の顔を見る俺は驚いてしまっ た俺はこの表情を知っている重度のう少女 の患者さんと同じ表情だしかもも思い込み や他の念が強くなりすぎてやけくそで他者 を傷つけてしまう人の 顔町田さん落ち着き ましょうどうせお前は俺のことをバカにし てたんだろ最初っから よ町田は受付カウンターを乗り越え俺に 向かって殴りかかってき た俺は避けようとして手の傷にまともに撃 を受けてしまいそれをかわしきれなかった 町田はひんだ俺の顔腹を中心に何度も何度 も拳を打ちつけて くるきゃあ誰か警察を呼ん

でレジの店員の女の子が叫ぶ俺は殴れ ながらも考えてい た町田は自己肯定感が低すぎる他者への 恨みが募るのはそれが原因だ俺は抵抗を やめ町田の思うがままに殴られた町田の気 がそれで済むとは思わなかったしそれが 根本的な解決にはならないのを十々承知し ていたがこの場の町田のエネルギーが発散 されることが先だっ た警察が来て俺と町田は初に連れて行かれ た俺は早々に返してもらえたが町田は解放 されなかった 俺は何も訴えないと言ったの に帰宅すると今度こそは姉には隠せなかっ た俺の顔の傷を見て姉はそっと押しかけ たけ私がけにそんなバイトをさせてたのが 原因 ねもうこうなってしまうと俺が何を言って もだめなんだ姉も町田も的に不安定になっ て人の話が聞けないだけなんだがこういう 時に普通に何を説明しても受け入れられ ないの だ俺はただ黙って姉が思いのまま喋ること を聞き続け た数日後久々にドラッグスターに出勤する と町田はいなかったその代わりと言っては なんなが不自然な逆が増えてい たあの人じゃないドクターBの監修の人 あの書き込みの人だよ ね大森さんが教えてくれ た町田が全国版の掲示板にまるまる町4丁 目のドラッグスターにドクターBの医療 監修者がいる棚だしのバイトをしている すかした顔のすかしたやつと書き込んでい たというそれで一部の漫画のファンが来て の ださらに町田は警察からは解放されたが 精神作らが収まらず入院したと いう俺は自分を俯瞰したこうして身元が バレてしまうことは俺にとってはあまり 問題ではないだが姉にとっては昔の マスコミ報道のフラッシュバックになる 町田にとっても正常な精神状態になった後 かな傷になる職場にとってもいたずらに 騒がれるのはあまりいいとは言え ない俺がドラッグスターのバイトをやめる のがとりあえずは 正しい俺は店長と話しドラッグスターを やめた夕方から夜の時間を適当に潰す日々 を送っ たそれが1ヶ月ほど続いた頃帰宅したら姉 がリビングで待って け話があるのうんどうし た姉の表情は落ち着いてい た私結婚する

ほ俺はものすごく驚いたが姉の方は至って 冷静だっ た話してなかったんだけど軽出版社の斎藤 さんからねプロポーズしてもらった の斎藤さんは俺も面識があった姉の漫画の 反則をしてくれている確かに俺は何度か 斎藤さんほどの大きな器の方なら姉のこと を任せられると勝手に思ったことがある 付き合っていたの かそれでねあけには病院に戻ってほしいの けが一番したいことは心が弱っている人の 手助けじゃない私はもう大丈夫だから ずっと ありがとう俺の心は複雑だったが姉がそう いうのであれば結婚を祝福して俺が姉の元 から旅立つのが最もいいと判断し たただ俺が病院に戻ることについては迷い があっ た俺は町田1人も救えなかった男だ俺には 大した力が ない免許はあってもやる気はあっても センスがなければ人の心は扱え ないおめでとうよかったでも俺のことは 少し考えさせ て俺は姉にそう返事をし たそれから半月ほど俺はこれから何をする のがいいのが考えた人のために何ができる のかで壁にぶち当たるようになると今度は 俺が何をしたいかで違う壁にぶち当たっ た俺の仕事は姉の人生を支えることだと 思っていたが姉がそれを必要としないなら 次は何をすればいいの か俺はいつでも客観的で俯瞰的だったはず が自分の思い悩みの前ではそうは行か なかっ たこれまで患者さんを見ていた経験が まだまだ浅かったのだと知っ たそんなある日大森さんからメールを 受け取っ たお店の方の騒動は収まりましたお話が あるので1度来ていただけません か俺は久々にお客さんのいなそうな時間帯 を狙ってドラッグスターへ向かった大森 さんは優しい顔で待ってい たお久しぶりです今は何をなさっているん です か俺はその優しい顔に甘え何をしていいか わからないのだと正直に話した自分が認識 をする範囲ではこんなに自分の正直な内面 を話せたのは人生で初めてだったような 感覚だっ た大森さんへの信頼が大きかっ たばばさんばば先生は意思として働くのが いいのではないでしょう か先生がいつもスタッフ1人1人の様子を

きちんと伺って対応しているのを私は見て いましたよ先生の対応は完璧でした よ俺は自分はそう思えないということを 大森さんに打ち明けた大森さんは優しい顔 を崩さずこう言ってくれ たこれ松田さんの入院先です会いに行かれ たらどうでしょう か大森さんからもらったメモには比較的 近所の住所が書かれてい た数日後俺は町田の見舞に行った町田は 意外にも穏やかそうだっ たよババ先生俺はは元気だ ぜただちょっと照でくそうではあっ た精神良好なようで良かった です俺がそう言うと町田は俺の顔を 覗き込みこう言ったうわ見たことない顔し てら暗くねマジで悩んじゃってん の俺がしたことは悪かったけどよ今冷静に なったら分かったんだ よ先生は適当で破滅的な俺に対しても すげえ誠実だったと思うよ俺人生で初めて 反省したしもっと真剣に生きなきゃって 思った ぜ俺は町田がそんなことを言うとは全く 思っていなかっ たやめたんだってドラッグスター俺のせい だよな悪かっ おい何泣いてんだよやめろよお前が泣くと かマジでびっくりすんだけどやめろ泣きや めっ て俺は嬉しくて号泣してしまっ た心を病んでいた人がこうして元気になっ て冷静になって頑張って生きられると言っ てくれるのが心の底から嬉しかった ありがとうござい ます町田さんに何かが伝わって町田さんが 元気になって俺マジで嬉しい です町田 はめんどくせえ なめんどくせえけどちゃんと礼を言う わありがとう 先生俺は涙を止めることができなかっ た町田の言葉は俺を救った俺に意思として やり直す自信をくれ た俺は大学病院の診療内科に復帰した全て の人とは言いきれないが俺が心の回復を 助けてあげられる人はいるはずだ俺も全身 前例で助けるつもり だ姉の漫画の手助けはもちろん続けるが俺 が救うべきは 姉だけではないのだろう俺にも自分の思う ことだけが全てだと思うようなおりがあっ たと 思う今回の件で大森さんが薬剤師グループ とのつながりをアカが看護師グループとの

繋がりを作ってくれたそれらもお互いに 良き立場として生かしていければと 思う姉からも町田からもたくさんの経験を もらえた やはり俺は根本的に人間を信じているとも 自覚したもっともっと人に寄り添える意思 になるべく努力をしていこうと 思うレジ袋はいかがなさいますか再びかい 声でそう聞かれた俺は最初は気づかず スルーしていたが2度目のそのレジの店員 の声に発したなんだか聞き覚えのある声 だったからである興味深くレジの店員の顔 を見た え俺は目を疑ったそのレジの店員は俺の 知っているある人に見えたのであるしかし 冷静に考えてやはり違うと思った最初こそ 似ていると思ったけれど目の前のその人は 俺の知っているその人よりやれていて肌に 張もなく髪に艶もないそして化粧も地味だ し表情に覇気もないすれと次の瞬間竜二と そのレジの店員は俺の名前を呼んだえ まさか俺はそのまさかなのだと確信した まさかミオ初めは元妻のみおに似てると 思いつつあまりの変貌ぶりに違うと思った のだいつも派手なメイクをしヘアスタイル もばっちりと決めていたみおその表情は いつも自信に満ち溢れていたしかし目の前 で俺の買い物かごから商品を取り出しバー コードを読み取っている女性はやれての ない表情をし化粧気もなく髪もボサボサで あった君は本当に妙なのかどうしてここに 俺がそう話しかけるとその女性は久しぶり ねりじと言ってうっすら笑ったかと思うと たくまも元気この蜂蜜入りヨーグルトあの 子が好きだったわよねと言って目に涙を 浮かべた俺はこの女性は見で間違いなさ そうだと確信したしかし次の あちらの生産機でお支払いをお願いします とみおは俺に言い次に待っている客の対応 をし始めた俺はもう少し話をしたかった 気持ちはあったが彼女は仕事中だし仕方が ないと思い諦めて支払いを済ませた後商品 を袋詰めしてスーパーを後にした俺は動揺 しながらとりあえず帰って夕飯を作ろうと 家地を急ぐしかし駅に向かう道を気がつい たら引き返している自分が あんなにやれたみを見ておいて何事も なかったかのようにそのまま家に帰る なんてできなかった俺がスーパーへ 引き返そうと振り向いて少し歩いたところ でりじと正面から俺を呼ぶ声がした美が俺 の目の前から歩いてくるそして距離は 縮まり俺たちは資金距離で向かい合った俺 の名前は福本竜二40代後半の会社員で 息子が1人いる26歳の時に当時付き合っ

ていた彼女の河の美男と結婚し2年後に 子供が生まれて一次の父となった美央は 総合病院で内科として勤務していて美人な 女医さんとして巷ではなかなかの有名人で あったミオの父親も医者で病院の委長だっ たことから彼女は物心ついた時から医者を 目指すようになり偉大で学んだ後に内科医 として父親の病院に就職していた一方の俺 は高校卒業後ににとりあえずアルバイトで 入ったペットショップで数年働きそのまま そこで社員になっていた俺の両親は自営業 をしていて裕福な暮らしではなかったので 大学進学を諦めたというのもあるその俺が なぜ医者の美と知り合って結婚に至ったか と言うと一言で言えば縁があったという ことだと思う俺が24歳の夏中学の同級生 で医者になった友人がいたのだがたまたま その友人川久保まやと街でばったり出会っ たしばらく立ち話をした後近いうちに飲み に行こうなんて話をして別れたのだが数日 後にまやから連絡が来て何かと思えばまや の知り合いの女医さんがペットショップで 働いている知り合いを探しているのだと いう先日立ち話をした時に俺の職業を まさやに伝えてあったので真っ先に俺の ことが思い浮かんで連絡をしてみたそうだ その女医さんはペットを買いたいそうだが まずは信頼できる人にを聞きたいらしく まやの学生時代の同級生なら是非話を聞き たいと言っているとのことであったそんな わけでお前の連絡先をその女医さんに教え ていいかまやにそう言われた俺は見知らぬ 女性に俺なんかの連絡先を教えて相手に 迷惑じゃないだろうかと心配したが俺の方 は問題ないのでとOKをしたそしてその2 歳年上の女さん川のみおさんから連絡が来 たのはその翌日のことでであったそれから 数回メッセージのやり取りをし河のみお さんの方から会って話を聞きたいと言われ たので会うことにした女性と2人きりで 会うなんてあまり経験のない俺であったが 事前情報でみおさんには医者仲間の彼氏が いるとまやから聞いていたので俺は彼女を 異性として意識せずあくまでも友人の頼み による人助けとして捉えることにした こんにちは河野ですわざわざ時間を作って いただいてすみません日曜の昼下がりそう いって待ち合わせのカフェに現れたのは顔 のパーツがはっきりしていて栗色の髪をし たスタイルのいい女性であったうわ美人だ と思わず口からこぼれそうになったが地味 な俺とこの人が一緒にカフェでお茶をする 絵面が何ともおかしいなと思い直し少し へこんだそして俺はみおさんが最近 1人暮らしを始めたから念願のペットを

