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【長篇朗読連載】三万両五十三次 愛憎篇(最終回) 「十三、本陣の夜 /十四、毒の花」 野村胡堂  ナレーター七味春五郎 発行元丸竹書房

by ANNAPOST



愛憎篇は、最終回となります。次週からは、情炎編です。

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■再生リスト

昭和27年作品に、大河内傳次郎主演で映画化された同名映画の原作!
 時は幕末、黒船が来航した、安政五年から物語は始まります。時の老中堀田備中守は、「日米通商修好条約」締結のため、京の都へ三万両をおくる。
 主人公の馬場蔵人は、倒幕派の武士、三万両を狙う怪盗たちとたたかいながら、一路京都をめざします。
 東海道を舞台に上を下への大騒動が実に面白い。お聴きください。

三万両五十三次は、一年半の連載(1932年3月から 1933年8月にかけて)をおえると、中央公論社から函入り上製本 上下巻(湊書房版は 全5巻、中公文庫版の全4巻版もある)で刊行されました。昭和9年のことです。ちなみに銭形平次の連載は、昭和七年にはじまり、当時務めていた報知新聞に長篇の連載を依頼されました。

馬場蔵人……本編の主人公。四十二三才。
小百合……父山際山左衛門を上意討ちされたため、蔵人を仇とねらう
茜の半蔵……山際家の老僕。小百合を助ける金五郎の父。
南郷小源太……真四角虎ひげ
矢柄城之助……色白の美男
真琴……矢柄の妹
伝次……小源太家来。岡っ引きだが、渡り中間に変装。異名は二面
作良軍之進……倒幕の志士
進藤晋……倒幕の志士
今宮八郎……倒幕の志士
お蓮……伝次に姉御と呼ばれる。謎の女性。陽炎のお蓮。殺人を好む。

牛若の金五郎……泥棒の親分だが、殺しを厭う
ノッポ竹……お蓮に惚れている
藤次……猩猩、四十六七になる、小頭格
丑松……奉行所の手先
吉三……背虫、ながら、夜目も利くゴリラのごとき長い腕と怪力を誇る
小動平太夫……与力
堀田正睦……幕府閣老
植松求馬……家老
文治……金五の子分
お蝶……和泉屋の令嬢
千代松……和泉屋の遠縁。手代。
五兵衞……和泉屋番頭

■用語集
反間苦肉の策……敵同士を仲違いさせるために、あれこれと自らも苦しみ、苦心して作戦を練ること。
間諜……カンチョウ・スパイ
薩摩絣……サツマガスリ・日本の最高峰に位置づけられている綿織物
三一……サンピン・サムライの蔑称
参酌……サンシャク・他と比べ合わせて参考にすること。
機微……キビ・容易には察せられない微妙な事情。
やぞう……ふところ手をして、着物の中で握りこぶしを肩のあたりへ突き上げるようにした格好。
膝下……シッカ・親のもとで生活している意を表す語。
庫裡……クリ・禅宗寺院における台所
巨口細鱗……口が大きく、うろこが細かい魚。
寸毫……スンゴウ・ほんのわずか。ごく少し。
仮借……カシャク・大目に見てやり、まあまあと許すこと。
懊悩……オウノウ・なやみもだえること。
漫罵……マンバ・みだりにののしること。
軽辱……ケイジョク・あなどりはずかしめる。
初更……ショコウ・五更の第一。今の午後七時から九時まで。
寄託……キタク・保管の約束によって、その物品を受け取ることで、生じる契約のこと。
卓見……タッケン・すぐれた意見・見識。
久離……キュウリ・父兄や近親から官に届け出て、親族の縁を切ること。勘当。その結果、永久に連帯責任を負わなくて済んだ。
仕舞た屋……シモタヤ・商家ではない一般の家。商売を辞めた家
割膝……ワリヒザ・両方の膝がしらを離してすわること。また、そのすわりかた。
間諜……カンチョウ・スパイ
古文真宝……かたくるしいこと。まじめくさっていること。また、そのさまや人。
パイ一……一杯の盃
安珍清姫……紀州道成寺にまつわる伝説。僧安珍が、清姫を裏切り、蛇に化けた姫に、焼き殺される顛末を描く。
長広舌……チョウコウゼツ・長々としゃべりたてること。また、熱意のあふれた雄弁。
安危……アンキ・安全であるか危険であるかということ。
ななつだち……旅などに、早朝の午前四時ごろ出発すること。

■この動画の目次
0:00 六郷まで 一
5:16 六郷まで 二
9:51 六郷まで 三
14:31 六郷まで 四
19:16 六郷まで 五
23:52 長持ちの中は? 一
28:23 長持ちの中は? 二
33:14 長持ちの中は? 三
38:03 長持ちの中は? 四
42:57 長持ちの中は? 五
47:36 長持ちの中は? 六
52:04 長持ちの中は? 七

#野村胡堂 #朗読 #時代小説 #七味春五郎 #audiobook #音本

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七味春五郎はこちらです
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■青空文庫、山本周五郎作品他、著作権きれた文芸多数
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本人の 夜 1小谷から戸2宮長泉屋の嫁入行列が鶴や 僧兵という裸子へついたのはかこ7つ 止まりを急ぐ客が淡い夕日の中をせわしく 往来している頃でしたそれより少し遅れて ババクランドの一向が入りましたどこで 手間取ったか誠にカカたる様子で本人沢辺 黒左門の玄関からおを振って乗り込んだの はやがてスズメ色時という自分でした言う までもなく昔の本人というのは幕府から 公郷された大名宿でざの人間が止まれる わけではありません国持ち大名は1年も前 から前ぶれをしたというくらい売は相当 身分のあるものでも不に止まろうと思えば あらかじめ差し回してある班の手形と 照らし合わせて初めて大宮を定めたもの です最もやかましいのは表玄関からの客で 裏口からは真象の良い旅人は止めたと言い ますその辺は融通の聞いたものでしたババ クランドは時の角を掘ったびの神の用人で 中の神から防にという触れ込みですから 本人さ黒門の表玄関から大き目を踏んで 堂々と乗り込んだことは言までもありませ ん最も権力はあっても美心にそう言いない のですから3冊を打たせるとか満目を めぐらすというわけにはいきませんそれで も方書に書いた名札を玄関に張らせて外を 祝った顔はしております奥へ通されて本条 佐治郎と一緒にくつろいだ心持ちになった ところへ主人のク左門煽りを引っかけて 形式だけの挨拶をします配信は寺任せでも いいのですが格納の息がかかってるので そうもいきませんそれが住むと手代の勢力 というのが出てきて敷の外から御用を受け たまりますただか厄介になるぞところで あの物体だがはい縁側へあげておさしずを お待ちしております次のまでもお入れ いたしましょうかいやそれにはばぬあんな 重いものを持ち込んだら床が抜けるだろう ええそのまま庭へ差し置いても構わぬが 物置きかなへ入れてくれるとなおいいな それではあんまりでございますいやまだ海 用もすまぬ物体だどこへ差し置いてもバチ の当たるようなものではないババクランド 大変なことを言い出しました金庫に行った のとはだいぶ話が違います裏にながござい ますがほんのガラクタを入れるところで 最も板敷きになっておりますが鍵も上も ございませ んそれが良い早速その屋へ入れてもらい たいなでは万人でもおけするようにいたし ます 六も薄々3万量のことを聞いているの でしょう妙に念入りなことを言って

