小池知事“肝煎り”「018サポート」3割未申請…原因は複雑手続き？　高校無償化は拡大【もっと知りたい！】(2023年12月6日)

　東京都の子育て支援に新たな動きです。高校の授業料無償について、所得制限を撤廃する方針が明らかになりました。一方、18歳以下の子どもに来年1月に6万円を支給する「018サポート」の締め切りが来週に迫っていますが、3割が未申請です。その実態を取材しました。

■所得制限撤廃の方針　都の子育て支援に動き

　東京都　小池百合子知事：「国に先行しまして、高校の授業料の実質無償化。これで大胆に一歩踏み出すことになります」

　6日現在、東京都による高校授業料の支援は、世帯年収910万円未満を目安に実施されています。

　都立は国の支援で無償化され、私立は都が国の支援に上乗せして、授業料の平均にあたる47万5000円を上限に助成されています。

　都は、この所得制限を来年度から撤廃する方針で、すべての高校の授業料が実質無償化されることになります。

　対象となるのは、都内に住む高校生の子どもがいる世帯で、通う学校が都内に限られるかどうかは検討していくとしています。

　これまで支援の対象外だった都内の家庭は…。

　世帯年収910万超　東京在住　子どもが24歳・高2：「都立に通っているので年間で12～13万円払っている。物価も上がっているし、子どもが育てやすくなるから助かる」

　世帯年収910万超　東京在住　子どもが中2：「経済状況を考え、公立に主眼を置いてしまっていた」「（Q.このニュースを聞いて私立ありだなと感じた？）そういうのもありだなと思った」

■神奈川も独自制度「川渡った所で差が出る」

　川を挟んで反対側の川崎市も、神奈川県独自の制度で授業料への補助をしています。しかし、年収の目安が750万円未満の世帯に限られるうえ、県内の高校に通う生徒しか対象になりません。

　神奈川在住　子どもが8歳・6歳：「東京に住めば私立も無償化になるのであれば、ちょっと魅力的。東京の方に引っ越しとかも考えるようなニュースかと思う」

　神奈川在住　子どもが中2・小4・小1：「川渡ったちょっとの所で差が出るのはどうかと思う。うらやましいと言われればうらやましいが、（東京は）住んでいる所が高いからトータルではトントンかな」

■都内在住18歳以下対象「018サポート」

　小池知事“肝煎り（きもいり）”の子ども向け支援はもう一つ。都内に住む18歳以下を対象にした「018サポート」です。

　1人あたり月額5000円を給付するというもので、今年9月に申請が始まりました。

　来月支給を受けるためには、15日までに申請する必要があり、残り10日しかありません。

　子ども2人（40代）：「申し込みました。子ども2人いるので結構な金額になるので、すごく助かる」

■3割が未申請…手続きが複雑？

　しかし、3日時点で、まだ申請していない対象者はおよそ3割にも上ります。理由は手続きの複雑さにあるといいます。

　子ども2人（30代）：「（Q.018サポート申請は？）まだやってないですね。なかなかサイトがつながりづらくて、やりたい時にできなかったので」

　最近、子どもが生まれたばかりの武隈アナウンサーが申請してみると、項目が多く、完了までに20分以上かかりました。

　武隈アナウンサー：「結構（項目が）多い。住民票のコードとかマイナンバーは隠さないとなんですね」

■「4人で2時間くらい」代理申請は委任状必要

　1人でも大変な申請、大家族ではなおのことです。

　6人の子どもの母　迫田佐智子さん：「1人30分くらい。4人で2時間くらいはかかったかなと思います」

　番組が取材したのは、子ども6人の大家族・迫田さん一家です。

　対象となるのは4人で、人数の多さもありますが、18歳の長女の場合は成人のため、自分で申請する必要があり、親が代理で申請する場合は委任状が必要です。

　迫田さん：「バイトの時間とか部活の時間とか、そういうのとかを合わせると、その18歳の子の委任状をもらって申請するまでは1日2日かかったかな」

■申請手助け…家電量販店「困りごと解決の一環」

　期限が迫るなか、申請を手助けする異例のサービスを行う家電量販店もあります。

　子ども2人を連れて来た家族は、30分で申請が終わりました。

　ノジマ忠生店　須田悠介店長：「地域でお客様に寄り添ったコンサルというところで、お客様の困りごとを解決する一環で会社としては12月中旬ごろまで実施する予定」

（「グッド！モーニング」2023年12月6日放送分より）
[テレ朝ｎｅｗｓ] https://news.tv-asahi.co.jp