買いたいこと仕事が忙しく家を留守にし がちなのでどんな動物を買うのがおすめか を知りたいことなどを聞いたそうですね 河野さんは職業柄特にお忙しいかと思い ますしフェレットなんかはいかがでしょう よく眠るのでオルスバも可能ですし買い やすいと思います人に懐きやすいと思い ますし俺がそう伝えるとみおさんは フェレット考えても見ませんでしたペット といえば犬か猫しか頭になかったです犬は 散歩しないといけないから猫かななんて なんとなく思っていたくらいでプロの方に お話を聞くことができて本当に良かった ですと言ったそして将来的に誰かと暮らす ことになってもフェレットなら同居家族も 受け入れやすいですよねとみおさんは言っ た交際中の彼氏と結婚するのかなと察した 俺ははいご結婚されてお子さんが生まれた 場合も負担が少ないペットかと思いますよ と伝えるとみおさんはえ嫌だ結婚は当分し ないですよと慌てて返事をした俺も焦って すみません余計なことをととっさに言うと いえいえ私も余計なことを言ってすみませ ん私今お付き合いしている人もいませんの でとみおさんがさらに自分の情報を伝えて くるので俺はどうしたらいいか分からず はいとだけ返事をするとなぜかみおさんは しょんぼりした様子で俯いてしまった俺は 失礼な対応をしてしまったかなと反省し とりあえず何を顔にしてもうちのペット ショップにいつでも見に来ることは可能だ と伝え店の名刺を渡してその日は解散した 後日まさやから連絡が来てみおさんがお前 と付き合いたいって言ってるぞと メッセージに書いてあったので俺は飲んで いたコーヒーが変なところに入ってむせて しまいゲホゲホと咳をした嘘だろよし鍛錬 で稼ぎもいい年上のジョイさんがは俺 みたいな冴えない男と付き合うわけがない のでまさやの勘違いに違いない冗談はやめ てくれよ俺がそう返事をするとまさやは みおさん最近医者の彼氏と別れて相当 落ち込んでるみたいそれで同業者と 付き合うのはもう嫌なんだって素朴で素直 そうな人がいいって言ってたぞと返事を よした確かに俺は素朴だが本当にそれで いいのかみおさん俺の疑問はすぐさまみお さんに消されたみおさん本人から俺に メッセージが来て俺と付き合いたいと彼女 から告白をされたのだ俺は女性から交際を 申し込まれたことは人生で初めてだったの で戸惑ったがそれから何度か食事やデート に行くとみおさんは年上の女医さんにして は俺に甘えてくるので俺も守ってやら なきゃと男木が芽生えたそして正式に交際

開始をし30歳までに結婚したかったと いう彼女に押し切られトト拍子で結婚と なった美女と野獣逆玉残しと散々周りに 言われ俺と美央の格差を思い知らされたの だがまあ外野には好きに言わせておけば いいと開き直り夫婦としての生活が スタートしたのが俺が26歳ミオが28歳 の時そこから子供が欲しいと強く希望して いたミオの願いを叶えるべく妊活を スタートし2年後には息子の琢磨が生まれ たそんなこんなでこうして説明すると何も かも順風満々に見えるのだが実は結婚前 から俺はミオに対して1つの不安があった どのカップルも1つや2つは問題点はある と思ったし完璧な相性というのはないと 思ったのでそのうち不安は消えるだろうと 当時は楽観視していたその不安とは金銭 感覚の違いであったミオは俺よりも稼ぎが 良く加えて実家も裕福なので子供の頃から お金に不自由なく育ってきたお嬢さ様だ 反面俺は実家も俺自身も低収入である夫婦 の収入の違いは気にしないと美央は言って いたものの基本的に俺の収入から生活費を 出そうとする家賃や高熱費の引き落としや 日々の食材や日用品の購入もだそうすると 俺の小遣いが全くなくなるので結婚して から俺は昼食を家から持っていくおにぎり で済ませていたもちろん夜も仲間と飲みに 行くこともなくなったしかしみおは休みの 度にエスティやネイルに通いブランドもの 服や化粧品の新作を買い近場の海外に旅行 に行くこともしょっちゅう 俺は結婚したら妻には幸せに暮らして もらいたいし仕方ないと思ったしかし俺が そんな小さな妥協を大きな不安に感じ始め たのは子供が生まれてからであったみおは 息子の琢磨を産んだ後育休を取り2年は 働いていなかったジョイという忙しい仕事 と育児のかけ持ちは難しいしミオが しばらくは育児に専念したいと思ってくれ たのだと俺は思っていたしかし育児は俺の 実家の母親にお願いしてみおは毎日豪華な ランチを食べに行き相変わらずのエステが 酔いやブランド品の購入をする日々であっ たミオの収入がない間彼女は俺にねえ ブランドのバッグを買いたいからお金出し てなどと言ってきた俺は俺の子を産んで くれたミオに不自由をさせたくなかった けれどブランドのバッグをポンと買うほど のお金はないのでどうしようもなくこう 返事をしたごめん俺の稼ぎではそれを出し てあげられないするとみおは妻の必要な ものも買えない夫なんて情けなわねと言っ た俺は高級鳥だったみおにそう言われるの は仕方がないと思って言い返せず自分が不

なくて悲しくなったそして息子の琢磨が2 歳になるとミは職場に復帰した俺は不遇の 2年間を耐えてようやくミが自分の稼ぎで ブランドバッグを買ってくれるとアドした のもつのま私の給料は使いたくないからと 結局ミオがブランド品を俺にねだり俺は 自分の昼食がおにぎりなのはいいのだが 自分の靴やバックに穴が開いても 買い替えることができなかったのが 切なかったまあでも琢磨の将来のために みおは自分の給料を貯金してくれてるん だろう俺はそう思っていたそして今後の 我が家の経済的な計画について夫婦で 話し合いたかったので何度か俺からミオに 話を持ちかけたしかしミオの給料は貯金を してるんだよなと俺が聞いてもなんで そんなことをあなたに教えなきゃいけない のと言われたなんでって夫婦だからじゃ ないんだろうかしかし俺とミオのみはこの 頃からどんどん深まっていった 気づいたらその溝が修復できなくなって しまうのが夫婦の恐ろしいところである 琢磨を私立の小学校に行かせたいんだけど 琢磨が4歳の冬みおにそう言われたその 学費は俺の稼ぎから算出したいというと 苦めしても無理なので俺は運とは言え なかったそして私立の小学校に通わせる メリットをみよに聞くと彼女はこう答えた だって私立に通ってるって言わないとなん だかかこ悪いじゃない私女医なのよ驚いた 琢磨のためだと思っていたらミオの プライドのためだったのだだったらミオの 稼ぎから少しは出してほしい俺は意を消し てそのことを伝えたみお俺の稼ぎだけでは どうしても無理なんだミオの収入から琢磨 の小学校代を出してもらえるなら行けると 思うんだけどすると俺のそのセリフに彼女 は激怒してどういう 妻が子供の学費を払う家庭がどこにあるの よなんで使えない夫なのと言った俺は使え ない夫という言葉にはさすがに傷ついて 悲しくなったみおは自分の給料からはどう しても出したくないと言って聞かなかった 僕は絶対に東小学校に行きたいと党の息子 は家から近い公立の小学校を強く希望して いる美は仕方なく私立を諦めはの小学校に 入学したしばらくは金銭的にも平和に 暮らせるそう思ったがしばらくして俺が 懸念していたことがまた起こる琢磨が賞賛 になった頃であった中学は私立に行かせる わよ今から塾に入れるんだからみおが当然 という見幕でそう言った彼女の言文は私立 小学校に行かせるのを我慢して妥協したん だから今度はそうさせないわよというもの だった俺はおそらくみおはそういうだろう

なと予想はしていた俺も金属年数に応じて 少しずつではあるが社長が俺の給料を上げ てくれていたみおがブランド品を買うのを やめてくれればなんとかなりそうなので そのことを彼女に伝えたみお申し訳ない けど買い物を少し控えてくれないかその分 を琢磨の中学受験のための宿題や私立中学 の学費に回そうしかし俺のその発言に彼女 は激しく反発したまたそんなことを言うの 私に我慢しろっていつもいつもそうなんで 頼りない夫なのよ彼女のその言分に俺も 反論した子供の学費にお金をかけたいなら 高級品を控えるのは仕方がないだろう協力 して欲しいんだするとみおはこんな風に 言った使えない夫なんかこっちからごめん だわ医者と結婚すればよかったもう離婚よ 俺もそこまで言われるとさすがに腹が立っ た医者と結婚すればよかったと言われると 俺は今から医者にはなれないし悲しい俺も 極力稼ぎをあげるように頑張るけれど彼女 と一緒にいるとどこまでもお金をかけたい 欲求に押し潰されてしまい生活も正常な メンタルも保てないと思ったそこまで言う なら俺がそう言いかけるとみおは意地に なってじゃあ離婚ねと言い放ち翌日から 離婚に向けて手続きを進始めたしかしみお が勢いで言ったのだと俺は思いみおよく 考えてくれよ離婚したらミオの給料は貯金 できなくなるぞと俺が冷静に言うとみおは 驚くべく発言をした私の給料を貯金そんな ことしてないわよ私が稼いだお金はエステ や食事や服に全部使ってるわあたり前じゃ ない俺は驚いて言葉が出なかったその時 息子の琢が俺たちにこう 父さん離婚しなよ俺は父さんと一緒に 暮らしたい母さんと一緒にいたらお金が どんどんなくなるよ俺は公立の中学校に 行きたいのに俺の意思も聞かないで私立中 学校の受験をさせようとする母さんのこと は信頼できない父さんと俺でこの家を出て もっと家賃の安いところに住もうみおは その言葉を聞きさすがにショックを受け ひどい琢磨は私のことをそんな風に言うの 今まで育ててあげたのにと言ったが琢磨は 産んでくれたことには感謝してるけど 母さんはいつも自分のことばっかり俺の こと考えて色々してくれてるのはいつも 父さんだよと言ったもういいわだったら 竜二と琢磨が2人で暮らせばいいみおは やけくそになって引っ込みがつかなくなり 数日後に家を出て行ってしまった俺は 話し合いをしたかったがその願いは叶わず 美が離婚届けを出してチリされてしまった そうとなれば仕方がない俺と琢磨も2人で 暮らせるアパートに引っ越し不家庭として