クランドの顔を見上げましたそれには及ぶ ま江戸から連れまった人足どは疲れている し明日という旅もある一切放っておくが 良いへえ手代はこれ以上返す言葉はあり ません腑に落ちない顔を伏せてそのまま 立ち去りますババ殿のなんじゃお言葉では ござるが鍵も上もないなへ入れて1人も 万人をつけずにおいて毎日のことがあった 場合は若い添役の本性佐治郎はたまりかね た様子で膝を進めまし たそんなことを心配すると晩酌がまずく なるぞ誰がバの当たることを承知で仏像を 盗むやつがあるものかババックランドは まるで死にもかけませんその時何俺は止め ねそんな分からないことがあるものかい 本時だって表も裏もあらそれに俺は者だが ここにいなさるのはお様のお嬢様だ純礼姿 に身をやしたって人品骨柄でも分かりそう なものじゃねえか牛わかのキゴの声が裏の 方から筒抜けに聞こえ ます 2あれはなんだとババクランド廊下を通る 勢力を呼びれさせましたえやかましござい ます誠に厄介な男が参りましてあの通り 無理を申しておりますがただいま宿泊人に 引き渡すことになりましたどうぞお聞き 捨てよ手代の勢力は敷の外で2つ3つお 辞儀をしましたいやそれは構わぬ そんな面白そうだがあの男は一体何者だな とえともは存じませんが町内に顔見知りの ものがございましてそのもの申すことには 何でも大変良くない人間だそうでお前は 知らないというのがへいそれは浮かだな 思いもよらぬババクランドの言葉に手代は 少しあけに取られた形 ですあれは牛の金五郎とかいう盗賊だへえ そのそもよくご存知でよく知っている大事 ない人間だ え止まりたいというなら止めてやるが よかろう勢力は2が告げません冗談なのか 真面目なのか扁桃に困ってしばらくはババ クランドの顔を見上げるばかり です当時飛ぶを落とす勢いのおったびの神 の人れも格式もあるわけではありませんが 本人にとってケチな大名ほど睨みの聞いた 客がこんな途方もないことを言い出したの ですから手代の勢力でなくともこれは驚か ずにいられませ んいずれ主人と相談いたしまして成分の取 計いをいたしますあこれこれれ主人と相談 をしておっったりしらせたりしては何にも ないんぞ中になる勢力を呼び止めてババッ クランドはとどをさしましたえくれぐれも 黙って止めてやるがよいへ金剛とその主人 という小娘の狙っているのはこのババ

クランドの首だ金や物騒に目をくれる盗賊 ではない心配をせずに止めてやるがよい 万事は拙者が 引き受ける自分の首を狙う人間を止めて やれというババプランドの心持ちなどは いつまで考えたところで手代の生録には 分かりませんつままれたような顔で主人の とへ飛んでいく手代の後ろ姿を見送って ババ先生若い添役本条さ次郎が次の場から にじり出ました聞かれたか本条う子供のよ にクランドは笑っておりますミスミ盗賊と 知れたものを止めて16の物体はともかく 第一主人の迷惑があってはなりませんキゴ とやらはおっ払った方がよろしくはござる まいか真四角に詰め寄りますいやそんなに 心配したものではない盗賊と名乗って出る やつが降臨罪人のものを狙うはずはない 1番危ないのは拙者の首だがそれもまず3 条の大橋を越すまでは大丈夫だろう 放っておきなさるが いいいやこの道中は思いの他面白くなり そうだよ本上お互いに楽しみが多いという もの だババクランドは何のわだかまりもなく からから笑い飛ばしますちょうどその 時牛わかのキゴとその親父の赤根の半蔵と 主人の娘さりは負傷部将に組んで出した すすぎたいに足をつけてほっとした心持ち で顔を見合わせておりました手代の静六 から聞いたのか下条橋ためどもがなんと なく白い目でキゴの一挙一動を見つめて おりますがそのそばに俯く純礼姿のサリを 見るとさすがに反感を持ち切れませんそれ は野から切ってきたばかりの白ゆりの花の ようにかしく美しかった から [音楽] 3キドおお嬢様どこへ行く の父親の内気を伺って外園側へ吐出した 牛わかキゴの後ろからさりは音もなく 近づいたのでしたあれは放っちゃおけませ ん立ちの客ばかりだからみんなぐっすり 寝込んでしまったようです今のうちに ちょいとなの様子を見てまいりましょう そう言いながらもキゴは天戸の3をあげて 細めに干しあけましたそれじゃあ私も とんでもないお嬢様でももしあれが3万量 の御用金で誰かに取られるようなことが あったらどうしよう追いすがりそうなさり の寝巻き姿と言っても旅のみ着替えの長板 を追いずるから出してさすがに生め赤い ものへギリギリとかこしりのしごきを巻い たのが悩ましい不にキゴの袖へもつれるの でしたお嬢様それほどまでにおっしゃる ならそっと足についておいでなさいまし

ここは構いはしません親父が頑張ってまさ 何営業会たって本当に眠ってなんかいる ものですかあれはでなるほどそういえば 生子の中では明の半蔵鎌首をもたげてキゴ とさりのさきかわす声に聞き耳を立てて おります2人は後ろでに山戸を閉めて そっと庭へ降り立ちました幸い大して寒く はありませんが雪模様のおぼろ月が辺りを すっかり薄らせてじっと佇むと銀なしに 刻んだ景色を見ているような心持ちになる のでしたお嬢様荷物は確かにあの名へ 持ち込んだのでしょうなさりは頷いて見せ ましたかずは十楽万人はそれが私にも 分からないババクランドが万人には及ば ないと言ったとやらで出代と主人が立ち話 をしているのを聞いたがはて牛わかのキゴ も首を傾けました自分は本人の裏口でいい 心持ちに単価を切っていたのでそんな生殺 を聞き漏らしましたが木の回るさりは岩内 に立って何もかも見ていたのですが本当に ババクランドの言いつけで万人も置かない とすればこれは金剛も考え直さなければ なりません6号の私で16の荷物のうちの 1つを取り落とし中から濡れた仏が1つ 転げ出た時でさえもキゴは後の15に3万 両の黄金を秘めていることを疑いません でしたしかしかに大胆不敵のババクランド でも思から10件も離れているなに第一の 3万量を放っておくとはどうしても信じ られなかったの ですとにかく行ってみましょう尿にしろ 物体にしろ盗まれて良いというはずはあり ませんそれにあのヒロアンドンのことだ から万人を置かないと見せて実は誰かに そっと見晴せていないものでもありません すしに庭をつっかけたまま音のしないよう に敷石を避けて2人は井戸端を一回り裏口 のナヤの方にたどりましたああれは目の 早いさりはキゴを久しの影へ導き入れて その耳にこう支えきます娘の指さ方を見る と泥壁のワブのかなり大きなナの前少し 痛んだ板戸の辺りへおの中に泳ぐような 人影お嬢様くせ者だへ万人ならあんな格好 はしない待ってください正体を見届けて うんという目に合わせてやりますから商売 が商売で怪盗牛の金は遠めながら忍びよる 人けの筋をてしまったの でしょう4おじ様しばらくこへ見ていて くださいあされのないように手取りにして きましょうそんな危ないことをするよりか 誰かに来てもらったらどうええ1人や2人 のくもに恐れて根をあげたとあっちこの 金剛の恥になりますそれじゃあ私も行って みようなんかの足にならないまでも毎日の よにとんでもないお嬢様は妄のあるお体だ

そんな無法なことをなすっちゃいけません いてて牛わかの金慣れた忍び足おぼろ好き の熊を拾ってつつつつとナヤの方に近づき ますくせ者はそれを知るや知らずやナヤの とえ片手をかけて外辺りを見回しました誰 もいません いやいないわけではないのですがさりは車 井戸の池田の影に隠れキゴは一流の忍術で こが流でも胃流でもありません体が軽いの と目の早いのから編み出した独特の体術で 井戸からナに通ずる廊下の針に飛びつくと さっといぶきの屋根の下に身を潜ませて しまったのですそのうちに物はの中に ばかり気 で付けの怪しい板岸加減にそろそろと開け ましたうりに透かしてみるとガラクタを 片寄せた何度の板敷の上入り口近く 積み上げたのは16の荷物だけ万人は愚か ネズミ1匹そうもありませ んあまりの投げやりな様子に物もさすがに 驚いたか何度の入口にに立ってじっと中を 見込んでおりますその間に牛わかのキゴは 廊下の針を飛び降りてくもの真後ろに ひたひたとよりました元より声も立てませ んあと3件2件と思う頃ひりと身を返すと キゴはくもの後ろからムズと組みつけまし たえ一振り物は肩を沈ませるといつのに 抜いたか夜のおを集めたようにきらりと 光る刃キゴはさっと身を沈めましたわずか に羽先は避けましたが恐ろしい手練に左右 なくは近づけそうもありません2人はその まま睨み合いました誰だと金吾左の手をほ に構えて右手に懐中の相口を探り ます物は物も言いませんが覆面の中に光る 冷たい目がキゴの構をじっと見つめて一等 を静かに後ろ様に引きまし た相手次第だこれがどうにでも変化しよう というのでしょうがそれよりも獲物もない 下ろを相手に刀を抜いたのをはじるといっ た存在な様子がその態度にはっきり読め ましたてめえはなんだ名乗ってきやがれ 金剛の声は眠り竹縄な家の中までは聞こえ ませんが低いながらも相手の配布に 食い入るようにリと響き ますしかし相手のくもは相変わらずたまり こくってキゴの様子とナの中と本人の裏口 の辺りを静かに見回しましたはかりながら 牛のキゴがついているんだ野郎にこの荷物 へ指も刺させるこっっちゃねさっさと消え てなくなれあがれ頑固に黙りこくった相手 の態度に激してやろあの組み上がったな次 の瞬間キゴの体は鉄砲玉のように飛びまし たきらりと光る相口物の片口へ継承な体 ごと叩きつけましたが物は元よりそれを 待ってはいませんさっと身を引くと同時に

一文字に払った刃あキゴは後ろ様にどと 尻餅をつきました膝Whoをやられた様子 です5追っかけて容赦もなく振りかぶった くもの一等は待って谷様闇をつんて市田の 花のように飛び出した娘の手に支えられ ましたたえ邪魔ですな突きのけよとする刃 の手娘の袖は必死と絡みます兄ここで血を 流しては帰って後のわずらいそう言い ながら月明かりの中に振り合いだのは旅姿 のままの孫と浅黒いキリリとした顔も しらしらとさえかって兄の胸にうめた息が 少し弾みます一等を振りかぶった物という のは言うまでもなくその兄のやが城介 でしょうえどるか誠ハ様これがいや私を 救ってくれた方何桜の帰り2人のくもに 言いられて何していたところをこの方が 救ってくださいました殺してはなりません 誠はそう言いながら手負いの前からからく も兄の刃を押し立てましたその間にキゴは 黙って立ち上がりましたが傷が思いの他重 がったのかがくりと膝を折ってわずかに 右手の相口が全身を乾います金が井田の階 からはさゆり何もかもを忘れて飛び出すと 少し取り乱したままキゴの前に 立ちふさがりましたお嬢様危ないといた あれ お前こそ危ない何これ式の傷にキゴはもう 一度立ち上がろうとしましたが右足は力 なく萎えてそのままばたりと崩れます 大した血も出ない様子ですが多分筋でも 切られたのでしょうちくしキゴはハをし ました月に振り合いだ美玉のごとき表は さっ青白くなって2つの目がイのごとく 怒りに燃えます金剛人を呼ぼうかとさき 加減にさゆりほっておいでください何の 引っ掻いたほどの傷にだってお前さゆりの おどおどするのを尻目にやいサンピン甘く 見たからトを刺されたがてめえなんぞに 負ける俺じゃねえ座ってあってやるとんと 来あがれキゴは精一杯太平落を言います 最もこんなに簡単に切られたのはキゴの 誤算もあったでしょう相手は抜群の腕前に 沿いありませんがキゴが沸かし一発の危機 を掴みさえすればアコに城のすの片先へ 風穴を開けていたのかも分からなかったの ですやが城介は相手の動けないのを 見極めると静かに刀を収めました孫とそや を見張れ大きな声を出したら容赦なく切る のだぞ誇りを払ってナヤの入り口へ一方 近づきましたああ ああ金剛のそばを離れたさりは思わず大出 を広げて入り口の背に立ちふさがります どけ女さゆりは声も立てませんがひしの影 に匂うばかり美しい顔をきっとを入れ一寸 も動こうともしませんとかるかジのすは

思わず柄を叩きましたがさすがにこの美 少女相手に刀を抜く大なさを考えたか左の 片手業に軽くさりの体を突きのけまし たさりはたいもなくよけましたが立ち直る とナヤの入り口へ人足踏み込もうとする城 のすの背後から恥も外分も忘れて必死と 抱きついたの ですそこへ入ってはならぬいえどうあって もそこへ入ってはならぬ乙女のかぐわしい 息が常助の方を柔らかになれて殺した声が 物悲しく身元にあき ます 6さりの力がいつまでを阻み切れるもの でしょうえ邪だもう一度肩を振ると意向を 滑る美しいこのようにたいもなく天内に 崩れましたが ああ娘の必死の手はつる草のように伸びて 城のすの旅束のままの足へ膝へ腰へと すがりつきます西に傾く月が粉雪をはんだ 雲から漏れるとその思い詰めた顔少し 取り乱してはいたが老だけた美しい娘の顔 をこの時初めて正面から照らし出しまし た赤い長じ盤にかのこしりのしごき足並み の島田も少し崩れて青白い細表わなく唇は 言葉もなさず黒曜石のような大きな目だけ がよりも物がしそうにおおと男の顔を 見上げるのでしたえとかるか胸まですがり よる乙女の手を払いのけもならずジのすは ようやく身をそらせまし た見るとナヤのとは2尺あまり開け放たれ て水のごき月の光を意も静かに吸い込んで おります城のすがほんの少し武勇を震えば 16個の荷物はあっという間に切りほかれ て 物体かコバか覆うとこのない正体が分かる でしょうえ面倒城のは少し苛立ってさりの 手を買いほどくと押しやってナヤの口 へその時金吾は苦痛をしんで身を起こし ました右の足は切られたかくじいたか 踏みしめることもつったてることも叶わず わずか廊下の柱に捕まって詐欺のように 立ち上がったのですからさゆり危なと見て もとっさの間に駆け寄ることもなりません 幸い手放さなかった右手の相口なに 踏み入るジノスのせい え早速の手裏剣力任せに叩きつけましたが それより早く危ない後ろから抱きしめたの は助の妹でしたあ足の悪いはもなく転げ ました誠に抱きしめられたまま洗ったよう な月下の大地へつキゴは思わず揉み込む ような悲鳴をあげて誠の体の上にもり打ち まし た誠のおかげでキゴの放った相口は危うく 城のすの背をそれましたが妖精がなの柱に 袖を止めてしばらくは踏み込む足をたがせ