スタートしたのは琢磨が中学校に上がる 直前のことであったそれから6年が過ぎた 琢磨と慎ましく2人で暮らしなんとか息子 の大学も決まった正直に言うとお金を湯水 のように使う元妻の美がいない暮らしは 彼女がいた時よりも楽であった たくま今日は夕飯は家で食べるか今朝も俺 は琢磨に相問いかけた息子も18歳になる と友達と出かけたりアルバイトで帰りが 遅くなることも増えたが家で夕飯を食べる 時はなるべく俺が栄養のあるものを作ろう と思っていたうん今日は家で夕飯を食べる よ琢磨がそう返事をしたそして俺は仕事へ 行きその日は研修で会社から研修会場へ 移動そのまま定時を過ぎたので会社には 戻らず直記をすることにしたさてと スーパーで夕飯の材料を買わなきゃだな俺 は降りたことのない駅の商店街を歩いた 商店街の真ん中に聞いたことのある名前の スーパーがある初めて入るスーパーだけど 覗いてみるか俺はそのスーパーに入り本日 の我が家の夕飯は何にしようかと考え ながらかをカートに乗せて店内を回り始め たてっとり早いのは焼肉だよな野菜も切っ て焼いちゃえばいいし俺はそう心の中で つぶやきながらニンジンや玉ねぎそれから ピーマンと焼肉用の肉をかに放り込んだ あとたくまの好きな蜂蜜入りヨーグルトを 買うかと買い物かごに追加をしてレジに 並ぶ食事を作るのは嫌いじゃないが疲れて いる日はその労働が過酷に思えるお次ぎで お待ちのお客様疲れて少しぼーっとして しまったので開いたレジにすぐに反応でき ずにいた俺をレジの店員はか細い声で呼ん だあはい俺は呼ばれたレジへ行き台に 買い物かごを置いた袋はいかがなさいます か再びかい声でそう聞かれた俺は最初は 気づかずスルーしていたが2度目のその レジの店員の声にはっとしたなんだか 聞き覚えのある声だったからである興味 深くレジの店員の顔を見たえ俺は目を疑っ たそのレジの店員は俺の知っているある人 に見えたのであるしかし冷静に考えて やはり違うと思った最初こそ似ていると 思ったけれど目の前のその人は俺の知って いるその人よりやれていて肌に張もなく髪 に艶もないそして化粧も地味だし表情に 覇気もないすると次の瞬間竜とそのレジの 店員は俺の名前を呼んだえまさか俺はその まさかなのだと確信したまさかミオ始めは 元妻のミオに似てると思いつつあまりの 変貌ぶりに違うと思ったのだいつも派手な メイクをしヘアスタイルもばっちりと決め ていたみよその表情はいつも自信に 満ち溢れていたしかし目の前で俺の買い物

かごから商品を取り出しバーコードを 読み取っている女性はやれて覇気のない表 し化粧もなく髪もボサボサであった君は 本当に妙なのかどうしてここに俺がそう 話しかけるとその女性は久しぶりねりじと 言ってうっすら笑ったかと思うとたくまも 元気この蜂蜜入りヨーグルトあの子が好き だったわよねと言って目に涙を浮かべた俺 はこの女性はミで間違いなさそうだと確信 したしかしの瞬間あちらの生産機でお 支払いをお願いしますとみおは俺に言い次 に待っている客の対応をし始めた俺はもう 少し話をしたかった気持ちはあったが彼女 は仕事中だし仕方がないと思い諦めて 支払いを済ませた後商品を袋詰めして スーパーを後にした俺は動揺しながら とりあえず帰って夕飯を作ろうと家父を 急ぐしかし駅に向かう道を気がついたら 引き返している自分がいたあんなにやれた ミを見ておいて何事もなかったかのように そのまま家に帰るなんてできなかった俺が スーパーへ引き返そうと振り向いて少し 歩いたところでりじと正面から俺を呼ぶ声 がしたみおが俺の目の前から歩いてくる そして距離は縮まり俺たちは資金距離で 向かい合ったみお仕事は終わったのか俺が そう聞くとみおはうんちょうど6時で 上がりだったからと言ったそうか タイミングが良かったんだなそして俺と みおは歩きながら話をしたみお病院で働い ていないのか俺の質問にみおはこう答えた うんもう医者はやってないよやめたのか 何かあったのミオの返事に対し俺は驚いて こう問いかけた色々あったのよ私の お父さんの敬している病院が不祥事を 起こして軽不信になってお母さんはその ことを知ったら体調を崩しちゃって頑張っ たけど立て直せなくて委長の座を他の人に 譲ったのだからお父さん無職になっちゃっ て私は家庭のゴタゴタのせいで仕事を休み がちだったけどしょっちゅうようなやは 会社のお荷物だと実質首を言い渡されて もう父が委長じゃなかったから追い出され ちゃったそれで他の仕事をしたんだけど俺 は黙ってみおの話を聞いた私自分が今まで いかに親の恩恵で甘えた生き方をしていた のかを気づいたのお金はプライドのために 稼いでいたけど別に生活するのも欲しいの を買うのも実家に頼めばどうにでもなった 私は小さい頃から裕福な家庭に育って わがままに甘やかされたってことが だんだん分かってきたみおはそんな風に 言ったので俺は驚い お金は当たり前にいくらでもあるものでは なかったのそんなこと当たり前だったのに

私の金銭感覚がだいぶおかしかったんだわ みおは目に涙をいっぱい溜めていただから りじさん今までのこと本当にごめんなさい すみませんでしたあなたとの生活を 思い出した時私は随分とお金のことで あなたを困らせた挙句の果てによく考えも せずに離婚した私がもっとあなたと 話し合いをして関係を構築していけば離婚 にならなかったあなたは心みてくれていた のに私が応じていなかったんだわみおは そう言った6年の月日がこうも人を変える ものなのか俺は頭の整理がつかなくて何も 言葉を返せなかっ た自分のことを色々聞いてもらっちゃって ごめんなさいじゃあ私はこっちだから あそうだわみおは別れ際にそう言いながら 鞄から小さな封筒を取り出したこれ職場で 今日もらったの繁忙機にお疲れ様っていう ことで図書カードが従業員に支給されてね 1000円分だけどよかったら琢磨にあげ て私からってこは伏せてもらっていいから みおはそう言って俺に図書カードを 差し出したいいの俺はそう言った後にみお の方が生活が厳しいんじゃと言いかけたが せっかくの行為をそんな風に断るのも良く ないと思いありがとうと受け取りその日は 駅前で別れたその日の夜俺のさやかな手 料理を囲んでたくと夕食を食べ食事が 終わった頃に俺はカから図書カードを出し てたくに渡したこれあれば使うだろ参考書 でも漫画でも好きなものを買えばいい俺が そう言うとたはやった助かるありがとうと 言ったそしてその後にどうしたのこれ わざわざ買ったのと聞かれた俺は少し悩ん だが実は今日偶然母さんに会ったんだよ それは母さんからでと正直に言ったいよう かどうか悩んだのは俺たちを置いて家を出 ていった母に対しては息子なりに思う ところがあるようなので今更母のことを 話して彼の心を乱したくないと思からだ しかし琢磨ももう成人年齢になり事実とし て伝えた方がいいと俺は思った え琢磨は少し驚いたようであった俺は今日 の経緯を彼に伝えることにした実は今日 仕事の関係で普段使わない市駅の近くの 商店街を歩いていたんだそれで食材を 買おうと立ち寄ったスーパーで母さんが レジの仕事をしていたんだよ俺がそう言う と琢磨はあの母さんがスーパーのレジの 仕事人違いじゃないのと言った琢磨の中で は高価なブランド品に身を包んだ女医と いうイメージしかないのだろう俺はみお から聞いたみおの実家の病院の契約家の ことや解雇のことを琢磨に話したそうか 母さんもやっと苦労したんだね少しは開心

してくれるといいんだけど琢磨はそう言っ た俺はミの価値観が随分と変わり謝罪の 言葉があったと琢磨に伝えたのだが俺は 父さんに高いブランド品を買わせて困らせ ている母さんの記憶ばかりだから急に開心 したと言っても信用できないと琢磨に言わ れてしまったそんなことがあってから俺は みおのことが気になって仕事帰りに わざわざ彼女が働いているスーパーまで 出向いて食材を買って帰ることが増えた 立ち寄った日に毎日いるわけでもなかった し忙しくレジ対応をしている彼女とあまり 話すこともできない シフト製のようで仕事が終わる時間も まちまちのようだったそんな状況の中 わざわざ予定を聞いて俺が待ち伏せするの はやりすぎだと思ったのでいつか来るで あろう偶然を期待して俺は彼女の仕事場に 足を運んでいたそして2ヶ月ほどが過ぎた ある日俺は仕事を終えて彼女のスーパーで 買い物をしその日はレジに彼女の姿がない ことを確認してキロに着いたリジスーパー を出て少し歩いたところで後ろから声を かけられた振り向くとみおの姿があったあ みお今日もうちのスーパーで買ってくれて たんだね私は今日は批判でみおは俺の手に ぶら下がっている買い物袋を見てそう言っ た判今日仕事休みだったのにどうしたの 職場に用事があったとか俺がそう質問する とみおはこう答えたこの時間ならもしかし たらあなたが来るかなと思って来てみたの 俺は驚いたそしてわざわざ俺に会いにと 言いそうになったが心の中にとめた駅まで 歩くなら私も同じ方向だから一緒に行き ましょう私の家駅のすぐ近くなのみおは そう言って一緒に歩き始めた駅までは車が ギリギリ通るくらいの細い道で車両通行 禁止ではないので時々車が通る車が来る 危ないからこっちへ後ろからゆっくりと 常用者がやってきて俺はミを構いながら道 の橋に寄ってもらうように声をかけたその 時だった道の橋に段差がありいつもより 少し多めに食材を買ってしまって荷物が 重かった俺はうっかりよろめいてしまった 痛い明らかに足をひねった感覚があった やっちまったかという不安と後悔が頭を 巡るだ大丈夫 竜ミは心配そうに俺に声をかけた俺は立っ ていられなくなりそのまま荷物を下に置い てうずくまった足をひねったみたいだやだ ちょっと見せて本当だわ晴れているどこか お医者さんはやってるかしら夜の7時近く になっていたのでどこの委員も通常の診療 時間は終わっている可能性が高い今時なら 8時くらいまでやってるところもあるかも

整形経過じゃなくて接骨院とかだったた みおがそう教えてくれたありがとうそんな に重症じゃない感じがするから様子を見て 明日の朝まだ晴れていたら半球取って医者 に行くよ俺はそう答えたでもみおが心配 そうな顔をしている歩けそうなら とりあえずうちに来てすぐそこだからほれ 剤やタオルがあるからまずはすぐに冷やさ ないと俺が返事をする間もなくみおは ちょっと待っててと言って一旦俺の買い物 の荷物を持ってどこかへ行ってしまった そしてすぐに手ぶらで戻ってきて俺にこう 言ったあなたの荷物をうちに置いてきた から私の肩に捕まってそっと片足で歩ける あああありがとう俺は彼女に誘導されすぐ 近くにあるアパートを案内されたここなの 部屋の戸を開け中に誘導された綺麗に 片付いた部屋の中に先ほど運んだと思わ れる俺の買い物袋ががどんと置いてあった 椅子を2つ持ってくるから足を高くして 座ってそして冷凍後からほれ剤をたくさん 持ってきて俺の足を冷やすみよテキパキと 俺の捻挫の処置をしてくれていたので さすがは元医者だなと俺が言うと元内科だ から関係ないわよと言われた処置が早かっ たからか腫れも痛みもしばらくすると引い てきたこれならなんとか自力で家に帰れ そうだ俺はひょんなことからミオの家に あげてもらい彼女が今どんな暮らしをして いるのかを見ることになったドラッグ ストアに安価で置いてある基礎化粧品や スーパーで安く売っている調味料などが目 に入る俺と暮らしていた頃はデパートの 化粧品売場で売っている高級ブランドの 化粧品を季節ごとに買い替え調味料も高級 スーパーに置いてあるこだわりのものを たくさん買っていたのに俺はミオのことが 心配になりこんなことを聞いてみたみお今 の暮らしはどうだ不自由なくやっているの かすると意外にもこんな答えが返ってきた ええ慎ましく暮すってことを私は知らない で大人になってしまったけど慣れてしまえ ば幸せよむしろ自分の力で生活できている ことが嬉しくも思えるの頑張って働いて そのお金で贅沢はできないけど生きて いけることがねでも自分の美容にも おしゃれにもお金をかけられないから髪は ボサボサ肌も年そうにシが増えちゃった けどねみおはそう言って笑ったその笑顔に 非想感は感じず何かが吹っ切れたような 爽やかさを感じたみお俺たち俺はそう 言いかけてやめた1度は幸せにしたいと 思った女性と俺はまたやり直せるんじゃ ないかと思っただけど琢磨も巻き込んで しまうし安易なことは言えないのだみおに

対しては離婚になったことは残念だし 悲しいことだったけれどもう彼女のことを 恨んではいない人はそうやって失敗や リトライをしながら成長していくものなの だと思うから私ね琢磨に許してもらえると は思ってないのだから足長おじさんでいい と思ってる足長お さん俺は話がつめなかったので聞き返した ふふ間違えた足長おばさんよね私からって ことは一生言わなくていいから琢磨の助け になるようなことをずっとしていきたいの それが私の勤めだと思うから今は自分の 生活が活かだけどもう少し経済的にも余裕 を作って琢磨に何か必要な援助ができたら なってみおは穏やかにそう言った俺は無理 しなくていいからと言ったけど母親らしい ことをしようと模索している美の話が聞け てとても嬉しかっ たそれから4年が過ぎた息子の琢磨は大学 生活の4年間を無事に終えようとしていた 春からの就職先も決まっていて最後の 春休みを満喫していた時であった福本さん 卓球便です家のチャイムが鳴ると同時に そんな声がした父さん今洗い物中だろこれ が出るね琢磨が玄関のドアを開け荷物を 受け取る父さん俺当ての荷物なんだけど これ外箱からしてパソコンみたいだし 恐る恐る開封してみると琢磨が欲しがって いたA社のノートパソコンが箱の中に入っ ていたなんで父さんがサプライズで俺に 買ってくれたの俺は差し出し人の名前を見 て驚いた足長と書いてあったからだ足長さ んって誰俺は琢磨に足長さんはこっそり お前の人生を応援してくれる人だよと説明 しうしがっていた息子に父さんの知り合い だから安心しろと伝えると安心したようで あったしかし次の瞬間琢磨が同封されてい た封筒を見つけ中を見てみると1000円 分の図書カードが入っていた全くうう 気づいていたけど母さんか今度母さんに礼 を言いに行くかなとミオの話は一切し なかった息子がそんな風に言ったミオは 図書カードでバレるとは思わず同封したの だろうが俺が以前母さんからとネタバレし て図書カードを渡してしまったからなと 反省するしかしたくましく大人として生き ていく琢磨がいつか母のことも許容し形に 囚われない関係でいられたら嬉しいと思う 人生で縁があって出会った関係は良くも 悪くも尊いものなのだ から俺は親の顔を知らない生まれてすぐに 入院に預けられた俺は9歳の時に里親生徒 である夫婦に 出会ううちに いらっしゃい彼らがそう言って向え入れて

くれるまで俺はずっと入寺院で暮らしてい た入寺院と言うと語弊があるかな3歳まで は間違いなくニジ院に行ってそれ以降は 併設された自動用語施設で育った9歳に なった時に里親に引き取られそしてその まま子園することになるそれから15年俺 は付き合っていた最愛の女性と結婚を決め た結婚のために戸籍を見ると驚愕の事実が 発覚俺は涙が止まら ず俺の名前は田端京一生まれてすぐ入寺院 に捨てられた詳しい経緯は知らないがある 冬の寒い日入院の窓口でふギアと泣いてい た俺をスタッフの桜木よこさんが見つけて くれた当時よこさんはまだ乳人に務め始め たばかりでそんな風に子供を置いて行かれ たのは初めての経験だったらしい動揺した よこさんは大声で周囲に助けを求めたんだ と か誰か誰か来てこんな寒いところに 赤ちゃんが大きな声出してどうしたのあ委 長赤ちゃんが赤ちゃんが死んじゃうよ 落ち着きなさいほら赤ちゃんまで泣き出し ちゃったじゃないかや やはあごめんなさい泣かないでいい子だ から泣かないでだから落ち着きなさいって 君が大きな声を出すから怖がってるんだ この日のことを改するたびに委員長は笑い 出すあの時の桜木君は本当にひどかった 子供の扱いが最高に下手くそだったよ ねしょうがないじゃないですか入った ばかりで慣れてなかったんです今でこそ 笑い話だけれど俺とよこさんにとっては 人生最大のパニックだったに違いない発見 された時俺は真っさらなおくるみに包まれ て手元には小さな古ぼけたおしゃぶりと 今一と書かれた1枚の髪が置かれてい たお母さんは君に名前をプレゼントして くれたんだねいい名前だ優しいお母さん じゃない か子供を捨てた親のどこが優しいのか俺に はさっぱり理解できない大体悔しく礼儀 正しくって嫌みかよそれは俺じゃない子供 を捨ててたお前にこそ必要な言葉だろう 施設には俺みたいな境遇の子供が10数人 暮らしていた誤解されると困るから1つ 説明を加えておこう最初に俺が預けられた のは乳人員だが3歳になった頃自動用語 施設に移動している俺が拾われた入寺院は 児童用語施設も併設していたんだ施設の 子供はみんなそれぞれに訳ありで親と死別 した子供虐待から逃れてきた子供親の病気 や経済的理由で一緒に暮らすことができ ない子供暴力的で親から見捨てられた子供 などいろんな原因を抱えていただけど窓口 に捨てられていた子供はだけだっ

たお前犬とか猫みたいに捨てられてたん だろみんなこいつ捨てられっこだ ぜうるさいお前だって捨てられたんじゃ ないか俺はな捨てられたんじゃない俺が親 を捨ててやったんだよエータは親から日常 的に虐待を受けていて自装の通報を受けて 引き取られた自分から親を捨てたというの はえたなりのプライドなのだろう施設に いる子供は心を閉ざしてしまうものもいる がえたみたいに去勢を張るものも多い自分 が傷つけられてきた分誰かを傷つけること で自分を守ろうとするのか親から受け継い だ痛みが染みついているのかそれとも遺伝 子が受け継がれたのか知らないがエータは かなり暴力で弱いもいじめをしてはみんな を困らせていた年齢が近いこともあり俺は よくエータの標的にされた俺は誰から 生まれたか知ってるぜお前は知ってんのか よ子供は純粋な分だけ残酷だ自分を守ろう として発する言葉はそのまま誰かを 傷つける刃に 変わるうるさいうるさいうるさい俺は俺だ 親なんて関係ねえ関係あるね捨てられっこ の 今一何度もとみ合いをしては引き剥がされ その度に心は深で覆ったそんな俺をよこ さんはよくかってくれたよこさんは俺と 同時期に自動用語施設へ移動となったんだ よこさんは俺を自分が見つけたことで責任 をを感じているのかまるで姉のように時に は母のように俺に寄り添い何かにつけて 世話を焼いた京一君は捨てられたわけじゃ ないよお母さんはきっと何か理由があって ここに君を預けただけだってちゃんと君に 名前をくれたじゃ ないじゃあいつか迎えに来てくれる のそれは分からないけど なら捨てられたのと同じ じゃんそんなこと言っちゃだめ私たちは君 を拾ったんじゃない預かってるのいい お母さんは私たちを信頼して京一君を預け てくれたんだ よいくら信頼してるからってお願いします の一言も残さず置いていったならそれは 捨てたと同じじゃないのか物はいいよだな だけどよこさんが心から俺を心配している のはよく分かっていたから俺もそれ以上は 突っ込みはしなかったいつだって彼女は俺 を気にかけてくれていただけどよこさんが そうやって面倒を見るのは俺だけじゃない 施設には次から次へと問題を抱えた子供が やってくるどんなに俺に愛着を感じていた としても俺だけを特別扱いになんてでき ないそもそもそんな余裕などよこさんには なかっただろうまだ20代前半で心マだっ

たよこさんはわがままでなかなか言うこと を聞かない子供を何人も抱えておろおろし ていた自分の子供すら産んだことのない 彼女がどうして入寺院で働こうと思ったの か俺は知らない今でこそ不思議に思うが 金長がそんなことに気づくはずも ないエマちゃんおやつの前には手を洗って こらえたはるか君をいじめじゃだめでしょ あみさちゃん壁はお絵描き帳じゃないのよ 今一君陽介君を止めて施設には個性豊かな 子供が揃い毎日がジェットコースターの ようだ生活上のルールだとかマナーは施設 の人が教えてくれるもちろん学校にも通っ ているから何をしちゃダメかはみんなよく 理解しているだけどみんな寂しがり屋だ ちゃんとした家族を知らない分愛に飢えて いるだからスタッフの気を引こうとさやか ないたずらをするよこさんはみんなの1番 のお気に入りだからいつだって取り合い だよこさんドーナツがちちゃったさすぐに 拾って床を拭いて くれるよこさんえた君がおもちゃ貸して くれないよえたくはるか君にも貸してあげ て見て見てよこさんよこさんを描いたんだ よみさちゃんお絵かきはお絵かき帳に しよう かよこ さんちょっと待って今手が離せないの わかりましたでは後ほど ああ委員長失礼しまし た人気者は大忙しだ俺だってよこさんに 甘えたかった独り占めしたくてうずうずし たけどどう伝えていいかわからなかった みんな親から引き離されたとはいえわずか なりでも親との接触経験を持つ相手の気を 引くにはどうするだってはい先生あ今一君 これみんなに配っておいて くれるわかりました大人に頼られて悪い気 はしなかったそれでも無意識のうちに鬱憤 は溜まっていたエータは誰よりもよこさん に執着しているようで何かにつけて彼女の 手を患わせていた小さい子のおもちゃを 奪う別の子のを横取りする宿題を ほったらかしにする掃除登板をすっぽかし た小学校で喧嘩してよこさんが呼び出さ れる両親から虐待され続けたエータはよこ さんを試していたんだろうもしかしたら誰 よりも愛を必要としていたのかもしれない だけどそんなこと子供の俺にはわからない 俺には何の関係もないええた君待ちなさい こらエータちゃんと下の子の面倒見なきゃ だめ でしょ面倒ばかりかけるエータを追いかけ 回すよこさんを見ているうちに俺の中で 何かが切れた決してよこさんはエータを

ひきしているわけじゃない彼女に執着する エータが悪いんだ俺だってよこさんにかっ てほしいのにきちんと言葉にない俺は1人 で勝手に爆発して施設を飛び出した 飛び出したからと言って行く当てもなく俺 はフラフラと 歩き回る年葉も行かない子供が木のみ気の まま街中をうろついていたら誰だって不審 に 思うねえ僕どうしたのお母さんは声をかけ てくる大人はいたが俺は連れ戻されるのが 怖くなって走って逃げた心の中が ぐちゃぐちゃでどうしていいかわからない 俺どうしちゃったのなんでこんなに混乱し てるの言葉にできない初めての感情に 押しつぶされないように無が夢中で走った 逃げるうちに道が分からなくなって近くに あった公園のトンネルで膝を抱えていた どれだけ時間が経ったんだろう体が冷え お腹が空いた近くの家からいい匂いが漂っ てくるあそこの家お父さんとお母さんが いるのかな家族の団欒とかいうやつしてる のかな家族って何断らて俺だけどうして 1人なの考えれば考えるほど苦しく なる僕このまま落ちしちゃうのかなそん風 に思い始めた時声が聞こえ たおい京一 く京一君 どこ俺を探す声がする委長とよこさんの声 だほっとすると同時に怒られると心が緊張 するは一君こんなところにいたの委長一君 いまし た随分遠くまで来たもんだね寒くないかい 大丈夫怪我はしてい ない彼らは優しい言葉をかけてくれるのに 罰が悪い俺は顔をあげられないどうしたの どこか 痛いどこも痛くないじゃあ出ておいでよ そこ狭いでしょ 怒らないの何を勝手に飛び出してこんな とこまで来ちゃった こと怒らないよ何かとっても我慢できない ことがあったんだろうよかったら後で聞か せてくれないかなとりあえず今は帰ろう お腹空いた だろうそうそう一緒に帰ってご飯食べ よ俺は委長とよこさんに手をつがれて 真っ暗な夜道を3人で帰ったお父さんと お母さんと手をつぐってこういう感じなの かなこういうのが家族っていうものなのか な後でそんな感想を伝えたらひどい私まだ 20代なのに委員長が旦那さんなんてひど すぎるってよこさんに怒られたっけあの時 委長は60歳を超えていた気がするうん 確かにひどいなごめんよこさんこの出来事