ます その間に立ち直ったさりもう一度ナヤの 入り口に飛びつくと着した板戸旗と閉ざし まし た全てこれはとっさの出来事キゴとさゆり が縁側から抜き出してから城のすの袖が ナヤの柱に縫われるまで物の100も 数えるほどは立っていませんその短い間 ながら声を立てることも人呼ぶこともでき ない4人の間に深刻な争いが頑固に必要に 発展したのでし たしかし声を潜めたと言っても争いは やはり争いです物音息遣い切れ切れに 投げ合う言葉など験そこそこしか離れてい ない家の中でいつまで知らずにいる通りは ありません一番先に聞きつけたのは場に いるの手でした物に驚いてってから首を 出すとちょうど晴れ上がった月の光の中に 不思議な争いは一目に読めますあ取れた 思いっきり大きな声を張り上げると 待ち構えたようにそれに応ずる声続いて家 の中はいっぱいにみるも有様見つかりまし たと妹の孫引き上げ 之は躊躇もなく相口を抜いて捨てると妹の 手を取るようにさっと牡の外へ月光に紛れ て姿を消し ます 7泥棒泥棒みんな起きるんだ泥棒が入った ぞ家の中はまくうちに蜂の巣をついたよう になりました人の明りの中に足音とさきと 驚きめく声とがはんで本人サベク衛門の 会場開花が全くはち切れるような騒ぎ ですお嬢様金名の前に残された2人は顔を 見合わせるばかりこんな様子を見られちゃ おの金1台の恥だそがお嬢様肩をおかし なすってくださいさりもそれに気がつか ないではありません金剛の左手を取ると 海外し引っかいで精一杯に弱腰を伸ばし ましたお嬢様ありがたいもたれ気味に腰を 起こすと大の男の重みに耐かねてさりは よりと前へのめり ますあ大丈夫でございますかお嬢様大丈夫 お前こそ痛くはないかいなんのこしと言っ てもキゴの右足はへなへなに萎えて体重を 託すどころかかが大地へ触ってさえトでも 踏んだように恐ろしい痛みがの点へ 突き抜け ます思わず力が入ると丸い柔らかい肩へ長 路盤の上からかけた腕がむと娘の胸を足し てまたよりと前へのめりそうになるのでし た娘のの胸は痛ましくも波打って吐く息が 暁月の痛さにしらしらとぎ ます雇人や泊まりの客は様子を測りかねて そうなくは近寄りませんが添役の本条さ 治郎はさすがに真っ先に飛び出しました

何者長き姿に一等をひっつかんですしの まま凍った位へあ本性様とかおっしゃい ましたなくもは逃げて押せましたなの戸は 引き明けましたが中の荷物には指もささせ ませんキゴの誇らしい声がさりの肩越しに こうさろを迎えるのでしたその方は何者だ 本条佐治郎は月光に透かして少し越しに左 の親指はぷつりと小口を切り ます品川からご一緒に参った金五郎で ござい ババ様がよくご存知のはずでよそながらお 荷物を守護いたしております誰に頼まれた 作郎は釈もなくこ行ってうさんな目を じっと据えます頼まれたわけじゃござい ませんがこのお荷物を取られちゃ少し厄介 なことがありますキゴはそれ以上に説明 することもできませんちょうど本条治郎の 背後へは怖ながらいっぱいのの人がき中に はちをかざして物好きそうにその場の様子 を照らしているのさえあるあり様 ですキゴ私は一番弱ったのは寝巻きのまま のさりでした少し崩れた髪も赤い長板も それよりも悪いことにキゴの手を取って肩 へ引っかいだ様子まで何の覆うところも なく赤い明りと物好きな富の中にまざまざ とさらされていんのですこの 時おいおいこいつら何が面白くてたれ やがるんだ明の半蔵人がきをかき分けて せがれと推しの前に立ちはかりました脇見 しりの序盤に真新しい明の6着粉が1つ 大出を広げると枯のような体にもぽっぽと 活気が燃えそうです夏目のような顔少し 乱れた白髪星のような目がキラキラと光る とヤジ気分のお立ち合いも少したじろぎ ました誰れもっぱらってやったんだいこの 家にとってもおにとってもいやば大事な 音人だろう変なつをするなよまけ明りの 半蔵佐次郎の真光からこう決めつけ ます8 旦那様大変でございますなんださしババ クランド廊下から指起こす手勢力を世にも めんどくさそうにしかり飛ばしました泥棒 が入りました入ったら入ってもいいそっと ほっとけどうも少し呑気ですお連れの旦那 様がお立ち合いくさるようにとのことで ございます今頃てはかわんな恐れいります 口子を言いながらもババクランドは 起き出したようです何か取られたというの かそれは分かりかねます一応旦那様にお 調べいただかなければ見たところで塩が あるまい物体を盗めば仏様のバチが当たる に決まったものだ気楽なことを言いながら も廊下に立ち入れたところを見ると着流し ながら帯まで閉めて長いのの下げを左手に 絡んで前半に脇差しを帯びておりますどこ

まで行き届くかわかりませんこっちで ございます正六に案内させて廊下に 立ち入れとちょうど明りの半蔵がキゴと さりをかばって単価を切っている真最中 なんだ泥棒はあの男かと庭石の上に 立ち止まったクランド背伸び加減にめ人影 を透かしましたいえそうじゃございません そうだろクランドが心笑顔に進むと人がき は真に分かれて月の光と貯金の明かりの中 に傷ついたキゴとそれを引っかくさりと大 を広げた半蔵が作り付けの人形のように くっきりと浮き出すのでしたいやキゴか どうしたグランドは相変わらずわりもあり ませんが金を引っかいださりの寝巻き姿を 見るとさすがに顔を曇らせてソポを向き まし た旦那泥棒はもう逃げましたよ命がけでお 荷を守護したんだから褒めていただきたい くらいのもの でそいつは片づけないと言いたいがな余計 な世だしかし物体を守ったんだからごの ためにはなるそれが米の言葉でところで お前は怪我をしたようだなへ相手は 恐ろしい腕出しで馬鹿にしてかかると とんでもない目に会いましたそれは木の毒 だ神殿人中校を自賛している金相には 不思議の妙薬じゃクランドはそう言い ながら腰のイロを抜いてポンと放りました へえありがとうございます大事な体なんで 遠慮なく頂戴いたします キゴは妙に絡んだことを言って陰more を拾い上げると半蔵は近寄って傷口の 手当てをしてやりまし たその間にさりは人がきを縫って美しい鳥 がやかに隠れるように家の中に逃げ込んで しまったのは言でもありませ んば先生ナの荷物をお調べください本条 作郎いやそれにも呼ぶ前この男が命に変え て守護したというではないかそれとも一応 板を引き分けるとさと流れ込む月光とちち の明かり中は物の熊もありませ ん16の荷物は包みも変わらず元のままに 積んでありますがお驚いたことに重ねた 荷物の上にむを引っかいで戸を巻いた形に 1人の人間が眠っていではありませんか 何者だ本性郎飛び込み様少し嫌いしながら ゆると うでもいじゃないかなん でむを跳ねのけて起きたのはせいぜい重事 も見える小僧可愛らしい顔をあげてよにも 腑に落ちないようなざしで入り口を塞いだ 大勢の顔を眺めまし た 9お前は何だと本条さ次郎あまりのことに 少し表紙抜けの気味ながら役目から一応は

強く出ますおいらかい16の荷物の上から ポンと飛び降りた少年は何の恐るる色も なく降り注ぐような月光を浴びて入り口 から顔を出しました名乗るまでも問うまで もありません品川から後になり先になり 一向についてきた抜けまりの少年片の ごとくをせの存分にやぼな綿入り高らかと はった尻はさすがに下ろしておりますが桃 をはけると朝木の桃引きがはみ出して わらじを吐いたまま大勢の瞳にいられ ながらいさもくっの色がありません最も 寺小屋の芝居に出てくる子役みたいで 思い切って妙なほはしておりますが買う形 身のこなしなんとなく品があって継承で月 の光に青く引き締まった顔には恐れを知ら ぬ高きな層さえあるように思われます何者 ださ次郎は重ねて精一ぱい厳しい怖いをし ましたおらかくどい人間さ何のわかりも なく一発ドカンときましたバカブレなこと を言うと許さんぞところ生をいえ佐治郎は 少しカンカンになりました早くそういえば いいじゃないかところで人の名前を聞くの に自分の名前を言わないのは武家の左方に ないこったな うんまずおじさんのとの名前を言いなぶ ブレイ本条佐次郎大東にそりを打たせる だけでいくも口が聞けませんだってそうし たものじゃないか公爵にはおじさんみたい なブケが出てきて賢い侍にへこまされる話 がうんとあるよ おりどうもまるで相撲になりません10軒 棚の棚から下ろしてきたようなとんでも ない可愛らしい顔をしているくせに言う ことは実に大胆不敵です本上じ俺が買って 挨拶しよう 後ろからババクランド妙に落ち着き払って 佐治郎を押しやりましたこれ小僧お前は なかなか面白いことを言うが理屈は通って もそれでは世間が通らんぞ子供と大人町人 と武ではおか物にへたりというものがある 名前を聞かれたらまっすぐに言うがいい第 一誰に許されてその屋に入った 調子は誠に穏やかですが言うことは誠に 辛辣ですおじさんは話そうだねだけど子供 と大人がへたりがあるなんていうようじゃ 大してかしごはないねおいらから言わせる と大人にもバカがある子供にも離婚物が ある武家にも悪者があり町人にもいい人が あるうん感心したかいおじさん馬鹿だな こんなことで感心したらおらの爵を聞い たら涙を殺す ぜなんだ語に落ちるというがお前は公爵士 の子かそうだよ誠にあっさりしております 通りで口が達しだと思った何という名前だ また違ったいくら教えてもわからないかな

人の名前を聞きたかったら自分の名をまず 名乗れと分かったわかった俺はこの本人の 玄関に名札を出してあると さの半中でババクランドというものだ 分かったか分かったかだけは余計だなそれ が分からなかった日には三方ヶ原の公爵を 縦読みはできないどうも口の減らない小僧 だなところでお前の名は何というバワ クランドはにやりにやりと問いかけ ます10なから現れた抜けまりの小僧の 調子があまりに変わりすぎていたので裏口 いっぱいに群がる人数もすっかりドも抜か れてしまいましたみに似合わぬ可愛らしい 顔もナの闇や武家の異風を恐れぬ態度も 変わっておりますが何よりその達弁と遠い 職名の幸地には下を任せます暁月の下を 踏んで寝巻き姿のまま立った人々もエリや 裾をきわながらこののきなる臭に引きられ てしまったのも無理はありませんところで 今度はお前のなる番じゃババクラントは人 のいいおじさんみたいに小僧の上から美装 を浴びせかけましたおいらの名は等々さ 桃吉ちってんだよ師匠は名人だがおいらは まだそこまではかない広崎で唐板を叩いて いるから江戸へ帰ったら聞きに来ねどうも どこまで行ってもデルに乗りませんどこへ 行くんだと改めてババクランド親を尋ねて 髪型へ行くよ変な顔しちゃ嫌だぜ親を尋ね て1人旅だっておいらは男だから泣きこと は言わないよかわいそうだなんて言って もらいたくねえ先くぐりをするな誰も かわいそうだなるとは言わないぞいいそう な面だよおいらが親を訪ねて髪型へ行く って言うとその辺に酸っぱい顔したのは 23人いたぜつまらぬことを言うなその 代わり断っておくがコバなんかもっちゃい ないぜ殺したって元は取れねえ言うことが いちいち公爵畑 です公爵しならなんでそんな風をして歩く んだ小僧クランドは持て余す色もなくこう 続けました小僧は嫌だなせめてきと言って もらいたいそんなことはどうでもいい よくはないよおじさんおじさんは嫌だな ババクランドと言ってもらいたいこいつは いけねえだけどあこさ帳消しにしときね だんだん無駄が多くなるばかり公ししなら 公ししらしくなぜもつでも来て歩かない そりは無理だおじさん江戸の師匠にはもつ も2識のこでもあるが子供の1人旅では そんなものは来て歩けないようん第1位ど ごの牌がうるさいそれに抜けまりなら切手 がなくてもお席書を通してもらえるがつき をきちゃお席書役人におこしというものが ねなるほどこれくらいのことを関心しちゃ 嫌だぜいよいよババクランドが舐められ