の後委長とよこさんは俺の話に耳を傾けて くれた表現べの俺の言葉を根気強く待って 俺の気持ちを理解してくれようとし たごめんね君があまりにしっかりしてる から私頼りすぎちゃったねごめんなさい私 君を傷つけちゃったごめん ねどうしてよこさんが謝るの俺が勝手に 焼きもち焼いて勝手に爆発しただけなの に今一君僕たちはね誰か1人に肩入れし ちゃいけないし誰1人として寂しい思いを させちゃいけない我慢させてはいけないん だ人間だから偏ってしまうことはある だろうだけどできるだけそうならないよう に気を配るのが僕たちの責任でもあるだ から君がずっと我慢していたのならそれは 僕たちの責任です申し訳なかっ たがってきた環境は特殊だ普通なら家族の 中で学んでいくことを俺は身近にいる大 たちから教えてもらった反抗期の子供では なく1人の人間として向き合ってくれる 大人たちに俺は学びその分みんなより早く 大人になったそれからの俺は月が落ちた みたいに心がざわつくこともなくえたの 意地悪すら可愛く思えるようになった自ら 進んで年下の面倒を見てき長みたいな役割 を果たすようになったそんなある日俺が9 歳の誕生日を迎えた日俺は委長から 呼び出され た京一君誕生日おめでとう今日は君にお めでたい話があるん だ何実は君を家に迎え入れたいという人が いてね え俺を施設には里親生徒というものがあっ て子供たちの養育を引き受けてくれる家庭 に養育を任せている施設の大人たちは あくまでも仕事として子供たちに向き合っ ていて家族じゃない家族のような愛情を 注ぐことはできても家族じゃないから親子 関係は気づけない里親制度はそこを補う もので疑似家庭を体験することで愛着障害 を防ぎ一般社会へと踏み出すための基礎 ベースを養う子供には特定の大人からの 深い愛情が必要なのだ誰もが里親になれる わけではないし誰もが家庭生活を体験 できるわけではない佐側には厳しい審査が あるしたえそれをパスしたとしても相性の 問題がある相性が悪ければ制度は正しく 機能し ないどうだい一度会ってみるか いどんな人たちですか穏やかで優しい人 たちだよお子さんをなくしていてね自分 たちの子供を守りきれなかった分のことを 大切に育てたいっておっしゃっているん だ僕身代わりですかそうじゃない僕の言い 方が悪かったかな子供が大好きな人たちな

んだ君の未来を守りたいってことだ よ俺の未来を守りたい子供が好きだからっ てどこの誰かも分からない俺でいいん だろうか よくわからなかったけどとりあえず俺は 会ってみることにした俺の里親に名乗り出 た神や夫は委長が言う通り穏やかで優しく とてもいい人たちだった年齢は40代前半 ぐらいだろうか俺以上に緊張していて俺が 部屋に入ると妻のゆこさんは泣き出して しまっ たごめんなさいとあなたに会えたと思うと 嬉しく て僕のこと知ってたんです か毎年秋にバザーをやってるだろ僕たちは ね毎年遊びに来ているんだ よ施設では社会との繋がりを大切にしてい て季節ごとにイベントを開催している秋は バザーの季節で模擬店が出たりフリー マーケットなんかをしている 近隣の人たちが遊びに来ていつもと違った 賑いを見せるビッグイベントだそうかそこ に来ていたのかこっちは知らないけど夫妻 はこっそり俺をチェックしていたんだな そんなに前から気にかけてもらえていた なんて気恥ずかしくて俺はもじもじして しまう一君の年代の親に比べたら僕たちは 少し年を取ってしまっているかもしれない 君は気にするかな 恥ずかしいいえ別 によかった ありがとうどうだろう京一君君さえよけれ ば僕たちの家に来てもらえないだろう かそう言われても俺はなんと答えていいの かわからない施設の大人の愛情しか知ら ない俺はは世界の行為というものが理解 できないためらっているとよこさんが言っ たあのね京一君ゆき子さんものすごく料理 上手なんだってゆき子さんのキンピラ食べ てみたく ない俺はレコと人参のキンピラが大好物だ 年寄り臭い余計なお世話 だ京一君キンピラが好きなのごぼうの かしらそれとも レコレコですなら任せて私レコ料理には 自信がある の彼女のレコサラダは絶品だよ是非食べて みて よそこまで言われたら食べずにはいられ ないよろしくお願いし ます俺は胃袋の欲望に負けて頭を下げた 神明は小さな庭がついた1戸建て玄関先や 庭には素朴な花が植えられている素朴だ けど可愛らしくてあったかいなんだか ゆき子さんみたいな花それを見た瞬間なん

だか心があったかくなって俺は柄にもなく ウキウキした部屋の中はこじまりとして いるけれど清潔感があってよく片付いい ソファーや類はそれほど高級そうではない けどこの家にぴったりでセンスよく配置さ れて いる京一君の部屋も用意してあるん だ僕の 部屋そう今一君の部屋よあんまり広くなく て申し訳ないんだ けど俺のために用意されたという畳マには 勉強机と ベッドが置かれてい たこれ僕が使っていいのもちろん君のため に用意したん だ施設は4人部屋2段ベッドが2つある だけで勉強机なんてものはなかったみんな 食堂兼リビングの机を使って勉強していた スタッフや上級生が頭を抱える子供を 見つけては勉強を見てくれるからそれは それで効率的だったんだけどやっぱり自分 だけの机自分の部屋に憧れたそんなもの 一生無理なんじゃないかって思っていた から自分の部屋自分の机自分のベッドが ある状況に俺は感激し夢じゃないかって 思ったん だどうして僕なんかのためになんで僕だっ た の彼らに聞いたことがあるそう思うのは 当然だろういくらバザーの旅に俺を見てた からって親を必要とする子供は他にもいた みさちゃんはどこにでもいたずら書きし ちゃう困った癖があるけどその絵は独特で 将来は立派な絵描きになるかもしれない 洋介はものすごく人なつっこくて可愛くて 彼の笑顔に魅了されない人なんていない 俺みたいにブラボで扱いづらそうな子供 よりもっと育てやすい子供はいたはずだ どうして俺だったのか俺は納得したかった んだと思う納得することで彼らの愛情を 本物だと確信したかったん だねえどうして僕を選んだの他にも たくさん子供はいたの にどうしてって君が1番可愛かったから よ嘘だ嘘じゃないよそりゃ君より小さくて 愛らしい怖いたよだけど僕たちが求めたの は君なんだだからどうし て直感だよ初めて君を見た時ああこの子だ 僕たちはこの子と暮らしたいってそう思っ たんだもちろん京一君君のことだ よ初めて京一君を見かけた時ねお客さんが 買ったお菓子を袋に入れてリボンをかけて いたのでも京一君きっと不器用なのね なかなかリボンを結べなくってああそれ ならなんとなく覚えている大番のクッキー

を何枚も買ってくれた人がいて俺はめて袋 に詰めたんだそのまま渡そうとしたらよこ さんがだめよ今一君ちゃんとリボンで結ん であげなくちゃって言うから俺は仕方なく リボンを結んだだけどなかなかうまくいか なくって俺は数分の間リボンと格闘し たあの時ねしめらしながらも一生懸命 リボンを結ぼうとしていた姿がものすごく 可愛くってああお手伝いしてあげたいって 思わず駆け付けてしまいそうになったの それがきっかけで神や夫婦は俺のことを気 にかけるようになったらしいきっかけ なんてどこにあるのかわからないものだな 神や夫婦の里子としての生活は楽しくて 心地よかった男の子が欲しかったという さんは俺と一緒にスポーツをしたがった 京一君はどんなスポーツが 好き野球かなそういった翌日にはグローブ とバッドを買って帰り次の休み バッティングセンターに行こうと俺を誘っ た賢介さんは野球経験者でも何でもなく彼 の好みはサッカーだっただけどそんなこと も口にせず俺の好きに合わせてくれた ゆきこさんも同じだ俺がカレーが好きだと いえばいろんなカレーを作って食べさせて くれたゆき子さんの料理は天下一品本当に 美味しくって幸せな味がするん だ好きなだけ食べていいからねどんどん 作るから任せて俺は遠慮なく何杯もお 代わりした 京一君みたいに美味しそうにもりもり食べ てくれると作りがいがあるわ今度は何を 作ろうかしら京一君何が いいそう尋ねては俺の好物を作るゆき子 さんは楽しそうで嬉しそうだ2人とも俺に 甘かったけど甘やかしてばかりじゃなかっ たピーマンを残すと怒られたし後付けのは 必須物を片付けないで出しっぱなしにして いるとちゃんと片付けるように叱られた そんな2人がめんどくさくって感謝を 起こしたこともあるけれどどんな時も最後 には2人はぎゅっと俺を抱きしめてくれた いいことは褒める悪いことはなぜいけない のか納得行くまで説明してくれる2人は ちゃんと俺を育ててくれたんだ 里子になって1年が経った頃俺は神や夫妻 の容姿となる彼らは俺を大学にまで行かせ てくれたさすがにそこまでは図々しい だろうと思っていたんだ けれどこう見えて僕は高級鳥なんだ今一の 学費ぐらい出せるんだぜすごい だろう賢介さんは自慢げに胸を張る可愛い 父さんだ それは老後資金にとっておきなよお前が 老後の心配なんてする必要ないんだそうよ

老後は老後でちゃんと考えるわ私たち そんなに贅沢な暮らしはしていないからき ちゃんの学費なんてなんてことないのき ちゃん勉強したいことがあるんでしょだっ たら遠慮しないで大学に行き なさい本当の子供のように未来を考え導い てくれる2人が本当にありがたくって俺は 思わず泣いてしまっ たあらあらきちゃんは泣き虫ねもう大学生 になるんだから人前では泣かないようにし ないと ね父さんと母さんの前でしか泣かない よすでに心を許していた俺は本物の家族に なれた気がして嬉しかったんだ大学を卒業 した後俺は施設で修行を積み自動福祉士の 資格を取得自動相談所に務めた俺みたいな 子供が1人でも減るように俺みたいに 新しい幸せをつめるようにそのためには 子供だけでなく保護者と関わることも必要 だと思ったから 毎日は目が回るほど忙しくて学ぶべきこと ばかりで大変だったけれど充実していたし 何より使命感に燃えていたそしてそこで俺 はユと出会うゆは俺が関わる施設の職員で 彼女もまた施設育ちだった境遇が似ている からか俺とゆはすぐに気が合い交際に発展 付き合い出して1年には結婚を決めた俺が 結婚の意を告げるとけさんとゆこさんは 泣いて喜んでくれ たなんでもっと早く紹介してくれなかった のどんな子今すぐ連れて いらっしゃいいや今すぐは無理だって今度 の休みに連れてくるから待っててよ一も とうとう父親か早いもん な待って父さんできちゃってないからまだ 父親にはならないから ねきちゃんの子なら絶対に可愛いわね 男の子かしら女の子もいいわねだから気が 早すぎだっ て神やふさと暮らし始めて15年長いよで あっという間の年月は幸せだった俺は たくさんの笑顔と愛情を2人にもらい本物 の絆ってやつを手に入れた今度は俺が2人 みたいな日だまりのようにあったかい家庭 を築いていくんだそんな決意を固めて結婚 の準備に入ったそして初めて俺は自分の 戸籍を見ることになるこれまでも戸籍本を 求められることはあったけどそんな時は ゆこさんが入手してくれた今回も私が取っ てくるわよと言ってくれたけどさすがに 結婚ともなれば自分で責任を持つ必要が あるだろう俺はゆき子さんの申し出を 断わって自分で役所まで取りに行くことに し た