そうですそれは分かったとしてそれほど 知恵のあるお前がどうしてこんな屋の中に 寝ていんのだお宝が少ないからだよおい さん嘘だと思ったら23両貸してみね明日 の晩から上宿について絹布団に寝しべをし てみせろととみんな吹き出してしまいまし たコル大地の上に薄着で立った人々も明け しい寒さに汗をかくあり様です面白いな 小僧もう1つ聞くが品川から俺の行列へ ついてきたのはどういうわけだババ クランドはとうと最後の切り札を投げまし たおじさんは目が届くな褒めてはいけない わけを言えばなんでもないこったこんな 最もらしい行列についてあること第一道中 が安全だそれにおじさんはぼーっととして いるからあまり賢くはないだろうが確かに 悪者ではないなわと2度目の交渉が簡単に 上がり ます 11箱根の席書もやかましいのは女と鉄砲 と老師だけで大神宮様へお参りという後日 が立てば大抵は多めに見てくれた時代です 公爵士の卵等々さ桃吉が他に事情があるに しても抜けまりに姿を変えたのは誠に賢い ことでしたその上言うことはひどく バカバカしいうちにも妙に行き届きます 第一人を殺せないことは不思議 でおじさんは賢くないと決めつけられて ババクランドすっかり喜んでしまいまし たお前の言う通りだどう考えても俺は賢い 人間ではないよ世間では桜のヒルアドと 言っているそう だなるほどこう大口を開いて月にうぶく形 にになったところはあまり賢い人間とは 思えませ んところでだババクランドは言葉を継ぎ ましたなんだおじさんお前は観の望みは ないか観まそうだまて対抗機のやぎの橋だ 公爵では聞かせとこだねとさきどこまで 呑気だか分かりませんするとお前は丸のつ が僧クランドも少々チェキが過ぎますそう だよおじさんおいらは広島さこれが高年 太鼓様と出世をするなおいさんは 差し向かい八塚コ山賊じゃないあれは信の かしらということだおじさんじゃすご身 たりないが負けといてと不足らしい顔 なんかしちゃいけない今は山賊の頭だが 後々には大大名となる大した出世だ またレールが噴出し ますところでハスかコでも何でも構わぬ お前を召しかえようと思うがどうだ グランドも負けておりませんごめんこむの えごめん室おじさんには気の毒だが何が気 にいらぬおじさんはさの半中だと言ったろ うんしてみると飯かえられても売の売だり

ほどの6に縛られてそんなことでは出世の 望みはない言うことが大きいな小僧誰も お前を四分に取り立てるとも録をやるとも 言わぬぞ え長野道中ロギも道連れもなくて気の毒だ から俺の一向に入れてやって手回りの荷物 でも持たせようというのだなんだつまら ないどうだな小僧すると京都へ行くと おいらは路人だねおじさんドリはおかしい がまあそうだ取ればうし取らねば物の数 ならずすべきものはうちはなりけりって歌 を知ってるかいおじさんうちはじゃない だろ弓矢だろへえおじさん知ってるんだね 釈の方もやったのかいばかそれくらいの ことを知らなくてどうするつめは嫌だなお さんだってとは言わぬ寒い重いじい思いを ないからだ分かったがこぞババクランドは 掛け合い話をようやくジムの方に持ってき まし たそうなると少し考えよ人の親切を無理 するのも気の毒だどこまで着だか分かり ませんとにかくうちへ入れもう夜明けに間 があるまい今から寝るでもあまいからそれ までお前の話でも聞こうそうしようおじ さん飛ぶとり落とす閣老の用人と抜けまり の公爵士の子はこうして戸塚の宿で婚に なりまし た今まで黙って聞いていた雇い人や物好き な客人たちも急に赤月の寒さに怯えたよう にエリを書きあわせて2人に従いまし た毒の 花 1私は太したことから東海道中旅日記と いう四つ折り半を230枚横地にした 虫食いだらけのフル本を手に入れました裏 拍子を返してみると安西5年正月桜ババと だけこれが確かにババックランドの書いた ものとは保証できませんが年月日の合って いるところから日記が大津まで書いてあと は余白になっているところなどを見ると ババクランドの書いたものでないとも言い きれませ ん当時の53次の宿場宿場の様子や宿や茶 や人足船渡し一切の費用から名物の食い物 まで書き記してありますからこの物語の筋 を運ぶ合合に大事なところだけを抜き書き してババックランドの苦心や昔の旅の様子 などを忍びたいと思い ます藤沢へ里30丁速1人あたり地志門 藤沢塾小休松屋星門これが正月19日のこ で次の藤沢から平塚まではサンリ14丁の 長町はその間にバニ川があってこれは船渡 1人の船賃は10問ずつ平塚は加藤が本人 でババクランドのはここで19日の中字を しめており

ます平塚から大磯へは27丁大磯から 小田原へは4里この間景色よろしと中が あって人足賃が90問この間に坂川があり ます安静年間の坂川は9月から翌年の3月 までは仮橋がかかり春からかけては価値で 渡らせることになっておりました他の本で 見ると越人足は四重8もであったと言い ますからその頃にしては相当に取ったわけ です3月から9月の歩行渡の期間中諸国の 大名の通行があると前ぶれがあって臨時に 船を出しましたこの船は土地のテラテラに 預けてあって屈強な若者が大勢で担ぎ出し たなどは誠に面白いと思い ます小田原は大久保かの 11万3国の浄化でウロが名物町の出口に 番所があってこれから箱根にかかり ますさて話は少し固くなりましたがこの日 は誠に無事でババクランド一向16の仏を 担がせた荷物は足に小田原へ入り清水門に 宿取りました人足遅れて泉の嫁入り行列 それに続いて小平田優の一向80人という 同ぜは伊勢屋昨にわらじを解き ます2つの行列に挟まったのは籠に乗った 牛わかの金剛とさゆり明の半蔵は大尻 からげで推と背の連絡する役目食事の世話 を焼いたりのりよりの肩を貸したり骨も 折れるでしょうがなかなかの元気ですやが 城介兄弟はどこにも見えません頭の良い 2人のことですから多分人目をはかって 人足先に小田原へ入ったかもしれませ ん泉の行列の後へは送り狼の形で団子を 焦げた佐の一4人大した悪びれたる色も なく深みをかぶったり脱いだり高話を交え ながら見え隠れについてきまし たその傍には振りがのように食いついた 等々さい桃吉昨夜ババクランドに飯抱え られるに至らなかったものか相変わらずの 抜けまり姿23両借りた風もなく4人の 老師の後になり先になり小田原の町の方へ 急ぎまし た最後にかろのオレとセムの吉座これは 坂川の仮橋の危うい欄間に持たれて妙に 赤赤と沈む夕日を眺めております おなんだい吉山どこまでこうついていく つもりなんだい俺はもう我慢がならねえよ 贅沢入れないまだ箱根をこさないじゃない か立山の出るのはこれからさといった 調子 2江戸を出てもう2日目だどんなに用人し た路銀でも1日一番ありゃ見事に抜いて みせる姉がさとてまさか人見知りをした わけじゃあるまいねなんだとえ 吉まあそんな顔をせずと黙って聞いて もらおうか姉が腹を立てると滅法綺麗に なるから道連れは楽じゃねえ馬鹿にをして