そうその時のゆき子さんはなんだか心配 そうで何か言いたげだったそのはすぐに 判明する戸籍には俺は神や夫妻の容姿では なく君子の実施となっていたきみこきみこ って誰だ実施え誰が 俺混乱した意味がわからないフラフラした 頭で家に帰ると賢介さんとゆき子さんが 揃って待っていた おかり今一話があるんだ神妙そうな顔に俺 は察しがつくと同時に不安に押し潰され そうに なるこれのことだよねそう言って俺は戸籍 東本を 掲げるそうだ遅くなってすまないちゃんと 説明 しよう俺は2人に向き合って座る 2人とも苦しげな顔をしているなんで あんたたちが苦しそうなんだよ意味が 分からず辛いのはこっちだろう不安と怒り と悲しみが織り混ぜになって俺を支配する なあ俺あんたたちの子供じゃなかったのか 嘘の家族ごっこだったのか よ本当はお前が二十歳になった時話す つもりだったでもちょうど俺の単身不妊が 重なってしまってそんな状態で話すのは 良くないと思ったん だ言い訳はいいからどういうことか教えて よああ全部話す隠し事は一切なし だきみこというのは2人の一人娘大事に 大切に育ててきたのだけれど何をどう 間違ったのか15歳の時妊娠した発覚した 時はもう産むしかない段階臨月が近くなっ た頃君子は姿を消した両親始めみんなが 必死に探したのだけれど見つからなかった 半年近く経った頃警察から連絡が入る雪田 になった君子はすでに泣きでさんとさんは し た子供は正気に戻った2人は君子が妊娠し ていたことを 思い出すあの娘は妊娠していたんですが 子供は一緒ではなかったんです かいえ子供はいませんでした娘さん1人 だけ ですじゃあ子供はどこに行ったの娘の子供 はゆき子さんは狂うように泣き叫んだ けれど子供の行方は分からなかったその まま年月が過ぎ悲しみから少しだけ 立ち直った2人はふとしたことから施設の イベントに足を運んだ目的があったわけ じゃない近所でイベントをやっている らしいからちょっと覗きに行かないか2人 にとっては気分転換だったのだろうそして そこに俺がいたたくさん子供はいたのに なぜかわからないが俺にピントがあった ああこの子だと思った容姿を迎えるなんて

考えは全くなかったのにその瞬間2人は俺 を迎える決意をした里制度を知り是非 名乗り出たいと思ったけど簡単に里親に なれるものではないと説得され時間をかけ て俺を迎え入れる準備をした らしい今はまだ直接声をかけないで ください子供に過剰な期待をさせるのは国 です からそう委員長に言われていたから声を かけることもできなかっただから遠くから ずっと見守っていたんだ と僕たちもまさか一が君子の娘だなんて夢 にも思わなか 分かった時は心底驚いた よどうして分かった の里親の審査が終わって君の親になれると なった時院長先生が今一が持っていたお しゃぶりと名前が書かれた髪を見せてくれ たんだびっくりしたよ心臓が止まるかと 思っ たどういう ことって名前ねきみこの字だったの えおしゃぶり古いものだったでしょあれは きみこの お気に入り大きくなってからも宝物みたい に持ってたのよもう赤ちゃんじゃないのに ねそれで僕たちは確信したんだ君が君子の 子供だってことにこんな偶然あるんだろう かたまたま見かけた子供が娘の産だ子1人 の人間が生まれる確率は746兆分 らしいだから俺を引き取ってくれた の君が君子の娘だったのは本当に偶然だっ た神様のお見したままここまで来てしまっ たのだろうそれは裏切りではなく優しい嘘 というものだ いや嘘でもない か血縁的には私はあなたのおばあちゃんお ばあちゃんて呼んでくれてもいいのよ できれば今までの通りお母さんがいいのだ けれどもちろん母さんだ よありがとうこれでふけずに住む わ俺たちは泣きながら笑っ たねえきみこさんって俺を産んだ人って どんな人だったの俺の問いかけにゆき子 さんは何冊かアルバムを引っ張り出してき たその日俺たちは夜までずっと語り合った きみこさん俺の海の親が姿を消した理由は わからないもしかしたら子供の父親を探し に行ったのかもしれない探しきれずに疲れ 果て俺を産み落とし授かった小さな命を 見捨てることもできずきみこさんは必死の 思いで入院にたどり着き命の窓口に俺を 預けることにしたんだろう俺は捨てられた わけじゃなかった最後の最後母は俺を信頼 できる場所に託したいつだったか委長が

言った言葉を 思い出す今っていう字はね心を込めて神様 に両手でお供えをするっていう意味なんだ きっと君のお母さんは僕たちに息子を よろしくお願いします大切に育ててくださ いって願いを込めて今一って名付けたん じゃないかなきっと正一杯の愛だったと僕 は思う よ言われた時はよくわからなくってふざけ んなと思ったけれど今でなら分かる気が するアルバムの中の母はとっても優しそう で幸せそうに笑っているたくさんの愛情に 包まれて育った母は子供を捨てるような人 じゃないどうしようもなくなって俺を 手放したけれどこうやって2人と 引き合わせてくれたこの奇跡的な 巡り合わせは様のいたずらなんかじゃ なくってこう思いながら言った母の最初で 最後の贈り物だったんじゃないかなここ まで俺はいろんな形の愛に触れてきた入寺 院の先生たち委員長や洋子さん施設の スタッフやボランティアの人たち賢介さん とゆき子さん俺をこの世に送り出してくれ た母俺は決して1人じゃじゃなかった どんな時も誰かがそばにいて俺を見守って くれていただから俺は大丈夫きっと子供に 精一杯の愛を伝えていけるわがままを言っ て大泣きして思わず叱ってしまったら最後 はぎゅっと抱きしめて大好きだよって さこう俺が賢介さんとゆき子さんにされた ように笑顔とぬくもりを伝えていこう 君子ママ俺を産んでくれてありがとう 優しい人たちに出会わせてくれて ありがとう俺はあなたからもらった命を 大切に未来へとつげていく よねえこの人私の元旦那ほら左旋になっ た俺と日たは言葉もなく向い合っていた日 の顔が 青ざめる本当に何という縁なのだろう俺は 切れた笑いが漏れ た札幌に移動妻の教子の顔つきが険しく なったずっと本社刑務の人がいきなり地方 ってどういうこと何かやらかしたえそう じゃないまどうせ本当のことなんて言えや しないわよね 私は行かないから1人で行けば今更地方 人事なんてどんだけ無能ならそんなことに なるわけ情けないたらありゃし ない妻は6に食事も取らず寝室に消えた これでもう今夜は会話をすることはない だろう俺は松井春彦20年勤めた東京本社 から人事移動が決まった妻の子との結婚は 入社して3年後だった大学の後輩で当時は 普通にサークル仲間という感じだったのが 卒業後教子の方から積極的に近づいてきた

今思えば俺の勤務先が気に入ったんだろう 日本を代表する大手上場企業だ自分の結婚 相手にふさわしいと京子が自分で判断した に違い ない彼女は1人娘で 京子の父は会社を経営していたはりがよく 豪快で京子は甘やかされて育ったという よりもわがままを通して暮らしてきたと いう気が するそれでもあの頃は会えば楽しかったし 京子にお金があったというのもあるだろう が誰よりもおしゃれで綺麗だった京子に 憧れていた仲間も多く結婚した当初は随分 と羨ましがられたものだった 俺たちの住まいの第一条件は京子の実家に 近いことだっ た京子が1人娘ということを考えてもそれ は当然のように思えた俺は結婚した姉も 都内に住んでいたし実家にはまだ学生の弟 がいた俺が親の近くに住まなくてはなら ない理由はなかったから京子の要望に従っ た今思えばそれは千春のためには助かった が京子にとっては逆効果だったかもしれ ない結婚しても自分が優先になることも 多くその穴埋めは義母がやってい た友達と出かけたい女だって飲みに行き たいたまには1人でゆっくりしたいと 気まぐれに予定を作っては義母を 呼び寄せる1人娘の千春がおばあちゃん子 になったのはそのため だろう義母は京子のわがままに手を焼き ながらも半分は諦めていた父親そっくりだ といつもため息をつくそして俺に謝って くるのだっ た父親に似たのならどう教育して育てても 素質があるのだから仕方ない俺もそう思っ て義母を依し千春を見てくれることに感謝 ていただが子供を産んだ以上は母親になっ てもらわないと困るいくら義母が可愛がっ てくれるとはいえ娘を巡って論することが 増えてい た最初の大きな南関は幼稚園受験だった 京子は自分が一貫式の学校ではなかった ことを恥じていた中学受験に落ち高校は 大学付属に入ったものの中学からの グループがある中で浮いてしまいあまり いい学生時代ではなかったよう だそれで千春に幼稚園受験をさせようとし たのだが千春は冬生まれだ3歳保育の幼稚 園を受験する2歳児の中でもあまりにも幼 すぎた何より俺も義父母も何もこんなに 幼いうからと乗り気なかっ たそんな中で教子1人教室に通わせたり 情報を集めたりしていたのだが千春が母親 から離れたがらない先生の話に集中でき

ないなど京子の理想に届かずそのうち京子 の方が飽きてやめてしまったのだっ た成長するにつれ千春は利発さを増し小 学校では長の常連運動も勉強もよくこなし 友達も多かっ た最初に中学受験の話をしたのも教子の方 だった大学受験を考えたら今受験して しまうのがいい友達も中学から入ってこそ 仲良くなれると9歳の娘を相手に説得が 始まったの だ仲のいい友達が1人2人と受験の話をし 始めた時期だったらしく千春も前向きに 捉えて目標を定めただが問題はそこから だった塾に通ったからと言って成績が うなぎのぼりになるわけではない今日のだ 千春は真面目だから根気よく取り組んだが あまり芳ばしくない時期が続いた京子は 勉強を見て励ますということは一切し なかったもう少し点数が上がらないと 日曜日も遊んでたらめでしょうみんなは もっと頑張ってるんだからととにかく言葉 で 責める5年生の冬休みに千春が爆発し食卓 に箸を放り投げて何も分からないくせに いちいち口出ししないでと絶叫したのだっ たそれを見てああそうね大変よねと子供に 合わせて方向転換できる固ではない お母さんがだけ心配してると思ってるの 受験に落ちて恥ずかしいのはあなたなのよ と絶対に折れない見かねて俺が今後は俺が 見るからもう受験で子供を追い詰めるなと 釘をさした同じ言葉が俺にも飛んできた あなたに何がわかるっていうの仕事ばかり で無関心だったくせにと子が先にテーブル を離れ た勝手にしたらいいわどんな結果が出るか 見てやろうじゃない のそうしてゼリフを吐いて寝室に消えたの だっ た俺は千春をなめて食事をさせながらでも よくやったなと言った千春が俺を 見るストレスっていうのは発散しながら 暮らさないと気持ちも体も悪くなる一方だ やり方はまあ他にも方法があったとはが お母さんに抗議したことは悪いことじゃ ないとお父さんは思うよ頑張ってる人に 頑張れなんて荷物を背負ってる人にさらに 重荷を上乗せするのと同じだと思っている から ねお母さんも千春もやり方がちょっと違っ てただけだそれを直したらいい さでもお母さん怒らせちゃった今日は放っ ておいたらいいお母さんはこういうには何 を言っても聞かない人だろ帰ってこじれる だけだ明日にでも謝るさ人との付き合いは