ない急におせじなんぞやがって俺はぷいと そっぽを向きました襟のかかった地味な 合せキハのさばき用で少しばかり赤いらし はほめきますが手ぬいを姉さかりに傘のを 左の鉄鉱に絡ませたは日頃にもなく地味な 豊島作り ですしかしレの美しさには何の代わりも ありません少し疲れた顔を川風に吹かせて 瓶から襟首へくっきり夕を浴びた様子は 美玉を述べて血を通わせたようでじっと見 ていてさえ苛立しくなり ますあの3万料を狙っているのはコトラ ばりじゃないんだぜ再に分れて付け回して いる浪人者の一部に横取りされた日には ロキダルだそれに牛の親分だってどんな木 でついてきているか分かったものじゃね 分かってるよそりは分かってるだろさ影郎 の姉子の浜 通るんだよ泥棒家業を始めてから10年に もなるがこんな思いをしたことはねえよ 全く虫の毒だぜあご黙らないかよまけの おたんちんの出好き者のバカ野郎お前が何 を知るものか えい俺にかん高いところを浴びせられると 小さは思いの他素直に黙り込んでしまい ましたゴリラにかっぱを着せてわらじを 吐かせたような よにも不格好な吉はおれから発散する 雰囲気を恐れるように橋板を56枚 引き下がって土産加減にニヤニヤする ばかり です神奈川であの無法な浪人者が長持ちを 2つまで打ちわったのを見ていたろそれは 見たあの様子では金をどこに隠してあるか 容易に検討がつくわけはない長持ちの一さ をや二さをくたっての足しになるものか 相手はヒロアンドンのババクランドだ人 筋縄で行くものかのっぽと平行に仲間を つけて夜通し箱根へ飛ばせたのは何のため だか知ってるかいうそ剣闘がつかないでは ないがね姉このお姉さんが指を動かせば 12さの長持ちをいぺに叩き割ってみせる よそれが住めばあのババクランドの持って きた16の荷物だそれでなきゃ泉屋の人数 とひっくるめても何十人1人残らず裸にし てみるまでの話さそんな顔をしなくたって いい私がやると言ったらきっとやって みせるからそれ子の言うことだ からお前なんさ腕っぷしを働かせてえ すりゃいいんだよ俺が言いたいだけを言う と美しい猛獣使いが動毛な虎に巨匠を 浴びせるように少しそれにラカに持たれて 何の邪念もなさそうににっこりするのでし たそれは姉の言う通りだろうが少しくらい はりことを漏らしてくれなきゃ俺だって

働く張り合いもねざやたこをおいでないお 向こうから役者が1人やってきたよお前が そんなに心配するなら手ほどきにこんばん ちゃいと小田原を騒がせてやるから知らん 顔をして先へ行っておくれ大丈夫かい姉 いいた俺は吉を押しやるように先へやると 待ち人きたらずのポーズで生めかしくもう 一度南関に寄りまし た 3俺は南に持たれて小田原の方を斜めに 長めありました旅姿にはそういいありませ んが邪念のないポーズが妙に悩ましく やるせなくこれが街道切っての女々かろと あだ名を取った姉は誰が思う でしょうしばらくすると大磯の方から とぼとぼと来た若い男うつ心におれんの そばを通って小田原の方へ駆け抜けようと しますラカに持たれて速歩を向いた女が 少しばかり悩ましげな様子をしたところで 元より泊りを急ぐ旅人の足を止めさせる はずもありませんちょいとオレんは後ろ から素晴らしいメツソプラノを浴びせまし た川を絆創にして人の胸に食い入るような 滑らかな声です若い男は空足を踏んで 立ち止まりましたちょいと泉屋の番頭さん え振り返ったのは夕までもなく泉屋の手代 で京都へ嫁入れするお蝶の元の飯千松の 旅慣れない姿です私を忘れはしないだろう ねおお前さんは命の音人を忘れちゃすま ないわね千松はほっとした様子で川風に ほれた瓶を撫で上げました慣れない2日の 旅が深刻に疲れを刻みつけてはおりますが 評判の青白い顔は泉の裏口へぶらさがった 時のままで他も楔も聞いた様子はなく相 変わらずのっぺりとしたいい男ぶりです あの時の方でしたか忘れようとしても 忘れるわけはございませんがあんまり吹い でびっくりしましたお前さんもやはり髪型 へいらっしゃるので週末は少し顔を長くし て2日の旅にも何の疲れも見せぬ女が世に も不思議なもののように見上げるのでした やはり髪型はご挨拶ね私は旅から旅へこう 歩くのが土星さそれはそうとお前さんも私 の言うことが身にしみて死神と縁を切った らしいのねありがとうございますその説の お礼も申しませんが言葉に従って無が夢中 でここまで嫁入り行列をつけてまいりまし たこれからどうなることやら私にも検討が つきませんが嘘も胡蝶もなく江戸から20 何里を夢心地にたどったのでしょう傘も かっぱもキハもわらじさえなくきなしに 朝倉をつっかけたまま横丁の先頭へでも 行くような格好で薄くなってきた夕風に 震えていいのです お前さんはそんな格好で今のりをする

つもりかい俺れんは今更ながらこの男の桁 を外れた非常識に呆れ返ってしまいました ええとんでも ない好きさえあればお嬢様に会ってどこ からでも江戸へ逃げ帰ります飛びをして いる間もなくまた支度をしたところで無駄 でございますお前さんみたいな無法な人間 はないよあの通り厳重な行列だものどこで 娘さんと会えるかも分からず会ったところ ですぐ連れ出せると限ったものではない 京都までは行かないまでも府中や宮までは 行くつもりでなきゃだめさそうでしょうか 明日は箱根のお席書へかかるんだよその 風景じゃ最もささっぱなんか担いでとめ られたら安菜の狂乱でも踊って見せる気 なら通れるかもしれないが さでございましょうかおれんは自分の言っ たシレがおかしかったのかそれとも千松の 迂闊な返事が面白かったのか怪しい橋の 欄間がゆれるほど声を立てて笑いまし た笑い入ったら何より先に束を変えるんだ ね え金はお持ちだろう俺はずるそうに笑い ながら妙なに触れていき ます4金はと聞かれても千松は別に驚きも しませんでしたお嬢様からお預かりした 財布に100両ほどありますがこれには手 をつけたくはございません相手を所属かろ のれと知らないにしてもこれはまたあまり に開けっぱなしです馬鹿だねお前さんはの ぎりでそんなまけなことを考えるのさオレ はじれったそうに橋板をトントン 踏み鳴らしましたこれは使っちゃ私の 心持ちがすいませんお嬢様から手切れ金を 取ったようで手切れお笑いくだすっちゃ 困りますがお嬢様からお預かりしたこの 100両を使ってしまえばにとお嬢様に 会えないような気がしてなりません まあこの男ののバカバカしい憶病と具に 近い順序はどんなにおれを驚かしたこと でしょうその他のお金と申しては私の財布 に2部2種と56問ほど入っているだけで ございますもらいためた給金はみんな支合 人の護兵さんに預けてありますがにわかの ことで受け取る暇もなく出てまりました これだけの路でははごちんと船ち橋で初発 に参りますかしら日が伸びると昼だけは 抜かなきゃなりません私はそれが心配で俺 もこう言われてはしばらくにのが告げませ ん人のものを我が者に暮らしている自分と 引き比べてそれはまたなんという融通の 効かない人生感でしょうお前さんのような わけのわからない人間を私は見たことが ないさでございましょうか100両ありゃ 京都まで揃いをして8倍で通せるよ