距離を置いた方がいい時もあるんだよ今 ここで千春が頭を下げに行っても教子は 怒りがぶり返すだけで言い残した不満と 怒りをぶつけてくる だろうお母さんも言いすぎた追い詰め ちゃってごめんねと母親が先に折れて くれれば治まるのだが 京子は自分を帰り見て改めるということが できないの だ義母はそれが抜群にうまいからやはり 京子は義父に似たんだろう義母は夫から俺 も悪かったという言葉を受けることもなく いつもさしずされ八つ当たりされそれでも 機嫌を伺いながら暮らしている旗で見てい ても気の毒になることが あるご飯を食べたらお父さんと間違えた 問題を全部見直してみよう伸び悩んでる 原因を突き止めて解決するんだ物事の解決 っていうのはまず原因を突き止めること からだ よ俺は千春のこれまでの塾の成績をデータ 化し目で分かるようにグラフや表にした 苦手は何かミスの原因は 何か千春は圧倒的にボミが多かった計算 違い問題の解釈間違い漢字のミス国語には 自信があるから油断しやすく見返しにも あまり集中しない得意強化でパーフェクト を狙うためには最新の注意が必要なことを 強調した一方で苦手意識がある数学は気の 焦りから落ち着いて取り組めない目の前の 問題を解きながら次どんな問題が来るか 解けなかったらどうするか時間は足りるか と気持ちがあちこちに飛んでしまうという これはバカを踏むことでなれるからと 励ました解ける問題からどんどん解き 難しいものは後に回す図形問題は実際に 同じ図形をノートに書きさせ図形に 慣れ親しむようにさせたエルで自分の傾向 や結果を目にした千春は客観的に自分を 捉えられるようにな 冷静に問題と取り組めるようになったよう だほどなくしてそれは結果に現れ始め沈ん でいた表情に自信が見え始めた京子は そんな娘の頑張りを見ながら手放しで喜ぶ 母親ではなかっ た結果を見て喜ぶ俺たちを横目に油断し たら次は危ないだとかいくら勉強ができて も体調を崩したらおしまいだとか助言で ありながらもトがありかって水を刺すのだ 大人の俺でも参ってしまうほどだ小学生の 娘にはどれほど大きな傷になるだろう かもう少し千春を励ますことはできないの かよくやったと一言言葉をかけるだけで いいのにどうしてそんなひねくれた言い方 するんだ

よあなたも鼻高々ね自分の教えで娘の成績 を上げたと思って自慢げなんでしょう私の 面木丸つぶれにして何が励ま せよ自分の娘が可愛くないのかなんでそう いつも自分が優先なん だ俺たちが言い争う日が増えそのうち俺は 書斎で寝るようになった千春の勉強を見得 て寝室に入ろうとしたら鍵がかかっていた のが最初だ 俺はマスターキーで中に入ったがその日 から一緒には寝なくなっ たお父さん受験の日お父さんが一緒に来て くれる千春の遠慮がちな言葉に俺は有給を 取って付き添った不安ごはなるべく 取り除いてやりたい入学手続きの期間が 短く試験当日に合否発表が出て入学金の 振り込み期限を翌日に設けている学校も ある先に第2志望に合格したから本命の 合否発表を確認してからどちらに入学金を 支払うかをタイムリーに決めて動く必要が あり前もってスケジュールを把握して職場 に休みを申請した幸い上司も息子で経験し たらしくどこも大変だよなと言って了承し てくれ た結局京子はあの日の出来事以来俺たちを 冷めた目で見ていただけでそれは第一志望 合格という千春の大金星を前にしても あっさりとしたものだった義父をに招かれ 千春を祝う職場の場でも母親よりいい学校 に入ったという義父の言葉にカチンと来た らしく私の時とは時代が違うだのなんだの と負け惜しみが終わらなかった お吸い物が冷めるから早く食べましょうと 義母がその場を収めようとしたが母さんに は分からないわよと京子が声を荒げ たこの人チハルとグルになって私のこと 馬鹿にして私の指導の仕方に文句つけて 一切口出しするななんて言って2人で私を 無視し続けていたの よそんな2人の生活を影で支えてきた私の 苦労なんて何も考えてないのよ無視なんか してないだろ千春の傾向を分析して弱点を 明確にしただけだそれが無視だって言うの よさも自分のやり方が正しいみたいなこと 言って私が千春を見てた時は無関心だった じゃないの横から口出ししても良くないと 思って君を信じて任せていただけだ馬鹿 言わないでもも法律しか言ってない人に なんて受験の大変さなんか分かるわけもう やめてよあの日以来の千春の悲鳴だった 中学受験をしろって言ったのお母さんじゃ ないだから受験したのに合格もしたよそれ なのになんで文句しかないの私に受験させ て合格させたかったらお父さんと違う方法 だとしてもお母さんだって私の成功を願っ

てないといけないんじゃない お父さんのやり方だったとしても私にとっ ていい結果が出たらお母さんだって一緒に 喜んでくれないとおかしいんじゃない のどうしてお父さんと張り合って負けた みたいな言い方にしかならないの頑張って 勉強して合格したらみんなで喜べると思っ たのに1人でいじけてブスブス言って あんたの方こそ黙んなさいが中学にした くらいで偉そう なやめなさいもうこんな場で荒らそう なんてあなたも母親ならこの場を納める ことが優先 でしょう義母の言葉にやっと教子が溜まっ たいいからもう食べろせっかく特上の寿司 を取ったんだ俺の誕生日以来じゃない か義父の言葉でどうにか場が収まった義母 が入学式の日取りだの通学にかかる時間だ のと笑顔で話しかけては千春に話をさ せようとする千春はなんとかいい雰囲気に しようという義母の気持ちが分かっている から友達や先生の話を盛り込んでは場を 和ませていた子供の頃から 半長靴力を持っているいつまでもげない 母親に対し苛だすことも多かっただろう春 期のまた田中にそんな葛藤を抱えながら 勉強に励んできたことを思うとどういわっ てやっても足りない気がし た無事に中学に入り千春はすぐに学校に 馴染んで生き生きと通っていたさすがに 京子も落ち着いてこれからは自分のペース できちんと勉強しなさいと言って見守った だが俺たちの中は元には戻らなかっ た千春の前ではいい母親を演じようと弁当 を作り笑顔で送り出し会話もしているだが 俺と2人きりになるとぎこちな空気が 流れるいつまで寝室に鍵をかけるつもりか と聞いたがこのままでいいじゃない寝る 時間も違うんだものと いう今更子供が欲しいわけじゃないし千春 の受験も終わってお互い気楽になったんだ からこのまま自由に暮らしましょうこれ 以上距離を縮めたいとは思わない わ勝ち誇ったような笑顔を浮かべて京子が そう言い放ってから2年後に出た人事移動 だった俺は死者を立て直すための社員教育 部長として見されることになったそれを 改めて教子に伝えたが信じてはいなかった たえ信じたとしてもじゃあ一緒に行くわと はならなかっただろう帰って生成したんだ と 思う俺が札幌に住んで1年が経ったある日 参院済みの離婚届けが送られてき た千春も高校に入学したことだしもう一緒 にいる必要はないでしょ

そう書かれた付箋が張ってあった千春のを 1枚もらったんだろういくら付属とはいえ 中学から高校へ上がる際には面接もある親 の離婚は不利になるという暗黙のルールが あった京子が望んだ中学から高校への エスカレーター進学を果たすため京子は 千春が高校生になるのを待っていたのだっ た 京子が母親として果たした最後の義務かも しれなかっ た札幌の住まいがどういうものかここで どんな生活をしているのか俺への関心が 一切ない強固に俺もうう覚悟はしていた これではたえ東京に戻っても夫婦の中を 取り戻すのは無理だろうもはや俺にもより を戻したい気持ちもそのために努力しよう という思いもなくなっていた目の前の仕事 に打ち込むことで沈む思いを紛らわした 札幌の社員はみ木津として人が良く寒さ 以外に辛いことはなかった千春が休みを 利用して遊びに来ることもあった久しぶり に会う度に体が一回り大きくなっていたり 髪型が変わっていたりと成長の証を実感し た千春は俺の人事移動と同時におばあ ちゃんの家から通いたいと言って疑実家に 下宿した確かに我が家よりは疑実家の方が 乗り換えもなく通学が楽だだが理由はそれ だけではなかったもうお母さんと暮らし たくない札幌に来てそう宣言し た子供の頃からお母さんとは合わないなと 思っていたけどでも仲良くしたいし笑っ てるお母さんを見たくて努力もしてみたよ でもやっぱり合わないものは合わない みたい自分の親をそういう風に思うのは いいことじゃないかもしれない けど千春は心情で軽々しい行動はしない ここまで口に出すのはそれだけ娘として 努力もしたし努力した甲のない結果に 打ちひしがれてのことだろう中学受験だっ て母親から褒められたい一心だったに違い ない俺の方が申し訳ない思いだった義父母 は喜んでいたし教子も賛成だっった通学の 心配も食事の手間もいらない身軽になって 喜んだはず だ千春との暮らしが義父には最後の幸福 だったかも 冬の朝に突然倒れそのまま帰らぬ人となっ た脳卒中だった最後までタバコと酒を愛し 豪快で大胆な人だった長く入院などせず私 に介護をさせずに行ってくれたことでこれ までの全てを許せると義母は小さく笑っ た俺たちの離婚を見せずにんだことは無子 としてもありがたい思いだったわがままな 娘だがくれぐれもとこあるごとに義父から 言われていたからだそれだけに申し訳ない

思いも消えなかっ たダイレクトメールでも送りつけるような 離婚届けにあっさりと承諾ができたのも すでに義父がいなかったからでもあるし おそらく京子も言いやすかったに違いない 娘としても無子としても義父には踏切りを したと 思う千春が通う付属高校は中学とはまるで 違う場所にあった地下鉄も2つ乗り換え なければならず義実家からは通いにくい 場所だった千春は涼に入りたいと言った 朝地州にも参加したいし夜間学習も通い よりは寄宿者の方が環境が整ってい通学で 1時間もかかるのは体力ももったいないと いう確かにそれはそうだろう義父がいなく なることで義母の1日3度の食事の世話は 必要なくなった朝は炊きたてのご飯に味噌 汁昼は麺類と毎日の食にこだわりのある人 だったから義母はかなり楽になったはずだ かって千春がいることでいつまでも苦労が と子は生活に賛成だった本人が望むことだ からと俺も承諾したかって事故や悪天候の 心配をする必要がなくなりありがたい気が した俺は俺で自分の仕事で精一杯教子は 気楽な独身生活結局1番大人で1番家族の 犠牲になったのは千春なのかもしれないだ が千春は常に俺を心配し気する日を心待ち にしてくれていた切り捨てるように妻に 立ち去られた俺にとって今は娘が1番の 生きる意味であり力でもあっ たその日俺はホテルのラウンジで 待ち合わせがあった30分ほど遅れると 言っていたから先に入って待つかそう思っ てエレベーターを降りクラブラウンジへ 向かったクラブラウンジとはクラブフロア に宿泊するゲストだけが利用できる特別な ラウンジだ今日は記念日だからお祝いの 意味でいい部屋を予約したいい夜になり そうだと思ったその時だあら なに物珍しそうな顔をしてこっちを見た女 教子だった化粧室から出てきた らしい3年ぶりねどうしてこんなところに いるの札幌左川の社員さんにはなかなか 敷金が高いんじゃない 接待久しぶりにあって言うセリフがそれか 俺は答える気にもならなかったね紹介する わ来て私の夫よこんな機会もないじゃない 京子は俺をラウンジの奥の席に案内し たこちらニたさとさんっていうのねこの人 私の元旦那ほら札幌に左旋になった彼は 白さぎ正司の実長なの同じ大手上場でも こっちはベスト3に入る会社だからあなた とは格が違う でしょうのげな声も耳には入らなかった俺 と日は言葉もなく向い合っていた日の顔が

さーっと青ざめるのがわかる日田の隣に 京子が座り俺は日の向かい合わせに座った 魔天郎が光るガラスと教子に挟まれ日は 逃げ場を失っ た久しぶりだなこれはなんだわざとなのか ととんでもない今知ったん です俺は鼻から呆れた笑いが漏れた本当に なんていう縁なんだろうな結局未だにやっ てることは同じ かちょっと何言ってるのよ知り合いな の知り合いも知り合いだよなあれはいつ だったかすみません勘弁してください ニが怯えたように俺を見上げ た ねえ何言ってるの よ静かな場だから大声こそは出さないが 京子は意味が分からずイラついているどう したの震えてる の京子がニの腕をつかんだそのまま捕まえ てろよ今俺が全部話すからそれだけはじゃ お前 自分で言えるのか言えないどころか悪さの 上乗せをしてるじゃないかしかも教皇誰だ と思ってるんだ全くろでもないやつ だちょっと失礼なこと言わないでよ本当に すみませ んそう思うなら自分の口から全部話して みろ俺が聞いてやる自分がしたことの一切 ほな 何どうしたっていう の京子が日の腕を取り寄り添って覗き込ん だ日は目を閉じ観念した様子で話しだし た千春が高校に入り涼に入った後だった 義父もなくなり義母は1人になった世話を する人がいなくなり身も心も軽くなったと いうのはが自分を基準にした予想であって 義母は巨感に襲われていたの だ何もあんなにあっさりと ねせめて3日くらい入院して心の準備を する時間をくれたら良かったのにどこまで もお父さんて自分勝手なのよ苦しむのが嫌 でさっさと言っちゃっ て決して妻を至っているとは言えない義父 だったのにこうして別れを惜しむ義母の姿 を見ていると深い夫婦の絆があったのだな と俺は反省させられ た俺たちの夫婦関係は修福不可能だった から だ京子からそれを知らされ義母は何もかも が崩れ去る思いに駆られたのだそれでも 機上に暮らしを維持していたようだ ある日1人で庭の手入れをしていた花壇の 土を掘り返したり植替えをしていると セールスマンがやってきたスーツ姿なのに 重たい肥料や土を運んでくれ義母はお礼に

お茶を入れて話を聞いた昭和の眼光親父と の暮らしが長かった義母は物越が柔らかく 礼儀正しい男に交感を抱いたようだ それが日田で ある日田は言葉たみに老後の在gover 話を展開した会社の社長だった義父は一見 かなりの遺産を残したように思えたが なくなって整理してみるとそうでもない ことが分かった見知らぬ通帳が出てきて こんな貯蓄があったのかと思うと借金が 発覚したり生命保険が勝手に解されてい たりと義母は失望していたようだそして 老後の暮らしへの不安から日の話に惹かれ てしまったのださすがに身長派の義母は すぐには飛びつかなかった詳しい話が聞き たいと言って何日にも渡ってじっくりと 聞き入り善意でお昼もご馳走した らしい実は日田はプロの詐欺師だった 女性の1人暮らしじゃ大変でしょうと庭 だけでなく水槽の水を変えてやったり義父 の遺品整理を手伝ってゴミを処理したり 仏壇にも手を合わせたという俺が日たと あったのは同僚の娘の結婚式で東京に戻っ た時だっ た式の後で疑実家によったのだ俺は事前に 伝えてあったが結婚式を日曜日だと 思い込んでいた義母は土曜の午後に訪れた 俺に驚いていたもちろん日たも焦った だろうだがバカずを踏んだ営業マらしく 在籍の仕組みをすらすらと俺にも解いてき た俺は花からそんな話は信じないだが すっかりと日に信頼を寄せている義母の 様子にその場で奴を否定するのをためらっ てしまったのだ義父の前でいつもおどおど と顔色を伺いながら家事をこなしていた姿 とはまるで違っていた久しぶりに家が 賑やかになって嬉しいと上室のお茶とお 菓子を出してきて日がいかに優秀な社員か 心配りも素晴らしくて家の仕事も手伝って くれてと俺に日田を自慢していたのだ無子 として至らなかった己れを帰りみずにはい られなかった 俺は義母に投資をするなら俺も一緒に契約 するから少し待ってくれと念してその日は 別れたその後俺は調査を依頼し日田の話は まるで出まかせで事務所もない会社だと いうことを突き止めたその証拠を持って疑 実家に乗り込んだ時日田は義母の得意な 天ぷらで昼食を取ってい た義母は1人になったら揚げ物なんてもう しないこの年になると油物は体が受けつけ ないと言っていたのにしかも義母はもう 契約をしてしまっていた今回の投資は今月 末までで来月になったら金利も大幅に 下がるしこれ以上の企画はないと言葉巧み

に丸め込まれたのだ俺が全ては嘘だという ことを暴露した時光が収まらない俺に すがりついてきたのはニではなく義母だっ たニタさんを責めないでニタさんは悪く ない私は全部分かっていた の俺もにたも言葉を失い義母の越だけが 響いた義母は投資の頭金として300万を 日体に渡したがお金なんて戻ってこなくて もいいと言って泣いたののだ誰かが家に来 てくれて私を至ってくれて私の手助けをし てくれる私の料理をおいしいと言ってくれ てまた来る日を約束してくれて私の愚痴も 昔話も聞いてくれるそれが嬉しかったのよ とニはうれていた俺も義母を見れなかった 教子との家庭が平和に維持できていたら こんな風に義母を孤独に追い詰めることは なかった だろう面木がなかった家にも実家にも 寄りつかず好き放題暮らす教子に今後の 不安など相談できないましてやもはや夫婦 の携帯もない以上俺など頼ることもでき なかったろう言ってくれれば教子に鬱陶し がられたとしてもなんかしら力になれたか もしれないだが距離がありすぎた千春もい ない以上足しげく通う場でもなくなってい た義母を被害者にしたのは家族である俺 たちにも責任があると思わずにはいられ なかっ たニタは土下座して俺たちに謝罪したが 義母は首を振りあなただって生きるのが 大変でしょうと言っただけだっ たてれしまったんだものもうここには来 ないん でしょう私が秘密を守ると言ってももう このお仕事をしながら私の顔なんて見れ ないわよ ね私はお金よりそれが残念 よそう言って涙を流す義母の姿が 痛々しかった義母は俺に頭を下げ 2つのことを頼み込ん だ1つは決して教子にばらさないこともう 1つが日を罰しないことだ義母の悲しくも 寛大な気持ち1つで日田はその場を逃れる ことができたのだっ た俺はラウンジの椅子で縮こまっている日 を見たお前全て心してもうはやめる全頭な 職についたらまた来ますからって言ってた よなお前にとって全頭な職ってのがこれな のか白さぎ正司老人を利用して金儲けして たやが中途入社できるような会社じゃない だろ今度は一体どんな手口で金儲けして エリートサラリーマンになりきってるん だ京子の夫ってことはそれがバレずに 暮らしてるってことなんだだろ大した才能 だよ親子2台を手玉に取るとは

ねそれとも京子にもお母さんがお前を助け たいと思ったような身の上話でもした か日田は義母に自分は養護施設で育って 身よりがないと言っていた営業は大変だが 学歴を問わずに入社できた会社はここしか なかった本来営業は家族や親戚から顧客を 拡大していくのに自分にはその後ろだてが ないと言って義母の道場を引き寄せていっ たの だ一体どこまでが本当だというのか何1つ 信じられるものはない日に絡めていた教子 の手はいつの間にかほかれ膝の上で震えて い た日はあの時聞いた言葉が本当なら子より 5歳は若いはずだそんな男の何を信じて 再婚などしてしまったの か詐欺にあった義母は新郎がたたったのか 地方症になり今は施設にいる詐欺の被害は そのまま教子にはなかったことになるはず が俺とここで待ち合わせしたことで全てが 荒になった義母にとっては何もわからない ことがかって幸せなのかもしれ ない携帯が振動した千春だ高校の卒業記念 旅行で同級生と韓国に出かけたの だなんとかというアイドルのデビュー記念 だからとゆかりの場所を尋ねる らしい俺は携帯をテーブルに置き今子に 聞かせてやったスピーカー本にせずとも はしゃいだ娘の声はよく聞こえて くるお父さん今ねホテルに戻ったとこもう 食べすぎでお腹パンパン辛かったけどどれ も美味しかったよ聖地めぐりもしたし写真 もいっぱい取ったから帰ったらスライドに して後でじっくり見せてあげるキムチ すごい美味しいよ日本で顔のて全然違うお 土産に買っていくからねあとお酒でしょ さゆさんには化粧品買うねお土産の心配 なんかしないで楽しんでこいうん明後日 帰るからお父さんも2人で仲良くね お父さんも新婚旅行行きなよさゆりさんは おしゃれなんだから素敵に演出してあげて 親父臭いことばっかりしてると嫌われる よ私塾の帰りにお母さんの浮気現場目撃し てからずっとお父さんも誰かももっといい 人と幸せになってくれたらいいのにって 思ってたよ私の進学を気にしてずっと お母さんに我慢してたの知ってるもん私も もう子供じゃないしこれからはもっと お父さんの人生を楽しんで私はさゆりさん が大好きだよなんかうちのお父さんには もったいないんじゃないかて思う くらい千春があははと笑うかわいそうに 千春はまだ中学にも入らないうちに母親の 不を目撃し重く胸に沈めていたのだっ た俺は札幌で俺をサポートしてくれた秘書

のさゆりと結婚を決めた札幌行きは当初3 年という話だっただが死者の改善ぶりが 評価され急遽2年で本社に戻ることになっ た左は意を決して退職し俺についてきた ここで別れたら私一生後悔しますそう言っ て結婚を申し込んできた離婚歴がせになっ ていた俺を見破っていたのだっ たキャリアを買われて今は系列会社で働い ている知的なさゆりは千春と気がい得意の お菓子作りを教えたり一緒にアイドルの話 もしたりと女同士で親密な関係を気づいて くれたじゃあまた明日かけるねこれからお 菓子食べながらおしりするのあまりはめ 外さないようにしろよ大丈夫じゃ ね携帯を手に教子を見ると京子の瞳はもう 何も追いかけてはいなかった怒涛のように 押し寄せた真実と現実に打ちのめされて いるのだろう 本部長お邪魔 かしらさゆりが現れた今日の主役だ今日は 入籍後初めて迎える彼女の誕生日だいや いいん だ話はもう終わったよ ああいい機会だから紹介しようかこちら うちの奥 さんおはにお目にかかります松井瀬です じゃ行こうここで飲むんじゃないのルーム サービスを頼もう2人きりの方がいいから ね長めのいい部屋なんだきっと気にいる よ俺はさゆりを連れてその場を離れ た京子の人生をやり直すとしたらどこから が分岐点なのだろう俺と結婚したことか俺 は教子との結婚は千春を与えられたこと だけでもありがたかったと思っているそこ から一直線に幸福へつがることはでき なかったし義母を思うと胸も痛むだがいつ までも過去に囚われてはいられない俺には もう別の家庭がありこの先も千春の父とし て将来を見守る責任が ある家族に恥じない全頭な生き方をして 行こうと改めて決意した夜だっ [音楽] た [音楽] JA

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