バカバカしいどうせお嬢さんを助けるため のつじゃないかれんは子供投げにカッパし ますがさでしょうか千松はまだ腑に落ち ませんそうともさ第一その足付きじゃあと 1日歩かないうちにそまを踏み出せよ泉屋 の行列に遅れた日にははぎしたってつく ことじゃない明日からなりもっこなりに 乗って祝って後をつけてお やり命の恩人の言うことに嘘はない よ滑らかな教師が夕風を振るわせて酒の 川波に消えこみますこう何物が入ると どんな無法な言葉も白彩らしく男の耳に 響くの でしょう最も千松は死にたくもなんとも ないくせにブラブラと首をつった自分を これも出来心らしく助けてくれた俺んに そんな大した恩義を感じていたわけでは ありませんが同時にまたこれが名手の所属 で3万両の大きい餌を狙っていることは知 よしもありませんそれはそうと千松さん私 は不思議でたまらないことがあるんだが 泉屋の行列のうちであの12竿の長持ちは 一体何が入っているんだええれんの下は 極めてさりげなくこう秘密の確信に触れて 行きますあのうの橋さまでは江戸を立つ前 の晩よそから持ち込んだっって言うじゃ ないかそれに世間では泉屋の屋台骨が歪ん で日本橋小と言われた娘を溜まった払いの 形に髪型へやるくらいだからあの長持ちの 中だって安の思いが入っているやら庭の靴 が入ってるやら分かったものじゃない どうせ思いつらだと言っているじゃないか お前さんはその辺りの様子は知っている だろう一体あの中には何が入っていいの さ後手に後ろでにラカを伝わって千松の方 へ近づくおれん薄い夕風から男の体をかっ てやるよう こ問いかけまし た 5そんなこと私不が知っている通りはあり ませんみんな支配人の五平さんが飲み込ん で1人で取り仕切ってやったこと で12さの長持ちの中は何とおれんの 投げかけた罠も千松にとっては何の聞き目 もありませんでしたこの恋に狂う男は12 差の長持ちの中よりもお蝶の小さい胸の中 を測りかねて生きている勢いもないほど 打ちしれていたのですそれでもお前剣闘 くらいはつくだろうじゃないかとレは なかなか諦めきれません知る知らないは ベスとしてこの男の口からでもなければ 泉屋の中であの番怒ったことを知る便が なかったのですあれは小のが持ち込んだ まま誰も手をつけませんほぐしも荷造りを 直すとかなんとかしなかったかい私がいる

うちはどうもしませんが私があの店を出て から先はどんなことがあったか分かりませ ん塩物がアホ払いにされてから泉屋の行列 が振り出すまで本の一晩その間12竿の 長持ちを解いてなんか最高するということ は酔いの技ではあります そうすると長持は桜田町のほったの屋敷 から持ち込んだまま何の工もしなかったと 見るのが当然でしょう木回るオレは千松の 口占いを引くうちにもあれからこれと 理詰めに物を読み続けており ますところで小の旦那はどうしてあんな ものを持ち込んだのだそれはどんなわけか 一向存じませんがなんでも泉から小の旦那 をお嬢様の親元にお願いしたそうでなんだ とえ町人同士の言にはそういありませんが 髪型まであれだけの行列を組んで持ち込む のですから親元にはせめて自分の方でない と幅が効かないこうしゃって番頭の五平 さんは小の旦那をお願いしたという話で ございますそんなこともあるのかね俺は さえない顔をして頷きました同じ店の中に いるくせに何にも知らずに暮らしてきた 千松の上さを笑う前によくもたんだ番頭の 五平の親さにほんの少しばかり気をくらし たのでし た小の旦那が持ってきたのはあのうちの 発さだけだろう へえなんかそれには目印でもあるのかい俺 はとうとう最後の疑問にこぎつけました さりげなく美しい顔を傾けてプレイ河へ 遠く目を放っているようですが胸は異様に 波打って週末を盗みみる目はきらりと 怪しい星のように光り ます泉屋に元からあった4さの長持ちは小 様の持ってきた八竿と並べて同じように 荷造りしましたからちょいと見たんでは どれがどうと分かるどはございませんが バトさんがいちいち番号を打ったようです から小の旦那と2人だけはよく分かって いることでございましょうありがとうそれ で検討がつきそうだその上は小の旦那が 持ち込んだのはどれかそれが分から なけりゃせめて長持ちの番号はどこから 打っていったか分かると申し分はないんだ がお前さんもそれだけは思い出せない だろう ねの調子は少し媚を含んで催眠術師のよう にじっと千松の顔を見つめましたこの 流し目を浴びせられたら大概の人間は嘘で もいいから相手の満足するような答えを 放り出したくなることでしょうそれが 不思議で私どもは濁には慣れております からどんなにたくさんあっても武屋敷で できた荷物と商人のこらえた荷物とは

たった1目で分かりますええ俺は思わず ラカから離れまし た 6武形式で作った荷物と町人のこえた荷物 はたった1目で見分がつくと聞いておれん は全く飛びつきましたそれじゃ教えてお くれ12の長持ちのうちどれがほったの 下屋敷でこらえたのでどれが泉屋の難度で できたのだえ少し目の色が変わったかも しれませんそんなに手軽に目利きができる ものなら命がけで長持ちを打った南子焦げ たなどは全くバカを見たことになるわけ ですそれは無理でございます私の目で見た 上であれはどうこれはこうというので なければとても口では申されません中物の 調子はこんなことになると妙に落ち着き 払って職的な誇りさえ加わりますなんで それじゃつまらないおれんはがっかりして しまいましたそんなことなら何も乗り出し て喜ぶまでもありませんじゃあバゴはどう ったかそれくらいのことは知っている だろう小の旦那の持ち込んだのが若いとか 泉屋のが先だとかそれは分かっております と言うと近々と匂う顔レの息は千松の 寂しい方にかかりました1番から12番の 長持ちのうち1と6と7と12が泉屋で こえたのであとは小の旦那が持ち込んだの でございます え番号札は長持ちの上に打ってあります から誰が見ても一目で分かりましょう 間違えるようなことはございませんすると その長持ちのレはつとよりましたいつの間 にやら青白い手代の顔を見つめて胸ぐらも 取りかねまじき様子になっております最も 女が美しいせいで当の千松は相手の激しい 気持ちに気のついた様子もなくいくらかで もお役に立つのを喜ぶと言ったように わずかばかりの優越感にさえ浸りながら こうそぞろ心に語り進むのでしたえなん です週末が東京の声を出すとレは目にもの 言わせてその口を閉ざさせました泊まりを 急ぐ客が2人3人オレんと千松のそぐわ ない様子をいぶかるようにじろじろと 見回しながら通っていったのですけすな息 だよところで番頭さんお前さんは神奈川で 老人が長持ちをぶちわるの見ていたん だろうね俺は最後の旅人の一軍を見送って から心せわしくこう尋ねましたいました ともそれじゃああの2つは小の旦那が 持ち込んだのかそれとも泉屋から出たのか い問いはいよいよ確信に触れてれんの神経 はかそのように鋭くなります欄間へかけた 手はいつの間にやら千松の肩にかかって 決まり悪そうにもじもじするのも構わず その唇の動きまで見落とすまいとする様子

でし たあれは襟にえって真ん中の2つを壊した んで番号で言えば6番目と7番目でした え2つとも泉でこらえた荷物に間違いは ございませんそうするとおれは少しどり ました打ちわった長持ちは神奈川地区で 作ろって12日遅れてくるとか言いました から後の10竿の長持ちのうち1番先と 1番後が泉屋のでその他のは小の旦那の 持ち込んだのでございます週末には邪念が ありませんそれだけ話すともう聞くことは といった調子でこの夕張に燃えるような 美女の顔を見つめておりますありがとう ワトさんそれで何もかも分かったその礼に はお前さんを明日とも言わず今晩中にお嬢 さんに合わせてあげようえそんなことが そんなことができるでしょうか塩松の顔も 立ちまち押し付けを失ってくわっと酒の夕 に燃え ます

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